ロン・デニス代表はシーズンが終わってから契約の話し合いをすると語っているので、アロンソ待ちの状況は続くことになる。アロンソのルノー復帰をブリアトーレ親分は心待ちにしているが、戦闘力不足のルノーをアロンソが選ぶ可能性は少ないだろう。ラルフ・シューマッハの解雇を決めたとトヨタも性能不足のマシンを抱えていて動けない。ハミルトン+マクラーレンの組み合わせに対抗できるのは、たしかにアロンソ+フェラーリしかないというのが硬直化している原因でもある。負けず嫌いのアロンソが年に一度の表彰台や7位のランキングに満足できるわけがない。
フェラーリ首脳がどのように動くかは不透明である。ジャン・トッドはトレードに強く反対しているけれど、フェラーリの経営陣は2年連続の王者獲得に熱意を持っているという。アロンソが移籍すれば、ライコネンとマッサのうち一人は出て行かねばならない。トレード候補にされたマッサは悔しいだろうが、サーキットで見せた力量はライコネンが一枚上だから文句も言えない。最終的にはフェラーリとマクラーレンに契約を守る義務があることが関門になる。分厚い契約書を無視して、無理やりトレードすることなどできない相談になる。
エクレストンが語ったという08年度アロンソ休養説も面白い。アロンソが1年間休養した後で、フェラーリに移籍するという説である。ロン・デニスとアロンソとハミルトンの人間関係を勘案すれば、この提案が一番穏当だろう。負ける選択肢を選ぶくらいならば、休養したほうが賢明な策になる。アロンソが魚釣りやヨットの生活に満足できるかが難問になるが、ライバルのハミルトンがシャンパンを浴びるのをTVで見ているしかないという生活に納得できる男でもあるまい。
欧州では契約書が優先される。一度契約書にサインすると、破棄することは莫大な損失をこうむる。アロンソがマクラーレンで戦うと決意すれば、それを止めることができるものはない。富士で見たように、ハミルトンの速さに対抗できるのはアロンソしかいない。独走、また独走の退屈な08シーズンにするよりも、危険をはらんでいてもハミルトン対アロンソの対決を見せたほうが演出効果は高い。NO1待遇をしないとメールを暴露すると脅したアロンソが簡単に引き下がるはずもないし・・・。