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2013.04.24
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カテゴリ: 読んだ本
2008年12月 早川書房より
2011年09月 文庫化


違法行為を暴露する記事を発表した。
だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。
そんな彼の身元を大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが密かに調べていた。
背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットの働きで、
ヘンリックはミカエルが信頼に足る人物だと確信し、
兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。
ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。
ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、
ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。
ミカエルは依頼を受諾し、困難な調査を開始する。

(上巻 表紙裏 紹介文より)


スウェーデン人の著者によるスウェーデンが舞台の話です。
そのせいで耳慣れない名前が多く、慣れるまで覚えるのが大変でした。
50ページくらいまでは退屈ですが、少しずつ面白くなります。
ミカエルがヘンリックと会ってからは、一気に物語として加速する感じ。
先が楽しみになります。




以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。






























主人公はミカエル・ブルムクヴィストという経済ジャーナリスト。
彼は友人からハンス・エリック・ヴェンネルストレムの違法行為について情報を得て
記事にしますが、逆に名誉毀損で訴えられてしまう。
情報ソース(友人)を明かすことができなかったミカエルは裁判に負け、
友人と共同経営していた雑誌会社(ミレニアム)を離れることになります。

序盤がこのへんの説明なんですが、1970~1990年代くらいのスウェーデン他
東欧諸国の政治・経済を背景として話が語られるので、理解が難しく
読み進めるのが大変でした。

例えばヴェンネルストレムの違法行為の説明のくだりとか。
ヴェンネルストレムは大物実業家と紹介されていますが、実質は投資家というか投機家。
SIB(工業支援委員会)という、スウェーデン政府の後押しを受け

SIBとは、国から保証された形で、ポーランドとバルト三国政府との合意の元、
旧共産圏の労働運動がスウェーデンを範として強化されるよう、
自立を促すという考え方に基づいて、東欧諸国に経済健全化のチャンスを与えるという
目的で作られた組織。
実際には、スウェーデン企業が国の助成を受けて、当地の企業の共同所有者になることを

つまり時代のどさくさに紛れて、スウェーデンの企業が他国へ勢力を伸ばすのを
国がかりで補助しようというものみたい。
ヴェンネルストレムはその助成金を受け、他国に形ばかりの会社を起こし
報告書だけはりっぱにして、数年後に倒産させて助成金だけを儲けた、という疑惑。
・・・・・読みながらウトウトしちゃって、同じ所を3回くらい読み直しちゃった。(^^;

さてミレニアムを離れたミカエルですが、衰退しかけている大企業の前会長
ヘンリック・ヴァンゲルの依頼を受け、ヘンリックの兄の孫娘ハリエットの失踪事件を
調査することになります。
ヘンリックはハリエットの失踪は他殺によるものと信じており、
このあたりから殺人事件の謎を解く要素が出て来て盛り上がってきます。


もう1人、重要な登場人物はリスベット・サランデル。
ドラガン・アルマンスキーが経営するミルトン・セキュリティーに所属しており、
調査業務に天才的な能力を持っています。
両親はなく弁護士が後見人となっていますが、協調性がなく、人に懐きにくい。
外見もちょっと変わっていて、鼻と眉にピアス、二の腕・足首に帯状のタトゥー、
肩胛骨にドラゴンのタトゥー、ファッションはパンク系。
アルマンスキーは彼女の高い調査能力を認め、自由にさせることで信頼を得て
うまく付き合っています。


上巻の後半は、ハリエットの殺害犯候補でもあるヴァンゲル家の人々の紹介が続きます。
大勢出てくるので、覚えるのが大変。(^^;

同時進行で、リスベットの生活上の支障が描かれます。
リスベットは幼い頃から非行的・暴力的な要注意人物とされています。
知的障害があるものとして後見人制度によって保護(管理?)されていて、
自分の稼いだ金を使うにも後見人の許可がいる。
もちろん実際は知的障害ではない。
それでも、前任の後見人はリスベットの人権を認め、
リスベットが世間とうまく折り合っていけるように教育・指導もしてくれて
愛情をもって接してくれていました。
が、彼の死後、公認の後見人は、弁護士の皮を被った悪党で、
生活費と引き替えに、性的暴行を働くようなヤツ。
しかしリスベットは警察や女性保護センターなどの助けを借りずに、
自分の力で報復し、生活の自由を取り戻すのです。

リスベットが暴行をあって当たり前の物のように捉えていて、びっくり。
スウェーデンって福祉国家として有名なのに、女性に対する暴行が結構多いみたい。
なんかちょっと意外だった。

リスベットが、どうブルムクヴィストに絡んでくるのかと思っていましたが、
上巻の最後で、ミカエルとヴェンネルストレムの事件について
ニュースを見たリスベットが、ヒマだから誰に調査依頼されたわけでもないのに
調査に乗り出すことにしたのです。
これもまたびっくりな展開でした。

下巻に入ると、ミカエルとリスベットは協力してハリエット失踪事件を調べることに。
ハリエットの幼い頃から続いていた女性連続殺人事件が明るみに出て来ます。
犯人はハリエットの父・ゴットフリードと兄・マルティン。
ミカエルもマルティンの手により殺されかけますが、リスベットに助けられます。
リスベットに追跡され車で逃亡しようとしたマルティンは、そのまま事故死。

ハリエットもてっきりこの2人が殺害したのだろうと思うのですが、実は違う。
ハリエットは海外に逃げて、生きていました。
容疑者の1人かと思っていた従姉妹が、実はマルティンの虐待からハリエットを助けるため
逃亡の手助けをしていた、というのも意外な展開でした。
犯人かと思っちゃったよ。(^^;

真実の解明と引き替えに、ミカエルはヘンリックからヴェンネルストレムを失脚させる情報を
もらえるはずでしたが、それはちゃんとした情報ではありませんでした。
30年前の古い情報だから、ヴェンネルストレムにダメージを与えるだけの力がなかった。
騙された形のミカエル。
しかし、リスベットの超すごいハッカーとしての能力によって
ヴェンネルストレムに逆襲するのです。


そしてリスベットはミカエルに恋をする。
主人公のミカエル、女性にモテすぎだと思う。
離婚して娘がいるんだけど、娘との仲は良好(これはモテとは違うけど)。
ミレニアムの共同経営者のエリカ・ベルジェとは愛人関係にあり、
エリカは結婚していて、でも夫がミカエルとの仲を公認なので制約なしのおいしい状態。
調査のためにヴァンゲル一族の住むヘーデビー島にいる間は、
セシリア・ヴァンゲルに迫られて関係を持つ。
リスベットにも信頼されて、ベッドを共にする。
ミカエルが本当は誰に対して恋心があるのかさっぱりわかりませんが、
ともかくモテまくり。

人に心を許さなかったリスベットが初めて恋をして、ミカエルのために
クリスマスプレゼントを買うんだけど、ミカエルとエリカがイチャイチャ歩いているのを見て
自分の愚かさを罵りながらプレゼントを捨てるのが可哀想でした。
ミカエル、ちょっと調子に乗りすぎ。(-_-#


殺人事件、ヴェンネルストレムに対する政治経済的な制裁、
非人間的だったリスベットの成長と恋心、と欲張りな内容です。
おもしろかった。





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Last updated  2014.02.11 21:29:33
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