全3件 (3件中 1-3件目)
1
『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~第三章・第2話「鉄則」「さぁ…死にたいのは誰かしら?私がキッチリ止めを刺してあげるから」ミズキはそう言うと射程内の数人にフォースインパクトを撃ち込んで昇天させる「アイナちゃん…今よ!一気に下がって!」ミズキに言われてアイナは後退する「ヘッ!1人でイキがるなよ!」そう叫んだ敵の戦士がミズキめがけて攻撃を仕掛けるそれをいとも簡単に躱すとヘビースマッシュで返り討ちにしてさらに近くの集団に飛び込みアーススタンプの衝撃波で数人吹き飛ばす「てめぇ!調子に乗りやがって!」そういきり立った奴に近くの兵士が「おい!ありゃミズキだぞ!破壊神だぞ!なんで前線じゃなくてこんなとこにいるんだよ!」そう言って肩を掴んで止めるそれを聞いた周囲の兵士もうろたえはじめる「ちょっと!破壊神ってなによ失礼ね!っていうか…私がどこにいようと勝手でしょうに」ミズキはそんな事を言って自分を『破壊神』と言った奴めがけてフォースインパクトを撃ち込むそいつはなんとかその攻撃を回避したがそれを予測してドラゴンテイルで飛び込んできたミズキの餌食となるさらに止めのヘビースマッシュで崩れ落ちたおそらくこういった行動が敵から恐れられ語り継がれて『破壊神』と呼ばれるのだろうさすがにこれを見た敵兵士たちは橋の向こうまで一気に後退を始めるそれと共に下がっていた自軍兵士が前進し始めてまた防衛ラインが構築されたこれは余談だが…その時生還した敵兵は「悪魔を見た…アレは間違いなく悪魔だ…止めを刺した死体の髪を掴んで引きづりながら低い唸り声をあげてこっちに近づいてくる俺はあの時のあいつの目を生涯忘れる事が出来ない」そう語ったという…そして『破壊神』から『魔人』へと呼び名が変わったという…ミズキはある程度防衛ラインが完成するまでその先頭で敵に睨みを利かせていたがある程度の所で下がるとアイナの元へと走った「大丈夫だった?」そう言ってきたミズキにアイナは頭を下げた「ごめんなさい…周りを全然見てなくて」「いいのよ…最初はそんなものよ♪でもいい勉強になったでしょ?前線もそうだけどこういった戦術ラインはね生き物みたいなもので刻々と状況が変わるのよ…それを見極めて行動するのが戦場の鉄則!忘れちゃダメだからね」ミズキはそう言ってアイナの頭を撫でる…その時「ミズキ…悪いんだけど前線が押され気味でね…ちょっとだけ手を貸してくれないか?」チャットでリアがそう言ってきた「うーん…今日は僻地でのんびりしようと思ったのになぁ…」ミズキは苦笑いでそうつぶやくと「いい!無理はしない事、周りの状況をよく見る事!私ちょっと前線に向かうんで約束だからね」ミズキの言葉にアイナはうなずいて返事をするそれを見たミズキは親指をビシっと立てて走り去ったその後アイナはクリスタルを掘っては回収に来るナイトに渡す裏方作業を繰り返した初心者のアイナには戦況がどんな状態なのかがわからないためそれしかできなかったその時…「A7、B8外周オベ…ネズミ2匹!誰か急行して!」そんなチャットが飛び込んできた「ネズミ?」アイナが掘りながら首をかしげるとずっと黙々と隣で掘っていたソーサラーの男の人が「ネズミってのは敵地に潜り込んで建築物を壊そうとする輩さ」「えええ!潜り込めるの?」それを聞いたアイナが驚きの声を上げて聞き返した「だいたいはハイドで入り込むスカウトか…ナイトで巡回するふりをして飛び込む奴かな…」アイナは攻撃を受けているオベの事が気になったがミズキとも約束をしたので掘り続ける事にした「A7、B8オベ到着…おい!索敵ちゃんとやってたのか?2人ともセスだ!排除は俺がやるから至急セスを回してくれ!次来られたら両方とも折れるぞ!」「こちらG5エリア…申し訳ないが現在敵エリアのオベ破壊に入っているためちょっと戻れない!」「E4中央島!こっちもエクリプス破壊で戻れない」「スマン!D3もAT破壊中で押してるから戻れない」「回復だけできればいいんだ!