ひーちゃんのゼミナール 名古屋産業大学(現代ビジネス学科)・大学院環境マネジメント研究科)現代の社会・経済・環境・芸能・スポーツ・宇宙

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2021.01.31
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カテゴリ: 政治・経済
なんとしても、新型コロナ禍から脱却しなければならない。このままでは人類は持たない。その兆候は随所に現れ始めている。①飲食や宿泊を伴う観光、エンタテインメント業界をはじめ、経済と生活の崩壊が随所で傷口を広げている。②人が社会的距離を広くとって生活し働くというのは、現代の資本主義経済の時空構造に対抗するスタイルであり、根本的には決して両立しない。
 ブレーキ(感染症対策))とアクセル(経済)を同時に踏むということが言われるが、それは資本主義経済を前提とする限り、物理的に無理だ。③新型コロナウイルスは、感染力を保ち、変異を繰り返しながら、人類の胎内でそれを宿主化しつつあるように見え、④ワクチンはウイルスに対して一定期間の防御手段とはなるが、毎年の流行に対して対抗力になるワクチンを開発しては、新型ウイルスを生み出し、インフルエンザの流行とワクチンでの防御と似た「はやり病」と化しつつあるように見える。ワクチンの効力は明らかだが、人体での有効期限は6か月なので、6か月を経過して、いまだ流行がある場合、再ワクチン接種が必要となる。

 感染を重篤化しないような方向で、集団免疫の形成が、ワクチンによって可能になるであろうことは、現にワクチンが様々な感染症に対して、一定の弊害を伴いつつも、有効であった歴史的経緯を考えれば明らかなことではある。インフルエンザ・ワクチンは、流行が見込まれる場合、「症状緩和」「流行防止」といった感染症対策の観点から、ごく普通に接種が行われている。
 ワクチンによる集団免疫形成を「人工集団免疫」と呼び、「人工集団免疫」によらないで、閉鎖的な地域社会の内部で形成される免疫を「自然集団免疫」と呼んで、本稿では「自然集団免疫」の可能性と限界について、基本的な論点を考えてみたい。なお、筆者は経済学が専門であって、疫学、免疫学、ウイルス学、公衆衛生学、数理生物学、生理学等については、全くの素人であることをお断りしておきたい。
 今次の新型コロナウイルスの流行の初期段階において、スウェーデンやイギリスが自然集団免疫をめざしたことは間違いであったのみならず、感染をパンデミックへと導いた罪は大きいと言える。しかし、果たしてそうであろうか? 風土病や感染症の、人や動物への感染と終焉を考えるとき、自然界にはこの自然集団免疫という生物機構が存在していることは事実であり、それは、ある意味で自然界の共生原理の基本的な仕組みではないかと、筆者は考える。資本主義的生産が、まだ全国展開していない、ましてやグローバル化していない段階では、経済の単位はチューネンの孤立国のような、閉鎖的な社会経済を構成していた。
 相互に交流のない閉じた閉鎖的な地域社会において、あるいは開放的な地域社会間でも、人為的に交流を遮断し(ロックダウン)、閉じたチューネンの孤立国を作り出し、成員の6-7割の感染によって、同種の感染症が地域外からもたらされた場合でも、獲得した抗体によって感染が拡大しない状態を作り出すことを自然集団免疫と呼び、他方ワクチンの開発と接種によって人為的に集団免疫を獲得するのを人為(工)集団免疫と呼ぶこととする。チューネンの孤立国においては、人為的集団免疫によらずとも、自然免疫がその社会の完全崩壊を守る。
 そこで、変異ウイルスが地域社会を席巻しているブラジル・マナウスの事例を踏まえてこの問題を考えてみたい。自然集団免疫の形成が、局地的風土病ならばいざ知らず、感染症対策としては誤りであることは言うまでもない。ブラジル大統領も、初期においては自然集団免疫を信じ、無策を貫いた。資本主義的生産様式が、社会の普遍的原理として成立する以前の仮想上の「チューネンの孤立国」では、集団自然免疫は感染症対策としては有効であるかもしれない。
 しかし、資本主義的生産様式が確固たる地位を確立し、国境が事実上消滅したグローバル資本主義段階の現代では、自然集団免疫は対策として間違いであるだけではなく、時代錯誤、否、滑稽ですらある。イギリスのジョンソン首相は、初期の選択の誤りを涙ながらに認め、謝罪した。しかし、私はジョンソンに同情する。感染の初期、彼の脳裏にはチューネンの孤立国的な、レッセフェールという古典的な概念がもやもやと蠢いていたのだろう。スウェーデンもこの過去の亡霊の罠にはまっていたのだろう。ブラジルもそうだ。では、日本ではどうだったのだろうか? ここではこの問いに対する回答は留保する。

