システムエンジニアの晴耕雨読

システムエンジニアの晴耕雨読

2014.07.23
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カテゴリ: 書評・読書メモ



青土社

1988年刊


 マイケル・ポランニーが指向したこと・・

 ≪正常であることへ戻る欲望≫

 それは、≪分野ごとに分散化された科学の諸理論をabnormalと見なし、

 人間は何故思考するのかという問題の根源に立ち戻ることを自ら課した

 ことを反映するものであった。≫

≪・・マイケルはノーマルと表現した姿勢や方向に沿って、



 生命の進化、
 DNAの役割、
 意識の発生、
 時間と空間論の取り込み、
 精神と身体の関係と
 「外部」と内部の対立

 までも一つの理論で語れることに確信を持っていた。≫




 人間の認知の仕組みは、三組元素の積み重ねの中にある。

 あるものを認知するということは、それ以外のものを「排除」し、対象浮かび上がらせること。

 排除された中味は内部であり、それ以外は「外部」である。
 だから、認知とは、あるものの「外部」からの排除にほかならない。


 感知を統合することで、認知にいたる。「知覚」


 三組元素とは、

 (A)全体従属的感知

 (B)CEへの焦点的感知

   CE=comprehensive entity 包括的全体

 (C)人(人格)

 である。

 (A)手がかり

 (B)焦点的目標

 (C)人

 とも、言い換えられる。

 (A)我々が未知の国の風物からなにものかを読み取り、

 (B)それを言語を用いて表現し、

 (C)それを友人が読んで手紙の文章の意味を再び読み取ってくれる

 というものである。


≪層はハイアラーキーを成しており、一つ下の層は一つ上の層に全体従属的に働く。

 そして下位層はそれ自体の三組元素的要素を持っている。≫



≪すべての物事に対する我々の一般的視座は、マイケル・ポランニーに導かれて、

 ある「実体」はつねに上位原理から見た場合にのみ実体であり、

 下位原理を形成する素材(従属物)から見た場合は「虚構」になるということであった。≫




「精神は身体のメカニズムの意味である。

 しかしその意味は身体のメカニズムだけに焦点をあわせて見るときに見失われるのである。」『知と存在』


≪つまり、精神は身体のメカニズムに対して、一つ上から制御あるいは活用する原理であり、

 下位の精神に対して諸細目の位置にくる身体のメカニズムに対しては包括的全体として意味となるのだ。≫



≪精神にはそれ自体精神のより上位の原理によるかたどりと周縁制御の原理に基づいての問題がある。

 おそらく精神分裂症はそこに依属する問題だろう。≫




 人間の持つ最高の創造的能力を含むすべての思考の元は、身体にある。

「知的にも実践的にも、身体はすべての我々の外界についての知識にとっての最終的装置である。」『暗黙知の次元』



≪かくして、精神の活動はいわゆる思索や芸術活動の中にだけあるのではない。

 技能や運動遂行の中にもある。≫

≪運動や身体動作もまた実はひとつの思惟である。≫




≪ポランニーが「層」の積み重ねとして世界を主張したのも、

 様相や局面の多様性を強調したのも、すべては「動き」の根幹を知ろうとしたからだ。≫



≪下位のレベルが一つ上位のレベルを生み出す行為を、ポランニーは創発(emergence)と呼んだ。

 この創発は人間の誕生以降は人間の知(knowing)という形態を採る。≫



≪マイケル・ポランニーによるならば、直観は、人がみずから使用する手掛かりも、それを集約する原理も、

 同定できないところに働く力である。

 そして、それはあくまでも全体従属的レベルで働く。≫


≪直観は、意味を生み出す最終かつ直接の力である。

 また、直観はいわば、生命を吹き込む力だと言ってもよい。≫

栗本慎一郎「意味と生命





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最終更新日  2014.07.23 21:51:09 コメントを書く


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