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純文学の小説を中心に読書録を書いています。基本的にネタばれしています。
小説の構成や描写技法を中心に考察しているので、小説家を目指す人にとっては参考になる部分もあるかもしれないし、小説家を目指すつもりでない人も次に読む本を選ぶ参考程度にはなるかもしれません。
古いほう読書録はほとんどこのブログへの訪問者がいなくて日記代わりに雑感をメモしていただけなので他の人が読むほどの内容じゃないです。自分で読書録を読み返してもあらすじを思い出せない本があって、もうちょいあらすじなり特徴なりを詳しく書いておけばよかったと反省したので、最近は時間をかけてちゃんとレビューするようにしています。
いち本好きとして良いと思った小説は賞賛して悪いと思った小説は罵詈雑言を浴びせているのですが、小説の感想というのは個人の知識や価値観を反映させるので、結局のところ自分で読んでみないと意味がないのです。
ネットの中をさまよって偶然この読書録にたどりついた人は、面白いと賞賛しているのを読んでみたり、逆に罵倒している小説がそんなにつまらないはずはないと読んでみたりするのもよいでしょう。
この読書録がきっかけとなって他の人にも本が読まれることで、小説の発展にほんの少しでも貢献できればよいと思っているのです。

 ∧ ∧
(=‘ω‘ =)つお勧め本
辻原登『東京大学で世界文学を学ぶ』
辻原登『東大で文学を学ぶ ドストエフスキーから谷崎潤一郎へ』

評価基準:
★★★★★:感動したニャー
★★★★☆:技術や感性に芸術性があって面白いニャー
★★★☆☆:暇つぶし大衆小説程度ニャー
★★☆☆☆:描写技術や知識が出版に満たないレベルニャー
★☆☆☆☆:ゴミニャー

 ∧ ∧
(=‘ω‘ =)< Amazonのほしいものリスト から私にギフトを送れるよ。
2024.06.17
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6月のEU議会選挙だと中道左派の欧州刷新が議席を減らして中道右派の欧州人民党が第1会派になって、右派の欧州保守改革、極右の国民連合も議席を増やしていて、EUの各国で左翼の環境政策や移民政策に対して揺り戻しが起きて右傾化している。NEWSWEEKの「​ イタリアの移民法令は茶番。メローニ首相が欠陥を認め法律を変える ​」という記事によると、イタリアでは移民を規制するはずのボッシ・フィーニ法がかえって不法移民を増やすことになっていて、メローニ首相が法律の欠陥を認めて修正するそうな。EUの移民・難民の受け入れと多文化共生は失敗したし、アメリカもバイデンの不法移民対策が不十分で次の大統領選挙ではトランプが優勢とみられていて、トランプが当選したらアメリカだけでなく世界の移民政策の転換点になると思う。前に​ アイデンティティと移民について考える ​という記事でも考えたけれど、移民問題は世界の勢力図を変えうる重要な問題なので、多様性と移民について考えることにした。

