ひーちゃんのゼミナール 名古屋産業大学(現代ビジネス学科)・大学院環境マネジメント研究科)現代の社会・経済・環境・芸能・スポーツ・宇宙

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2021.08.18
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カテゴリ: 推理小説
会食の席を離れて、電話で「黙示録 人形」のことを業界通に聞いていた幸田友里恵が、テーブルに戻ってきて言った。
「黙示録というのは、大坂のテレビ局が、3年ほど前に動かそうとしていたバラエティ番組の企画で、何と当時のワールド・プロダクションに声掛けが行われていたそうなのです。ワールドプロダクションでは、正式に社の方針として、この企画の具体化のため、人選も含めた検討をしていたというのです。詳細はテレビ局とワールドプロダクションの企業秘密ということですから、部外者にはわからないのですが、こういう話はどうしても漏れてしまうのですね。
 うちの事務所のかぐや姫の社長の話ですが、なんでも予算は破格で、惜しみなくつぎ込むといった景気のいい話だったそうです。よほど有力なスポンサーがついたのでしょう。コロナ感染の前の話ですから。だった、というのは、何らかの原因で、この企画がとん挫してしまったからだろうと社長は言うのですが、詳しいことは再出発したアジアエンタテーメントの社長に聞けばわかるのではないかということでした。」
 幸田友里恵が緊張した面持ちで言った。
「ありがとうございました。ひとつ聞きたいのですが、一つは大阪の何というテレビ局か、もう一つは、そういう場合、企画を検討していけるとなると、人材を募集したり、他社からの応援を依頼するといったようなことはあるのですか?」
 夏警部が聞いた。よい質問だった。幸田友里恵はちょっとためらったが、
「大阪第一テレビです。人材の募集のことは、一般論ですが、具体的になるとオーディションの開催などで、発掘することもありますし、お尋ねのように他社への協力依頼ということも考えられます」
と答えた。藤堂真理矢が相槌を打っている。
「ワールドプロダクションが大阪のドリームプロダクションへ協力依頼の話を持っていった可能性はありますか?」

「何か依頼しなければならない理由があれば、考えられると思います」
という答えを引き出してしまった。しかし、夏警部の脳裏にはある仮説の仮説がよぎった。娘の蜜柑も同じことを考えていた。
「光岡瑠偉さんの夢に出るという女性の赤いイヤリングですが……」
と言って、真佐子は途中でやめてしまった。「田舎者」という引け目を感じる。
「真佐子さんは若いころに交通事故にあって、回復してからよく夢を見たそうなんですが、その夢に出てくる人が、交通事故の相手だったんです。一時的な記憶喪失になって、でも脳裏のどこかに残っているんですね。その夢の中に出てくる人相などが手掛かりになって、警察が協力して犯人が見つかったのですよ」
と、仲村は少しぼかして、真佐子の言おうとしたことを一同に伝えた。真佐子はほっとした。
「私も同じことを考えていたのです。女性で赤いイヤリング、何か手掛かりになるかもしれませんね。横浜のホテルの前の海岸で事件が起きた時にいた女性は、赤い傘をさしていましたし、この人が女性だとしたら、車の中にいた人も女性で、好みの赤のイアリングをしていたと考えることはできます。一致していますね」
と、二人をフォローした。
「赤色の傘、女性、赤のイアリング。この女性がカギを握っていることは間違いないと思います。ただしこの女性が本物の女性だとして」
 夏は、事件の解明に薄日が差した思いがした。
「それにしても、澤田研一さん、光岡瑠偉君と、ドリームの君川俊夫さんはなぜ狙われたのでしょうか?」

(続く)
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最終更新日  2021.08.18 14:14:34


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