MATRIX7

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2009.02.23
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カテゴリ: 現代社会
 西インド諸島のアンティグア島に、ロバート・スタンフォードの運営する金融グループの本拠があるという。人口7万人の小国を経済的に握っているのが、スタンフォード投資ファンドになる。アンティグア・バーブーダは独立国であり、他国の干渉は受けない。農業以外に産業のないアンティグア島は、金融業とネット賭博に依存している。島には18の国際金融機関があり、世界各国と取引を行っている。多額の資金を運用する金融グループにとって、アンティグアはまさにパラダイスであり、隠し砦になっていた。ロバートは15年間もネズミ講をやっていたのに、SECは手を触れることができなかったのも無理はない。金融当局が相手にできるチンピラではなかった。
 スタンフォード大学の創立一族であり、スタンフォード国際銀行を運営している財閥出身の男が詐欺師だったとは誰も信じないだろう。その知名度と信用力を利用して、8000億円近い資金を集めて運用していた。「安全・確実・高収益」のうたい文句に、誰もが魅力を感じて投資していた。金融当局にとっても雲の上の人物であり、調査が行われた形跡がない。内部告発で事件が明るみに出るまで、詐欺を探知できなかった。有数の億万長者がなぜネズミ講を行うかは不思議な現象になる。詐欺をしてまで利益を上げる必要がない。生活や借金に困っているわけでもない。それゆえに15年間も疑われることがなかった。SECが察知したときには数千億円規模の詐欺事件に発展していた。
 投資ファンドは実績を要求される。10~30%の高金利を保証しないと資金は集まらない。安定した投資は3%程度の金利しか生まない。投資ファンドがどうやって30%もの利益を生み出すかは謎だった。現在では無茶な不動産投資や商品取引、途上国向けの株式投資に充てていた。それらは50%近い利益を生み出す時もあれば、暴落で大損を出す場合もある。先行きの見極めができないと資金は消滅してしまう。不動産の暴落、原油や穀物価格の値下がり、途上国市場の株式市場の破綻、これらが重なると投資ファンドも支えられなくなる。ファンドが頼りにしていたリーマンの破滅は、混乱に輪をかけている。
 ロバート・スタンフォードが集めた資金を何に使っていたかはSECが捜査中という。集めた金を金利の支払いや不動産投資に向けていると、ロバートの金庫には金が残っていない可能性がある。高金利を支払うとファンドは資金不足になる。そこで新たな顧客を集めて資金を埋め合わせる。これが続くと金利を支払いが継続されるので信用力が上がる。金利を支払うために資金を集めるようになると破綻が近づく。ネズミ講は2年程度でサイクルが終わるはずなのに、15年間も続いたのは驚きだろう。それだけ、手腕にたけていたことになる。金融当局が探知できたときには、莫大な額の損失が出ていた。被害者は金持なので支払が行われていれば騒がなかったという事実もある。いずれにしても、詐欺を見過ごしてきた米国金融システムが終末に近づいていることは明らかだろう。





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Last updated  2009.02.23 08:22:05
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