【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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天舞纪 Dance of the Sky Empire最終話力を合わせて龍皇(リュウコウ)の心魔に立ち向かう李玄(リゲン)、蘇猶憐(ソユウレン)、辺令誠(ヘンレイセイ)、封常青(ホウジョウセイ)、崔翩然(サイヘンゼン)・嫣然(エンゼン)姉妹。しかし6人の霊力を集結しても心魔に全く歯が立たず、あっけなく跳ね返されてしまう。すると心魔は立ち上がった李玄に掌(ショウ)を放ち、ついに止めを刺すべく飛び上がった。その時、突如、紫極(シキョク)が現れ、不意を突かれた心魔は吹き飛ばされてしまう。危機一髪のところで李玄を救った紫極、しかし反撃もそこまで、紫極は心魔に叩きのめされた。怒り心頭に発した李玄は宝剣を召喚すると、猶憐に龍皇を呼び覚ませと声をかける。「急げ!時間がない!」李玄は自分が心魔を足止めしている間に猶憐を盤龍(リュウバン)の聖域へ向かわせた。心魔は李玄を退け、急いで屋敷の中へ駆けつけた。しかし結界を破ることができず手間取り、その間に猶憐がついに龍皇の封印を解くことに成功する。解放された龍皇は屋根を突き破り、金龍となって天を泳いだ。すると昆吾の生き残りたちの身体に霊力が戻り、龍皇の復活を知る。歓喜に沸く昆吾族たち、やがて龍皇は人形(ヒトガタ)に戻り、書院へ舞い降りた。龍皇は中庭に倒れていた李玄たちを法術で捕らえ、首を締め上げた。しかしそこへ猶憐が駆けつけ、殺さないよう懇願する。すると龍皇は李玄たちを解放し、猶憐を連れて消散してしまう。それは一瞬の出来事で、李玄は猶憐を引き止める間もなかった。李玄は紫極のもとへ駆けつけ、自分の霊力で治療した。しかし紫極はもはや手遅れだと分かっている。「李玄よ…ゥッ…かつて私は過ちを犯した…許してくれるか? あの時の私は自分の力を過信し、うぬぼれていた お前の母親の血を使えば龍皇を封じられると信じて疑わなかった だが龍皇は…思った以上に強かった…結局、私の計画は失敗した…私を許してはくれぬか? …もういい、お前にとっては親の敵だ、簡単に許せまい もうお前を守ってやれない…李玄…もっと…自分自身を大事にするんだぞ…」紫極は李玄の許しをもらえぬまま逝ってしまう。「…一生、許せるもんか、師父」李玄は師匠を強く抱きしめ、育ててくれた恩師の死を悼んだ。その頃、天啓(テンケイ)帝は僻地に幽閉されていた。自分が追い出した第二皇子の助けも期待できず、嘆き悲しむ日々、しかし思いがけず龍嶶児(リュウビジ)がやって来る。しかし嶶児はなぜか姿を見せず、皇帝を解放する代わりに条件を出した。皇帝は喜んで嶶児に譲位して上皇になると条件をのんだが、なぜか殿内に女子が現れる。すると嶶児はついに父皇に正体を明かし、箱の中から気味の悪い虫を出した。「こっこの虫はなんだ!近づけるな!」嶶児は法術で虫を殺すと、腰を抜かした父皇を冷ややかな目で見た。「怖いのですか?この虫の毒が男の身体に変えてくれるのです 毎年、毒湯を浴びてはその痛みに耐えて来ました、陛下にその辛さが分かりますか?」結局、災いをもたらしたのは息子である皇太子、奇しくも皇帝は娘に救われたことになる。「すまなかった…本当にすまなかった、私を許してくれ」嶶児は18年間ずっと待ち望んでいたこの日を迎えた。今日からは自分の人生を生きることができる。…それなのになぜだろう、心は晴れぬままだ…嶶児はこれまでの苦悩の日々を思い出しながら、あふれる涙を止められなかった。一方、心魔から解放された蕭鳳鳴(ショウホウメイ)は雲杉(ウンサン)の寝殿にやって来た。雲杉は穏やかな顔で眠りについている。「…雲杉、すまない、君を守るどころか傷つけてしまった 一緒に行こう、ひとりで逝かせたりしないよ」鳳鳴は毒薬をあおると、寝台に横になった。すると死んだはずの雲杉が咳き込み始める。「…コホッ…コホンコホン…ゴホゴホッ!…( ˙꒳˙ )ん?…なぜ横で寝ているの?」「(´⊙_⊙)…雲杉…生きていたのか?…死んだとばかり…( ๑≧ꇴ≦)良かったっ!私は…って、はっ!」鳳鳴は毒を飲んだことを思い出した。このままではあと半刻で毒が回って死んでしまう。「殴ってくれ!腹の中の毒を吐き出したい!ほらっ!早くっ!」「分かったわ!行くわよ~!」龍皇は昆吾の民の安寧を願い、ここで復讐の連鎖を断ち切ると決めた。これまで苦汁をなめて来た側近たちだったが、報復より復興だと気持ちを切り替える。「今日から我々昆吾族は人族との関わりを断つ!」「御意っ!」しかし人族に関われなくなると知った猶憐はどこか寂しそうだった。