・移民がもたらす多様性

国の伝統的な料理を作る料理人には就業ビザが出るし、料理人は学者や芸術家よりもなりやすいので、移民は飲食店で働く人が多い。東京だと世界のいろいろな国の郷土料理のレストランがあるので、東京で食べ歩きするだけで世界を観光する気分になれる。代々木公園ではブラジルやタイとかがフェスティバルを開催していて、ライブやダンスをしたり服や雑貨や料理を売ったりしている。服や音楽は日本人とは違う感性なので、アーティストにとってはインスピレーションをもらえるよい機会になる。
スポーツだと世界中から才能がある移民が集まることで、外国のトレーニング方法や戦術が取り入れられて国内の技術水準が引き上げられていく。黎明期のJリーグがラモス瑠偉とかの外国人選手に引っ張られたり、最弱だったラグビーの日本代表がニュージーランド出身で日本に帰化したリーチ・マイケルをキャプテンにして躍進したり、相撲で外国人力士が横綱になって国外にも相撲人気を広めているように、スポーツには良い影響がある。
良い影響だけでなくて悪い影響もある。犯罪も多様化して、地下銀行の不正送金、違法賭博、薬物の密輸、密漁、詐欺、売春、人身売買、身分証の偽造、通貨の偽造、盗品の売買、不法就労などが行われてギャングの資金源になる。警察官が外国語がわからなくて捜査しにくいし、逮捕できても捜査が不十分で不起訴になりやすいし、犯罪の収益を正直に確定申告して税金を払う犯罪者はいないので、ギャングが勢力を拡大しやすい。ヴァンダリズム(器物破損)も起きやすくて、イスラム教徒は異教徒の寺や神社を破壊するし、自称芸術家が建築物に落書きしたりする。犯罪でない軋轢も起きて、パーティーをやる文化の外国人は壁の薄い日本のアパートで大勢で騒いで近隣住民や大家とトラブルを起こす。
良い移民は移住した先で良い影響をもたらすし、悪い移民は悪い影響をもたらすし、移民が良いとか悪いとかの二元論でなくて結局は個人次第なので、誰でも移民を入れれば国が発展するわけでもない。欧米の移民政策が失敗した理由は明確で、就業ビザを取ったり留学したりする正規のルートで入国する民度が高い移民でなくて、高度技能も学力もないのに無理やり国境を越えてくる順法意識がなくて民度が低い不法移民を大量に入れたのが原因だろう。
移民の良し悪しは個人次第とはいえ、ある程度の国民性が出る。日本も貧しかった頃にアメリカや南米に移民を送り出したけれど、日系アメリカ人は第二次世界大戦で奮戦したし、南米の日系人は働き者で荒地を開拓して農園を作ったし、努力して自分の居場所を作っている。
中国は世界に移民を送り出しているけれど、中国企業の従業員としてアフリカや中東に行く労働者から英語を覚えて欧米に行く大卒エリートまでピンキリで、エリート層は勤勉で働き者で中国人同士で助け合うので起業や投資で成功する人も多い。それは移民としては良い特性だけれど、その一方で世界中にチャイナタウンを作って現地に同化しようとしなくて景観を破壊するし、移民1世は勤勉でも2世や3世から不良が出現して犯罪をするし、無宗教で欲への歯止めとなる思想がないので事業が成功しても典型的なモラルのない成金になってスポーツカーで暴走して人を跳ねたり買春しまくったりするし、中国のプロパガンダを拡散したり産業スパイをしたり政治家にハニートラップを仕掛けたりして中国共産党の手先として活動したりするので、世界各地で嫌われている。
韓国人は世代によってだいぶ違う。日本では戦後に朝鮮半島からの不法入国者の対処に苦慮していて、Wikipediaの特別永住者のページによると1949年に在日朝鮮人が100万人いてその半数は不法入国だそうで、犯罪を犯すものが多くて日本の復興に全く貢献していなかったそうな。特別永住者の韓国人移民1世は強制連行されたと嘘をつく人や生活保護に頼って働かない人や暴力団に入る人や反日活動をする人もいた。しかし最近の韓国は超学歴社会で若者がまじめで勉強熱心なので外国に行く人は英語ができるし、日本に来る人は日本語もできるし、インターネットの普及後は反日教育の洗脳も解けたようで教養がある層は日本を敵視しているわけでもなくて優秀で、日本のゲーム会社やIT系企業の役員の名前を見ると韓国系だったりする。

・多様性を尊重する必要がないものもある

たいていの先進国は歴史や伝統があって固有の文化が出来上がっているので、その幸福の形を余所者や新参者に変えられる筋合いはないし、その国の法律に従えないのは多様性を尊重するとかしないとか以前の話で、どの国籍や宗教であれ社会の構成員として不適格である。言葉がわからないからといってゴミ捨てルールを無視して不法投棄していい理由にはならないし、役所の手続きがわからないからといって納税しなくていいという理由にはならないし、宗教の戒律に書いてあるからといって異教徒を殺害していいことにはならない。
結婚とかの人権に関する部分はマイノリティーを尊重しないと人権侵害や差別になりうるので法律を変える必要があるだろうけれど、生活習慣に関する法律はマイノリティーにあわせて変える必要はないと思う。例えば尻割れズボンを履いて道端で子供にうんこをさせる民族や、うんこの後で指で尻を拭く民族が自分の国でそういう生き方をするのは勝手にすればいいけれど、トイレが整備されている国ではその不衛生な排泄の流儀を尊重する必要はないし、マイナス方向の多様性はいらない。

