灯台

灯台

2021年09月05日
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  *




   *





 学校の席が隣になったこと、公園で話 をしたこと、 
 祭りの夜に一緒に遊 んだこと・・・・・・、

 そのどれもが、言 っている。
 彼女は間違いなく、彼女 なのだろう・・・・・・と。










   *


​ ​​​​​​​ でも僕はこんな光景を何十回となく見 ている。




 本来なら―――奇跡的なこの場面が、悪夢






   *


 「 やっぱりこの家は落ち着 くなあ・・・」
などと言いながら、我が物顔でスリッパ出 して、
​パタパタ入って、冷蔵庫開ける音​ がする・・。










   *



   *
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​  わか っている。​
​​  わか っているけれど、 時々泣 きそうになるのだ。​​
​​​​  期待 希望 むくむく やってきて、​​​​
​​​ つい 言葉 にしてしまいたくなって、 なる となる・・。​​​





​   *​
​​​​
​​  警察本部 現在●●地区のコンビニ〇〇で喧嘩の事案入電中 》​​
​  所轄指令台 了解。付近のPM(警察官)は​
 ●●町〇-△□へ急行せよ
​​  警察官 ●●1現着しました 」​​
​  喧嘩は揉み合いの末に―――ナイフで腹部を刺 した・・。​
 『 こちら●●1、マル被(*被疑者)は車で逃走した模様です。
 車のナンバーは不明、色は黒の乗用車で●●方面へ逃走した模様。
 マル被の人着(*人相と着衣)は、30歳ぐらい、
 身長175センチ、痩せ型、髪は短く、Tシャツに黒ズボン・・・・・・
​  数分後 ―――。​
 《 現在××号車が、マル秘と思しき暴走車両を追跡中。
 場所は国道××号、
 ◇◇町方面より南に向かって逃走中。
 車種は白の△△、○○ナンバー××-××

​​​​
​   *

 午後十時、雨 っていた ―――。
 車 てる、もうこれ 以上 使 えない
 フロントガラス 檸檬 のような 雨粒 える
​​​​ピー ポー、 ピー ポー
 ウ ――ウ、 ――ウ。 ​​​​
​  がなければ・・・・・・。​
​ 合掌 のごとくにふれる パトカーのサイレン 、​
​​  あちこちから、 聞 こ  え る  。​
​ ( 口の中に酸っぱいものがこみあげて吐きそうになる )​
​ [ 何処の家の窓も、閉ざされている。鋼鉄の門のようだ。​
​ 職務に忠実な見張り人たち。法律、正義・・・・・・ ]
​​  万事休 すだ。​​
​​  真空に道 があるような気​ が―――する。​​
​  人生が詰 んだような―――気​ がした。​


でもそこに、家の車を回 してきた、
何十回目の彼女 だろう、わからな―――い、​
​でもそこに、これから偽名を作って生きていく、恋人​ がいた。

、、 、、、、、、、、、、、、、
、僕 ―――。


​   *



すべてが去ったあとに、押入れに隠れている彼女が気 まずそうにしていた。
 ( 自分が殺されると天秤かけても、まだ、僕の心配をするのだ、 
 こいつはやっぱりウルトラバカだ・・・

 「 ごめんね
 「 謝ることはない、謝 るのは―――」
 その 瞬間、僕がこれまで見殺しにしてきた沢山の彼女の姿 があった。
 この 国のため、この世界のため―――その言葉は目頭を熱 くした・・。
 「 卑怯者の自分の方 なんだ」

