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2011年01月16日
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カテゴリ: 里山での読書

性が合わない本もある

作者の町田康はパンクロック出身だという。パンクロックを初めて聞いたときに違和感をおぼえ、リズムが邪魔して詩も理解するまで伝わって来なかった。パンクロック出身の人はどんな小説を書くのだろうと関心を持って読んだ。

PA0_0914.JPG

ダメだ。読み進められない。最初読み始めた『宿屋めぐり』は数ページで諦めた。その五分の一ほどの厚さの『きれぎれ』も途中何度投げだそうかと思った。

バックに音楽がない分、言葉や文章でリズムを作っているようだが、それを弄するあまり文意が僕にとっては如何とも不自然で、突如として変わる文脈や流れについていくことに疲れてしまう。

小説を読んで難行苦行させられるのは、めったにない体験だ。それでいて悟りはなく、一向に新しい文章表現に親しみを覚えず、ただただあぐねるばかりで、わしの頭もついに硬直しちゃったんだなぁと自分を見下げてしまう。

あ~ぁ読まなきゃ良かったと後悔しきりだが、やはり気になるのは芥川賞を受賞したという事実だ。この時の選考委員は何を理由に賞に値すると考えたのか知りたくなった。

知って安心した。当時の選者の意見は割れていた。

「読み初めてから読み終わるまで、ただただ不快感だけがせりあがってきて、途中で投げ捨てたくなる衝動と戦わなければならなかった。」(宮本輝)

「『きれぎれ』には、nothing 以外にはモチーフがない。『きれぎれ』の文体は、作者の「ちょっとした工夫」「ちょっとした思いつき」のレベルにとどまっている。そういったレベルの文体のアレンジは文脈の揺らぎを生むことがない。」(村上龍)

「文章のスタイルとか語り口に特徴があると見られている人のようである。しかし、次のような文章に見える特色は、スタイルや語り口以前のものである。<......木崎の住まい、谷志保1244。いままで行ったことのない地域。チーキ。><......意外なほど深く切れていた。血がだらだら流れていた。まるで鎌のような草だ。鎌草。鎌草少将。少将くらいな気持ちで行かないと駄目だ。こんな指が切れたくらいのことは少将にとっては些事だ。俺は自分にそう言い聞かせ、指をくわえた。>--駄じゃれとしても、低調の部類だろう。泰然と構えて、言葉の機能の奥深さを知り、洗練されねばならないのに、作者はこれまでの特色にひたすら勤勉であって、痛ましい気がする。文章とは、いわば人間の顔色のようなもので、全身体の状態が正直にそこに現われる。両作品は、ともにネガティブな様相を書こうとしている。そういう作品が力強い、鮮烈な作品になり得るためには、作者はポジティブなものを扱う以上に、溌剌とした創造力に満ち溢れておらねばならず、文章の問題も所詮はそこに繋がる。なお、個性と趣味・嗜好との混同は禁物で、後者に執着していては作家は衰弱するということを又しても付記しておく」(河野多惠子)

強く推していたのは石原慎太郎。なーるほど。そういえば『太陽の季節』も好きになれなかったもんなぁ。

さてさて 分厚い『宿屋めぐり』 読もうかなァ 読むのを止そうかなぁ~♪






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最終更新日  2011年01月16日 11時55分21秒
コメント(14) | コメントを書く
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Re:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
多分、私は絶対に読まない本かなと思いました。
吉本ばななの「ぱいなっぷりん」というエッセーの中に
「町田町蔵」という人の音楽について、神だとかかかれてい
るのがあったんですよ。
何となく印象に残っていたので調べてみたら同じ人なんで
すね。
賞をもらったというお墨付きがあるのでしょうけど、どう
なのかなあ。
まあ、表現の自由があるというのもありますが、ものごと
の裏の方は…なんて思ってしまいます(笑)
donjoyoさんほどの読書家が難行苦行という本。
おそらく一生手に取ることのないだろう、私でした。 (2011年01月16日 13時47分53秒)

Re:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
冬は読書がいいですね。時間に余裕がありますから、ゆっくり読めますよね。
私も今厚ーーい本を読んでいますが、なかなか終わりません。いつ図書館に返しにいけるのでしょうか?難行苦行であります。がんばろう。

さて、donjoyoさんの 山道の散歩いいですねぇ。もうちょっと暖かくなったらまた始めようと思います。運動は脳に一番いいそうですよ。 (2011年01月16日 13時57分30秒)

Re:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
最近はほとんど、読書はないです・・・
ほんとうは、読書は好きなのですです。いや好きだった!
子育て、会社勤めと、私の生活から読書の時間がきえました。(へへへ言い訳!)ベストセラーの(ノルエーの森)
挑戦しようと思って、本屋へ・・売り切れ!そのままです。
毎日寒い、こんなとき読書いいですよね。
貴方のおかげで、読書心に火がつきました。有言実行、・
私も、この本は、あわねー!だったりして・・・ (2011年01月16日 15時29分23秒)

難行苦行を  
強いられる?本て、しんどい以外なにものでもないですね。
もうねー、
無理しないで、ぱあっと放棄しちゃいましょう。
いいんです、誰に迷惑かけるわけじゃなし。
いやいや読んでたって、頭入ってこないし。

ちなみに
私が読むのは自己啓発本、実用書です。
地図も好きだわ~(笑)
小説はほとんど読みませんねぇ。
ただ、毎年夏になると読む本があって
小山内美江子著「加奈子 上・下」は
確か昔、テレビ小説の原作になった本だったと思います。
「3年B組金八先生」の本を書いた著者で、それがきっかけで
購読したと記憶しています。