・DEIの欺瞞と失敗

DEIとはDiversity Equity & Inclutionのことで、意識が高くて目覚めた企業や大学の人材活用のスローガンのようなものとして扱われている。Diversity(多様性)は文化や宗教や人種や民族や性自認や障害などの個性を尊重すること、Equity(公平性)は機会の公平を追求すること、Inclusion(包括性)は組織にいる多様な人を認めて組織に活かすことを指す。
個々の要素を見ると大事なことを言っているように見えるけれど、この取り組みがうまくいっていないようで、スペルを並べ替えてDIE(死)と皮肉を言われているそうな。アメリカでは保守的な共和党員がDEIに反発していて、リベラルによるDEI推進への反動からDEIを解体させる動きも起きていて、例えばフロリダのHouse Bill 999ではフロリダの大学でDEIを促進させるプログラムに資金を提供しないことにして、急進的フェミニズムやクイア理論とかの批判的人種理論に関するプログラムを禁止したようである。Xは30人いたDEIチームを2人に減らしている。
ではなぜすばらしい理念を掲げたはずのDEIはうまくいかないのか。保守派が頑固だからというより、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンのそれぞれの概念が単体なら成立するけれど、同時に成立しないものを全部いっぺんにやろうとするところにリベラルの欺瞞があるのでうまくいかないのだと思う。ダイバーシティとインクルージョンが両立しないのは生物を例にするとわかりやすい。生物の多様性を大事にしたいときは環境を保護する必要があって、例えば日本固有種のタナゴを保護しようとしたらタナゴがいる池に外来種を入れないようにして環境を保全して生息域を分ける必要がある。ところがDEIはタナゴは他の生物を排斥したがる差別主義者でオオクチバスもヌートリアもウシガエルもジャンボタニシもオオカナダモもインクルージョンしてお互いを理解して個性を尊重するべきだと言ってタナゴの池に外来種をどばどばぶち込むようなものである。料理に例えると、ラーメンとカレーとうな重と刺身とピザと麻婆豆腐とおはぎとケーキとクッキーとコーラと抹茶はそれぞれ違うおいしさがあるし、相性が悪い味や素材は除外するほうが味の個性を出せて多様性が出るけれど、DEIは全部混ぜて一つの料理として提供しようとしたり、ケーキの材料に果物だけ使うのは差別主義者で刺身にもケーキの食材になる機会を公平に与えるべきだと言ってケーキにマグロを飾ったりするようなものである。化学物質で言うと、酸性洗剤を差別主義者だと批判してアルカリ性洗剤をインクルージョンして有毒ガスを発生させるようなものである。DEIを推進するリベラルはこういう非合理なことを人間の社会でもやろうとして、自国の文化を多様性のうちの一つとして尊重せずにダイバーシティの根源になる文化や伝統や価値観などを破壊しようとするところに矛盾がある。ダイバーシティを尊重するならむやみにインクルージョンしてはいけないし、インクルージョンしたいのならダイバーシティをあきらめてある程度同化させて軋轢を生まないようにする必要がある。
人間が顔と名前を憶えて安定的な人間関係を作れるダンバー数は150人程度と言われているけれど、DEIを推進している意識が高いリベラルのエリートたちは自分の交際関係の150人の中に自分と価値観が異なる人を加える気がないのも欺瞞である。エリートは新自由主義の金持ち同士で交流してDEIを推進して自己満足する一方で、実際に価値観が合わない人の近くで生活する庶民が軋轢の犠牲になる。アメリカのように黒人奴隷の解放後に黒人をアフリカに送り返すわけにもいかなくて異なる人種で差別せずに仲良く一緒に暮らせるように知恵を絞るのはわかるし、インドやロシアのような他民族多宗教の国家が自国内の民族や宗教の違いを尊重して民族紛争や独立をしないように配慮するのならわかるけれど、EUのようにわざわざアフリカや中東から言語や宗教が異なる移民を呼び寄せたがるのは意味が分からない。
ポーカーだと同じマークや同じ数字のカードを集めると手が強くなるけれど、これは国や企業でも同様で、大きな組織で構成員が多様になるほど団結するのが難しくなって、団結力がない烏合の衆は弱くなる。17世紀にオランダがインドネシアを統治していたときにはインドネシアの民衆が結束しないように共通語を作ることを禁止したり、3人以上の立ち話を反乱罪として禁止していたりしていたように、支配する側からしたら搾取の対象は結束しないで分断している方が都合がいい。企業が社内人事でDEIを推進してLGBTや障碍者や移民を幹部に登用するのは勝手にやればいいけれど、短期間の任期中にできるだけ高い報酬が欲しいグローバリストの外国人役員と、利益を伸ばすことよりも女性の地位を上げるのが目的のお飾りのフェミニストの女性社外取締役と、子育てして家のローンを払い終えるまで長く安定して働くのが目的の正規雇用の従業員と、早くキャリアアップして転職したい新卒と、低賃金でも無職よりましなので我慢している非正規雇用の移民で、それぞれの目的もモチベーションもばらばらなのに多様性があってお互いを尊重してすばらしい組織ができるかというと無理だろう。東日本大震災が起きたときに在日外国人が一斉に帰国したように、国家や同朋のために尽くす意識が根底にない人を寄せ集めたところで有事の時には結束が弱い所から崩れていく。多国籍企業のジョイントベンチャーや外国企業のM&Aも失敗が多い印象がある。銀行のシステム統合が難航して失敗しているけれど、人間の社会も異なる文化を安易に統合できるものではない。