平安村の聖医はそんな夕猶憐の心残りを察し、会いに行くなら今しかないと助言する。「ねえ…李玄を愛することは同胞への裏切りなの?」「大事なのは昆吾に背いても彼といたいかどうかです」猶憐は龍皇の前でひざまずき、昆吾の地には戻らないと伝えた。「会いたい人がいます」「青笙(セイセイ)と人族の間に生まれた子か? …彼の父親は人族だ、聖女が人族と駆け落ちするなど示しがつかんぞ?」しかし猶憐の決意は固く、愛する人と一緒にいたいと懇願する。龍皇はならば聖女の印を返すよう迫った。驚いた聖医は思わずひざまずいて恩情を求める。もし印を奪われたら命に危険が及ぶからだ。すると猶憐はうっすら笑みを浮かべ、迷わず印を返還すると言った。「聖女の役目は果たしました、あとは自分らしく生きて行きたいのです」李玄たちは紫極を埋葬し、別れを告げた。すると李玄が一人になりたいと頼み、仕方なく令誠たちは李玄を残して先に帰って行く。李玄は心の整理をつけると、猶憐を探しに馬を駆けて城外へ出た。しかし猶憐の姿はどこにもない。李玄は仕方なく擎天城(ケイテンジョウ)へ戻ったが、城門で猶憐が待っていた。「李玄!」「愛している…いなくなったかと思った…」「ずっと一緒よ…」二度と離れまいと堅く抱き合う李玄と猶憐、その姿を物陰から聖医が見ていた。あの時、龍皇に印を奪われた猶憐は卒倒した。聖医が薬を使ったおかげで目が覚めても痛みはなかったが、そう長くはもたないという。『やっぱり死からは逃れられないのね…』『昆吾族は印がないと長くは生きられません』『じゃあ急がなくちゃ』すると聖医はその前に聖石を渡して欲しいと頼み、持ち主に返すと言った。猶憐は李玄の腕の中で意識を失った。驚いた李玄は猶憐の命がわずかだと悟り、そのまま背負って鏡月(キョウゲツ)湖へやって来る。「天書(テンショ)仙人を覚えているか?」「会いたいのね…」「ああ…」「あなたとならどこへでも行くわ」実は李玄は天書仙人の言葉を覚えてた。…氷血(ヒョウケツ)の聖域に留まれば永遠の命を得られるぞ?…俗世の苦しみから逃れたいと思わないのか?李玄と猶憐は鞦韆(シュウセン)に相乗りしながら、仙鏡で地上の様子を見ていた。摩雲(マウン)書院はかつての賑わいを取り戻し、驚いたことに常青とあの翩然が親密らしい。一方、沙国では雲杉と鳳鳴の婚儀が行われていた。紆余曲折ありながらようやく結ばれた二人、しかし相変わらず鳳鳴は王女の尻に敷かれている。その頃、聖医は沙国王子に聖石を返し、治療の様子を見守っていた。御風穆(ギョフウボク)は沐浴しながら体力を回復し、すでに霊力も復活している。『あなたの妹妹も順調に回復し、蕭鳳鳴と結婚しました 国王と王妃も彼を気に入り、将来有望と見ています 早くお身体を治さないと、次期国王の座を奪われますよ? それから龍皇様は昆吾の民を引き連れて故郷へお戻りになりました、戦乱の世は終わったのです 聖女様は李玄と共に姿を消し、とある秘密の場所で幸せに暮らしています…』「あちらの世界は順調そうね」「ああ、俺たちもな…ただじいさんがうるさくてしょうがない」噂をすればなんとやら、突然、天書仙人が現れた。「小僧め!わしの悪口か?!鞦韆を強化したんじゃ、お前たち二人で試してみてくれ」「(ドン!)うわあぁぁぁぁーっ!」完(^ꇴ^)無事に完走しました!ラスボスが失敗したヘビメタ鳳鳴とか、ここに来て謝罪を無視される師匠とか、甥なのにリアクションが薄い龍皇とか…果たしてどうなることかと心配していましたが、オチが天書仙人とは上手くまとめましたね〜残念なのは裏男主・旺財の出番がなかったこと?(笑あえて言わせてもらうと女主がルースーだったら面白かっただろうな〜さて本国ではシューカイの新しい古装ドラマが配信予定です楽しみです(^ꇴ^)
2021.06.16
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第27話李玄(リゲン)は聖石の力を借りて幼い頃の記憶を取り戻した。母は龍皇(リュウコウ)の妹・青笙(セイセイ)、まさか自分にも昆吾(コンゴ)族の血が流れていたとは…。何より衝撃だったのは母を殺したのが師匠・紫極(シキョク)だという事実だった。李玄は呆然としながら雨の街をさまよい歩いた。思い出すのは師匠と過ごした懐かしい日々、まさか師匠が全ての元凶だったとは…。『なぜ多くの候補の中から俺を護国師に選んだんだ?何か後ろめたいことでも?』あれはただの出任せだったが、珍しく師匠の顔が一瞬だけ強ばった。今になって思えば図星だったのだろう。やがて力なくひざまついた李玄、すると蘇猶憐(ソユウレン)が黙って傘を差し出した。沙国を去ることになった猶憐は王宮に御風穆(ギョフウボク)を訪ねた。しかし疤頭(バトウ)から皇子は会いたくないと断られてしまう。