春宵一刻

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2005.10.07
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カテゴリ: ミニ小説


「母さん、いくら城をつくってもみんな波が持って行ってしまうんだ。」

「・・・・そう、また城をつくらないとね。」

「でもまた波が持っていってしまう。」

「あなたがつくる気持ちがあれば永遠に城ができるわ。」

「できるかな?」

「今日がもうだめなら明日つくればいいじゃない。」

「明日もだめなら?」

「その次の日に。笑 」



「人の人生はそういうものなの。そのくりかえし。それが生きてる証拠なのよ。

つかれたら休みなさい。起きたらまた続ければいいの。」

「うん」とうなずいた子はまた砂の城をつくりはじめた。



この母は、今日この海に死にに来たのだった。この子を道連れにして・・・。

しかし、子が無邪気に城を作るものだからそれを見て考えが変わった。

この子のために生きようと。そして自分に言い聞かすように子と会話するのであった。



穏やかな春の日の海の情景であった。






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Last updated  2005.10.07 23:04:36 コメントを書く
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