・移民の経済合理性

欧米が何で移民を入れたがるかと言うと、国民が子供を産んで20年かけて育てるよりもすぐに働ける大人の移民が来る方が早く労働人口を増やせるからだろう。企業にとっては労働者のアイデンティティはどうでもよくて自国民だろうが移民だろうが働いてくれるなら利益が出るけれど、金儲けのために移民が欲しいと公言すると感じ悪いので、多様性や多文化共生を方便にしているんじゃなかろうか。移民が来て人口が増えても通貨の流通量が変わらない場合、貧しい移民が使う分の通貨が手元になかったり、移民が就職したらしたで仕事を奪われた人の収入が途絶えたりして、需要があっても通貨がなくて商品が売れなくて消費が伸びない。そこで自国通貨建て国債(=自国通貨)を発行して、直接通貨を給付するか、公共事業などで仕事を作ってどこかの会社で雇って賃金として通貨を与えると需要の分だけ消費が増えてGDPが増える。通貨を直接給付する場合は供給力が増えなくて、移民に仕事を与えて賃金として支払う場合は供給力が増える。アメリカの人口は1970年には2億人程度だったのが2022年には3.3億人程度まで増えていて、人口に占める移民の割合が1970年には4%台だったのが2022年には14%台まで増えていて、移民の労働力によって産業が支えられているので労働人口の増加分に相応の自国通貨建て国債を発行しても問題ないわけで、国債発行額が増え続けていても毎回債務上限額を引き上げながら国債を借り換えしていればよくて、国債を償還しなくても財政破綻論者がいうような膨大な借金で通貨の信任がなくなってハイパーインフレになって通貨が紙くずになるような事態にはならない。
移民をわんさか入れて需要と供給を増やして経済成長させる目的で新自由主義グローバリストの政治家や学者や経営者は移民を入れたがるけれど、人間は経済合理性のために生きているわけではないし、国のGDPが増えて企業の利益が増えても強欲な経営者が労働者に分配しなければ国民の所得は増えないので国民の幸福度が増えるとは限らない。アメリカは世界一の経済大国だけれど国内は人種と宗教と格差で分断して犯罪が多発して国民の不満が高まっていて、バイデン政権下では不法移民が730万人も流入したそうで、バイデンでさえ次の大統領選挙に備えて国境対策の法令を出したけれど、アメリカ国民はより厳格な不法移民対策を求めている。特にメキシコと国境が接しているテキサスは1835年にテキサス革命を起こしてメキシコ軍と戦ってメキシコ合衆国から独立してテキサス共和国を作ってからアメリカ合衆国に併合された経緯があるので愛郷心が強くて、そこにメキシコから郷土愛がない不法移民がわんさか来るのが我慢ならないようでバスで不法移民をニューヨークに送り付けていて、テキサスの独立を目指して運動をするテキサス・ナショナリスト運動も出てきている。
それに移民が来たら食べ物や衣類や住居やエネルギーとかの需要はすぐに増えるけれど、移民が福祉に頼って働こうとしない場合や、言語や技術の教育が不十分で労働者として役に立たない場合や、不景気で仕事がない場合や、窃盗や麻薬の売買などの不法行為で生計を立てる場合や、犯罪で収監された場合は供給力は増えない一方で福祉の負担が増える。その場合は需要に対して供給が足りなくなるので物不足でインフレになって福祉の負担も増えて、貧民ほど悪影響を受けてインフレで高騰した家賃が払えなくてホームレスになったり、犯罪や薬物中毒とかで治安が悪化したり、刑務所に犯罪者を収監しきれなくて早期に釈放されて再犯したりして内政問題が慢性化して深刻になって、移民で経済成長するどころか景気減速要因になる。企業は働く移民を選別して儲ける一方で、働かない移民のしわ寄せは一般国民に来る。