「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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2024年09月11日
イラスト詩「喩え話の中で処理されてゆくバミューダトライアングル」
テーマ:
★つ・ぶ・や・き★(576122)
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カテゴリ未分類
一九五〇年のとある日アメリカの複数の新聞に、
おぞましい記事が掲載される。
フロリダの海岸とバミューダ島の間で複数の失踪者が出ているというもので、
合計九機の飛行機と一隻の船そしてそれに乗り込んでいた、
約一三五人の民間人と乗組員が跡形もなく姿を消してしまったというもの、
同じ場所でこれだけの人数が失踪なんて常識的に考れば異常だ。
そしてこの付近の海域はその名も高き、
『バミューダトライアングル』として有名になることになる。
すべての始まりは一四九二年の、
『コロンブスによる最初の大西洋横断』だ。
この横断航海の際に、三つの奇妙なことが起きた。
まず、「船の乗組員が火の玉のようなもの」を見かけ、
さらには「コンパスの示す方向が狂い」まくり、
そして「海面に謎の光が浮いているのを見た」というものだ。
しかし当時は写真や動画という技術もなく、
確実な証拠となるものがなかった。
また実際のところ、コロンブスがバミューダの海域に近づいたのが、
九月頃で、その時期は流星の軌道からちょうど、
「おうし座流星群」が活発で
その流星群を『火の玉に見違えたという説』がある。
そして、九月一七日に乗組員がコンパスを見たところ
北極星とコンパスの針がズレていることに気付いたわけだが、
当時はコンパスが狂った理由を解明できず、
オカルトチックな予測が多く立てられた。
これはやむをえないことだ。
時代が経ち、技術が進歩するにつれて、
コンパスが狂った理由が明らかになってきた。
それは『磁気偏角』で、コンパスは磁石を使い、
地球の磁場を用いて方位を知る道具だが、
その地球の磁場自体が長い期間をかけて変化している。
もちろん、『磁気嵐』だろうとおおむね構わない。
僕の判断であるが、
これら二つの報告が直接事件と関わっているとは思えないからだ。
あわせて言えばだが、「バミューダトライアングル内」ではなく
どちらかというと「北大西洋の中心より外で起こったこと」だった。
しかし三つ目の奇妙な光は「トライアングル内」で目撃されたものであり、
その様子はまるで蝋燭が宙を浮いてるようだった。
ちなみにこれが何だったのかを証明する手立てはないが、
個人的にこれがUFOであってもよいのではないかという気がする。
そもそも、UFOが飛んでいて事故が起こったわけではないからだ。
バミューダトライアングルは、
フロリダ半島先端、大西洋のバミューダ諸島、
プエルトリコを三角に結ぶ海域のことである。
この北大西洋に広がる五〇万平方メートルの領域は、
これまで七五機以上の飛行機と、
数百隻もの船が消息を絶ったことで知られている。
―――が、バミューダトライアングルはまず、都市伝説であり、
三角地域を少し外れているだけならまだしも、
はるか遠くで起こった事件が、
「バミューダ海域で起こったことになっている」のを皮切りに、
実際は「通常の事故で沈没したと判明している」ものでも、
『謎の消滅』をしたことになっている。
この水増し成分のそもそもは『バミューダトライアングル』を伝えたのが、
オカルト雑誌であり、大半がフェイクでオカルトチックな推測、
いわば小利口な人がわからないからズブズブに信仰宗教にハマる心理、
これはけして現代人にも縁遠い話ではないはずだ。
ではその中にも本物はあるんだろう、
どれが『バミューダトライアングルの謎』
になるのかといえばだが、実のところ、一つもない。
おかしな物言いかも知れないが、呑み込んで欲しい。
一つもない。
もちろん飛行機のパイロットがUFOを見ているというのは本当だ。
実際、もしかしたらその中にUFOなど、僕等がうかがい知れないことが、
関与している可能性もあるかも知れない。