「天啓(テンケイ)国へ戻る前に王子にお別れを言いたいの…次はいつ会えるか分からないもの …まさか何かあったの?!」「何もありません、ただ会いたくないだけでしょう、どうかお引き取りを…」猶憐はあきらめてそのまま旅立った。まさか聖石との絆を断った風穆が衰弱し、もはや虫の息だとも知らず…。風穆は疤頭から猶憐が出発したと聞いた。すると愛しい猶憐との出会いから婚礼までの思い出が走馬灯のように蘇る。疤頭は悲しみをこらえながら薬を準備したが、その時にはもう王子は目を覚さなかった。↓ ( ;∀;)え~!おじいちゃ…心の整理がつかない李玄は休憩中もひとり離れ、川をながめていた。猶憐は隣に座って水を差し出し、まだ龍皇の解放に反対か確認してみる。しかし龍皇が自分の伯父だと知った今、李玄は邪魔する気はないと言った。「馬鹿だったよ、昆吾は凶悪な種族だと紫極に思い込まされていた でも極悪なのは紫極のほうだった…」謝雲石(シャウンセキ)は龍嶶児(リュウビジ)のために擎天(ケイテン)城から30里のところに軍営を準備していた。すると嶶児は門前で二手に別れようと提案、片付けたいことがあるという。李玄は皇太子のことだと分かったが、その時、李玄に思わぬ来訪者がやって来た。李玄が戻ったと知った辺令誠(ヘンレイセイ)、封常青(ホウジョウセイ)、崔翩然(サイヘンゼン)・嫣然(エンゼン)姉妹が軍営に駆けつけた。四人は李玄との再会を喜んだが、猶憐の姿に気付いて困惑する。しかし李玄と嶶児が事情を説明し、虐殺したのは猶憐ではなく龍皇の心魔に操られた蕭鳳鳴(ショウホウメイ)だと知らせた。天啓国は皇太子が簒奪(サンダツ)、今は皇太子が陛下と呼ばれているが、実権を握っているのは鳳鳴だった。城内は大混乱に陥り、民は路頭に迷い、逆らった重臣は皆、殺されたという。すると令誠は摩雲(マウン)書院も破壊されて紫尊が閉じ込められ、生死不明だと教えた。実は紫極が令誠たちを逃がして1人で書院に残ったという。鳳鳴は法術で兵士たちを操り、何の罪もない民たちを惨殺していた。死者と流民があふれ、地獄と化した街、令誠たちは命からがら逃げ出したが、その頃、紫極はひとりで心魔に立ち向かっていた。しかし龍皇の封印で霊力を消耗していた紫極では龍皇と同等の力を持つ心魔に対抗できるはずもない。『…安心しろ、お前を殺しはしない、捕らわれの身となる苦痛を味わうがいい!』李玄の心は揺れていた。猶憐はそんな李玄にそっと寄り添う。「紫極を助けるの?」母の敵である紫極、しかし李玄は生きていて欲しいと答えた。「…でなければ母の死は謎のままだ」李玄と猶憐は門前で嶶児たちと別れ、摩雲書院にやって来た。すると紫極が心魔の法術で両手と足を拘束されている。紫極は李玄の姿を見て安堵したが、猶憐と一緒だと気づいて我が目を疑った。「猶憐、紫極の部屋へ…令牌は酒壺の棚の中だ」「分かったわ」紫極は李玄の裏切りに憤慨した。しかし実は李玄の記憶が全て戻ったと知る。「誰が俺の母を殺したかも思い出したよ」「…そうだ、お前の母を殺したのは私だ、手違いが起きてな 沈月(シンゲツ)の陣は一時しのぎに過ぎん、龍皇の封印には昆吾の皇族の血が必要だ 龍皇にとどめを刺そうとしたまさにその時だ お前の母が飛び出し、私の渾身の一撃をまともに浴びてしまった」紫極はこれも全て人族を守るためだったと釈明した。すると李玄は人族と昆吾族は共存できると反発する。「それなのにお前は…昆吾を恐れ、龍皇を倒すために母を犠牲に…」「やむを得なかった、弱肉強食のこの世では人族と昆吾族は争う運命だ 龍皇を倒さねば人族は安心して暮らせない」「ふっ、そんな狭量な考えで昆吾を滅ぼそうとしたのか? あの大戦で大勢が死んだのも、龍皇の心魔の暴挙も、本(モト)を正せばお前のせいだ! お前がいる限り人々の幸せなどない!」激情に駆られた李玄は思わず紫極の首に手をかけたが、どうしても恩師を殺すことはできなかった。一方、猶憐は棚の中から令牌を見つけ出し、盤龍(リュウバン)の聖域へ入ろうとしていた。しかし仕掛け扉を開けたところで心魔が現れる。危ないところで中庭へ脱出した猶憐、すると心魔は聖石を渡せば命だけは助けると迫った。猶憐は怯まず剣を招喚し心魔に挑んだが、やがて吹き飛ばされ、聖石を落としてしまう。その時、李玄が駆けつけ、心魔を投げ飛ばした。その頃、嶶児は軍を率いて上陽門にいた。そこへ偵察に向かった鄭百年(テイハクネン)が戻り、読み通り蕭鳳鳴が書院で足止めされていると報告する。すると嶶児はついに剣を抜き合図、宮中に攻め込んだ。報告を受けた皇太子は鳳鳴を呼べと言ったが間に合わず、そこへ嶶児が踏み込んで来た。臣下も逃げ場も失った皇太子は開き直って玉座に陣取ると、第二皇子の謀反だと非難する。しかし兵士たちに両脇を抱えられ、あっけなく玉座から引きずり下ろされた。「…皇兄、実の父を脅して帝位を簒奪した罪は重い」「私じゃない!蕭鳳鳴だ!…悪かった!許してくれ!」皇太子は命乞いしたが、その時、嶶児の剣が頭上をかすめた。思わず身をすくめる皇太子、すると冠だけが虚しく床に転がる…。「この極悪非道の大逆者を投獄せよ!生涯、出すな!」一方、百年はその間に皇帝の軟禁場所を突き止めていた。李玄と猶憐は心魔と激しい戦いを繰り広げた。しかし二人で協力しても心魔の力には敵わない。そこへ令誠、常青、翩然、嫣然が駆けつけた。6人は一斉に飛び上がり心魔に襲いかかったが、あっけなく跳ね返されてしまう。すると真っ先に立ち上がった李玄は心魔の一撃を受けた。つづく