アメリカは貧乏人が働かずにホームレスになって病気になって高額の医療費が払えずに野垂れ死ぬのは自己責任として働かない移民を自然淘汰して働き者の移民を残して移民を経済成長の燃料としてこき使っているのに対して、EUはアメリカと違って働かない移民にも人道的に十分な福祉を与えてかえって移民の自立を妨げて移民を働かせられないでいるので、EUに数百万人の移民を受け入れたからといってアメリカのように経済成長するわけでもない。ドイツは人口が多くて自動車産業とかの主要な産業があるので若干景気後退してGDPが減少しているもののまだなんとかなっているけれど、スウェーデンのように人口が少ない国ほど働かずに犯罪をする移民の悪影響が早く出ている。
2015年の欧州難民危機以降は発展途上国の人にとっては緩い審査でEUの福祉に寄生できるボーナスステージで、就業ビザは技能や学歴の条件が厳しいうえに解雇されて生計を立てられなくなると在留資格を失うけれど、難民を自称すれば技能がなくても働かなくても無期限に在留できるので、本来は入国を拒まれるはずの人までEUに押し寄せた。傲慢なEUのリベラルは識字率が70%以下のアフリカや識字率50%以下のアフガニスタンからの移民を厚遇すれば立派な労働者に育てることができると思い込んでいたようだけれど、それができるなら発展途上国はとっくに経済成長している。ドイツでは5月31日にイスラム過激派に反対する団体「パクス・エウロパ」の集会でアフガニスタンの移民がナイフで襲撃して警察官を1人殺害して5人を負傷させたけれど、この犯人は無職で市民金(ドイツの生活保護のようなもの)で生活していたそうな。この事件を受けてドイツではアフガニスタンへの強制送還再開を検討するそうだけれど、送還云々よりもこの犯人はそもそも入国させるべきではなかった人物で、働かずに凶悪犯罪まで起こしてドイツに害しかもたらしていない。EUで移民政策への反発が強まったところで凶悪犯罪を起こさない限り強制送還はできないし、子孫の代まで福祉に依存するつもりでいるフリーライダーを強制労働させることもできないので、EUはもう詰んでいる。
一方でイギリスはEU移民の流入を制限したり国金保険サービスを競争から保護したりする目的でEUを離脱して、インド系移民のスナク首相でさえ純移民の減少を支持していて主要政策として不法入国者をルワンダに移送する法案を可決させたけれど、ブレグジットを主導したイギリスの保守党の政治家にはEUが移民の増加によって中長期的に衰退していく未来が見えたのかもしれない。デンマークもイギリスと同様にルワンダに亡命希望者を送ってから難民審査をしていて自称難民を国内に滞在させないようにしていて移民受け入れに消極的で、難民審査中に国内の治安が悪化することを防いでいる。
日本だと高度専門職の外国人の永住許可要件を緩和して高度人材を歓迎する一方で、難民申請や永住許可の取り消しを厳格化して素行が悪かったり独立生計を営む能力がなかったりして国益にならない外国人を国外追放しやすくしようとしていて、欧米に比べたら基準が厳しい。日本は観光ビザで入国してから難民申請するような日本語を習得する気がなくて生計を立てる技能もない自称難民は難民認定しないし、2021年には約4万6000世帯の外国人が生活保護を受けているものの在日外国人が300万人以上いる割には生活保護世帯が少ないし、基本的に生計を立てられない外国人は生活保護法の対象外で国外退去になるので、労働意欲が高い外国人を選別できているし、外国人による家畜や果物の窃盗とかの軽微な犯罪は起きているし、外国人同士の喧嘩での殺人事件は起きているけれど、日本人を対象にしたテロとかの大きな事件は起きていない。外国人留学生がバイトばかりして勉強がおろそかになっている問題はあるけれど、働く気がない偽装難民よりはましである。日本は西側諸国の中ではうまく移民とつきあっているほうだと思うし、寛容な移民政策で失敗している欧米に追随して移民の受け入れ基準を緩和する必要はない。

