眠れない夜のおつまみ

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2005/12/06
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カテゴリ: 小説
途中、給油したり、膝よりも少し高いくらいのひまわり畑を見つけて休憩したりで、目的地の生駒山の入り口に着いた時には薄暗くなっていた。
長いドライブだったが、お互いに飽きる事も無く、沈黙さえも心地よいと少なくとも俺は思っていた。
「何て読むのかしら?」
看板に「ようこそ生駒へ!」と書いてあるのがかおるには読めないらしい。
本当に来た事が無いと分かる。
「いこま、って読むんだよ。」
「ふーん・・・。」
と言ってかおるは通り過ぎていく看板を見ていた。
生駒山には「スカイランドいこま」と言うちょっとした遊園地がある。

夜はこの辺では夜景スポットとして有名だ。
「今まで夜景で一番綺麗だった所ってどこ?」
やっとここで俺は聞いてみた。
「夜景かぁ・・・。」
とかおるは暫く考えて
「多度山かな。三重県のね。」
「多度か。あそこも綺麗だよね。だけど、ここの夜景のがすごいと思うよ。」
そんな俺の態度がかおるには自信あり気に写ったようだった。
「自信満々ね。」
夜景を見るにはまだ少し早いので頂上まで行って車を止めて外の空気を吸う事にした。駐車場には誰もいなかった。
「気持ちいいね。」

俺も登ってかおるの隣に座った。
「ここからはね、大阪と京都、ぐるっと向きを変えると奈良の夜景が見渡せるんだよ。凄く綺麗な夜景で、君に見せたかったんだ。」
俺の右側にいるかおるは腕に頭を寄せて
「ありがとう」
と言った。

「そろそろ場所変わろうか。」
最初に声を出したのは俺だった。
かおるはコクンと首を小さく立てに振るだけの返事をした。

少し下った所に京都・大阪方面が見れる場所があったはずだ。
おぼろげな記憶を頼りに車を走らせると、車2台がやっと停めれるくらいのスペースを見つけ車を止めた。
あたりは暗くなり、そろそろ車の数も増えてきた。
いい場所は早い者勝ちだ。早く停めなければ、ここまで来た意味が無い。
のろのろしていると、週末のラブホのようにいつ空くか分からない場所を待っていなければならなくなってしまう。

車を止めた瞬間、眼下に息を呑むような光景が広がっていた。
まるで、宝石のように眩い光を放っている。
まさに光の海だった。
何度見ても綺麗だ。

初めて見るかおるは言葉にならないようで暫く見入っていた。
「すごく、綺麗。初めてこんな夜景見たわ。」
「多度よりもすごいだろ?」
「今日からここが夜景No.1だわ。」
かおるの頬は宝石箱を開けたお姫様のように微かな光を浴びて輝いているように見えた。
俺は反射的にかおるにキスをした。
後々思うと反射的にと言う言葉が一番ぴったりだ。
何も考えていなかった。
ただ、その横顔が愛しくてキスしたかったのだ。
軽く触れた唇なのに、長いこと唇を重ねていたような錯覚がした。
唇を離した後、かおるは下を向いてしまった。
きごちない空気を感じて
「そ、外に出てみる?」
と促すとかおるは頷いてドアを開けた。
車の前の柵に両手をついて俺は無言のまま夜景を眺めていた。
かおるの反応が気になるが、俺は変に謝ったりしない。
そんな事を考えていると。左手にそっとかおるが手を置いてきた。
俺はかおるの顔を見て手を握った。
そしてお互い何も言わずに光の海を長いこと眺めた。

今度はかおるが口を開いた。
「そろそろ車に戻りましょう。」
車に戻るとかおるは腕時計を見て時間を気にしていた。
「今日は帰らなくちゃ。」
そう言って俺の顔を真正面からじっと見て言った。
俺の下心を見透かされているような透き通った瞳だった。
「そうだね。」
車のエンジンをつけた。
また、ここへ来られるだろうか?一瞬センチな気持ちが俺の身体を駆け巡った。
来た道を戻る。
「遅くなるけど、大丈夫?」
「大丈夫。」
かおるの態度には困惑するばかりだ。
O.K.なのか、OUTなのか判断しかねる。
寄り添ってきたかと思えば、拒絶されているような気もしてくるし。
何だかこんな事を思っている自分が情けなくなって来た。
それに、さっきキスをしてしまってから、どこかで歯止めがきかなくなりそうな気がして、そんな場面を想像すると恥ずかしく思ったりする。

そして、俺ははっとした。

俺はかおるに恋しているんだ。

俺は本当にくだらないひとりよがりのゲームにこの時負けたのだ、と気付いたのだった。



                       <つづく>



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Last updated  2005/12/07 01:20:12 AM
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いこま・・・  
うちもカオルといっしょで読めませんでした。なまこまって呼んでた私( ̄▽ ̄;)
なまむぎ、なまこま、なまたまご・・・

カオルのその読めない感じが引き付けるコツでしょうか。見習わねば・・・(←え?) (2005/12/07 10:46:05 PM)

Re:いこま・・・(12/06)  
ぼっつぇ流星号さん
>うちもカオルといっしょで読めませんでした。なまこまって呼んでた私( ̄▽ ̄;)
>なまむぎ、なまこま、なまたまご・・・

ここは実は行った事があります。ほんま、綺麗な夜景ですよ!

>カオルのその読めない感じが引き付けるコツでしょうか。見習わねば・・・(←え?)
-----
どうなのかなぁ・・・。謎。
(2005/12/09 02:25:56 AM)

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