​   *




​   *


 ~ コンビニでの一幕


 「 本気なんだね?
 小声で聞いてくる。彼等の中でも、この人は、優しいのだ。
 僕はナイフを持っていた。
 「 おっと、いきなりドスンというのは止めろ、
 それも、積木遊びをする赤ん坊ならわかるが―――
 僕も、肯いて、小声で説明する。
 「 ・・・・・・僕はこの五年もの間、彼女が亡くなったと、
 ずっと嘆いていたんです、だからあなたの話も信じた。
 といって、今でも疑っているわけじゃない・・・、資料や、映像―――、
 それは確かに信じがたいものだったけど、彼女がそういうものと、
 戦ったことは、本当です。でも、彼女はいた。
 ずっと、そこに確かにいたんです。誰が何と言おうと、
 気が狂ってると言われようが―――
 「 それで―――匿ったわけか、なるほど・・
 察しもいい。
 「 何処まで逃げれるかはわかりませんが―――
 「 いや、―――いつか、そういうことを言うんじゃないか、と思ってた。
 わかったよ、君がどうして刺そうとするのか、そして、
 君は逃げるつもりなんだね、彼女と?
 そう言った、この人は、頬を膨らませていた。
 この人も、ずっと悩んでいたのだろう。
 ただ、上の決定に従った―――平和維持、秩序のために、そう信じた。
 でも割り切れないことは、あった、と。
 「 ・・・・・・僕は考えたんです、きっと、彼女が生まれてくるのは、
 彼女が死んだのがあちらにわかるからなんです。二体出てきた例は、
 一度もありません・・・
 「 だから、だね
 彼女がもし情報収集が目的なら、生活に溶け込ませるわけにはいかない。
 でも唯一、犯罪者なら、それにあてはまらない。
 それに、これから数年、十数年、逃げ続けられたのなら、
 もしかしたら僕も彼女も救われる道があるかも知れない・・。
 「 だから―――自分があなた方に刃を向けなければいけない、
 そして、もうこれ以上、こんなことを繰り返してはいけない
 「 ・・・・・・安っぽいヒューマニズムだよ。といって―――
 そう言葉を切ったあと、刺せ、と言った。
 大丈夫、防弾ジョッキ着てるんだ。
 「 一週間ほどホテルとか泊まってハネムーンしてろよ、
 そのあたりで、電話をかけてこい。潜伏場所とか、考えてやる
 「 どうしてそこまで―――
 「 ・・・・・・俺も戦友をなくした。それ以上、説明はいるかな?
 「 いえ・・・・・・
 「 それに、女のために、自分の人生を棒に振ろうとする馬鹿、
 俺は嫌いじゃないよ―――オカマが好きになった奴の純愛に、
 ほだされたりはしないがね、さあ、揉みあうぜ、
 右ストレートいくぜ―――、
  ​​ おい死ねえええ やあ ああ !​​​

 結構ノリノリだな、と思う。 



​   *

海沿いを彼女の運転で走 りなが―――ら。
長い長い一日が明 けようとしている。
でも船長どのにとっては、どうもこの羅針盤は、 楽しいらし―――い。

 「 わたし、犯罪の片棒を担がされて、一緒に逃げる女なのね。
 それで、地方のパチンコ屋で働 いたりするのね」

何故、そうなる。苦笑 した。

 「 わからないけど、偽名でさえいれば、
 ひっそりと過ごす場所は他にも選択肢があると 思うよ」
 「 ―――え? つまんないな、
ヤクザの事務所襲ってチャカ手に入れようとか思 ってたのに、

わたしの格闘術の出番、拳銃を指で掴まえて、投げ返す秘儀!

待て、何をするつもりだった―――んだ ・・。

 「 ​​​​​​​いやあのね、こういうのに昭和の映画にありそうな、
 ロマン持ちこまれても​困るの。犯罪者だけど、一般市民。
 すげー平和、ものすげー、平和・・・
 「 じゃあ仕方ないなー、
 ちょっとその日常篇で付き合
ってあげるかー」


こいつ、楽しそうだな、と思 う。
いや、こいつは、ずっと楽しそうなのだ、ずっと ―――。​​​​​​

 「 それにね、あなたが―――いてくれるなら、いいの。
 何をしていても楽しいって自信 がある・・・・・・・」

僕も彼女も亡霊に追 われている、
それだのに、初めての愛の告白をした時 のように、
お互いの顔に照れや恥 ずかしさが、ある―――、
ずっと、僕は逃げ続 けてきた・・、
だから本当にわかるのだ、君の言葉、君の言葉の優 しさが―――。


、、、、、、、、
・・・・・・。






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最終更新日  2021年09月05日 21時49分02秒


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