手の空いたセスタスはいないのか?」チャットでそんな会話が飛び交っているアイナはクリスタルを掘りながら思わず胸を押さえたその時…「アイナちゃん…行ってあげて♪…そのかわり回復に没頭しちゃダメよ!周りをよく見てヤバくなったら退くんだからね!」チャットからそんなミズキの声が聞こえてきた「こちらB5クリ…セスタスですA7、B8に急行します!」アイナはチャットでそう言うと現地に向かって走り出した「おおお!頼むぜ!到着するまでにはこのセスタス共を排除しとくんで!」「お願いします!」アイナがそう答えると「こちら前線ミズキ!その子はうちのかわいい新人だからね!きっちりバックアップしてよ!もしも泣かすような事があったら裸にして広場に吊るすからね!」「げ!マヂかよ!おい聞いたか!吊るされたくなかったら索敵頼むぜ!こいつらを排除しても必ずまたアタックしかけてくるはずだ!」「了解!」「よし!うちの子は任せたからね!その代り痛めつけられたオベの分はきっちり倍にしてへし折る!前線押し上げるからセスさん続いて!」「G5セス了解!前線に合流する!」「D3了解!」「E4中央島…今エクリプスを建ててるそれが終わったら急行するぜ!」こんなやり取りを聞いていると勇気が湧いてくる…アイナは唇をキュッと引き締めると速度を上げたアイナの視界にA7のオベが見えた時「ちょっと手間食ったが2匹排除完了!…新人セスさん頼んだぜ!」「はい!がんばります!A7到着!回復はじめます!」アイナはそう答えてA7のオベに飛びこんでサクリファイスを使って回復を始めた数分後A7のオベリスクの修復が終わる「A7オベの修復完了しました!B8に向かいます!」アイナはチャットでそう告げてB8のオベに向かう幸いにもB8はかなり近い位置にあったためすぐに回復を始める「B8オベ回復開始しました…ただちょっと時間がかかりそうです」「ご苦労さま!…今どれくらい?」「20%切ってますね…この子」「そっか…修復がんばってね」「はい♪」アイナは元気よくそう答えたしかし…この建築物を補修するサクリファイスという技は自分の体力を減らすので連続で使用する事は出来ず…時折回復を待たなければつづける事は出来なかった「やっと40%かぁ…」アイナは肩で息をしながら額の汗をぬぐいその場に座り込んで休憩を始めた時「こちらE5崖下!今ナイトが4匹駆け抜けていった!…おそらくオベ狙いだ警戒してくれ!」「了解!キープから増援まわします!」「こちらキープ!B8のセスさん状況は?」「40%まで回復したところですが…続けられなくてゴメンナサイ」「今そっちに敵ナイトが4匹向かってるの40%ならすぐに折られる事はないと思うから見えたら注意してね!今こっちからも行けるだけの増援まわしたけど…たぶん敵の方が早いから!」「はい…了解しました体力回復したんでギリギリまで回復させます」アイナは返答すると修復を再開させた(「お!見えたよアレね…って2匹しかいないけど…」)「ほんとだ…2匹だね」アイナが目視で向かって来るナイトを確認した時(「ゴメン!後ろ!すぐ右に避けて!」)アイナはその声に反応して体を右に動かしたそこにフォースインパクトが飛んでくる…間一髪だった(「なるほど…こっちが一旦退くのは折込済みでそうはさせないってわけね…後ろは私が見てるから…!!!左!何かいるファイ!」)もう1人のアイナが不自然に折れ曲がった草に気が付いてそう声をかけたアイナは顔の向きを変えずに左方向にファイを放つ「グゥ!チッ!」吹き飛んだのは短剣を持ったスカウトだった近づいてきたナイト2匹は召喚を解除してセスタスへと戻った「こちらB8…敵はセスタス2人、短剣を持ったスカウトさんと…大きな剣を持ったウォリアーさんです」「退ける?」「最初から囲むつもりだったみたいで…無理そう…ですね」「了解!…オベをうまく盾にしてなんとか繋いで…増援はすぐ近くまで行ってるから」「頑張ります!」アイナはチャットにそう返事をして一瞬目を閉じるそして今まで修復してたオベリスクに額をつけると「ごめんね…ちょっとだけ助けて…」そうつぶやいたそして目を開けると同時にスタイルを対人用のルプスへと切り替えた…『To Be Continued♪』
2013/12/14
コメント(1)
『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~第三章・第1話「戦場」いつもの朝…朝食を済ませて食器を洗っていた時「さて…アイナちゃん…今日は戦場に行ってみようか♪」と、カウンターでお茶を飲んでいたミズキがにこやかにそう言った「そろそろ頃合いかもね…」隣で食器を拭いているフネもそう言って微笑む「えっと…よろしくお願いします」アイナは2人にそう返事をしたそして…ひと休みしてから装備品の確認をしてミズキと2人で街を出た向かうのはエスセティア大陸に入ってすぐの「シュア島古戦場跡」道すがらミズキからチャットの使い方や戦場での行動や専門略語などの説明を受けた…が、ほとんど理解はできていないそんなアイナの様子を見たミズキは「まぁ…最初はみんなそんなもんだよ」と、微笑んでアイナの頭を撫でたそして2人はシュア島古戦場跡へと入った「戦況はどんな感じ?」自軍キープ(本陣)につくなり群衆からリアを見つけてそう声をかけた「相変わらずさ…何考えてるか理解できないね、領土拡大なら中央目指せばいいのにさ」「なるほどね」「ただ…いつもの牽制と思いたいが、今日は嫌な感じなんだよね…って、おお!ついに戦場デビューかい?」ミズキと話していたリアがアイナに気付きそう声をかけてきた「は、はい…よろしくお願いします!」アイナはそう言ってリアに頭を下げた「まぁ…戦場の空気を味わうのは早い方がいい。それと誰も初陣に期待はしてないから気張る事無くできる事を一生懸命やればOK」リアはそう言ってアイナの頭を撫でる「お!ミズキがいる珍しいなぁw…って事は嫌な事があっての前線無双か?」「クワバラ、クワバラ…八つ当たりの生贄になる敵兵がかわいそうだなw」そんな事を言いながら数人の兵士がミズキに絡んできた「今日はうちの新人の戦場デビューだからそんなんじゃないってば…それに、私はウサ晴らしで暴れたりした事ないってばぁ♪」ミズキは口元に手を当ててかわいらしくそう答えたそれを見た兵士とリアが首を大きく横に振った「アイナちゃん行こう…あの人たち暑さで頭やられちゃってるから妄言ばっかりで困るわ…」ミズキはそう言いながらアイナの手を引いてキープの隅に移動した移動する最中も数名から同じ事を言われてたのを見ると妄言はどっちなんだろう…とアイナは思った「さて…コレが今日の戦場の全体図よ…クリスタルの役割は教わったと思うけど覚えてる?」「えっと…建築物を建てたり召喚に使うんですよね?」「グッド♪…で、戦場で重要になるのはクリスタルの在庫なのね…でこのキープに一番近いクリスタルをキープクリスタル略してキプクリって呼ぶの」ミズキの説明をアイナはうなずきながら聞いた「で、キープに近いからこのキプクリが重要なのね…序盤で取りすぎて枯れさせたりすると後半しんどくなるわけ…だからこの離れたクリスタルでできる限り掘る…そしてそれを輸送してくれる人がいるからその人に託す…OK?」「わかりました♪」「グッド♪グッド♪…今日はこのクリスタルに開戦と同時に行くからね♪うんで掘りながら裏オベが伸びてきたら建築…目安はだいたいココとココとココかな…裏オベが出来たら今度はここらにATを建てつつ徐々にエクリプスで領域を押し上げる…今日はそこまでできたら上出来ね♪」「はい♪」ミズキはアイナの返事を聞いて頭を撫でて微笑んだ「あ…あと、この戦場はたまにこの僻地まで攻め上がってくる事があるからハイドに注意する事」「ハイド?」「ハイドっていうのはハイディングっていうスカウトの技…姿を消して忍び寄ってくる厄介な技なんだけど…慣れれば気配とかそういうので索敵できるのね…」「へぇ…」「まぁ…アイナちゃんには無理だと思うから『ハイド注意!』