科学の仮説が嘘だらけであるし、僕等がわからないことなんか山ほどある。
原理や理屈はわかっても、どうしてそうなのかは不明なんてよくあることだ。
でも一番重要なことは、そこが『バミューダトライアングル内』
ではないということで、仮にそうであっても、
それが様々な要素の重なりであることを否定できるものではない。
アメリカ沿岸警備隊は、魔の三角地帯とされるこの海域を、
「伝説の中だけにあるエリア」としているのを結論としてもいいぐらいだ。
当然、彼等はバミューダトライングルと呼ばれている場所があることは、
承知しているのだが、長年調査をした結果、物理的原因以外の要因による事故を、
示すものは一切発見されていないと説明している。
働く者が都合の悪いこと、本当は別の真相があっても、
それは語りたがらないものだと百歩譲るとしても、だ。
またアメリカ海洋大気庁でも、バミューダトライアングルで起きている現象は、
同程度の空および海の交通がある他の地域のそれと、
まったく同じだと述べている。
また、有名な「フライト19事件」でも、
その原因はコンパスが乱れ、飛んでいる位置を誤解し、
通信が切れて海が荒れてパニックになり、
燃料が切れて墜落した、
という風に考えても差し支えないのではないかと思う。
物語はいくらか大袈裟にしすぎる。
この「フライト19事件」はフライトリーダーの役目を生徒に引き継ぎ、
全体の監督をする「テイラー」という人物が大きく関わっている。
彼は優秀で経験豊富なパイロットだったが、
このフライトの以前はフロリダのキーウエストで、
飛行インストラクターを務めていた。
つまりテイラーはこのバハマ上空を飛行するのが初めてだった可能性がある。
事件の原因はわからないにせよ、
また機体が見つかっていないというのは大きな問題であるにせよ、
一週間捜索しても見つからず打ち切ったというだけだともいえるし、
実のところ、これらの事件に『海賊』というような、
諸外国による強奪、『第三者の得をする勢力の影』がないか、と思う。
乗務員や荷物が消えてしまうというのを通常考えたら、
誰かが奪ったのだ。場合によっては、
バミューダトライアングルという言葉が独り歩きする背景には、
きわめて政治的な陰謀論で本質をすりかえようとするもののように思える。
もちろん僕は「探偵」でも、
「バミューダトライアングル研究家」でもないが、
電源にプラグが刺さっているか外れているかぐらいは、
ちゃんとわかる。確認するからね、残量表示も見る。
「天候急変説」「磁力異常説」「ブラックホール説」
「宇宙人説」「メタンハイドレート説」「マイクロバースト説」
など様々あるが、それは尾鰭の部分にすぎない。
こういうのは科学者なりの想像力逞しい意見だ。
けれど勘違いしている。そもそも、彼等は、
「バミューダトライングル内」で失踪したわけではない。
「バミューダトライアングルという不思議な言葉で、
この場所に近付けないよう宇宙人が紐づけている」
というそんな馬鹿げた仮説を発表したいぐらいに、
全然関係のないことまでバミューダトライアングルの謎になる。
そちらの方がよっぽどの謎だ。
バミューダトライアングルに住んでいる漁師に至っては、
船の失踪を、腕が悪いからだ、と茶化すような物言いをする人もいるらしい。
もちろん記憶から人物が消えたりするようなホラーテイストはない、
それは改変である、明らかな消失である。
けれど極論も時には有効に作用する。
そうではないのなら、超自然的であろうが人為的であろうが、
それは「何らかの形で消えた」ということは疑いようのないことなのだ。
また古い話は伝言ゲームになりがちだし、胡散臭い部分も含む。
現代においてよほどの過激派でなければ聖書の奇跡を信じたりはしないはずだ。
誇張には虚言癖やパーソナリティ障害がある。
もちろん歴史上、集団の失踪事件というのは存在する。
『アンギクニ湖事件(一九三〇年)カナダ』
『メアリー・セレスト号の消えた乗組員(一八七二年)アメリカ船』
六〇〇人が一夜で消失した、
『オエル・ベルデ村(一九二三年)ブラジル』というのもある。
インダス文明も不思議な消え方をしている。
けれど逆に考えれば人類史において、
人類というのは集団で失踪するものだ、
という認識を持っていてもいいのかも知れない。
