里の茶屋『しゃらの木』幸せにもっと元気に

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しゃらの木.

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カテゴリ: ■爺と婆の立ち話


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フク爺「婆様が車に乗って去っていった。次のお寺に行ったんやろうな」

サチ婆「……」

フク爺「私は泣けて泣けて、その場を動けんかったっち」

サチ婆「……」

フク爺「ほいたら、急に雨が降ってきよった」

サチ婆「秋やけんな」

フク爺「仁王門の屋根ん下で、ワシは雨宿りをしちょった」

サチ婆「朝ご飯の前やったんやろう」



サチ婆「フク爺さんの顔が見えるよ、ふふふ」

フク爺「そこに、ふたりん小学生が通りかかったんや」

サチ婆「ほう」

フク爺「ひとりん子が立ち止まってワシを見て傘を差しだすんや」

サチ婆「ほう」

フク爺「ご奉仕やとつぶやくんや」

サチ婆「ほう」

フク爺「傘は、そこの茶店に返しておいたらいいと言ってな
    もう一人の子の傘に入って行きよった」

サチ婆「ご奉仕ね」

フク爺「そうじゃ、四国遍路は奥深けえっち思うた」



フク爺「小さな傘を差して旅館に戻っち温泉に入った。心から温まった」

サチ婆「そうやろうな」

フク爺「後から茶店に傘を預けに行ったら、そん茶店の主の息子やった」

サチ婆「ほう」

フク爺「主が喜んで、これまた『ご奉仕』っち言うち、お茶とおやきをくれた」



フク爺「はじめての四国やったのに、いろんなことを教わった」

サチ婆「ふふふ、フク爺さんの人生が変わったやんけんな」

フク爺「ああ、サチ婆さん、空が高けえなったな、秋やなあ」

サチ婆「今日はご奉仕でおやきでもつくりますかいのう、ふふふ」


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Last updated  2007.09.18 07:24:28
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