って声がかかったらすぐ動けるようにするといいかな」「ほみゅ…」そんな話をしてるうちに開戦の時が刻一刻と近づいてきた「大丈夫♪落ち着いて1つ1つやればたいした事ないからね♪」ミズキがそう言って緊張でカチカチになってるアイナの肩を叩いたそしてついに回線の時を迎える「行くぞ!根性見せたれや!」「うぉぉぉぉぉ!」そんな掛け声とともに前線に向かう者キプクリに走りこんですぐに掘り始める者一斉に行動に移るアイナとミズキは作戦通り『B5』地点のクリスタルへと向かったそしてクリスタルに到着すると「こちら『B5』クリ…現在3名で掘ってます。『A6』からこっちの裏オベは担当するんでヨロシク!あと落ち着いたら輸送回してね♪」とミズキがチャットでそう言うと「こちら『銀行』…B5の状況了解♪よろしくお願いします♪」そんな返事が返ってきた「銀行?」アイナが聞きなれない単語に掘りながらミズキに質問した「銀行っていうのはね…必要な人にすぐに渡せるようにクリスタルを集めてる人よ…あとは戦場全体の動きを把握したり召喚数を把握して随時連絡したり…重要な役目の人よ♪」「へぇ…大変そうですね」「まぁ…私には向いてない仕事ねw」そんな会話をしてる間にクリスタルがけっこう集まりだした「お!けっこう集まったね…さて、オベの状況は…と…B6に建設中だからもう行こうか…B6が建たったらその範囲ギリギリのA6とA5の外周に建てて♪」「ここら辺と…ここら辺?」「いいねぇ…そんな感じで♪じゃあ初任務行ってらっしゃい♪」「はい♪」アイナはオベ2本分のクリスタルを持って現地へと向かったその途中で「現在、B5クリからA5、A6の外周にオベ建てに向かってます!」アイナはそうチャットで連絡を入れた「了解!…A5、A6は建設向かってるから他の方は重複注意してください!」アイナのチャットを聞いた銀行役の人がそうチャットで告げた(「なるほど…そうやって連携取るのね…」)もう1人のアイナがそうつぶやいたそしてアイナがA6に向かうため崖を飛び下りようとした時…(「ちょっと待った!」)と声がかかる…(「A6に先に向かうと戻るの大変だからA5を建ててから崖飛び降りてA6に向かった方がいいと思うよ」)アイナは走りながらMAPを確認する…確かにもう1人のアイナの言うとおりだ「ありがと♪」アイナはそう言うとA5へと進路変更したそして範囲ギリギリでかつ外周スレスレの位置にオベを建てる「A5オベ建てました!これからA6に向かいます!」チャットでそう言いながらアイナは崖を飛び下りるそして崖下を戻りながらA6エリアへと向かう坂道を駆け上がる「A6オベ建てました!…これからB5クリに戻ります!」アイナがチャットでそう告げると「了解!お疲れ様!」そんな返答が帰ってきた業務応答とはいえ…ちょっと嬉しくなった(「どうしたの?ニヤニヤして」)「え?だって…なんか役に立ってるんだな…頑張らなくちゃって思うじゃん…」(「そうね…よし、がんばろぉ♪」)「おう♪」もう1人のアイナとそんな会話をしつつミズキのいるクリスタルへと戻ってきた「お帰りなさい♪」「ただいまです♪」「グッド♪…A5から建ててくれたおかげでこっち側は2本オベが建てれたから…あとは動きを見つつB4外周に建ててこっち側の裏は完成かな」「はい!」「じゃあ…その前にこの橋の周辺にATを4つくらい建てちゃうか…」そう言ってミズキはもう1人の人からクリスタルを預かってアイナの肩を叩いたアイナはうなずいてミズキの後を追う「こちらB5クリ…C4、C5の橋付近にAT建てます!重複注意ね!」ミズキがそうチャットで伝えるとアイナはC4の橋へと向かった「こちらC4地点…ATを2つ建てます!」「同じくC5…AT2つ建てるよ!」アイナとミズキがそうチャットで告げてからATをほぼ同時に建設する「アイナちゃん…ちょっと来て」ATを建て終わった時…ミズキからチャットでそう言われアイナはミズキの元へと向かった「見て…崖下にクリスタルがあるのわかる?