もちろん異次元の入り口が、本当に、
「バミューダトライアングルに存在する」という可能性もなくはない。
火のないところに煙は立たないし、こういう言い方をしていても、
一九九一年、グラマンクーガーのパイロットが、
高度上昇を求める定期連絡を発信。その上昇中、
徐々にレーダーから機影が薄れ、完全に姿を消したのは何故だろう。
直近の事件である、二〇一五年十一月、
バハマ沖南で台風に巻き込まれた貨物船エルファロ号が、
三三名の船員と共に失踪したのは何故だろう。
終戦直後なら成立するようなことも、
あるいは大昔ならどうせ嘘だろうと言えるようなことでも、
現代の、つまり今日と、
ほぼ変わらないような事件ともなれば首を傾げるほかない。
でも残念ながらだけど、
「監視カメラの向こう側で姿が薄れた末に、消失していった」とか、
「明らかにイッちゃった眼で、光り輝く場所へ進んでいった」とか、
そういう映像は一つも残っていない。
あなたはまだバミューダトライアングル症候群である。
映像が残ってないからフェイクニュースのように、
情報にオカルト成分が混ざり、
あたかも超常現象のようになるのだけれど、
シンプルに物を考えると、
僕等はバミューダトライアングル方面に別の側面が見えてくるまでは、
すべて明らかな間違いとしてもいいのではないか、と思う。
話半分で聞いて欲しいけれど、怖い話の中には、
マンションの電気設備によって違う世界の声が聞こえる、行く、とかある。
精神の浮遊感覚状態と異世界というのはワンセットだ。
僕は別にバミューダトライアングルの胡散臭い伝説の片棒を、
担ぐつもりはない。リアリティの話だ。
だから僕は自分の住んでいる町から隣の町へワープした子供を書くなら、
必ず「ふわふわした頭で」というような描写をすると思う。
リアリティは信じられる部分でしか定着しない。
僕は見えていないもの、確認できないものを―――ある、
という風には絶対に書かない。最低、躊躇う。
話のリアリティの基準に従って取捨選択する。
明らかにこれはおかしいと思ったらそれは『嘘』だと断定する。
バミューダトライアングルを調べながらつくづく思ったのは、
陰謀論で、場合によってはマフィアとか、
死の商人も関連しているのではないか、ということだ。
いや、本当にこれまで誰か一度でも、
そんなことを考えたことはないのだろう―――か。
僕等はみんな嘘をつく生き物だけど、
人が死んだり、失踪したりする中で、
そんなひどい嘘をつくとは思っていないようなところがある。
葬式の日に焼香してお悔やみ申し上げますと言った口で、
死んだ人間を悪く言っている人間だっている。
パワーバランスや椅子取りゲーム、
その情報が有効だと占めているものをパーセント表示してみせろよ、
ついでに、何らかの疑問の余地がないかを暴いてみせろよ。
不思議な話を聞いていると、そうだったらいいよなあと思うけれど、
僕等は生きているという感覚のとりたてて情念のようなもので、
救済だったりを無意識に求めているような心理構造があるのではないか。
不幸は蜜の味というけれど、
ホラーとか不思議な話って非日常が醍醐味で、現実を忘れさせてくれる。
けど、それでも失踪した人間が、
本当は生きているかも知れない、死んでいるかも知れない、
という選択を残さなくてはいけない。
不思議な話は誰にでも起こりうるけど、
たとえば、ファフロツキーズの謎の一つだと僕が考える、
どうして土の中にいる蚯蚓が落ちて来るのだろう、と。
蛇や蛙ならわかる、海の生き物でもわからなくはない、
どうして蚯蚓なんだろう、
土がもっとハチャメチャに落ちまくっていてもよさそうなのに、
どんな竜巻がそれをかっ攫っていったんだろう。
わからないことがあると思考停止して、現実逃避し、
とりあえず認識できる箇所だけを集中的に呑み込もうとする。
落ちて来たということは、やっぱりそれは何処かにあったんだ。
どんな風にかは、僕の知るべきところではない。
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最終更新日 2024年09月11日 23時16分32秒
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