ところがパリの本社側でゴーン社長の否定的な発言があり、話し合いはブラジル以降に持ち越されたという。ルノーには慣れ親しんでいるので復帰したいのが本音だろうし、周囲が敵ばかりのマクラーレンでは息が詰まってしまう。ところが、最大の障害はルノーR28の性能が不透明な点にある。今年のR27程度の戦闘力だと、とてもマクラーレンと戦えない。ハミルトンが表彰台でシャンパンを浴びるのを黙って見ているしかない。これでは屈辱の1年間になってしまう。アロンソとしては、何としても同等のマシンが欲しい。フェラーリ移籍が不可能ならば、マクラーレンで我慢するという手も残されている。ロン・デニスと会話しなくても、サーキットで戦うことに不都合はないからになる。 フェラーリがアロンソを狙っていることは、経営陣の発言からも想定できる。レースに勝たねば金庫が干上がるのは、どこのチームも同じである。ハミルトン+マクラーレンに対抗できるのは、アロンソ+フェラーリしかないのは明らかだろう。フェラーリはライコネンとマッサの契約が残っているから、来年度に移籍させることはできない。二人の契約が切れる09年度からだったら、アロンソを誘致できる。問題はその1年間をどうやって過ごすか決定できないことにある。アロンソは劇薬であり、効果も大きいけれどマイナス面もある。
ゴーン社長がアロンソとの1年契約を気に入らないのは、ルノーからフェラーリに渡り歩かれることを危惧しているからになる。それではルノーの立場がない。アロンソは来年度以降のルノーの戦闘力を見極めてから契約したいはずである。トヨタもアロンソを獲得したいだろうが、レースで実績を残さないと話し合いにも入れない。ロン・デニスが嫌いでも、ハミルトンと互角に戦うにはマクラーレン残留が近道になる可能性が高い。マクラーレンから嫌がらせを受けるくらいなら出て行くべきとスペインのマスコミは主張するのだが、勝たねばならないアロンソは感情だけで動けない。さて、どうなることやら・・・。