灯台

灯台

2021年09月24日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
​​​​​​​ ​​


風をよけてプラットフォームに入り込む電車、
静かに街が眠ろうとする星のカーテン。
手の舞い足の踏む所を知らずとはいうけれど、
のろのろ戻ってくる、平安のうわぐすり。

​街路樹を見ながら歩道を歩こう。
僕は思う。
僕は考える。​

緑や橙がいい。
歩いているぐらいの速度がいい。

たこ焼き屋は、
一日の仕事を終えている。
自然言語処理みたいに、
ふわふわっと。

よく働きました。
お疲れ様です。
頑張りました。

誰に言っているのかわからないけれど、
いいじゃない、
フラミンゴの羽根。

処世術の空気とは違う、
ねぎらい、白いすべての器官、
それをして、lucky charmとか?
ああ、優しいけれど冷たいその奥にある、
熱や香りや様々な音がたちのぼってくる、
何はなくとも、
素晴らしい今日と明日のために、
我が家に帰ろう。

背伸びして欠伸して、
​​​ 眠いけれどお風呂に入って、
パジャマに着替えて歯を磨こう。
帆のようにはためく風をつかまえるために、
今日は窓を開けて少し眺めよう。
智慧の環、万華鏡、
紫陽花の花、ひとり黙って平和にみたされ、
夜の深さに葦となり心まで透き通るとき、
滅びやすくてか弱くて脆くて、
そして感じやすいがゆえに沈黙をつくりだす、
星が溶けた世界で、
銀河を渡る青い風と、
北にしか見えないその場所で。

―――蜘蛛の巣のうえを、
渡ってゆく、朝露。

宇宙が後ずさって見える分度器、
モーション・キャプチャー、
いつも考えている生きて呼吸しているものの気配、
テーブルの上の電燈を消したら、本当の夜、
静かで、また後戻りできない夜がやって来る。
溶接機械みたいに月が、
髪にそよぐ風みたいに、
影絵のような木立の向こうに溶けていた。
ヴェランダのTシャツが踊っている。
秋は匂い袋。
けだるげに花の上に舞い降りてゆく蝶の気分だ。
それが空っぽの器でも、
瓦礫と瓦礫にある隙間のようなものでも、
​魂とか、眠りとかと、うやうやしく呼ぶのだろう。

名前のあるものを嫌がった、
知性というものを嫌がった、
あやふやさ、
曖昧さ、
そんなものを持ちながら、
扨て何処まで行けるだろう?

魔法少女のコスプレをしてみようとした、
マーガリンとトースト、
ねえどうして、
丸いデザートに四角い皿は映えて、
それを二段にすると上品に思えるんだろう。​


命長ければ恥多し、とか。
禍福は糾える縄の如し、とか。

携帯を電車で眺めているのがある日、
とても気持ち悪くてやめてしまった。
それをして、Eclipseというのかな。
踏切である日、
電車の中を覗き込んだら、
マインドコントロールされているみたいに、
みんなが携帯を覗き込んでいたからだ。
便利とか、
みんなが持っているとか、
必需品ということは別として、
不器用にもぐりこんでゆく言葉の感覚を信じた。
仰向けになった魚。
"born to die" 

サイドランプを点滅したタクシーが、
数十メートル向こうの道路に見え、
眼を閉じたら、
今は遠い人達の声、
いくつもの並行宇宙を想像する。
宇宙に向けられている、鉢を想像する。
それでも世界は隠れているのではなくて、
いま確実に優しく書物の頁のように開かれていた。
ジョバンニがカンパネルラにということではなくとも、
硝子が人知れず小さな心臓に共鳴する。

ふやけていたい、
Release of mineral water。
軽やかに、
しなやかに。

ねえ十分に大人になった、

もう十分すぎるぐらいちゃんと生きた、
これ以上はもういらない、
これ以上はもう必要ない、
そう言いたいのに、
まだ世界や人生というものは、
僕をうかがうおもむき。

犬が夢を見ないかも知れないという話を聞いたのは、
さていつだっただろう?
だって犬は人間のように複雑ではないから、と。
肯けるようで、犬を飼っていた人間には厳しい。
でも夢を見ている可能性もある。
―――外れた車輪でも、
蛇口のないままあふれた水でも。

素直に、自由に、愛を模索すること、
きっとどんなことの最初にもそんな感情がある、
迷いが生まれ、
諦めや終わりが訪れてしまうけれど、
いまは独りたちどまっている。
断崖の底を覗き込みながら、すべて過ぎる前に忘れてゆく、
異なる力点、
星の力に導かれて今日も感情の最高速度、
嬉しかったことや楽しかったこと、
そんなものに身体が包まれているよろこびを、
思い出し笑いで締めくくろう。

おかえりと、
おやすみなさいが、
まだ一つであるように、
まだ―――ちゃんと言えるように。

"born to die" 
誰が決めたの、誰が言ったの、
絶えず形を変えながら、雲は流れてゆく、
そのことに意味が欲しいわけじゃない、

僕が欲しいのはもっと別のことだ、
いますぐには口に言えないようなこと、
ありえないぐらい面倒くさい手続きをして、
ようやく言えるかどうかみたいなことがあるよ、
まだまだ先は長い。




​​ ​​​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年09月24日 00時47分45秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: