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藝人春秋水道橋博士文藝春秋2012/12/6【送料無料選択可!】藝人春秋 (単行本・ムック) / 水道橋博士/著中野のブロードウェイの3階。本が探しづらいことで有名な明屋書店。案の定見つからず店員さんに聞いたら、脇にいた男性の店員さんが汗をかきかき何も言わずに持ってきてくれた。そのまんま東、甲本ヒロト、石倉三郎、草野仁、古舘伊知郎、三又又三、堀江貴文、湯浅卓、苫米地英人、テリー伊藤、ポール牧、爆笑問題、松本人志、稲川潤二、児玉清。出てくる人を並べるだけでうさんくさい。こうした人たちの伝説をまとめた本。ビートたけしという基準点を持つ強み、猛獣に対する好奇心・突破力、エピソードを記憶する力、漫才と文筆活動で磨かれたネタの構成力などがすべて結集してできたのがこの本のような気がする。面倒くさそうな人をみて避けたくなる人と、好奇心持って突っ込んでいくタイプがあるとすれば博士と鶴瓶師匠は突っ込んでいくタイプ。で鶴瓶師匠は見守って物語を引き出すのに対して、博士は引きだして物語を作っていく。どっちもメリットデメリットあって、アウトプットに対称的に現れている。人の人生に踏み込みつつ、そこに自分の人生も反映させる作業は楽ではないし、書くだけで精神的にヘトヘトになる。それをボケたうえで6000字でまとめる筆力はさすが笑芸人で読んでたネタもあるし、ドナイト、北野キッド、鼎談、マスクマンも見ていたので、出てくる人のエピソードが映像と共に浮かんできた。最後のspesial thanksのところでぐっときた。
December 27, 2012
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「ラブ沖縄@辺野古・高江・普天間」ポレポレ中野10:302004年から2012年10月のオスプレイ強行配備まで、沖縄で繰り広げられる抵抗運動に迫ったドキュメンタリー。抵抗運動してるおばあの「少しでも着工を遅らせて世の中が変わるのを待つ」って言葉が印象的。抵抗側からの視点だけど、政府の手先として働いている防衛局の人らが何考えて仕事してるか知りたくなる。http://america-banzai.blogspot.jp/
December 26, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)01/03-10号2012/12/25発売注目作家に聞く!早野透「田中角栄」(中公新書) 田中角栄 戦後日本の悲しき自画像 (中公新書) (新書) / 早野透/著元朝日新聞の政治部の編集委員の方。総理就任から、ロッキードの有罪判決まで、田中角栄氏を最期まで追い続けた番記者が田中角栄氏の政治人生を網羅した本。朝日の政治部のデスクというからすごく構えていたのですが、腰の低い気さくな感じの方で、すごく話しやすかったです。田中角栄氏の番記者を務めるくらいの方でも、取材されるのは慣れてないようで、こうしたギャップを埋めていけるのもインタビューの醍醐味かもしれません。
December 25, 2012
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民族芸能を守る会 師走例会上野・宋雲院18:00けい木「つる」彦丸「大初音の鼓」禽太夫「お見立て」正雀「お血脈」 仲入り遊平かほり 漫才「山内一豊の妻、出世の馬揃え小三治「二人旅」彦六直伝の牛めし毎年恒例の演芸評の取材で。小三治師匠のマクラは、美空ひばりのお祭りマンボ。鼻歌風に歌いながら歌詞の内容を淡々と解説していくだけなのですが話芸として完成されてる。「一緒に歌おうとしてた客に歌うな」って言うところがすごい。マクラ40分、落語10分。のんびり二人旅。遊平かほり先生の「山内一豊の妻」を題材にした講談調の漫才が新鮮。最近のお二人の漫才はどんどん面白くなっていく。 彦六直伝の牛めしが振る舞われて今年もおしまい。
December 19, 2012
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Let,sGo!西新宿ぶら~り寄席vol.2西新宿ミュージックテイト19:30立川がじら「たらちね」吉好「釣りの酒」(作・金語楼)神田松之丞「寛永宮本武蔵伝 吉岡治太夫」 仲入り吉好「宗論」吉好「動物園」金語楼先生の「釣りの酒」はエロダジャレネタで今ならセクハラ部類に入るようなたわいもないネタなんだけど、寿輔師匠とか年配の落語家さんがやると味わい深くなるんでしょうね。吉好さんはネタ卸しだったから、この話のどこが面白いかよくわかってなさそう。客席の反応みてこれをどうするかは楽しみ。神田松之丞さんたっぷり、外連味たっぷり、熱演。最後まで行かないと踏んでいたらちゃんと最後まで。勧善懲悪の仕込みでカタルシスまできっちり。
December 15, 2012
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55歳からのハローライフ村上龍幻冬舎2012/12/5【送料無料】55歳からのハローライフ [ 村上龍 ]インタビューできそうだてんで、慌てて読み出したのだけど、結局飛んでしまった本。文字通り55歳前後で人生の転機を迎えた中高年の男女5人を描く連作集。離婚してお金のために再婚考える女性、リストラになってホームレス転落を恐れる男性、古本屋であう若い女性とデートを楽しむようになった元トラックの運転手の無職…。なんか5人とも貧困とか精神的に満たされないとか「孤独」って言葉がぴたりくる50代。読んでる時はそうでもないけど、読んだ後にジワジワ来るタイプの小説。タイトルが「13歳のハローワーク」に引っかかってるから勘違いしそうだけど全然そんな本じゃないのがミソ。