・宗教と政治の問題

エジプト、チュニジア、アフガニスタンでは民主化が失敗した。いろいろ要因はあるのだろうけれど、これらの国でイスラム教徒が大半を占めていることが大きな要因だと思う。宗教に敬虔であるほど経典を妄信して自分で物事の仕組みや是非を考えなくなって宗教指導者に従うようになるので、民主制で自分たちで政治家を選んでより良い生き方のために法案を作るやり方と権威主義の宗教は相性が悪い。イスラム教徒が多い国でもインドネシアやパキスタンのように独立戦争の末に独立して民主制を採用した国と、途中から民主制になろうとした国では政治に対する意識も違うようで、アフガニスタンは国民がタリバンと戦ってまで民主制を続ける気がなくてアメリカが撤退したらすぐにタリバンの支配下におかれてしまった。
ヨーロッパでも中世はジョルダーノ・ブルーノがコペルニクスを擁護する宇宙論を主張して異端審問で処刑されたり、ガリレオが地動説を唱えて異端視されて終身刑(自宅謹慎に減刑)になったように宗教的反啓蒙主義が障害になって哲学が発展しなかったけれど、宗教改革後の啓蒙時代以後はルソーやロックやヴォルテールとかの哲学者が出てきてパラダイムが変わって、宗教に頼らずに理性で合理的に物事を考えるようになって科学を発展させて、革命で王を処刑した末に民主制に移行した。一方でイスラム教では神やコーランを否定すると死刑になるので著名な哲学者がいなくて不合理な神を否定して合理的に考えるプロセスを経ていなくて、宗教に基づいて物事を考えて意思決定する中世的なパラダイムのままでいる。民主制はすばらしい体制というわけではなくて多数派による独裁に過ぎないので、政権を担う多数派が中世的なパラダイムから変わらない限り、独裁から民主制に変わったところであまり意味がない。独裁者に不満を持って民主化革命で政権からおろしたところで、合理的に物事を考えて議論で解決する能力が育っていないのだと思う。中世のアゼルバイジャンの詩人のImaddadin Nasimiはイスラム教で異端とされるフルフィズムで宗教的不寛容さに抵抗して詩の表現の自由を追求して、イスラム教のシャハーダに「神以外に神はなし」とあるのに対してNasimiは「我々以外に神はなし」という人間を中心にした啓蒙主義の先駆けのような思想を持ったことが原因でスンニ派に処刑されたけれど、死ぬときに「地上の邪悪な人たちは自分たちの意思を支配するために神を利用する」と言い残したそうな。アッラーアクバルと叫んで蛮行を正当化する原理主義者たちがまさしくそうである。
世俗化していないイスラム教徒は自由に生きれるEUに移住しても自由に生きようとせずにイスラム教の教義に従って生きて、教義が異教徒の殺害を肯定しているので法律に基づいて裁判や議会で議論して問題を解決しようとせずにシャルリー・エブドを襲撃したように短絡的に敵を殺害して解決しようとする。既に価値観が出来上がった大人を変えるのは難しいし、その親に育てられた子供も同じ価値観を継承するので、イスラム教徒の移民の子供が社会になじめずにホームグロウンテロリストも育つようになる。イスラム教徒は避妊しないし改宗もしないので、世代を経るごと人口が加速的に増えていく。数百年後にイスラム教徒が増えた頃にはイスラム教徒が自治を求めるようになって紛争の火種になって、イスラエルがパレスチナ人を追い出そうとして塀で囲って虐殺するようなジェノサイドがEU各国で起きうるし、もしイスラム教徒が勝った場合はEUの民主制が終わって白人が迫害される側になって難民として他の国に逃げてEUがイスラム化していくと思う。

