MATRIX7

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2009.04.24
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カテゴリ: 国際経済
 自動車業界の下克上は、ポルシェのVW買収劇だった。ひそかに株の買い占めを行い、一気にVWの支配権を握ったポルシェAGに対して、VW経営陣が何を思っているかは伝わってこない。厳重なかん口令が敷かれているのだろう。小が大をのみこむ買収は、金融危機の直前に計画されている。金が余って、資金の使い道に困っていた時代の話になる。
 経営不振だったポルシェの財務を向上させたヴィーデキングCEOは、上昇したポルシェの株式の運用して、最大の利益を上げる戦略を練っていた。そこで目を付けたのがVWになる。フォルクスワーゲンはフェルディナンド・ポルシェの設計したカブトムシから歴史が始まっている。ポルシェ一族の賛同を得て、VWの株式を50%近く買い集め、事実上の支配下に置いた。しかし、VW買収資金のほとんどは金融機関からの借金だったことから、ポルシェは1兆円近い債務を背負うことになる。買収劇により、VWの株式は急上昇したので、帳簿上は数千億円の利益が転がり込んできた。
 VW首脳がこの戦略に反発していることは事実だろう。売上は10分の1以下のポルシェに支配されては面白いはずがない。VW経営陣とヴィーデキングとの対立も深刻化している。VW買収によりポルシェは莫大な利益を得ても、それを現金化することができない。株式を売却したのでは支配権を失う。1兆円の負債は返済を迫られる。ポルシェの利益で返済できると豪語していたヴィーデキングも、世界不況には勝てなかったらしい。ポルシェの売上は激減している。それは株価の下落を招くことになる。借金の担保にしているポルシェ株が低迷すると、借金地獄が始まる。
 このジレンマを解決するには、小が大を呑み込んでいる状況を解消するしかない。VWがポルシェを買収してしまえば、この下克上は解消する。ポルシェがVW傘下に収まるほうがずっと自然だろう。このひそかな動きに困惑しているのがヴィーデキングになる。数千億円の儲けが凍結状態にあることがポルシェの動けない理由になる。ポルシェを世界有数の高収益企業に仕上げた功績も奪われてしまう。ポルシェがVW帝国を支配し続けられるか、それとも逆買収でVW傘下に組み入れられるかのどちらに転ぶかは、金融機関次第だろう。ポルシェとVWの血で血を洗う戦いが待っている。





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Last updated  2009.04.24 14:29:44
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