2021.06.16
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第26話昆吾(コンゴ)族と人族が共存する平安(ヘイアン)村。その朝、空腹で外に出た李玄(リゲン)は偶然、村の厨房にいる昆吾族の母娘の話を耳にした。「どうして食べちゃだめなの?」「小宝(ショウホウ)、我慢してね、お粥は聖女様と人族のお兄さんの分なの でも父さんが食べ物を取って来てくれるわ」すると母娘は聖女にお粥を届けに向かった。李玄はこの村にとってお粥が滅多に食べられないご馳走だと知った。そこでお粥には手をつけず、隣の釜から村人たちが食べている不思議な料理をもらう。しかしそれは焼いた木の皮で、とても食べられた物ではなかった。その時、村人が大慌てで母娘に知らせに来る。「大変だ!小宝パパが崖から落ちたって!」李玄が医廬(イリョ)へ駆けつけると母娘が涙に暮れていた。蘇猶憐(ソユウレン)の話では山菜を採ろうとして崖から落ちてしまったという。父親が背負っていたであろう籠には粗末な草が入っていた。「こんな物のために?」「( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ピキッ!山菜はごちそうなのよ!そんな言い方しないで!」小宝は泣きながら李玄を非難した。「パパは私のために山菜を採りに行って崖から落ちた…全部、私のせいよ…うわーん!」困窮と無縁の人生だった李玄は小さな女の子の心を傷つけ、反省した。聞けば最近は山菜すら獲れず、食べられるものと言えば木の皮しかないという。小宝の父親は命を取り留めたが、脚は諦めるしかなかった。聖医の話では崖の下に生えている龍牙(リュウガ)草があれば治せるが、危険すぎるという。「俺が行く」李玄は自分が貴重な山菜を振る舞ってもらったせいだと責任を感じ、名乗りを上げた。李玄は命綱を谷底へ下ろし、ひとり崖を降りて行った。しかし予想外に崖下は深く、やがて険しい岩壁でこすれた命綱が切れてしまう。村人は慌てて聖医と聖女に報告、縄は半分の長さの所で切れていたと伝えた。一方、什葉(ジュウヨウ)城では龍嶶児(リュウビジ)が密かに御風穆(ギョフウボク)を客桟に呼び出していた。王子が国境を封鎖したところをみると、大かた天啓(テンケイ)国と戦うための準備だろう。そこで嶶児は自分と手を組まないかと提案した。「兵を3万ほど借りたい、私が皇帝になれば沙国との関係を改善しよう 沙国の領土だった土地は全て返還してもいい」「それだけか?」「…蘇猶憐を取り戻せると言ったら?」風穆と嶶児は結盟書を取り交わした。嶶児は2日以内に猶憐を引き渡すと約束、すると密偵が駆けつけ、皇太子の簒奪を報告する。「もっと探れ」それにしても皇太子はどんな手を使ったのだろうか。すると風穆が蕭鳳鳴(ショウホウメイ)だと明かした。しかも龍皇(リュウコウ)の心魔に操られた鳳鳴を鎮めるためには龍皇を呼び覚ますしかないという。「蕭鳳鳴を鎮めなければ、太子に勝ったところで皇帝の座は手に入らないだろうな」風穆は龍皇を助ければ昆吾との関係を修復できるかもしれないとほのめかし、李玄という切り札を使ってはどうかと助言した。「李玄?…気づいていたのか」かつて昆吾族は天界の神の一族だった。しかし初代聖女が人族と恋に落ちたせいで天界を追われ、人族とも対立することになる。そこで初代聖女と人族の夫は平和を願い、命と引き換えに2つの血筋を持つ末裔に強大な力を与えた。風穆は書院の一件以来、李玄が蘇猶憐をも負かすほど急激に成長した姿に驚き、その正体に気がついたという。「李玄の母親が誰かは未だ謎だが、皇子はご存知なのでは?」←( ˙꒳˙ )え?嶶児はその質問には返答せず、蘇猶憐に協力すると決めた。 李玄は転落したが無事だった。谷底はもやがかかり、美しい花々が咲き乱れる謎めいた場所だ。すると李玄はどんな薬草か聞いていなかったと思い出す。仕方なく付近を散策する李玄、すると湖のそばにある木の根元に珍しい大きな花があった。李玄はその花に手を伸ばしたが、突然、自分の名を呼ぶ声が聞こえる。