ブリヂストンとミシュランのタイヤ戦争が消滅した後、タイヤへの関心が薄れることを懸念したブリヂストンは、FIAにレッドタイヤのアイデアを提案した。これは米国レースで行われていたアイデアになる。レースで2種類のタイヤ使用を義務付けることにより、タイヤ交換作戦が勝敗を大きく左右する。観客やTV視聴者も必然的にタイヤ交換に関心を持ち、それが結果的にブリヂストンの認知度を上げてくれる。 F1においても、どのタイミングで、どのタイヤを選択するかが勝敗に影響し始めている。今年からは、コースに最適な2種類ではなく、最適と不適合の2種類を使わねばならなくなった。同じセットアップで使うと、1種類は最速タイムを刻む。しかし、不適応になる2種類目のタイヤはタイムが落ちる。どちら側を優先してサスペンションをセットするのか、どちら側をスタート時に使うのかなどを緻密に計算しなくてはならない。この読みを間違えると、あっという間に脱落させられる。
4種類のスリックタイヤのうち、モナコなどの低速コースに適応させたスーパーソフトは、特殊な構造を持っている。トレッドがやわらかく、表面が傷みやすい。トレッドの磨耗度も大きく、無理をするとたちまち火ぶくれが起き、後方から抜かれてしまう。一般的には、ラストの10週程度に使う終盤作戦が有力になる。あるいは、予選で燃料を軽くしてスーパーソフトでラップタイムを狙う作戦も出てくる。序盤でタイヤが磨耗してラップタイムが落ちたら、即座にハードに交換する。いずれにしても、3-3-1のような距離配分の使い方になるから、どの段階でスーパーソフトを使うかが勝負を左右してくる。作戦参謀の腕の見せ所かな。