MATRIX7

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2009.04.20
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カテゴリ: モータースポーツ


 ベッテルの才能はすさまじい。土曜はトラブルによってほとんど走行していないのに、予選でトップタイムを出している。決勝は最後まで雨に悩まされる展開が続き、アクアプレーニングによってスピンやコースオフが発生する中で、ベッテルはほとんどミスをしなかった。水しぶきに悩まされないトップを走れるという条件があったにせよ、卓越した才能を見せ付けた。各ワークスがどういう目でベッテルを見ているかは明らかだろう。こういう才能は大金でワークスに買われていく歴史がある。レースで勝つためには、手段を選ばない宿命なのだから、いずれベッテルとハミルトンの争奪戦が繰り広げられるだろう。
 レースは勝たないと意味がない。そのために、チーム首脳陣は知恵を絞る。それが政治的な動きにつながり、怨念や憎悪の原因になる。フェラーリとマクラーレンは、そういう歴史を繰り返してきた。FIAはワークス勢の優位を断ち切るために、さまざまな仕掛けを準備し、09年度に至ってようやく実現させた。ブラウンとレッドブルの勝利は褒め称えられるべきものなのに、それに水を指す動きがすでに出ている。フェラーリやマクラーレンに資金を投じるスポンサーたちは、趣味で金を浪費しているわけではない。
 プライベートであり、資金と技術に制限のあるブラウンとレッドブルの勝利は、必ずワークス側の反発を謀略を呼ぶ。互いに戦っているF1チーム同士に友情があるというのは偽りだろう。ドライバー同士に友情があっても、レースに勝たねばならないワークスにそんな甘い感情はない。どうすればブラウンやレッドブルをつぶせるかを考えるのがチーム首脳の役割になる。莫大な投資を行っている企業が敗北を承認することなどありえない。
 FIAの狙いは、プライベーターでも優勝できる環境を設定することにある。エンジン規制や予算制限はそれを物語る。突発した世界不況によって、ワークスも豊富な資金を失い始めている。フェラーリの10年間は、シューマッハの腕とロス・ブラウンの技術とマールボロの資金によって完成した。それらが一つ一つ消えていくと、戦いが厳しさを増していくのは仕方がない。フェラーリ1極集中の時代は終わり、群雄割拠の時代になるシナリオをFIAは描いている。そのほうがレースとしては面白いし、TV視聴率も上昇する。英国では、セパンの視聴率が50%を超えたという。降雨による中止に目にあったのに、興行としては大成功している。
 こういう群雄割拠を伝統あるワークスが容認するかが、F1の未来を決定するだろう。過去の歴史からすれば、不満をいだいたワークス首脳陣が恫喝などを用いて、元通りの戻そうとするだろう。安い予算とそこそこの技術でF1レースに勝てるようになると、高度な技術や豊富な資金は無駄遣いになる。一番簡単な方法は、ベッテルを横取りすることだから、数年後に契約問題が勃発することは避けられない。せっかく、正道を進み始めたF1世界に、それを崩そうとする陰謀がめぐらされることは避けられない。それゆえに、この世界は裏側が面白いのだけれど。






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Last updated  2009.04.20 10:19:29
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