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2010/10/14
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『CRONOUS』~眠らない大陸の物語~
第九章・第2話「-開錠-」

『ホテル・ラピス』

ハイネと音速丸が出て行った後、しばらくしてアイナが起きてきた
アイナは何も言わず焔からちょっと離れてソファーに座った
焔はそんなアイナをチラッと見ただけでしばらく無言でいたが
沈黙に耐えられず頭をかきながら大きなため息をついてうなだれる

「なぁ…お前は何でここに…」

そう言いかけた焔の言葉を遮ってアイナが



そうつぶやくように言った

「は?…お前…今なんて…」

焔がアイナにそう聞き返すと

「全部思い出したの…私が誰で…あなたが誰なのか…」

アイナはそう言って焔に飛びつくように抱きついた
焔はアイナの言葉に動揺したせいかそのままソファーに倒れこんだ

「知ってたんでしょ…私の事…なんで教えてくれなかったの?」

アイナはそう言って焔を見つめる
焔は思わず目を逸らした
その時、焔の頬に何かが当たる感触がして頬を触りながらアイナを見る
アイナの目からは涙が溢れ頬をつたっていた



言いかけた焔の言葉をアイナは唇を重ねて止めた
突然の出来事に焔は戸惑ったがアイナの唇が震えている事に気がつき
背中に手を回して抱きしめた
そして不意にアイナは唇を離すと焔を見つめて

「あの時からずっとお慕いしていました…」


焔は起き上がりソファーに座りなおすとアイナを膝の上に座らせる
アイナは焔の首に手を回して静かに目を閉じる
今度は焔がアイナに優しく口付けた

「ゴホン…」

入り口の壁にうつかった悲魔が咳払いをする
悲魔の存在に気付いたアイナは慌てて焔から離れると顔を真っ赤にしてうつむく
焔は頭をかきながらバツの悪そうな顔をする

「取り込み中のようだからまた後にしようか?」

悲魔はわざとからかうように笑いながらそう言う
焔は無言で首を横に振った
そして悲魔は焔と向かい合わせにソファーに座ると自分達の状況を報告する
焔は悲魔の報告を受けながらタバコを咥える