…あれがいちおうこっち領域のもう1つのクリスタルね…でも、崖の下だしけっこうせめぎ合いになるからまだ堀に行かなくていいよ♪」ミズキがそう説明した端からクリスタルが敵の襲撃を受ける「ほらね…で、あいつらはたぶんこの崖を上がってくる可能性大なので…ちょっと防衛しようか♪AT強化はできたっけ?」アイナはミズキにうなずいて返事をする「よし♪じゃあアイナちゃんはATで援護…私はちょっと下に降りて蹴散らしてくるね♪」言うが早いかミズキは崖下に飛び降りたアイナは一番際にあるATに向かって強化のスキルを使う(「うわぁ…凄い暴れっぷりね」)「う、うん…すごいね…」アイナがATを強化しながら崖下を覗き込んだその時…背後で嫌な気配がする(「左後方敵よ!」)「了解!」アイナは瞬時にファイを使って襲いかかってきた戦士をファイで弾き飛ばしたそれを見た近くの戦士たちが一気に襲いかかって止めを刺した(「うわぁ!よく見たら橋の向こうすぐ近くまで敵が来てるじゃん!」)もう1人のアイナの声を聞いて「ミズキさん!橋の向こう敵が来てるんでそっちに近いATに移ります!」アイナはチャットでミズキにそう告げて橋近くのATの強化に向かう「了解!私もすぐ行くから…無理しないでね!周りが引いたら一緒に引くんだよ!」ミズキの返答を聞いてアイナは周囲を確認する周囲にはソーサラーや弓を持ったスカウトが橋の向こう側に向かって攻撃していたアイナはATを強化して防衛に参戦するセスタスが強化したとはいえ所詮はAT…殺傷力は期待できないが相手にとっては飛び込むタイミングを邪魔されるようで足止めにはなっていた「絶対にこの橋は渡らせないんだから!」この時…アイナはミズキからの注意を忘れて強化に集中してしまっていたそれにアイナ自身が気づいた時は防衛ラインが後退を始めていて1人ATに取り残されるような形で周囲を敵に囲まれていたもう1人の自分の索敵でファイを使い応戦しなんとか耐えているが状況はどんどん悪くなる一方だった「クソ!何だよコイツ!ちょこまかと!どわぁっ!またファイかよ!」「気をつけろ!こいつ見てない方向にファイを撃ってくる!同時に複数方向から攻撃しろ!」アイナはその直後の攻撃でATから吹き飛ばされるなんとか防いだもののそのダメージは絶大で立っているのがやっとだった(「さすがにコレはアウト…かな」)「うん…ごめんねちょっと厳しいかも」アイナが辺りを見回してそうつぶやいた時「うちの新人をカモにするなんていい度胸じゃない!」そんな声と共に目の前にミズキが飛び込んできた…『To Be Continued♪』
2013/12/08
コメント(1)
『CRONOUS』 ~黙示録~第17話『-悲劇-』「ただいま!」「あ、トワさんお帰り」「おかえりなさーい」「お帰りなさい」リビングに帰ってきたトゥイージーにカラー、八咫、アデレードが声をかけるそして彼女たちはまた今までやっていた行動に戻るカラーは爪の手入れアデレードは読書…八咫はというと皿に乗せられた巨大なバームクーヘンの解体作業をしていたトゥイージーは相変わらずのメンバーの行動に苦笑いを浮かべた「で…どうだったの?」カラーは手入中の爪から視線を外す事なくトゥイージーにそう聞いた「うん…まぁ初日にしてはまずまず…と言ったところかな」「何回死んだの?」「そうだな…20回までは数えていたが…どうだろう、おおよそ50回…かな」「それはそれはご愁傷様…で、そのゾンビさんは?」「現在搬送中…もうじき着くだろ」「平原ってあそこでしょ?」「そうそう」「ほぼ1日…か、そりゃ歩けなくもなるわね…」「まぁね」そんな会話をしつつもカラーは終始「爪」から視線を外さなかったトゥイージーも同じく…どうにも八咫のやっている解体作業が気になるらしくその光景を見ながら受け答えをしていた「で…見込みは?」カラーはそう聞くと手入れをしていた爪にフッと息を吹きかけた「カラーさんの見立て通り…彼女の目は尋常じゃないね…」「でしょ?」その時…カラーとトゥイージーの会話に「目?」