・増え続ける難民

難民条約の定義だと自国にいると迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れる人々のことを難民というけれど、これは政治亡命者を念頭にしていて紛争や内戦による難民には当てはまらないので、紛争や内戦による避難民を難民として認めるかどうかは国によって違う。日本は出稼ぎ目的の偽装難民が多いので難民認定を厳しくていて迫害をうける可能性があることを証明する必要があるけれど、EUは認定が緩くてテロリストも紛れ込んでいる。
国連難民高等弁務官事務所によると、世界の難民や避難民は去年末の時点で1億1730万人で、12年連続で増加しているそうな。ウクライナ、パレスチナ、スーダン、ミャンマーとか、世界各地で紛争や戦争が起きている。香港の民主活動家の周庭がカナダに事実上の亡命をしたように、中国やロシアのような独裁国家では反体制派はスパイ容疑や内乱罪や脱税などの罪をでっち上げられて逮捕されて長期間収監されたり拷問されたり暗殺されたりする恐れがあるので、民主制の国家よりも独裁国家の方が政治的な難民が生まれやすくなる。世界では民主制の国が減っているので、今後独裁国家が増えていくほど腐敗や権力闘争が起きやすくなって難民が増えていくだろう。
国連の難民の地位に関する条約に加入している国は難民の人権保障と難民問題の解決のために国際協力しているものの、政治家や学者や経営者とかが政治亡命を希望するなら受け入れる国にもメリットがあるけれど、高度技能がないどころか就労意欲さえもなく犯罪をする難民を受け入れるメリットがない。日本は難民を受け入れないと外国に批判されているけれど、そもそも他国の内政や外交の不始末で紛争や戦争が起きているのに、なんで無関係で地理的にも遠くて言語も文化も宗教も違う日本が外国人を保護してやらないといけないのか。国連安全保障理事会の常任理事国のロシアがウクライナを侵略して、中国がウイグル人やチベット人や民主運動家や法輪功を弾圧して、欧米がイスラエルを支持してパレスチナ人に対する非人道的なジェノサイドを容認して難民を作り出しているのは矛盾しているし、常任理事国でない日本が外国の尻拭いで大量の難民を押し付けられる筋合いはないしその難民を受け入れないからといって非人道的だと非難される筋合いはない。
1億1730万人のすべての難民を受け入れる余力がある国はないので、難民キャンプの支援とかで現地で人道的援助をするのが最善である。あるいは言語や宗教や文化が近い国で保護するほうが軋轢が少なくて済む。ミャンマーはロヒンギャを少数民族として認めずに国籍を剥奪して不法移民扱いして弾圧して、バングラデシュも難民として押し寄せたロヒンギャをミャンマーに強制送還しようとして、どっちも移民として受け入れる気がなくて押し付けあっているので現地では問題が解決しそうにない。それで人身売買のブローカーが難民をサウジアラビアやパキスタンとかのイスラム教の国に密航させているように、現地に居場所がない場合は外国に帰化するのが現実的な解決策になる。
外国に移住した難民がずっと支援に頼るのも負担になっているけれど、難民だからといっていつまでも保護対象にする必要はないだろう。ウクライナ戦争で630万人のウクライナ人がヨーロッパ各国に避難したけれど、避難当初は住宅の提供や給付金とかの支援が中心でも戦争が長期化したら就職促進プログラムで自立して生計を立てるように促している。福祉に依存するだけの人はどの国でも歓迎されないし、難民がかわいそうだと同情してもらえるのはせいぜい半年くらいで、長期滞在するのに言語を覚えて就労する意欲がないのであれば福祉目的の偽装難民として送り返してもよいのじゃなかろうか。