「と、まぁそんなところだけど…タバコ逆さまだよ」

悲魔はそう言って笑う
焔は咥えたタバコを手にとってそのまま机に置いた

「それじゃあ…状況はまた連絡するよ」

焔は腕組みをしたまま数回うなずくと悲魔はソファーから立ち上がる

「では…ごゆっくりw」

悲魔は笑いながら出て行った
焔は顔をしかめて頭をかいた
悲魔が出て行った後…アイナはまた焔に抱きつく
そして唇を重ねようとした時

「そうだ…アイナさん、柊さんだっけ?そっちが一段落したらでいいから連絡を取ってくれないかな…これでもう邪魔しないから…ゴメンね」

悲魔は入り口から顔だけ出してそうアイナに言いニコっと笑って出て行った
焔はソファーから立ち上がると入り口に『外出中』の看板を出して鍵をかけた


『SSD アジト』

「ただいま…特に変わった事は?」

悲魔は留守番をしていたシュウにそう聞いた
シュウは首を横に振って答えた
そして悲魔は狼をかまっている白狐のところに行き

「ちょっと時間がかかると思うけど…柊さんの事は頼んできたから」

そう言って白狐の頭を撫でる

「大変でしたねw」

凛は悲魔の言葉を聞いて察しをつけたのかそう言って笑う
悲魔は苦笑いを浮かべてイスに座った

「あとは…動きがあるまで静観かな」

「ですね…おそらく、タロがここに来ると思われますが…」

シュウがそう言い掛けた時入り口のドアがノックされる
シュウは席を立ってドアを開ける

「ほらねw」

そう言って笑いながら訪ねてきたタロを中に招き入れた

「なるほど…俺が来る事は予測済みという事か…」

タロはそう言って苦笑いを浮かべる

「久しぶり…って言った方がいいかな?」

悲魔はタロにそう言って笑う

「陛下…ご無事で何よりです」

タロが挨拶をしたところでイスに座らせると悲魔は現状を話して聞かせた

「そういう事だったんですか…それなら俺やクラッシュが君を知らないのも納得がいく」

タロはシュウを見てそう言った

「という事なんで…いずれ出向いて欲しいとクラッシュには伝えてくれないか?」

悲魔の言葉にタロはうなずいて返事をした

「ほぉ…これは珍しい来客だな」

そう言ってアジトに藁人形が戻ってくる

「状況は?」

悲魔がそう聞くと藁人形は空いてるイスにドカッと座り

「バカばっかりで嫌になるよ…」

そう言ってイスにもたれかかり頭をかいた
悲魔はそう言いながらもまんざらではないという表情の藁人形を見てフッと笑う

「という事は…うちのメンバーに焔のところ…加えてジャルさん」

「あとはクラッシュ組ってところですね」

悲魔とシュウがそう言うと

「デンキチのとこは?」

藁人形がシュウに聞いた
シュウは首を振りながら

「あいつは特に不器用だからな…」

そう言って笑った

「うちのメンバーも頭数に入れてくれないかな」

タロがそう言うと

「そりゃぁ心強いが…いいのか?」

藁人形が聞き返した

「うちのメンバーも負けじ劣らずバカばっかりでね…」

タロはそう言うとため息をつきながら笑った

「本当にありがたい…何も返せないのが心苦しい限りだ」

悲魔はそうつぶやくように言ってイスから立ち上がり窓の外を見つめた
その時…2Fの寝室で何か大きな物が落ちたような物音がした
悲魔たちは顔を見合わせる

「誰かここに残ってたっけ?」

そんな悲魔の言葉に凛は首を振って答える
悲魔たちはそれぞれ武器に手をかけて目で合図を取りながら2Fに上がり寝室のドアを開ける

「痛ってぇぇぇぇ…屋根を踏み抜いちまったよ」

音の犯人はニライだった
ニライは背中を強打したらしくさすりながら起き上がる
悲魔たちが天井を見ると大きな穴が開いていた
悲魔はため息をついてうなだれる

「お前なぁ!何やってんだよ!」

藁人形が形相を変えてニライをつるし上げる

「だってよう…どいつもこいつも静観、静観って…もう待機はうんざりだってばよ」

「だからって何で屋根に穴あけるんだよ!」

「ワザとじゃないって事故だよ事故!…ここん家の窓は狭すぎるから嫌なんだってば」

「だったら玄関から入ってこいよ!」

「それじゃ普通すぎるってばよ…」

「普通でいいだろ!」

藁人形とニライの無駄とも思える口論を聞いた悲魔は顔に手を当てると

「とりあえず…隣に修理を頼んでくるよ…」

そう言って寝室を出て行った
しばらくして悲魔が戻ってくるとニライ達がちょうど2Fから降りてくるところだった

「ほぉ!でっかい犬がいるぞ!犬を飼いはじめたんか?」

そう言いながら寝そべってる狼のところに走って行く

「あいつもアレが犬に見えるのか…」

藁人形はそうつぶやいてため息をつく
狼は近づいてくるニライを見て起き上がると何かを訴えるように鳴き始めた

「なんだ…犬かと思ったらトモじゃないか…何やってんだよお前」

ニライはそうつぶやいた
それを聞いた凛が

「この子を知ってるんですか?」

と、ニライに質問した

「いやいや…お嬢さん…突然求婚されましてもなぁ…困りますよ」

ニライは凛の手をとってそう返した

「お前の耳はどうなってるんだ!」

藁人形が叫びながらツッコミを入れる

「冗談に決まってるだろ…笑うところだろここは…」

ニライはため息をついてそう言いながらも凛の手を握り続けた

「で…本当にその狼を知ってるのか?」

今度は悲魔が聞き返した

「知ってるも何も…リュウんとこの副団長だってばよ…なぁ」

ニライは凛の手を摩りながらそう言って狼に同意を求める