と言ってアデレードが割り込んできた「動体視力…とでも言ったらいいのかな…とにかく『見切る』ことに関しては恐ろしいほど優れてる」「良い事じゃないの?」「普通ならね…ソロで行動するならばあの能力は確実に彼女を助けるだろうね…」「???」アデレードはトゥイージーの回答に首をかしげる「彼女の場合は…その後が問題なんだわ」「反撃態勢に体が反応するんでしょ?」「さすが…よく見てるね」「それも良い事なのでは?」「意識的な場合…ならね」「????」アデレードはまたしても首をかしげる「彼女の場合…見切り、判断、反応、動作…おそらくこれがセットなんだわ」「つまり…攻撃に転じようとする癖がある…と、そういう事?」「そういう事…それも無意識、突発的な状況下でそれが出る癖があるんだわ…格下や同等クラスならそれは良い事なんだがね…格上相手にそれをやるから回避が遅れる…それもイレギュラーな事態が起こった時ほど咄嗟にそう動く」「いい位置に反応するんだよね…誰が教え込んだのか…あの動きをするバルキリーに心当たりがないんだよねぇ」カラーはそう言いながら手入れをしていた爪にコート剤を塗り始めた「一瞬考えたんだ…彼女をトップに据えたとするならどうだろう…とね」「フォーメーション?」「YES!もしもそういう体制下の元で戦っていたのならね…あの癖も合点がいく…彼女と彼女にその動き方を教えた者、そしてそれを補佐する者、援護する者…そういったフォーメーションを組んだ組織…」「心当たりは?」爪に息を吹きかけながらカラーがそう聞いてくる「戦術的に全く無いとは言えない…が」「が?」トゥイージーはそう言ったところで何か思案し始めるアデレードとカラーは顔を見合わせながら首をかしげる「いや…忘れてくれ」「は?」「えええ!」「あはははは…疲れてるのかもな」トゥイージーはそう言いながらキッチンへと消えた「できた!…解体完了♪」「ちょ…」「無残…」八咫は目の前の複数の帯と化したバームクーヘンを満足げに見つめたカラーと八咫はそれに苦笑いで答えるしかなかった「つまり…アレですね…思い浮かんじゃったんですよ」「へ?」「今のお話です…」「き、聞いてたの?」綺麗に解体されたバームクーヘンを見つめながらアデレードがそう聞くと「ええ♪」と、八咫は微笑んだ「で、何が思い浮かんだの?」「ですから戦術です…今私たちがあまり必要としていない、近接バルキリーをトップに据えた形…」「まさか八咫さんに戦術士の才があるとはね…」そこにキッチンからトゥイージーが出てきて口を挟んだ「才というか…なんとなく思い浮かんだだけです」「それを才っていううんだよ…普通は思い浮かばない物さ…」トゥイージーはそう言って定位置のソファーに腰を下ろす「で?…どんな形を思いついたわけ?」「え?…それはですね…」そう言うと八咫は近くにあった紙に図を描きながら説明し始めた「何これ…役に立たないじゃん…っていうかこれじゃ一点集中の攻城強襲か相当タフな単体への戦術でしょ?」「でもね…全く同じ戦術を俺も思い描いたんだ…」「え?」「この戦術が可能ならば…あるいはあの時も…ってね」「あの時って…まさか…」「そのまさかだよ…そしてもしももう一度そういう場面が訪れたら絶対に必要になる」「で、でもさ…それを見据えて行動してるギルドなんて…」「まず今は存在しないだろうし…心当たりがない…だから彼女の場合は天然であんな突飛な行動に出る…そんな癖がある…そういう事じゃないかな?」「なるほど…まぁ、居ても不思議じゃないよね…持って生まれた本能的な才能…」「そそ」「持って生まれた本能的な才能…かぁ」八咫はカラーとトゥイージーの会話を聞いてそうつぶやいた「おお?自覚ですか?」考え込んでいる八咫をからかう様にアデレードがそういうしかし八咫は何やら思案を続けていて反応が無いそしてしばらくの沈黙が続いたと思ったらポンっと手を叩き「白さんの『変態』もそれですかね?」と聞き返してきた「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」3人はそれを聞いて顔を見合わせる「あれは…まぁ、それに該当するかもな…っていうか今それを考えてたの?」