December 13, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)12/20号2012/12/11発売注目作家に聞く!相場英雄「鋼の綻び」(徳間書店)【送料無料】鋼の綻び [ 相場英雄 ]今年初めの「震える牛」でヒットメーカーに躍り出た作家さん。時事通信の経済記者出身の方だけに、経済の話が真に迫っています。ITと株取引をうまく結びつけたサスペンスで、首相秘書官のキャラクターも面白い。ハイブローな人に響きそうなエンタメでした。フットワークが軽くて、意図をくんで話すのもうまくて、話を聞くのもうまくて、物語を作るのもうまくて、売れる要素をたっぷり持つ、仕事のできる方という印象を受けました。
December 11, 2012
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深夜寄席新宿末広亭21:30~さん若「替わり目」たこ平「堪忍袋(関西弁)」ぬう生「唖の釣」小駒「明烏」たこ平さんなんで関西弁なのかと思ったら大阪出身なのか。江戸弁の落語しか聞いたことないからびっくりした。堀井さんがいつもの席でなく桟敷にいた。
December 8, 2012
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稲田和浩の時間~正岡容を語る2らくごカフェ19:00~稲田和浩「正岡容を語る」 仲入り稲田和浩 朗読「浪花節更紗」(正岡容・作)「浪花節更紗」はものすごいハッピーエンド。後味のよい味わい深いお話。作者の性格が表れているのかもしれない。朗読も聞きやすかった。終わった後に行った打ち上げもすごかった。ほとんど作家・クリエイティブ系。この世界で活躍してる先輩方。
December 7, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)12/06号2012/11/27発売注目作家に聞く!平田オリザ「わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か」(講談社現代新書)【送料無料】わかりあえないことから [ 平田オリザ ]演劇好きな自分がまさか平田オリザさんに話を聞けるとは思ってもなかった。編集者が来られなかったので、こまばアゴラ劇場のアトリエでマンツーマンの取材。コミュニケーションの本なので、本の話を中心に30分くらい。緊張を悟られないように淡々と聞いてしまった。
November 27, 2012
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武器としての決断思考(瀧本哲史、星海社新書)【送料無料】 [ 瀧本哲史 ]「武器としての交渉思考」(瀧本哲史、星海社新書)【送料無料】 [ 瀧本哲史 ]NHK12時のNEWS WEBで火曜ナビゲーターをしてる瀧本さんを知りたくて読んだ。ベストセラー本。「決断思考」は、ディベート本。ディベート術は破壊力の強い武器になってしまうので、「持つ分」にはいいけど、日常のコミュニケーションで使うのは注意が必要だと思う。「交渉思考」は、そのとおり交渉術。こういうことは習う場所がないので、結構学ぶべきところが多かった。こういうことを京大生は習ってると思うとやっぱ京大ですごいと思う。糸井さんところを出て今はフリーのライター。肩書きは「インタビュアー」。木村さんの金曜日を見てると、インタビュアーの資質を備えていることがわかる。たいして難しくなくて、ただまじめに聞く姿勢だけなんだけど、意外とできない人多いので。
November 20, 2012
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銭形平次捕物控 雪の精 長編浪曲一挙口演亀戸・カメリアホール14:00奈々福「銭形平次捕物控(前半)」 仲入り奈々福「銭形平次捕物控(後半)」曲師:沢村豊子前半と後半で合わせて2時間弱。1本のストーリーを全部浪曲でしかも1人きりでやるのだから、こりゃすごい。雪の夜、高利貸・越後谷佐吉の妻が自宅で首を切られて死ぬ。その犯人を平次が推理するというミステリー浪曲。ホームズでも金田一でも何でも通じる物語ですが、ミステリーだけに非常に燃費の悪い。繰り返し聞かせる演芸ではほとんどやる人がいない中、国友忠先生の意志を継いで、立派に務めた奈々福さん。世界観を含めてトータルで良かった公演でした。
November 17, 2012
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新作落語せめ達磨vol.41 ─創れ!わんぱく泥団子─なかの芸能小劇場19:00~今輔・天どん 前説きく麿「逃げない男」羽光「読書感想文」駒次「できない」 仲入り馬るこ「二歩恋」ぬう生「ホスト親子参観」馬るこさんって擬古典もやるんだ。劇画ぽくて面白い。新作やるといつかぶつかるネタができないネタ。駒次さんもついに来ましたね。ぬう生さん、これで攻め達磨卒業だって。ますます見られる場所がなくなるー。
November 17, 2012
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ラッパ屋第39回公演「おじクロ」新宿・紀伊国屋ホール19:00~大手家電メーカーの業績不振で倒産寸前の町工場のおじさんたちがももクロ(ももいろクローバーZ)に励まされるという何ともな話。おじさん5人が「行くぜっ!怪盗少女」を完コピで踊ってた。知り合いの武藤さんはモノノフ(ももクロヲタ)役。怪我という設定で踊らず残念。脚本・演出:鈴木聡出演:おかやまはじめ/俵木藤汰/福本伸一三鴨絵里子/弘中麻紀/大草理乙子/ともさと衣(客演)岩本淳/中野順一朗/浦川拓海/宇納佑/熊川隆一/武藤直樹
November 16, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)11/22号2012/11/13発売注目作家に聞く!菅原和也「さあ、地獄へ堕ちよう」(角川書店)【送料無料】さあ、地獄へ堕ちよう [ 菅原和也 ]今年の横溝正史ミステリ大賞を受賞した菅原さんは、24歳。高校中退後、ピアノバーのバーテンダー、キャバクラのボーイと職業を変えながら、現在も下町でキャバクラのボーイをしてる。金髪、長髪、唇ピアスという風貌。新人さんなのでインタビュー慣れはしてないのですが、そのういういしさと、努力とか才能とか戦略とか見せない若者らしいテレ隠しが面白かったです。作品も人体改造とか自殺サイトとか、ちょっと不思議な世界で、ヒリヒリする作品です。
November 13, 2012
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神田伯龍七回忌追善演芸会三越前・お江戸日本橋亭18:30入船亭遊一「元犬」神田昇龍「天保水滸伝 笹川の花会」立川ぜん馬「抜け雀」 仲入り一龍斎貞鏡「扇の的」一龍斎貞山「高野長英 召し捕り」某所に書いた原稿。 2006年に享年80で死去した六代目神田伯龍の七回忌にあたる11月、ゆかりの講釈師、落語家が集う演芸会が開催された。 伯龍が病に倒れるまでほぼ隔月で開催していた、お江戸日本橋亭での独演会。その前座を長年勤めた入船亭遊一が開口一番に登場し、念願叶って人間になった犬が騒動を起こす「元犬」で温める。続いて、伯龍最後の弟子の昇龍が、伯龍譲りの口調で「天保水滸伝 笹川の花会」を読むと、続く立川ぜん馬が前半の舞台を引き締めた。 ぜん馬は、昨年死去した談志が若き頃、伯龍から「小猿七之助」の稽古を付けてもらった頃のエピソードを述懐しながら、伯龍を失った関係者やファンへの思いを募らせる。ぜん馬が選んだ演目は、狩野派の絵師が旅籠で描いた雀の絵から、雀が飛び立つことで評判を呼ぶ「抜け雀」。ストーリーのしっかりした名人譚を、淀みのない語り口で聞かせた。 後半、伯龍の孫にあたる女流若手の一龍齋貞鏡が「那須与一 扇の的」でつなぎ、伯龍の養子として多くの教えを受けた一龍齋貞山が、伯龍直伝の「高野長英」を披露。幕末の医者で蘭学者の高野長英。幕政批判のかどで捕らえられるも破獄し、変名を使って町医者を開業していたところを、牢内で一緒だった悪党に強請られ、召し捕り直前に自害を果たす。 貞山の魅力はその眼力にある。長英が硝酸で顔を焼き、人相を変えて潜んでいた潜伏期、結婚して子どもを授かった頃の安らぎ期、捕縛に追い込まれた絶命期。それぞれの場面における長英の心情を、その眼力だけで見せる表現力は貞山ならでは。悲劇的な結末ではあるものの、信念を持って生き抜いた男の物語は、伯龍の七回忌を締めくくる演目として骨太の選択となった。
November 12, 2012
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昇々・吉好の会 その5神保町・らくごカフェ19:00OPトーク吉好「動物園」昇々「悋気の独楽」 仲入り吉好 「忘れた」昇々「化け物使い」4席古典。
November 10, 2012
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瑞姫の浪曲をもっと楽しむ会浅草・木馬亭14:00瑞姫 浪曲「みみず医者」(房前智光・作)」(曲師・浪花三光)スペシャルデュオ 丸山史朗(Flying Kids) & 大竹英二(ハモニカ)節劇「浅草の風・三丁目の西日 ~ とりあえず愛… ~」出演:瑞姫、重田千穂子、鈴木浩之、香川けんじ・香川まさし(コントD51)作・演出:元木すみお「みみず医者」、偽医者?薮医者が、患者にみみずをすりつぶした薬を作って患者に処方してびくびくする話。こういうトンデモネタがあるのが浪曲の面白いところ。節劇は、手慣れた台本で芸達者の重田千穂子さんで、浪曲がかぶさって、よい感じ。Flying Kidsのギターの丸山さんと ハーモニカ世界チャンピオンの大竹さんのデュオも味わいたっぷり、ずっと聞いていたいくらい。芸術祭参加作品。審査員の0さんとお会いした。
November 10, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)11/15号2012/11/06発売注目作家に聞く!田中慎弥(文藝春秋)【送料無料】夜蜘蛛 [ 田中慎弥 ]今年の芥川賞をとった田中さんの新刊。「共喰い」も強烈な父親が出てきますが、本作もまた、戦争に2度いって2度助かって引き上げてきた父親を描く話。老いていく父親と息子の距離感で誰にでも共通してる部分から共感できるところも多い。質問に対してまじめに応えようとしてくれる田中さんの姿勢が印象的でした。
November 6, 2012
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11月文楽公演文楽公演通し狂言 仮名手本忠臣蔵【第二部】国立文楽劇場大阪・日本橋16:30~大阪出張取材で15:30に終わったので、16:30の第二部を飛び込みで。終電ありで大詰めまでいられず。途中退席。仮名手本忠臣蔵でも歌舞伎とは違った場面の抜き出し。人形と浄瑠璃を活かすように作られている。初の文楽劇場ですが国立の劇場だけに東京と近いものあり。文楽の浄瑠璃の歌詞が舞台上の上のスクリーンに流れるので字幕見ながら人形劇を見る感じ。すごくわかりやすい。【第二部】七段目 祇園一力茶屋の段八段目 道行旅路の嫁入九段目 雪転しの段 山科閑居の段ここまで。大詰 花水橋引揚の段
November 6, 2012
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桂宮治vs立川吉笑神保町・らくごカフェ19:00OPトーク吉笑「逸材」宮治「禁酒番屋」宮治「饅頭怖い」吉笑「ふすま屋~大根屋騒動」近年二ツ目に昇進した中では注目の2人の組み合わせ。2人とも個性は逆ですが、勢いがあって面白かった。吉笑さんの「逸材」は日本語とその使い方に対する批判性。「ふすま屋~大根屋騒動」はマーケティング的なものに対する批評精神があってユニーク。
November 4, 2012
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鍵泥棒のメソッド新宿バルト9「運命じゃない人」以来、内田けんじさんの新作は必ず見るようにしてる。緻密に作られたオリジナル脚本が面白い。主役は堺雅人だけど、ストーリーの主役は明らかに香川照之。記憶喪失で2重キャラをやるわけだからどうしても芸達者ぶりが目立てしまう。
November 2, 2012
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アルゴ新宿ピカデリー映画クルーに偽装して大使館の人質を救出する実話。馬鹿げているようで、かなり真面目なサスペンス。中国の日本大使館が襲われた今、この事件(1979年に起きたイランのアメリカ人大使館人質事件)の恐さは理解できる。でも日本人がこの映画みたら9割は主演のベンアフレックを尾崎紀世彦だと思う(現実にそういうツィートが多い)。
November 1, 2012
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「のぼうの城」和田竜小学館2010/10/62年近く積ん読状態だったた「のぼうの城」を移動中などに細切れで読んでてやっと終わった。脚本賞(城戸賞)とって小説にしてまた脚本に戻しただけあって、キャラクターの面白さは圧倒的。長親が萬斎さんキャスティングされた意味が後半でわかった。なーにも考えてないトップの行動を、周囲が勝手に神々しく解釈する。「こんにゃく問答」のこんにゃく屋の六兵衛と旅僧の関係に近いのでは。【送料無料】のぼうの城(上) [ 和田竜 ]【送料無料】のぼうの城(下) [ 和田竜 ]
October 30, 2012
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春風亭昇太独演会「古典とわたし」下北沢・本多劇場19:00~21:10他の人が行けなくなったので行きませんか的なチケットで。今月行ったライブは全部、人の代理。ネタ下ろし縛りにしてるという「古典とわたし」。下ネタは意識してやって来なかった昇太さんが「禁酒番屋」で解禁。「井戸の茶碗」もネタ下ろしに近いんだそうです。わりとオーソドックスで崩さない中に昇太キャラで味付け。世間から広く期待されるようになった昇太さん、製造業、サービス業に近い形で意識的に商品作り(ネタ作り)をしてる感じがしました。笑志「反対俥」昇太「禁酒番屋」昇太「時そば(関西版)」仲入り昇太「井戸の茶碗」
October 29, 2012
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三枝改メ六代桂文枝襲名披露公演青砥・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール14:00~16:30チケットあるので行きませんかメールで初の葛飾まで。青砥駅で初めて降りた。中川家「青砥なんて千葉にあげちゃえばいいのに」っていいながら鉄道話で盛り上げる。「背なで老いてる」は、はん治さんで何度か聞いてるけど本家は初めて。「義理と人情を秤にかけりゃ」の歌詞が思い出せないところのボケを、長めに引っ張るところが新発見(CDの音源にはないので)。昇太さんは完全に営業仕様。でも面白い。襲名披露口上には「ほっともっと(Hotto Motto)」と書かれた赤い後ろ幕。すごい宣伝効果。桂三四郎「時うどん」桂かい枝「オトナの試験」(かい枝・作)春風亭昇太「ストレスの海」(マクラ長め、志の輔さんの話)仲入り襲名披露口上/きん枝・昇太・文枝・中川家中川家 漫才桂文枝「背なで老いてる唐獅子牡丹」(三枝・作)【送料無料】桂三枝大全集 創作落語125撰 59 『背なで老いてる唐獅子牡丹』『ホステス改造論』 [ 桂三枝 ]【送料無料】特選・歌カラベスト3::唐獅子牡丹/網走番外地/男なら [ 高倉健 ]
October 28, 2012
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「共喰い」(田中慎弥)新潮社2012/1今年前期の芥川賞受賞作「共喰い」。高校2年で1個上のセ フレがいるって主人公がうらやましい。「血と骨」に近いイメージ。前年の候補作「第三紀層の魚」も面白かった。【送料無料】共喰い [ 田中慎弥 ]
October 24, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)11/01号2012/10/23発売本バカにつける薬注目作家に聞く!大沢在昌「獣眼」(徳間書店)さすがに大御所、鮫の大沢さんとなると緊張した。慣れていらっしゃるので本に関する話はささっと終わり。同行の編集者さんとしてた今の出版業界の話を興味深く聞いた。【送料無料】獣眼 [ 大沢在昌 ]
October 23, 2012
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第401回 花形演芸会半蔵門・国立演芸場18:00~21:00「爆笑問題」出るよと誘われていった。久々に見た爆笑の漫才。ふり1、ボケ2くらいの感じで、時事ネタを細かくつないでいくスタイル。見てるほうとしては、ぼけ3、4くらいで深追いして欲しいところですが、年配客も多い客層を考えると、それくらいのあっさりめがいいという戦略が感じられました。「伽羅(きゃら)の下駄」とかオチが想像できて、そのとおり終わってくれるくだらない落語もらしくていいですね。春風亭べん橋「ろくろっ首」爆笑問題 漫才ストレート松浦 ジャグリング桂吉弥「愛宕山」仲入り桂文雀「伽羅の下駄」エネルギー 狂言コント三遊亭遊馬「蒟蒻問答」
October 20, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)10/18号2012/10/09発売本バカにつける薬注目作家に聞く!高野史緒「カラマーゾフの妹」(講談社)今年の江戸川乱歩賞受賞作。結構売れています。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の事件から13年後。特別捜査官になった兄妹の1人が事件を真相を追う物語。「カラマーゾフの兄弟」自体読んでなくても「カラマーゾフってこういう話だったんだ」と理解できるお得な本。自分も読んでなかったし、審査員の東野さんも読んでなかったらしいです。高野さんはSF作家としても活躍してる方で、面白かったところを言ったら「そこはSF作家としての矜持を持って書きました」という力強い言葉が返ってきたことが印象的でした。「スチームパンク」ってジャンル初めて知った。【送料無料】カラマーゾフの妹 [ 高野史緒 ]
October 9, 2012
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市馬・喬太郎 ふたりのビックショーなかのZERO 小ホール19:00~21:30行けなくなった知人から譲ってもらったチケットで。「ビッグショー」じゃなくて「ビックショー」なんですね。喬太郎さんギリギリで「特撮博物館」に間に合ったみたいでよかった。サイモン&ガーファンクルみたいな「明日に架ける橋」の話自体の良さが理解できないのは、自分が年齢とか経験を経てないから。60以上のお客さん向けの仕掛けがいっぱい。えりさんやっと見られた。市也「手紙無筆」さん弥「もぐら泥」~伊勢音頭(踊り)寒空はだか 東京タワーの唄市馬「御神酒徳利」 仲入り恩田えり お囃子教室(「夜行列車」(市馬)、「鳥追い道中」(喬太郎)、「東京スカイツリー音頭」(はだか)+「やっこさん」)喬太郎「明日に架ける橋」
October 5, 2012
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講談かぶら矢会(50回)半蔵門・国立演芸場17:50~宝井琴柑「出世の馬揃い」宝井琴桜「小松菜の由来」宝井琴梅「新吉原百人斬・紋久と一平」一龍斎貞山「腹切り平左衛門」宝井琴調「夜もすがら検校」(長谷川伸・原作)仲入り宝井琴柳「笹野権三郎・海賊退治」宝井琴星「蟹工船」(小林多喜二原作・琴星脚色)某所に寄せた原稿。 ベテラン講釈師が6人で立ち上げた「講談かぶら矢会」。94年から年に2、3回の開催を重ね、通算50回を迎えた記念公演を見た。 講談には、落語のように柔らかい芸もあれば、いかにも講談という剛速球を投げ込む芸もある。宝井琴柳が読んだ「笹野権三郎 海賊退治」は柔を強調した笑い所の多い講談だ。博多から江戸に向かう船の中、海賊に襲われた権三郎が敵を討ち取る顛末を描いた勧善懲悪の物語。琴柳は、ギャグを織り交ぜ、素の自分も出しながら軽妙に語った。戦闘シーンは生臭さが漂うものの、ほどよい脱線を加えることで毒々しさを消している。 柔と剛をほどよく取り混ぜながら、味わい深い美談に仕立てたのが宝井琴調。目が不自由な琵琶の名手・玄城と、彼が信州・木曽の山中で遭難しかけた時に命を救った若者との情の交換を描いた「夜もすがら検校」(長谷川伸原作)を読んだ。信頼していた内弟子に裏切られながらも穏やかな表情を見せる玄城は琴調の佇まいそのもの。しかし、遭難を救った若者との再会に際して、玄城が見せた心一杯の礼心の中に、人生に対して一切の妥協を許さない琴調の厳しさが見える。圧巻のラストシーンに拍手。 トリの宝井琴星が読んだ小林多喜二原作の「蟹工船」は剛球一直線。原作の思いを的確にすくい取っているだけに、現場監督の浅川が労働者に行った非道な仕打ちはさすがに重い。そのため、労働者が自由をつかむラストシーンで思ったほどのカタルシスが得られない。余韻を残したエンディングは琴星の工夫だが、資本階級を描くにしても、搾取される労働者を描くにしても思い切った振りきりが見てみたかった。 その他の出演は琴桜「小松菜の由来」、琴梅「新吉原百人斬」、貞山「腹切り平左衛門」。
October 2, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)10/11号2012/10/02発売本バカにつける薬注目作家に聞く!貫井徳郎「微笑む人」(実業之日本社)妻子殺害事件の動機は「本が増えて家が手狭になったから」。エリートで人柄もよい人が実は陰湿で、頭の良さを活かして完全犯罪を企てる。証言だけで成り立っているのでその証言者もちょっとくせ者。わかりやすいエンタメ小説を求める現実に苛立ちを持っている貫井さんの思いを聞くことができました。【送料無料】微笑む人 [ 貫井徳郎 ]
October 2, 2012
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ぴんぞろ(戌井昭人)講談社2011/8/17【送料無料】ぴんぞろ [ 戌井昭人 ]戌井さんの第145回芥川賞候補作。浅草の芸能社、売れない芸人、脚本家、田舎のストリップ、ちんちろりん、ヤクザ。笑える話ではないけど、落語の本質的な部分とか芸人世界とか好きな人はすんなり入っていける。好きな作家のひとりになりそう。
October 1, 2012
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物語論講談社現代新書2011/11/18木村 俊介【送料無料】物語論 [ 木村俊介 ]NHK12時のNEWS WEBで金曜ナビゲーターをしてる木村さん、糸井さんところを出て今はフリーのライター。肩書きは「インタビュアー」。木村さんの金曜日を見てると、インタビュアーの資質を備えていることがわかる。たいして難しくなくて、ただまじめに聞く姿勢だけなんだけど、木村さんになら誰でも話してくれる。な感じで、物語論は17人の作家や漫画家に聞いたインタビュー集。村上春樹、橋本治、島田雅彦、重松清、桜庭一樹、是枝裕和、荒木飛呂彦、弘兼憲史、かわぐちかいじ、諏訪内晶子など。作家さんに物語論聞いても、語る言葉がないので意外と答えてくれないことが多いのだけど、ここに出てくる人はきっちり語ってる。面白いのは漫画家さん。かわぐちかいじさんが、見開き右上の1コマを重視しているのに対して 弘兼憲史さんは見開き左下の最後のコマっていってる。
September 28, 2012
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ひとり芝居「オーセンティック」15:00~15:55新宿ゴールデン街劇場脚本家の武田さんが女優さんを使ってひとり芝居。武田さんの好きそうな戦後の昭和が舞台。ブルーフィルムの撮影を前に、相方の登場を待つ女優さんと、スタッフさんの何気ない会話で運ぶ。行為の前に、旅館の布団の臭い嗅ぐところとか、窓の外を流れるドブ川の臭いとか、臭いを感じさせるところが面白い。芝居の前に女優さんによる口上があるのだけど、そこが丸々武田節。武田さんの落語を聞いてるようだ。女優さんは椿鬼奴風の昭和な感じで役にぴったり。作・演出 武田浩介出演 津田牧子
September 23, 2012
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慟哭(貫井徳郎)創元推理文庫1999/03【送料無料】慟哭 [ 貫井徳郎 ]取材用に読んだミステリー。幼女誘拐事件と新興宗教がクロスする。貫井さんのデビュー作。こんな話を25歳で書くなんてすごいなあ。捜査一課の描写とかそれらしく感じる。
September 20, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)09/27号2012/09/18発売本バカにつける薬注目作家に聞く!東直己「探偵法間(のりま) ごますり事件簿」(角川書店)【送料無料】探偵法間ごますり事件簿 [ 東直己 ]編集さんから「次は東直己さん」って言われた時は、1,2カ月前に読んだばかりのススキノ探偵シリーズの東さんだってビックリ。でも札幌在住の東さんが東京に出てくるはずもなく、メールインタビューとなった。探偵法間(のりま) は、幇間(たいこ持ち)のようなキャラクターの探偵が事件を解決する変化球。落語のたいこ持ちを意識してる感じだったので、会えたら聞こうと思っていたけど、メール回答に落語が好きって書いてあった。本文には「雛鍔」の話も出てくるので間違いない。キャラクターを変えれば普通のハードボイルドになる話もあり、東ワールドを楽しめる一冊。
September 18, 2012
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末広亭深夜寄席「二ツ目卒業公演」新宿末広亭21:30~市江「鰻屋」志ん八「こうのとりの贈り物」菊六「やかんなめ」春風亭朝也「やかんなめ」朝太「三方一両損」志ん八さん、90代のおやじが60代の息子と、泥棒から足を洗うために、動物園に最後の仕事に出かける話。面白いというか変わった話を作る人だ。笑いを追究する現代の新作とは違う路線で面白い。朝太さんに対する評価の仕方はまだよくわからない。自分なりの言葉がまだ見つからないという感じ。
September 15, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)09/20号2012/09/11発売本バカにつける薬注目作家に聞く!大渕愛子「男と女のトラブル相談室」(角川書店)【送料無料】 行列のできる弁護士が教える、男と女のトラブル相談室 / 大渕愛子 【単行本】『行列ができる法律相談所』で住田弁護士の後枠にはいった美人弁護士の大渕愛子さん。離婚、DV、セクハラ問題を専門とする大渕さんは弁護士というよりカウンセラーみたい。こんな弁護士さんに男女関係のトラブルを相談してみたいなあと思います。いや、お金払えば誰でもできるのだけど。表参道の事務所もオシャレだし。秘書は元タカラジェンヌの美夢ひまりさん。こちらも素敵です。
September 11, 2012
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「寒空はだか・九月のお楽しみ会~桂出丸は二度目のベルを鳴らす」下北沢シアター71119:00~21:00知人主催ライブの手伝い。場内整理とビデオ撮影。はだか出丸「池田の牛ほめ」 仲入り出丸「皿屋敷」はだか スカイツリーほか
September 10, 2012