 アマゾナス州マナウス市では、英国型や南アフリカ型の変異種と同じ遺伝子情報を持つ変異種の存在が確認されたが、医療体制がますますひっ迫している。テレ朝ニュースは、マナウスの感染者の85%が南アの変異型ウイルスだったと報じている。

 感染者が急増し、酸素ボンベ不足で患者をピアウイ州に移送する事態まで起きている。ここから変異種が日本にも飛び火しているというが、詳細は定かではない。マナウス市の病院で、新型コロナ感染症の患者の入院数が急増しているが、重症患者の増加に伴い、人工呼吸器用の酸素ボンベの需要も急増。裁判所が企業に供給強化を命じ、空軍機によるボンベ輸送も行われている。それでも酸素ボンベが尽きて、患者を他州に移送しなくてはならない病院も出ているという。事態はまさに、地獄絵巻を見ているようだ。詳細は次のニュースを参照してほしい。https://news.yahoo.co.jp/articles/ad2398dfd4ef7b02c113d3ee46d5462d628c1de7(JORNALニッケイ新聞、2021年1月15日 2021年1月30日アクセス)
 コロナワクチンはどうなっているかというと、同じJORNALニッケイによれば、1月20日から始まると言われているが、詳細はまだ知らされていない。このように報じられていた。「現在、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が治験と国内生産を担当する英オックスフォード大学とアストラゼネカ社が開発したオックスフォード・ワクチン」と、サンパウロ市ブタンタン研究所が治験と国内生産を担当する中国シノバック社が開発したコロナバックの二つが緊急使用許可を申請中。国家衛生監督庁が17日に審査結果を発表することことになっている。それでゴーサインが出れば、20日から全国で接種が実施になる見込み」となっている。(https://www.nikkeyshimbun.jp/2021/210115-13brasil.html 2021年1月15日 2021年1月30日アクセス)
 今後、ブラジル全体の動向を見守らなければならないが、実は感染初期に、マナウスで自然集団免疫が形成されていた可能性があることが、感染症対策の足を引っ張ったのでないかという点がある。

 さて、ここからが本題なのだが、昨年10月19日、日経新聞が現地の様子を次のように報じていた。少し長いが引用しておこう。省略した箇所がある。
 「新型コロナウイルスの感染爆発が起きたブラジルのマナウス地域で『集団免疫』ができ、流行が下火になったとする研究論文が9月に発表された。」
 「論文を公表したのはブラジルのサンパウロ大学や英オックスフォード大学などの研究チームで、別の専門家による査読の前の段階だった。現地の病院で、コロナ以外の検査などで余った血液を用い、抗体検査などで過去の感染を調べた。
 2020年の3月中旬に患者が初めて報告され、社会活動を制限したが、感染爆発が起きた。新規感染者数のピーク時に、抗体保有率が44%に達した。その後、制限を緩和したが、新規感染者や死亡者が減り、流行は下火のまま。最終的に感染した人の割合は推定で66%という。
 免疫を持つ人が人口の40~60%に達すれば、流行は自然に終息に向かうとされる。マナウス地域では集団免疫に必要な割合にほぼ達したことになる。数値は他国と比べても突出して高い。
 9月に英医学誌ランセットに載った米国の透析患者の血液を解析した論文では、感染歴を示す抗体保有率は高い地域で27.6%、平均で9.3%、スウェーデン政府の調査では、ストックホルムが12%だった。日本の調査では東京や大阪でも1%未満だった。」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65091910W0A011C2TJM000/
 マナウスが果たして自然集団免疫の域に達していたかどうかは定かではないが、現に再感染拡大は変異ウイルスによって現実のものとなった。集団免疫形成は、新型コロナウイルスの場合、インフルエンザウイルス同様、有効ではないのだ。では、ここで無益な議論をしているようだが、果たしてそうだろうか。不十分な結論ではあるが、新しい知見をもとに、再度考察することを予定している。





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最終更新日  2021.05.14 20:52:54


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