2014.08.09
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 ここ最近は映画情報が続いておりますが、ブログ整理の関係上、こりずに今回もまた映画情報の記事になります。

 音楽活動を始めるにあたって、手本となるプレイヤーを模倣することで腕を磨きながらプロを目指す人は多いですね。
 たいていの場合、続けているうちにバンド内で方向性の違いが出てきたり、コピーばかりしていても本物(プロ)を超えられないと悟る時期がきたりして、活動を止めてしまうことになります。
 夢見るのは簡単でも、成功までの道のりはとても険しいものです。

 今回は、アマチュアバンドで歌い続けた男に起こった奇跡のドキュメンタリー映画『ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン』[2012 年]をご紹介します。



 この作品は普通のレンタルショップにも置いてあるはずですから、ファンなら一度は観てみたい気分になるかもしれませんね。

わかりやすいあらすじ


 2007年、フィリピンで極貧生活を送りながら、敬愛する伝説のロックバンドのひとつ、『ジャーニー』の歌を歌いながら地元のロックファンの耳を楽しませている中年男。

 時を同じくして、ヴォーカリストの欠員が原因で、活動休止を余儀なくされていた『ジャーニー』。
 メンバーたちも年を重ね、活動再開は絶望的と思われていた矢先に巡り合った一本の YouTube 動画。



みどころ


1. ジャーニー

 1973 年にサンフランシスコで結成されてから、幾度となくメンバーの交代を繰り返してきた商業ロックバンドとして世界的に有名。
 スティーヴ・ペリーをヴォーカルに迎えてから、その力強い歌唱力と表現力によって、彼なしでは『ジャーニー』はありえないほどに成長。
 しかし、スティーヴ・ペリーの長期活動休止と、他メンバー達との折り合いが悪くなったことにより、ステイーヴ・ペリーが脱退。それと同時にバンドも活動休止に。



 その後、スティーヴ・ペリーのハスキー声を彷彿させるスティーヴ・オウジェリーをヴォーカルに迎え、バンドの復活にファンの期待も高まったが、肝心のヴォーカルが喉をやられてしまい、再び『ジャーニー』は活動休止状態に。

 メンバー達がこれほどまでにスティーヴ・ペリーの亡霊を追うのは、バンドを愛するファンのため。
 そしてやっと、念願のスティーヴ・ペリーの歌声を手に入れた『ジャーニー』。

2. 奇跡のヴォーカリスト、アーネル・ピネダ

 もともと貧乏な暮らしぶりだったが、13歳の頃、母親が心臓疾患で死亡してから生活はさらに困難な状態に。
 家賃を長期滞納してアパートを追い出され、実質上家族はバラバラに。
 ゴミ拾いや歌でなけなしの日銭を稼ぎ、夜は公園で寝泊まりするというホームレス生活。

 フィリピンの貧民街から奇跡的に米国のスターダムに躍り出たアーネル・ピネダですが、『ジャーニー』のヴォーカリストという肩書きを与えられたことにより、成功の喜びと同時にスティーヴ・ペリーの後釜を努めなければならないという責任感、そして自分らしさをどこかに出していきたいという葛藤も生まれてしまうことになりました。

 苦労人として育ったせいもあって、インタビューでも謙虚な姿勢を忘れない彼ですが、40過ぎとは思えない若々しさが感じられますね。



3. ファンの評価

 スティーヴ・ペリーの歌声が『ジャーニー』に戻ってきたと、多くのファンがアーネル・ピネダの加入を好意的にとらえている一方で、アメリカンバンドでなくなってしまった『ジャーニー』に不満の声を漏らすファンがいることも事実です。

 このような不満を持つファンに対し、メンバーたちは、『ジャーニー』はアメリカンバンドの枠を超え、世界的バンドになったのだと説明しています。

 同時に、少数派ではありますが、ヴォーカルがスティーヴ・ペリーの歌声を真似る必要はあるのか?という疑問の声も聞かれます。
 スティーヴ・ペリーの印象が強烈に残ってしまった『ジャーニー』ですから、実力はあっても毛並みが異なるヴォーカルを採用すれば、スティーヴ・ペリーを求めるファンへの背信行為となり、興行収入がガタ落ちになることは目に見えています。

『ジャーニー』は、学生時代の仲良し組が始めるようなバンドとは異なり、品質の高い楽曲を提供するためにプロのミュージシャンによって結成された商業バンドですから、ファンが求める方向から逸脱するような冒険を選択することはまずないでしょう。


『ジャーニー』の全盛期を一緒に駆け抜けたファンは、今は50代以上の人たちが多いですから、この世代の人たちに向けて従来のスタイルの楽曲を提供する方向性を貫けば、既存のファンはこれからも『ジャーニー』とともに生きていくでしょう。

 しかし、今後もっと若い世代の人たちが聴いたときに、80年代に流行った曲のイメージでしかないのか、それとも名曲は世代が変わっても色褪せない曲のイメージになっているのかどうかで、『ジャーニー』の評価も変わっていくでしょう。
 その辺はこれからも『ジャーニー』が伝統だけを重んじるか、それとも楽曲に新しい要素を取り入れていくかのどちらかに掛かっているといえるのではないでしょうか。

どうでもいいトリビア


1. グリーとジャーニー

 プロのステージパフォーマーを目指す若者たちの合唱クラブを題材にした米国人気ドラマ『グリー』では、夢に向かって進む若者の姿は『ジャーニー』の楽曲と重なる部分も多い。
 シーズン 1 の最終回では、キャストたちが『ジャーニー』の代表曲、「フェイスフリー」、「お気に召すまま」、「ラヴィン・タッチン・スクイージン」、「ドント・ストップ・ビリーヴィン」を熱唱。

 ちなみに、当初グリーのプロデューサーは、最終回には『コールドプレイ』の「Viva La Vida(美しき生命)」を採用する予定だったが、『コールドプレイ』側からの使用許可が下りなかったため、『ジャーニー』の楽曲を採用。
 結果、プロデューサーの思惑以上に強烈な印象を視聴者に植えつけることに成功。

2. ドント・ストップ・ビリーヴィン

 20世紀にリリースされた曲で最多のダウンロード数を誇るといわれる『ジャーニー』の名曲「Don't Stop Believin'(信じるのをやめるな)」。
 キーボード奏者のジョナサン・ケインが、『ジャーニー』を結成して間もない頃、成功の兆しが全く見えない状態で、機材を売っても生活費が足りず困っているときに、金を貸してくれた父親の言葉がこちら。

「いずれきっと良い事が起こる。だから信じるのをあきらめるな。」

 その言葉に導かれるように、ギタリストのニール・ショーンと、ヴォーカリストのスティーヴ・ペリーと三人でものの半日で作り上げてしまったのが「ドント・ストップ・ビリーヴィン」。

2. Eclipse

 2011年に発表されたアルバム『エクリプス(Eclipse)』の収録楽曲「City of Hope」は、フィリピンの恵まれない子供たちを支援するために、アーネル・ピネダ自身が設立した財団の慈善活動からヒントを得て書かれた。

参考: Arnel Pineda Foundation, Inc. (APFI) [外部リンク]





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最終更新日  2014.08.10 17:28:14


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