最近購入した本は「神様のカルテ」2冊。
医療系も好きなのでするする読めると思うのですが
残念ながらまだ読んでいません(笑)

(2011年01月16日 21時18分33秒)

Re:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
es5-無限  さん
町田康は若くてセンスのいい本を読む子達が好んで読んでいたので気にはなっていたのですが、いざっていうとどうにも食指が動かずで・・・読まなくて良かったですかね~? (2011年01月16日 22時54分45秒)

Re[1]:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
donjoyo  さん
もっちんママさんへ

そうそう町田町蔵を改名して町田康にした人です。
出版される本があまりに多いので何を読もうか迷ってしまいます。
そういう時にに〇〇賞の受賞作というのはとっかかりにはなるんですが芥川賞よりも直木賞のほうが自分には合ってます。
一番合っているのが山本周五郎賞の作品です。
何よりも面白いですもん(ハラハラドキドキやシビアな作品も多いですが)。
読書家ではありませんが、考えてみれば音楽のようにいろんなジャンルがあって好き嫌いがハッキリしているのと大して違わないんですよね。
書かれた本も好き嫌いがあって当然ていえばあまりに当然なんですが。 (2011年01月17日 10時07分36秒)

Re[1]:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
donjoyo  さん
ミセスロビンソン53さんへ

今日も早朝からの雪が積もり、今も降り続けています。
例年の通り今頃から2月にかけてが、この地の本格的な降雪の時期です。
いよいよ冬篭り。読書と竹細工とパソコンの日々が続きます。
借りた本も2週間の期限内に返す事ができそうです。
今、予約している村上春樹の「1Q84」待っているんですがなかなか連絡がありません。 (2011年01月17日 10時15分02秒)

Re[1]:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
donjoyo  さん
田舎のシルビアさんへ

いろんな趣味をお持ちなので時間がないんでしょう。
僕なんか無趣味なもんで暇を持て余してます。
冬ごもりの時間つぶしに昨年から始めた竹細工のひご作りを数日前から再開しました。
村上春樹は好きな作家の一人なんですよ。
他の作品にくらべ『ノルエーの森』は僕には読みやすくスーと入っていくことができました。
村上春樹の作品も読んだ後にモヤモヤ感が残るのですが、この感覚がイヤな気分でなくイイ感じで残るんですよ。
たまげたのは『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』でした。読むのにひと苦労しましたが面白かったです。そういえば村上春樹は芥川賞とってませんね。
(2011年01月17日 10時37分18秒)

Re:難行苦行を(01/16)  
donjoyo  さん
yurisoさんへ

そうですよねぇ。そう思います。
たまたまパンクロックを歌っていた人がどんな小説を書くんだろうかろ興味をもったんです。
少々活字中毒気味で目前にあると読まないと気持ちが悪いんですよ。
それに、せっかく図書館に行って借りてきたのでもったいない気がして読みはじめたんですが読むのが辛くて苦労しました。
読まずに返しちゃえば、それで済むんですが、一応、芥川賞をとっているしついて行けない自分に能力がないのか、理解力がますます低下したのかとガックリしちゃいました。
絵画だと抽象画は嫌いだ!解らん!で済むのに、小説や文章も同じで変わりゃしませんね。
小山内美江子さんは一度講演を聞いてから好きになりました。『加奈子 上・下』は読んでないので図書館に行ってみます。 (2011年01月17日 10時51分18秒)

Re:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
mini2007  さん
ただ面白いとか、読みやすいとかで賞が取れるわけではないのですね。
でも、本って相性がありますよね。「銀河鉄道の夜」のような純文学は、私には向かないようです。 (2011年01月17日 17時52分31秒)

Re[1]:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
donjoyo  さん
es5-無限さんへ

若い人に人気があるようですね。
僕は入り口でつまずいてしまいました。
新しい書き方には違いないんですが、僕には性が合わないとしか言いようがありません。
カフカや村上春樹の作品を読むと”心のザワツキ”が残って”読みきったぞ”って感じがしない、と言って悪い感じでもない消化不良に陥るんですが、町田の作品は読む入り口で気持ちが萎えてしまう消化以前の感じがします。 (2011年01月17日 21時44分30秒)

Re[1]:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
donjoyo  さん
mini2007さんへ

何を基準に選考するんでしょうねぇ。
選評も簡単なものはよく解りませんし、所詮はそれぞれの主観だし、最近の選考委員の中には読みたいと思わない作家も入ってますから、参考程度にしているんですが。
何せ出版される文芸書が多すぎますから、本を選ぶのも大変です。
NHKの本を紹介している番組「ブックレビュー」なんかで紹介されているのを聴くと読みたくなりますが、それでも4,5冊紹介されますからとても時間がありません。 (2011年01月17日 22時01分37秒)

Re:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
usagi0519  さん
聞いただけで 理解不能!

頭痛に襲われちゃいそうゞ(≧ε≦o)ぶ

如何する~~~
篭って読む~~~ (2011年01月17日 23時47分58秒)

Re[1]:悟りは遠く ただの難行苦行(01/16)  
donjoyo  さん
usagi0519さんへ

アハハ ほんとに読んでいたら頭が痛くなりました。
ついでに候補に上がった最初の作品『くっすん大黒』他1作も何とか読み終えました。これで、やっとこの作家と心置き無く縁切りできました。
そういえば、昨日、芥川賞と直木賞が発表されましたねぇ。
二人ずつ計4人が受賞してましたが、取材の様子からその内の一人に関心を持ってます。
図書館に置かれるのはいつのことだろう。
できたら冬場にいいなぁ。楽しみです。読んでみたい。 (2011年01月18日 15時44分06秒)

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