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兄弟があると、当然喧嘩も起こる。
やかましいことこの上ないのだが、私が子どもたちの喧嘩を止めることはほとんどない。
小さい頃の喧嘩というのは、剥き出した感情とエネルギーのぶつかり合いであり、人へと成長するうえで欠かせないものと認識している。
そのぶつかり合いの中で、相手と自分は違う、わがままが通るとは限らぬことを無意識的に学ぶものととらえている。
そのことは、同時にストレスに対する免疫を養っている、とも言いかえることができるだろう。
現代社会を「ストレス社会」と表現する人もいる。
確かに、治療の現場から見ても、いわゆるストレスで弾力を失っていく人は多いようだ。
そのストレスのもとをたどれば、人間関係であり、また、その人間関係を避ける故のストレスだ。
頭で「相手と自分は違う」とわかっているつもりでも、それが身についておらず、それゆえ、自分のわがままが通るものと錯覚していれば、うまくいかないこと、思い通りにいかないことが、全て自分にストレスとして返ってくる。
また、傷つくことを恐れて、表面的、薄っぺらな付き合いばかりでは、「相手と自分は違う」という対ストレス力とも言える認識は育たない。
「ストレス社会」というか、ストレスに弱い人が多過ぎる社会、なのではないか。
1月は新年会が多く、その中で目についたのが、若い人は若い人だけで、あるいは意見のあう人だけで群れようとする姿だ。まぁ、これは新年会のみならず、世間一般で当然とも言える光景なのだが、その中に漬かっている限り、対ストレス力の養成はもちろん、個の人間的成長は乏しい。
人と関わることは、当然少なからずストレスを生む。深く関わろうとすれば、時にそのリスクは莫大に高まる。しかし、そのストレスこそが人の価値観を広げ、育てる要素でもあるのだ。面白いことに病気を作る要素であると同時に病気を減らす要素でもある(この一見してジレンマは、実はジレンマではないのだが、ここを語り出すと長くなりそうなのでまた今度)。
そういえば、長女が入学した折、学級目標の中に「喧嘩をしないクラス」というのがあって、愕然としたものだ。
おそらく、そのあたり、幼少期の真剣な関わり合いを禁ずることの延長上に、いじめなどの生理現象は存在すると考えられる。果ては戦争も、か。
子どもたちはよく喧嘩すれど、すぐにまたいっしょに遊びだす。お互いに一回り大きくなって。
思い込みや自意識の過剰が邪魔しなければ、大人のように尾をひくことはないのだ。
その点、大人になるとぶつかり合おうにも、何かと面倒がつきまとう。
逃げようと思えば、いくらでも逃げ道を探し出せる世の中でもある。
それでもなお、人と関わることに希望を見る。
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