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清水宏のジャパニーズターミネータる!!下北沢シアター71119:30~10:30世界三大演劇祭イギリスエジンバラフェスティバルに単身殴りこみ、お笑いライブを1時間、1カ月間にわたってやってきた清水さんの凱旋公演。知名度0、日本人というハンデがあるから、当然客集めからやらないといけないのだけど、プレスルームに勝手に押しかけたり、捨て身でチラシを配ったり。やれることは何でもやろうというのが清水宏。「動けば変わるさ」というか動かないと事態は変わらないということを身をもって教えてくれるのだけど、その行動力と生み出す結果には、いつも笑って泣かされる。底抜けの楽天主義の裏には、自分を鼓舞する精神力と突破する勇気があるのだなあと。7時30分から10時30分までの3時間、休憩なしだけど全然気にならない。10時30分までやっても怒られないシアター711って会場もすごい。
September 8, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)09/13号2012/09/04発売本バカにつける薬注目作家に聞く!うかみ綾乃「蝮(まむし)の舌」(小学館クリエィティブ)【送料無料】蝮の舌 [ うかみ綾乃 ]何年かやってきて、初めての官能小説。「団鬼六賞」大賞受賞作。伝統ある生田流箏の家に生まれ育った姉妹が、ライバル流派のオヤジと、祭事を司る神社のオヤジに陵辱される話。移動中の電車や、企業取材の前の大企業のロビーとかで読み続けた。うかみさん、香里奈似の美人作家さんで緊張した。官能小説って文章も凝っているから、原稿書くときも文章には凝りたくなるというか、いかに表現を工夫するかってところに行き着くような気がする。
September 4, 2012
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アサヒ芸能(徳間書店)09/06号 2012/08/28発売本バカにつける薬注目作家に聞く!名越健郎「独裁者プーチン」(文春新書)【送料無料】独裁者プーチン [ 名越健郎 ]プーチンの人柄にスポットを当てた新書。時事通信社でモスクワ支局などを経て外信部長を歴任した名越さん。大統領なんてなる気なかったに、なってみたら辞めたくなくなって、今じゃ全く辞める気配のない変遷ぶりが面白い。「辞めると今までのものすごい悪事が露呈するから辞めるに辞められない」んだとか。インタビューしたのは何ヶ月も前。プーチンとかメドベージェフなんて言葉をインタビューで使ったのは初めて。普段読まないような本を、無理矢理読まされる読書は嫌いではない。
August 28, 2012
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戌井昭人新潮社2009/10/1【送料無料】まずいスープ [ 戌井昭人 ]鉄割アルバトロスケットの戌井(いぬい)さん。情熱大陸で見ておいて、小説読んでなかったのでデビュー作読んだ。鉄割って、わかりやすく言うと、レッドキング(怪人社)と、初期の大川興業足したような感じの集団。情熱大陸では「ナンセンスで毒があり高尚なメッセージとは無縁なパフォーマンス集団」と紹介されていた。戌井さんの文体、自分にあってて心地いい。変な人が出てくるのだけど、みんな淡々と日常を生きてる感じ。熱くないし、愛だとか、絆だとか強調しないし。表題作「まずいスープ」。放浪癖のある父ちゃんがまずいスープ作った翌日に家を出て行ってしまった。その父ちゃんが聞いてた落語のカセットが志ん生の「粗忽長屋」。そのカセット、父ちゃんを追ってたロシアのマフィアに持っていかれちゃった。短編「どんぶり」。競輪で30万あてて、日雇いの仕事ブッチして、秋葉で家電買って、家に帰って彼女と天どん食うだけの話だけど一連の行動が腑に落ちる。
August 21, 2012
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浅草木馬亭夏祭り(昼の部)浅草・木馬亭12:30~15:00早めに家を出て、11時新橋下車。銀座8丁目あたりでオリンピックパレードを見た。といっても大通りには行けないので1つ後ろの道。ちょびっとだけ。しかも高速。全然わからない。にしても、そこからでも写真撮ろうとする人が大勢いた。東京でオリンピックはやらなくていいんじゃないか。----------------玉川カルテット、イエスさんは回し役(ツッコミ)。テレビで見たときはもっと天保水滸伝やっていたような気も。節劇、去年の夏は橋達也先生が元気で出ていたことを思い出すと寂しい。でも、新座長の大上さん(フリーパー)も上手いし面白かった。根本貫一(医者)とのアドリブは最高。浦太郎先生にセリフ振らなかったのが成功? 時代劇はお金かかるから、劇団の稽古風景にした稲田さんのアイデアは上手いなあ。東家一太郎「浅草観光案内」(一太郎・作)P6 コント「瞼の父」田辺銀冶「」岡大介 カンカラ三線フリーパー コント玉川カルテット 歌謡浪曲 仲入り節劇「清水次郎長 森の石松代参」(台本・演出:稲田和浩)東家浦太郎、大上こうじ、めだちけん一、猪馬ぽん太、関遊六、おののこみち、池田彰吾、太石好美、玉川太福、東家一太郎、根本貫一、東家孝太郎、真木淳三味線・みね子
August 20, 2012