それは顔も知らない母親だった。李玄が転落したと聞いた猶憐たちは崖に駆けつけた。「李玄!李玄ーっ!」猶憐は必死に谷底へ呼びかけたが、返事はない。実はその時、李玄は木の妖魔にとらわれ、母の夢を見ていた。しかし愛する人の声で現実に引き戻される。一方、猶憐は李玄を探すため谷底へ降りようとしていた。聖医は早まるなと必死に止めたが、その時、崖を登って来た李玄の手が見える。その手には確かに龍牙草があった。↓「とったどー!」猶憐と李玄は沙国へ帰ることになった。見送りに出た昆吾族は聖女に一斉に拝礼すると、小宝は父の恩人である李玄にも叩頭する。李玄は小宝を立たせ、皆に見送られながら猶憐と村をあとにした。嶶児と風穆が客桟で待っていると、李玄が猶憐を連れて戻って来た。風穆は真っ先に李玄から猶憐を引き離したが、猶憐のあられもない姿を見て愕然となる。後ろめたいことはない猶憐だったが、王子と二人だけで話したいと頼んだ。猶憐と風穆が出て行くと、嶶児は王子に対して挑発的な態度を取る李玄に釘を刺した。「忘れるな、あの二人は夫婦だ」「関係ないね、奴は初夜もまだだし…」しかし嶶児は聖石を扱えるのは風穆だけだと警告した。「過去を知りたいんだろう?よく考えろ」すると李玄は不満そうに出て行ってしまう。風穆と猶憐は回廊にいた。この客桟にも王子の結婚を祝う飾り付けがあったが、どうやら無駄になりそうだ。「猶憐、聖石を君に譲る方法は他にもある…教えてくれ、君はまだ李玄のことが好きなのか?」「ええ、愛しているわ…本当にごめんなさい」しかし風穆は謝る必要などないと許し、ひとまず部屋で休むよう勧めた。「明日、王宮で…」「王子、あなたは昆吾族の恩人よ」そんな二人の話を李玄が聞いていた。王宮への帰り道、疤頭(バトウ)は王子の決断を知り愕然となった。風穆は愛する猶憐のために聖石との結びつきを断つ覚悟だという。実は病弱だった風穆は聖石の力を借りて何度も死の淵からよみがえって来た。しかし聖石は本来、昆吾のもの、これまで1人で恩恵を受けて来たが、猶憐に譲れば沙国と昆吾族の民が救われる。風穆は自分の命にかえても聖石を猶憐に返すと決めた。猶憐は師匠に聖石を手に入れられそうだと報告していた。その時、突然、李玄が部屋の戸を叩き、猶憐の意識が戻る。「一体、何の用?」猶憐が戸を開けるなり、李玄が飛び込んできた。「夜食を持って来た!」しかし猶憐は何か話があって来たのだと気づく。「実は…その~言いたいことが…俺も同じだ」「同じって何が?」すると李玄は苛立って回廊へ出て行ってしまう。「(はっ!)李玄!盗み聞きしていたのね!」「ふっ、月がきれいだ」二人は互いの気持ちを知り、自然とわだかまりが解けていた。翌朝、猶憐は約束通り王宮の聖殿を訪ねた。すると物陰に隠れていた風穆が背後から猶憐に法術をかけ、聖石の力を全て譲ってしまう。猶憐が目を覚ますと手には聖石があった。輝きを取り戻した聖石を見て感激する猶憐、そこへ青ざめた風穆が現れる。「…どうかしたの?」「なんでもない」猶憐はひざまずいて風穆の深い温情に感謝したが、疤頭は思わず聖石に比べたら何の価値もないと口を滑らせた。「どういう意味?」「何でもない、疤頭は聖石との別れが辛いだけさ」猶憐は風穆と疤頭の様子がおかしいと気づいたが、結局、何も知らないまま客桟へ戻った。猶憐と誤解が解けた李玄はやはり記憶を取り戻したいと願った。本当に聖石の力で思い出せるのか半信半疑だったが、李玄は寝台に横になって猶憐に任せる。すると李玄に幼い頃の記憶が甦り、ついに美しい母の顔を思い出した。父と母の愛情に包まれ幸せだった日々、李玄の顔にも自然と笑みが浮かぶしかし母との別れは突然だった。龍皇の妹だった母は人族と昆吾族の大戦に巻き込まれ、鳳尾(ホウビ)谷で亡くなってしまう。「嘘だ…」猶憐は李玄の苦悩の表情に驚き、急いで聖石を引き上げた。李玄が突然、目を覚まし起き上がった。「あいつだ…あいつが母上を殺した…昆吾族だから殺されたのか…俺にも昆吾族の血が…」すると李玄は部屋を飛び出して行った。猶憐は慌てて追いかけたが、嶶児が引き止める。「今はだめだ」つづく|ω・`)王子…いや笑うところじゃないんだけど…王子がおじいち…(´゚艸゚)ゲフンゲフン
2021.06.15
