『未熟なボクら ―もう一つのNARUTO-ナルト物語― 』
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第68話「痛いほど強く」
「……」
こんなふとした瞬間に、感じてきた孤独。それでも第七班の仲間とともにするようになってからは、だんだん忘れていった感覚だった。けれど……今それを、痛いほど強く感じる。
サスケが再び歩き出そうとしたとき、気配を感じた。サスケはバッと木の陰に隠れ、上空を見上げる。
「……カカシ!?」
恐らく、降伏させた霞の国からの任務帰りであろう。他の上忍たちと、枝を跳んでいる。サスケはとっさの判断で、急いでリュックを茂みに隠した。その後すぐ、カカシがサスケに気付く。気付かれないわけはないと思った。カカシは他の上忍たちと離れ、降りてくる。
「ん? こんなところで何してんの?」
「修業だ」
「そうか。頑張るねぇサスケは」
カカシはにっこり笑う。
「お前らの任務のことも聞いたよ」
「情報が早いな」
「お前が例の子供の呪印を解くのに頑張ったそうだな。仲間をかばって子供を抱いて跳んだ話も聞いたぞ。よくやったな……」
「フン……。上司ぶりやがって……」
「いや、オレ一応、お前の上司だからねー」
カカシは苦笑する。
「それに先生だよ、サスケ。お前はオレのこと全然そう呼んでくれないけどね……」
ボソッといじけるカカシに、サスケは呆れる。
「アンタが悪いんだろ? 遅刻癖はあるはボーっとしてるは変な本は読むは……」
「はははゴメンゴメン。でも、ま、それでも先生だよサスケ。だから言うが……」
カカシは、サスケの両肩に手を置く。
「もっと自分を大事にしろ……」
「……」
サスケは静かに、カカシの手を振りほどく。
「オレのことなんか何も分かっちゃいねぇくせに……勝手なことぬかしてんじゃねぇよ!」
サスケはカカシをギッと睨む。
「……そうだな。オレよりも、アイツのほうがきっとお前を理解してやれる」
カカシはサスケに微笑む。
「アイツ?」
「ま! それでもオレだって、少しはお前のこと分かってるつもりだけどな。それに……」
カカシはサスケを抱きしめる。
「お前を大切に思ってる」
カカシは枝に飛び移ると、じゃあねと手を振りほほえんで、行ってしまった。
サスケは、茂みの中のリュックに手を伸ばし、けれどそのままそれを見つめる。
「……気付かなかったくせしやがって」
静かにリュックを背負い、サスケは歩き出す。
ナルト『次回は……終末の谷は夕陽に染まって……』
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ハロウィンイラスト るろうに剣心 October 29, 2012
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