・解決できない問題

難民や移民を受け入れれば戦火を逃れた人や発展途上国から来た貧しい人に衣食住を与えることはできるけれど、だからといって移住した先で異教徒や異民族同士が仲良くできるわけではない。例えばイスラム教徒が少ない国にイスラム教徒を受け入れると、スンナ派とシーア派の対立や宗教に基づく女性差別や同性愛差別とかのもともと国内になかったイスラム教徒特有の問題まで一緒についてくるし、それは非イスラム教徒の部外者には解決できないし改宗させることもできないので内政問題が残り続けることになる。
偽善者のリベラルはいろいろな属性の人を自分の国に受け入れただけで何かすばらしいことをしたような気分になっているけれど、紛争や対立が起きる根本原因を解決できないまま国内に問題を増やしている。インクルージョンしたからといって価値観の共有はできていなくて、例えば学校で同性愛について教育をしようとしたらイスラム教徒の親に同性愛について教えるなと抗議されるような問題が起きていて、同性愛者も同性愛を嫌うイスラム教徒もお互いに不満を持つようになる。
中国人も移住した先のアメリカやカナダで反体制派と体制派が争っていて、SNSで中国を批判した反体制派の中国系移民が体制派の中国系移民に殺されたりしている。日本でも2015年のトルコの総選挙のときの在外投票でトルコ人とクルド人が対立してトルコ大使館で乱闘して7人が病院に運ばれた。こうした国内での移民同士の対立は部外者が仲裁したりできないので、対立が過激化してしまう。だったら価値観が違う移民を入れずに別の国に住んだ方がお互いに幸せになれるだろう。
トランプは大統領だった2017年にイスラム教徒が国民の大半を占めるイラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメン6カ国からの入国や難民の受け入れを90-120日禁止する大統領令を出してニューヨーク州やハワイ州から差し止め請求を出されていたけれど、厳格なイスラム教徒と異教徒が共生できないのはEUが実証したし、パキスタンやバングラディシュがインドから独立したりユーゴスラヴィア紛争で民族や宗教ごとに国が分裂したりして歴史でも実証されているので、差別と言われようがトランプの移民政策の方がアメリカ国民の幸福にはつながる。

・私の意見

私は移民政策については保守思想だけれど、移民自体は必要だと思っている。明治時代に欧米から教師を招聘して学問や芸術を発展させたように、優れた学者や技術者や芸術家は国が大金を払ってでも招く方が日本の国益になると思う。頑張って日本語を覚えてビザを取って日本で働いたり留学したりする人の意見も日本を良くすることにつながると思う。しかし外国人技能実習制度は外国人から搾取して不幸な外国人を増やして日本への反感を増やすのでやめるべきだと思うし、偽装難民の受け入れや外国人への生活保護の支給も反対である。
欧米の傲慢なリベラルや強欲なグローバリストが難民や不法移民の増加で自滅するのは自業自得だと思うし、欧米が迷走して衰退する方が日本の利益になると思う。最近中国の新興富裕層が台湾有事を警戒して日本に移住しているように、欧米の治安が悪化して金持ちが強盗や誘拐やテロの標的になるようになったら平和な日本に行きたがる欧米の金持ちも出てくると思うし、日本は欧米に追従せずに偽装難民や不法移民に厳しく対処して治安やモラルを維持することでまともな移民を集めやすくなると思う。Preplyの「​ Expat nation: Why more young Americans than ever are emigrating ​」という記事によると、アメリカのZ世代3000人に調査したら、移住候補でイギリスが1位、カナダは2位、日本は3位で、英語が通じるシンガポールやオーストラリアよりも日本が上位で、日本が移民に媚びなくても日本の良さを理解している外国人は日本に移住したがっている。
日本は少子化だから移民を入れろと短絡的に言う人がいるけれど、人口が増えたら幸福になるのかというと違うし、人口が増えているアフリカ諸国は貧しくて教育も受けられなくて不幸な人だらけである。観光地に住んでいる人がオーバーツーリズムでモラルがない外国人が旅館で騒いだり道端にゴミをポイ捨てしたり列に割り込んだりしてうんざりしているように、移民が増えたら職場でも学校でも近所でもモラルが低いDQNが隣にいるのが日常になるけれど、それで幸福になれるだろうか。経済成長したら幸福になるかというと、アメリカで格差があるように株主が儲かるだけで労働者に還元されないと経済成長の恩恵がないし、移民に職を奪われる人はむしろ不幸になる。国民が幸福になることを目的にせず、人口を増やすことや経済成長することを目的にして国民が不幸になったら本末転倒なので、グローバリスト主導の労働力としての移民を増やそうとする政策には私は反対である。リベラルがかわいそうな外国人を救ってあげたいと聖人気取りで偽装難民を受け入れさせようとゴネるやり方にも反対で、偽装難民を支援したい人は公金にたからずに私費でやればいいし、難民申請した外国人が放免中に起こした犯罪には支援者が連帯責任を負って損害賠償すればいい。世界中に多様な文化を持つ人間がいるということを尊重して外交や貿易や観光や留学を通じて時間をかけてお互いの国を尊重できる人同士が相互理解すればいいし、日本人が不幸になってまで日本を好きでなくて日本の文化を尊重しない外国人と一緒に暮らす必要はないだろう。





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最終更新日  2024.06.24 03:10:07
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