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第25話沙国は王子・御風穆(ギョフウボク)と蘇猶憐(ソユウレン)の婚礼で祝賀に湧いた。当日になっても王后はまだ昆吾(コンゴ)族の妃を迎えることに不安が残っていたが、本当に嬉しそうな息子の様子を見ると何も言えなくなってしまう。いよいよ晴れ着をまとった猶憐が婚儀のため宮殿へ向かった。屋根の上からから花嫁姿の猶憐を見下ろす李玄(リゲン)、猶憐はふと視線を感じて振り返ってみたが、やはり誰もいない。実はその時、李玄は咄嗟に物陰に身を隠していた。風穆と猶憐は招待客に見守れながら婚儀を挙げた。念願の聖石を手に入れた猶憐、しかしいざ床入りの儀を前に沐浴していると、なかなか踏ん切りがつかない。やがて侍女が身支度をするよう声をかけた。猶憐は聖石を握りしめながら肌衣に袖を通し、勇気を奮い立たせる。すると外衣を取りに行ったはずの侍女が急に倒れ、いつの間にか李玄が入れ替わった。↓え?ムック?ムックなの?李玄は龍嶶児(リュウビジ)の予想通り猶憐をさらった。鄭百年(テイハクネン)はこれからどうするのか聞いたが、嶶児はただ待つだけだという。その頃、李玄は猶憐を連れて川辺に舞い降りた。憤慨した猶憐は李玄と手合わせになったが、李玄の仙術で腕を縛られてしまう。「早く殺したら?」「簡単に殺してはつまらないからな」李玄は自分の外衣を投げ渡すと、猶憐が持っている聖石を招喚した。「どこへ行くの?!」「…もう王子のもとへ帰っていいぞ」すると李玄は猶憐を解放してしまう。王子妃誘拐の知らせを受けた風穆は李玄の仕業だと察しがついた。すると捜索していた疤頭(バトウ)が戻り、梁河(リョウガ)付近で李玄と猶憐の目撃談があったという。「詳しく調べています」「頼んだぞ」李玄は川辺で一夜を過ごすことにした。猶憐は聖石を取り戻すまで帰るに帰れず、距離を置いて李玄を見張る。やがて李玄が眠った頃、業を煮やした猶憐は聖石を奪い返そうとしたが、あっさり李玄に見つかった。「また俺から盗むつもりか?」「盗むだなんて…そもそも聖石を奪ったのはあなたよ?」「よく言うよ、じゃあ令牌もお前の物だったのか? …蘇猶憐、お前は目的のためなら平気で人を利用し、傷つける 昆吾族ってのは誰もが生まれつきそうなのか?」「あなたを利用したことは謝る、でも聖石は必ず取り戻す」すると李玄は立ち上がり、ひとりで歩き出した。猶憐は翼をはばたかせ本来の霊力を解放、李玄に向かって照雪(ショウセツ)術を放った。しかしなぜか李玄の持っている聖石の力で跳ね返され、猶憐はその衝撃で川に落下してしまう。「猶憐んんんんっ!」驚いた李玄は川に飛び込み、猶憐を救出した。李玄は意識のない猶憐を抱きしめながら、その手に聖石を持たせた。やがて朝になったが、高熱を出した猶憐が目を覚さない。焦った李玄は医者に診せるため猶憐を背負って歩き出した。「だましたくなかったの…本当よ…あなたを愛してる…本当なの…」猶憐はうなされながら、思わず本音を漏らしていた。李玄は激しい雨の中、林の中をさまよっていた。すると薬草採りに来ていた娘と出くわす。娘は李玄が背負っている猶憐が怪我していると気づき、自分の師匠なら治せるかもしれないと言った。娘は二人を連れて村に戻った。そこで師匠に怪我人を見て欲しいと訴えたが、よそ者は診ないと一蹴されてしまう。驚いた李玄は勝手に書斎へ乗り込み、自分の命を差し出すので助けて欲しいと懇願したが、そのまま卒倒した。「師父!気の毒です、助けてあげて!」「俺は診ない、追い返せ」師匠は書斎を出たが、居間に寝かされている娘が聖石を持っていることに気づく。実は師匠は昆吾族だった。李玄が目を覚ますと、いつのまにか別の家に移されていた。猶憐が気になって慌てて飛び出す李玄、すると驚いたことに昆吾族がいる。…なぜ昆吾族がこんなに?…ここは平安村、実は人族と昆吾族が共存している村だった。李玄が医廬(イリョ)に駆けつけると、二人を助けてくれた娘・丹丹(タンタン)が出てきた。丹丹は師匠の腕は確かだと安心させ、ただ猶憐をまだ休ませる必要があると追い返す。仕方なく引き返した李玄だったが、その夜、やはり猶憐の具合が心配で様子を見に行くことにした。広場ではちょうど村人たちが集まり、仲良く暖をとっている。すると猶憐も昆吾の子供たちに囲まれ、楽しそうに笑っていた。猶憐は穏やかに暮らしている昆吾族を見ていると力が湧いてくると言った。一族は離散したと思っていたが、まさかここでこんなに大勢の同胞に会えるとは…。「知らなかった、人族と昆吾族が仲良く暮らす村があるなんて… 彼らにとってこの村こそが理想郷ね…ふふ」しかし李玄はふと猶憐の容赦ない仕打ちを思い出し、学友や城内の民を虐殺したことを責めた。猶憐は身に覚えがないと釈明、自分の目的は龍皇の解放ただ1つだと訴える。「あの日、龍皇の解放に失敗した王子と私は、逃げるのに必死でそんな時間さえなかった」「傷痕を見る限り昆吾の仕業だが、龍皇は繭の中だ 一瞬で大勢の命を奪える者がお前を除いて他にいるとでも?」「…蕭鳳鳴(ショウホウメイ)よ、彼は夢遊病ではなく、龍皇の心魔に操られていたの そしてあの日、繭に裂け目ができたせいで彼は完全に乗っ取られてしまった」李玄は確かに鳳鳴が遊行中にだけ武術が使えることを思い出し、合点がいった。