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それぞれに好みが違うので量や中身は違うことが殆ど
だからどっちが多いかとか珍しい色の包みがあるとかないとかというのが重要というわけではない
問題はお互いが最後のひとつを納得した形で終えられるかということだ
子供にとって最後のひとつというのは格別の味
それを食するときは至福のひと時
誰にも奪われたくないし、奪われるべきものでもない
先日母子で巨砲を食べていたときのこと
3枚のお皿に巨砲を用意し、それぞれに渡す
果物は弟怪獣の大好物だ
でも皮をむくのに手間取っている様子
仕方が無いので母があらかた剥いてあげた
弟怪獣は顔を横に向けテレビを見ながら巨砲を食べていた
ひとつ、またひとつ
一度も目をお皿に向けることなく食べ続ける
私は嫌な予感がしてずっと弟怪獣の行動を見守っていた
するとお皿に伸ばした手につかむものがなくなる時がきた
ヤツはもうすべての巨砲を食べてしまったのだ
でもそれが最後のひとつだと自覚することもなく、しっかり味わうこともなく飲み込んでしまったに違いない
あっという間に表情を曇らせ、泣き顔になる弟怪獣
慌てて冷蔵庫を覗くと一房のデラウエアがあった
「ちっちゃいぶどうならあるけど食べる?」と聞くと
ぱっと明るい顔に戻ったので一安心
弟怪獣のお皿にそのデラウエアを乗せてあげるとまたテレビを見ながら食べ出した
それを横から手を伸ばしてつまみだしたのが兄怪獣だ
弟怪獣がテレビを見ている隙を見計らって一粒ずつ奪っていく
「ぼくも食べるの?」と聞いてみるが
「へへへ」と笑ってはぐらかす
でも時々弟怪獣のお皿に手を伸ばす
うー、この状況はなんだか危険だ
食べている数から言えば圧倒的に弟怪獣の方が多い
でも問題は最後のひとつが弟怪獣の口におさまるかどうかなのだ
兄怪獣が叫んだ
「最後のふたつ!!!」
ぎょっとして振り返った弟怪獣
兄怪獣の両手には一粒ずつのぶどうが握られている
お皿にはもう枝のような部分しか残っていない
「返せよー!!!俺のだぞ!!!」
そう叫んだ弟怪獣はイスの上に立ち上がって兄怪獣に今にも飛び掛りそうな勢いだ
兄怪獣が一方の手を弟怪獣のほうに差し出し、
2人とも一粒のぶどうを手にした
こうして今回は2人とも最後のひとつを食べることが出来た
あーあ、よかった