「はい♪」トゥイージーの言葉に八咫は満面の笑みで答えたそんな八咫を見つめた3人はほぼ同時に八咫の解体したバームクーヘンに目を落しそして再び八咫を見る「???」そんな3人を八咫は不思議そうな表情で見返しながら首をかしげる「まぁ…これも才ってやつか…」「きっとそうね…」「うん」3人はそう言うとまた各々の行動にまた戻った八咫は眉間にシワを寄せて首を傾げ思案するも数秒後には解体したバームクーヘンを元の形に戻すという作業に取り掛かり始めたそして数10分後…見事なまでに元の形に戻すとそれを満面な笑みで見つめながらキッチンへと持って行ったそこへザンジオとアイナを担いだ孫が戻ってくる「ふぅ…さすがにこの距離は堪えますねぇ…」孫はそう言いながらアイナをソファーに下ろすといつもの姿に戻り腰を叩いた「孫さんお帰りなさい」キッチンから出てきた八咫はそう言いながら孫の腰辺りをさする「いやぁ…今日は長時間申し訳なかったね」「ほほほほほ…この様子じゃ明日は休みでしょうし…しばらくサボっていたトレーニングだと思えば」孫がアイナを見ながらそう言うと「も、もう…歩けません……」アイナは意識のない状態でそんな事をつぶやくそれを聞いた一同は吹き出して笑うそんなところに妙な笑みを浮かべた白魔童が帰ってくる「ほほう…何やら楽しそうで…」「白さん…その笑み…気色悪いぞ」「うん?そう?…だってさ…………」白魔童はそう言うとさらに奇怪な笑みを浮かべる「なんかいい事でもあった?」トゥイージーは棒読みでそう質問する「教えてほしい?」「いや…別に興味はないが…その笑みをやめて欲しいから聞いた」「実は………」白魔童は焦らす様にそこで言葉を止めたのち「教えないw」そう答えると口元に手を当ててまた笑みを浮かべる「チッ…聞くんじゃなかった」トゥイージーは舌打ちをしてつぶやく白魔童はそんなトゥイージーに見向きもせず鼻歌を歌いながらキッチンへと入って行った「なんなんだよ…まったく」トゥイージーがそう吐き捨てるように言うと「こないだの毒…まだ抜けてないんじゃないの?」と、カラーは爪にコート剤を塗りながら答えたそして白魔童は皿を手にキッチンから出てくるトゥイージーとカラーがそれを見て硬直するその2人の様子を見てアデレードが振り向き…やはり硬直する白魔童が手にしている皿に見覚えがあったからだそう…それはさっきまで八咫が楽しそうに解体作業をしていたあのバームクーヘンが乗った皿「お?もしかして…君達、今これを見て…食べたいとか思ってる?…だが断る!私、白魔童が最も好きな事は…欲しがってる奴の前であげずにゆっくり食べる事なのだから!」白魔童はそう言いながら硬直してる3人にバームクーヘンを見せつける今まで以上の奇怪な笑顔で…そして今まさに白魔童がバームクーヘンを食べようとつまんで持ち上げたその時…「な!な!な~~~~~~!なんじゃこりゃあぁぁぁぁ!」白魔導の叫び声をあげた「お、俺の…朝から楽しみにしてた…ば、バームクーヘンがぁぁぁぁ!…見せびらかせながら1枚1枚剥がしながら食べようと…その時のみんなの顔を思い浮かべて…その瞬間のためだけに今日1日を頑張ってきたのに………」トゥイージーとアデレード…そしてカラーは孫とザンジオが白魔童を見る中、八咫の方を見たすると八咫は顔の前で親指を立ててニヤッと笑った3人は吹き出すとその場に崩れて笑い転げる「お、お前らか!お前らだな!」「い、いや…知らないw……マヂで俺たちじゃない………ただ…なんか笑えてさ…」「く、くるしぃぃぃぃ…死ぐ…死んじゃうよぉ……」「お、お腹が…も、もう……だ、ダメ……」「ちくしょぉぉぉぉ!誰だぁぁぁぁぁあ!」呼吸困難になりそうな…もはや笑いというよりも泣き声に近い3人の笑い声と悲鳴にも近い白魔導の叫びがアジトに響き渡った……『To Be Continued♪』
2013/12/01
コメント(1)
全3件 (3件中 1-3件目)
1