「疑うなら龍嶶児に確かめたら?情報に精通している彼なら真相を知っているはずよ」「…そうだな、聞いてみるよ」すると猶憐は偏見を失くせば人族と昆吾族もこうして肩を寄せ合って暮らせると言った。「皆に約束したの、龍皇を解放し、国を再興すると… 分かって欲しいとは言わない、だから邪魔もしないで」猶憐は村人たちの輪に加わり、夕食を楽しんだ。すると一人の昆吾族がぽつりと立っている李玄に粥を持って来る。「食べたくないんだ」「あなたの分なのよ?さあ、どうぞ」頑な李玄に何度も粥を勧める昆吾の婦人、気がつくと李玄は自然と手を伸ばし、粥を受け取っていた。つづく(  ̄꒳ ̄)失敗した王子と私…って、恩人をしれっと巻き込む猶憐w
2021.06.12
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第24話李玄(リゲン)は龍嶶児(リュウビジ)が本当は女だと知った。当時、生まれたばかりの娘を謝家に逃がしたという謝貴妃、しかしどうやって宮中へ戻ることができたのか。実は嶶児を男だと偽るため、伯父・謝雲石(シャウンセキ)が生薬を集めて薬湯を作っていた。百毒湯(ヒャクドクトウ)に浸かると身体中が激しい痛みに襲われるが、嶶児は毎年、誕生日を迎えるごとにこの薬湯に入って来たという。「いつか必ず、あの男にも苦しみを与えてやる…(何千倍、何万倍もの苦しみをな)」それにしても急に女に戻った嶶児にどう接したら良いのか分からない李玄、すると嶶児はこれまでと変わらず兄弟分だと言って同じ水袋から水を飲んだ。一方、皇太子は李玄と第二皇子の逃亡を利用し、昆吾(コンゴ)による惨殺も二人が関与している疑いがあると上奏した。そこで二人の関係者も処罰するよう進言、まず内応の恐れがある摩雲(マウン)書院を廃院するよう嘆願する。しかし皇帝は人族を救った紫極(シキョク)をかばい、そもそも龍皇(リュウオウ)を封印できるのは紫極しかいないと退けた。皇太子は皇帝が自分より紫尊の顔を立てたと不満を募らせた。話を聞いた蕭鳳鳴(ショウホウメイ)は簒奪(サンダツ)を耳打ちし、皇帝に危害を加えずとも宮廷を制圧して譲位させれば良いとそそのかす。その頃、御風穆(ギョフウボク)たちは王宮に到着していた。国王は息子との再会を喜んだが、雲杉(ウンサン)が天啓(テンケイ)に残ったと知り、すぐ迎えを出す。「そちらは?」「あ、昆吾族の聖女・蘇猶憐(ソユウレン)です」…昆吾の聖女だと?…国王は驚いたが、ともかく早く息子を王后に会わせることにした。息子の帰りを待ちわびていた王后は早速、美しい娘・毓秀(イクシュウ)を紹介した。風穆は毓秀が唐(トウ)家の長女で、幼い頃に面識があっただけだが覚えているという。すると国王と王后は年頃になった風穆に妃をと考え、選んだのが毓秀だと教えた。しかし風穆はすでに心に決めた人がいると言って猶憐の手を握りしめる。王后は息子が昆吾の聖女を妃にすると知って驚いたが、猶憐も予想外の展開に困惑した。風穆は結婚する理由を教えるため、猶憐を聖殿へ案内した。そこには驚いたことに聖石がある。「復元できたの?!」「そうではない、聖石は2つあったのだ、1つは昆吾に、もう1つはその昔、流転の末に沙国へ」すると風穆は聖石を猶憐に見せた。しかし沙国の聖石は王族が扱わなければ力を発揮せず、他の人にとってはただの石に過ぎないという。「つまり私がこの石をかざしても龍皇は甦らないのね…」「そうだ、だが1つだけ方法がある、それは…私と夫婦の契りを結ぶことだ でも君が好きなのは李玄だと知っている…」風穆は無理強いはしないと伝え、考えてみて欲しいと言った。猶憐の部屋に着替えが届いた。赤い衣を見た猶憐は李玄との婚儀を思い出し、ふと涙があふれる。しかし師匠は予言の年を逃せば龍皇(リュウオウ)が復活できなくなるため、結婚を承諾するしか道はないと迫った。一方、軟禁された雲杉(ウンサン)はどうすれば鳳鳴を救えるか考えあぐねていた。その時、回廊から見張りたちの話が聞こえてくる。「なぜ配置換えを」「知らんのか?代替わりするんだ」雲杉は龍皇の心魔が何か企んでいると分かった。そこで仕方なく霊力を使って見張りを一蹴、様子を見に行くが…。皇太子は鳳鳴に惑わされ、父皇に譲位を迫った。圧倒的な霊力の鳳鳴を前に皇帝はなす術なく、譲位の詔書を書くしかない。皇太子はついに皇帝になれたと感慨無量だったが、突然、鳳鳴が皇太子を拘束した。「詔書を書かせればその男は用済みです、始末しましょう」「待て!父皇に危害を加えぬと約束しただろう?!」「偉業を成すためには情けなど無用、全てはあなたのためだ」「鳳鳴!やめろーっ!」鳳鳴は皇帝に一撃を放とうとしたが、その瞬間、雲杉の鞭(ムチ)が鳳鳴の身体に巻き付き、外へ放り出されてしまう。