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シナリオ 2012年9月号 【掲載シナリオ】 「桐島、部活やめるってよ」「こっぴどい猫」 (雑誌) / シナリオ作家協会新宿バルト9クリエーター系の人にすごく評判がいいんだけど、たぶん、学年一の優等生でスポーツ万能な桐島の不在を、取り巻く人たちを使ってうまく映像化してるところにあるんだろうなあと思う。クラスを引っ張るような主役自体が不在という小説最大の発明を損なわず、大きな事件も起こすことなく普通と違う映画を作った感じ。小説は、クラスのいけてるレイヤーと、いけてないレイヤーのヒエラルキー感をはっきり出して、それぞれの人物にスポットをあてる作りになってる。それは、地語りの文章や、モノローグで説明してる。映画では、不在の桐島に、クラスメートはかなり引っ張り回されていて、「ゴドーを待ちながら」のように、学校で神のような存在の桐島が、学校に来るのを待っている。桐島がやめたってことが、友だち関係に直接あるいは間接的に影響を及ぼしていって、みんなの心をかき乱す。高校生にとって友だちが1人抜けるだけで人間関係や自身の気持ちが変わることを掬った感じ。小説では人物ごとに章立てしてるけど、映画では時間区切りにして多角的に見せることに成功。脚本化のうえでだいぶ考えたんだろうなあ。映画の中で「できるやつは何をやってもできるけど、できないやつは何をやってもダメ」ってセリフがあるんだけど、これ言わせるのって結構勇気いるよね。広報的にはゾンビ映画を作る映画部の神木隆之介が主演扱いだけど、主人公はあくまでも小説と同じ桐島の親友の宏樹。小説の設定、中の幹を残してちゃんとしたエンタテイメントになってた。生徒役はみんな上手いのだけど、特に大後寿々花は印象に残った。男からみて、ちゃんとイラッとしたし、女性からみると好きな男の子をただ見つめるだけにエネルギーを使う彼女に共感するところ多いと思う。
August 16, 2012
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20歳の自分に受けさせたい文章講義 古賀史健星海社新書2012/01/26もしドラの加藤さんが独立して作った電子書籍サイトを見てたら、著者の古賀さんがインタビューしてたんで読んでみた。著者の古賀さんは、ライター歴15年。ここ10年は書籍のライティングが中心だそうだ。15年のキャリアは自分と同じ。現場で得たノウハウを、若いライター志望者向けに書いたとあるけど、自分が読んでも役に立つことは多い。というより、パターン化しないように、定期的に人の書き方を見て、自分を振り返っていかないと。面白かった指摘は「嫌いな文章に注目する」ということ。片っ端から本を読む中で、好き嫌いをはっきりさせることえで「書き手としての自分が見えてくる」とあって、共感するところも多い。【送料無料】20歳の自分に受けさせたい文章講義 [ 古賀史健 ]
August 15, 2012
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ラーメンと愛国 速水健朗講談社現代新書2011/10/18速水さんの単著4冊目。「タイアップの歌謡史」でみた「調べてまとめる」スタイルが進化。付箋だらけの参考資料からコメントピクックアップして、自分の論にくっつけて構成する作業だけで気が遠くなりそう。速水さんの知識の広さをうまくリンクさせ、編集マジックによって完成させた一冊。ラーメンと愛国は、ラーメンを語るていで・安藤百福が進めたインスタントラーメンの業製品化と、アメリカのフォード社が生み出した大量生産システム・戦後のアメリカの小麦輸出政策・田中角栄が進めた高度成長期の国土開発とご当地ラーメンと、ラーメンと社会のつながりを提示してる。それでいて、今の2000年以降になって増えたラーメン道や、バンダナやタオルを巻いた職人がいるラーメン屋についても論考していて、膝を打つ指摘も多い。「ラーメンって国民食とか言われているけど、どうもうさんくさいよね」と思っている人はそのうさんくささのもとがだいぶわかるので読後はすっきりするはず。速水さんの、大衆文化を社会学的、メディア論的なアプローチから論じるスタイルは面白いなあ。そのために膨大な資料を読んだり、長年かけてテーマを追っかけたりしてるわけで、スタンスとしても見習うべきところはあり。同業者の仕事っぷりを見るのは刺激的で、急にいろんな企画考えたくなってくる。【送料無料】ラーメンと愛国 [ 速水健朗 ]
August 14, 2012
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タイアップの歌謡史 速水健朗 洋泉社2007/01夜ご飯のお供に毎日見てるNHK「NEWS WEB 24」(24時~)。日替わりで出てくる進行役の5人の1人、速水さんの本を読む。5人のうち速水さんは編集・ライターで、津田さんはジャーナリストで、木村さんはインタビュアーの肩書きなんだけど、3人ともやってることは文章書き。同業として「イケメンライターはいいなあ」とか「こんな落ち着いたインタビューができればいいなあ」とか思いながら見てる。タイアップの歌謡史は、速水さん初の単著で、歌謡曲をタイアップを軸に俯瞰したもの・戦前の松井須磨子から05年の青春アミーゴまで。この本のキモは、マーケティングと原盤権の獲得競争の2つで、タイアップ音楽の主導権争いがどのように変わっていったかがわかる。ビジネス的にはそこあたりなんだけど、Jポップ好きは、ずらっと挙げられていく曲名、歌手名を見てるだけで面白い。どれだけタイアップに貢献してきたんだ。要点の掘り下げは最小限に抑えて疾走感のある書きっぷりで読みやすい。基本的に、資料からの孫引きで書かれているので、たぶん誰もが「資料をまとめだけかよ?」と思うかもしれない。けど、自分だけのアイデアですよって書いてる本がほとんどの中では、誠実さは感じられるし、また、専門家の立場から語れない編集者やライターの仕事の限界って感じもするし。
August 14, 2012
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