狼はうなずいてみせる

「で…なんで犬のままなのお前?」

ニライは狼にそう聞くと
凛はニライの手を振り払って

「この子は首輪のせいでこの状態から戻れないんです」

そう答えてニライから離れる

「なら外せばいいだろ…」

ニライは不思議な顔をしてそう言いながら首をかしげる

「それが出来ないから苦労してるんですよ!」

少し声を荒げて凛がニライにそう答えた

「ほぅか…外せないんか…へぇ…」

ニライはそう言いながら怪しく笑い頭上にハンマーを掲げた


『ホテル・ラピス』

音速丸が入り口に掛けられた看板を見つめている
そこにホテルの裏側からハイネが走ってくる

「ダメです…どこも開いてません」

「旦那はどこに行ったんだよ…」

音速丸とハイネはため息をついた


『SSD アジト』

「屋根はもうすぐ直るけぇね…この床はどうする?」

廣島一家のアスパラが4箇所の床に開いた穴を指差して悲魔に聞いた

「ここも直してください…」

悲魔はそうアスパラに頼むとため息をつく
アスパラは床の穴を確認して書類に書き込んで悲魔に渡す

「床の修理は後日になるねぇ…あぁこことここにサインね」

悲魔はアスパラに言われた場所にサインをした

「ほじゃまいどねぇ♪」

アスパラはそう言ってアジトを出て行った

「ニライ…お前はアジトを壊す気かよ!」

「お前らがちゃんとトモを抑えないからだろ…お前もお前だよ、はずしてやるって言ってるのに逃げ回るし…」

「逃げ回るよそんなハンマーで狙われたら!」

トモベリーはそう言って首元を摩りながらニライを睨み付ける
タロや藁人形もその言葉にうなずいて同意をする

「なんなの…私の苦労は…」

部屋の片隅でそうつぶやきながら座り込む凛を白狐が頭を撫でてなだめる

「タイガーピッキングに開けられぬ鍵はナシ!」

ニライはそう言いながら豪快に笑う

「そう言えば…さっきニライがリュウのところの副団長って言ってたけど…」

悲魔がトモベリーにそう聞くと

「あ…申し遅れました…私、リュウ様が団長を務めます北狼騎士団の副団長…トモベリーと申します」

トモベリーはそう言って悲魔たちに頭を下げた

「で…なんでまたあんな姿に?」

藁人形がトモベリーに質問するとトモベリーは事の経緯を話して聞かせた

「なるほどね…つまりこいつとそちらのお姫様が恋仲で結婚を反対されて駆け落ちをしたと…」

「はい…気が動転してる国王を見て勘違いをしたリュウ様が単身ニライ様を追って飛びだしまして」

「あいつの早とちりにも困るなぁ…」

藁人形とトモベリーの会話にニライはそう言って呆れ顔をする

「お前が言うな!」

藁人形とトモベリーが同時に叫んでツッコミを入れる

「となると…リュウは戻る事になるか…」

「はい…私もリュウ様を連れ戻す気で居ましたのでそのつもりでした」

残念そうに言った悲魔にトモべリーがそう答える

「うん?…でした?」

トモベリーの言葉を聞いた藁人形が聞き返す

「ですが…どうであれ今は戦力になるのであれば私も加勢いたします…まがりなりにも助けて頂きましたし」

トモベリーはそう言ってニライを冷ややかな目で見る
そこにタイミングよくリュウが戻ってくる

「相変わらずここは賑やかいなぁ…ってトモ…お前がなんでここにいるんだ?」

リュウは不思議そうにそう言うと
トモベリーは言葉になら無い怒りを露にして泣きながらリュウを責め立てる
リュウは事情がわからず眉間にしわを寄せてただただ首を傾げるばかりだった


『ホテル・ラピス』

「えっくしぃぃぃん!」

静まり返った辺りに音速丸のくしゃみが響き渡る

「焔さん…帰ってきませんねぇ」

ハイネはそう言ってため息をつく

「えっ…えっ…ええっくしぃぃぃぃんん!!」

「大丈夫ですか?…カゼ、伝染さないで下さいね…」

「ちくしょぉ!旦那どこに行ったんだぁぁぁ!」

音速丸の無常な叫び声がこだました…



…『To Be Continued♪』





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Last updated  2010/10/14 06:05:50 AM
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あとがき♪  
おはようございます♪
えっと…のっけから惚気っぽいはじまりで…
申し訳ありません…|-`*)
一部の方は察しがつくかと思いますが…
実はこのエピソードがあるために執筆が止まってました^^;
まぁ…生きてれば色々ありますからね…w

シリアスな雰囲気で始まった九章もこの辺はマッタリですね…
私にボキャブラリーというか表現力というべきか…そういうのがもっとあればもう少し違ったんでしょうけど…90話以上書いていて進歩の欠片も見られない辺りは才能が無いんでしょうねぇ…
ここまで支えて来て下さった皆様にはただただ感謝の気持ちでいっぱいです^^

という事で…次回は日曜日頃ですね♪

…『To Be Continued♪』

(2010/10/14 06:13:29 AM)

Re:第2話 「-開錠-」  
タイガーなニライ さん
続きが気になるから明日UPしてください! (2010/10/14 06:46:44 PM)

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