しかし安心したのも束の間、激怒した鳳鳴が法術で雲杉を捕らえ、引きずり出した。鳳鳴は雲杉の首をつかんで締め上げた。「鳳鳴…やめて、目を覚まして!思い出して!お願いよ…忘れてしまったの?私は雲杉よ…」すると心魔は急に鳳鳴と雲杉の記憶がよみがえり混乱してしまう。「目を覚まして!」雲杉の心の叫びを聞いた心魔は耐え切れず、掌(ショウ)を当てて雲杉を投げ飛ばした。これでようやく落ち着きを取り戻したが、ふと雲杉が落とした香袋に気づく。その時、鳳鳴の雲杉への深い愛情が心魔を圧倒し、鳳鳴が身体を取り戻した。しかし視線の先に倒れている雲杉がいる。「雲杉!しっかり!目を開けてくれ!」鳳鳴が雲杉を腕に抱くと、雲杉が目を開けた。雲杉は愛する鳳鳴が我に返ったと知って安堵し、笑みがこぼれる。「雲杉、君が好きだ、君が好きだよ」雲杉は鳳鳴からずっと聞きたかった言葉を胸に、そっと瞳を閉じた。その頃、李玄たちも無事に鎖国へ到着していた。ひとまず茶屋で一休みする3人、すると城内は住民たち総出で祝賀用の飾り付けに忙しい。店主の話では王子の成婚が決まり、お妃は天啓国から連れ帰った聖女だとか。李玄は風穆と猶憐が結婚すると気づき、急に席を立った。茫然自失の中、町をさまよう李玄、するとすれ違いざまに肩がぶつかった男に絡まれ、暴行されてしまう。しかし嶶児が駆けつけ、黙って殴られている李玄を救出した。鳳鳴が急に目を覚さなくなった。報告を聞いた皇太子は様子を見に来たが、李(リ)少傅(ショウフ)が鳳鳴を冷酷非道だと非難し、二心を抱いている恐れがあると懸念する。「蕭鳳鳴は危険です、いずれ始末するおつもりなら今が好機では? 目を覚ませば手出しできる者はいません、邪魔になってからでは遅いのです」そこで李少傅は皇太子に短剣を渡した。覚悟を決めて短剣を振り下ろした皇太子、しかしその時、急に鳳鳴が皇太子の腕をつかむ。すると短剣を取り上げ、皇太子に入れ知恵した李少傅の胸に命中させた。「先ほど誰かが私を冷酷非道と評していましたね~私はその通りだと思うが、陛下のご意見は?」「うっ…ぅぅぅ…」皇太子はあまりの恐怖に声も出せない。「自縄自縛ですね」鳳鳴は皇太子を見逃し、また休むことにした。客桟に落ち着いた嶶児が食事をしていると、ようやく李玄が目を覚ました。実は王宮に探りを入れたところ、風穆と猶憐の結婚は本当だという。「結婚の印に聖石が贈られるようだ、つまり我らが狙うべきは…」つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…終盤に来たのにイマイチ緊迫感が伝わって来ない…これも鳳鳴が失敗したヘビメタみたいだから?
2021.06.11
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第23話兄と一緒に沙国へ帰ることにした雲杉(ウンサン)。しかし愛する蕭鳳鳴(ショウホウメイ)のことを放っておけず、途中で馬車を降りてしまう。御風穆(ギョフウボク)は危険だと反対したが、雲杉は何もできなくても鳳鳴のそばにいたいと訴えた。「相手が蘇猶憐(ソユウレン)なら兄上もそうしていたはずよ?」「…確かにそうだ、気をつけるんだぞ」擎天城(ケイテンジョウ)では第二皇子・龍嶶児(リュウビジ)と鄭百年(テイハクネン)が刑場へ連行された。嶶児は覚悟して頭を寝かせると、ついに執行人が刀を振り下ろす。しかし李玄が仙術で刀を吹き飛ばし、霊力で一瞬のうちに執行台までたどり着いた。「遅いぞ」「待たせたな」すると辺令誠(ヘンレイセイ)と封常青(ホウジョウセイ)が加勢、兵士らを足止めし、李玄たちが脱出したところで門を閉めた。↓惚れてまうやろ〜な嶶児第二皇子と李玄が逃げたと聞いた皇太子は激怒、配下たちを罰していた。そこへ強引に雲杉が乗り込んで来る。「大事な用があるんです!」雲杉はいきなり鳳鳴が龍皇(リュウコウ)に乗っ取られていると訴えたが、皇太子はけんもほろろで取り付く島もない。追い出された雲杉は仕方なく引き下がると、偶然、回廊で鳳鳴と出くわした。龍皇の心魔は雲杉を自分の寝殿に引っ張って行った。「鳳鳴の身体から離れなさい!さもなくば…さもなくば…あなたの正体を明かす!」「それだけか?…なるほど愚鈍な男と無鉄砲な女、お似合いだな」すると心魔は雲杉の首をつかみ締め上げた。しかし鳳鳴の本人格が邪魔し、心魔は激しい頭痛に襲われてしまう。たまりかねた心魔は雲杉を手放すと、衛兵に見張りを任せて出て行った。皇太子は鳳鳴を親衛隊の隊長に任命、精鋭部隊を作って欲しいと頼んだ。「そうだ、雲杉公主が私を訪ねて来てな 何でもそなたの身体があの龍皇に乗っ取られていると騒いでいたぞ?」驚いた鳳鳴は信じたのかと確認したが、皇太子は嘘に決まっていると笑う。「よく仕えてくれたら、私が玉座に就いた暁にはそなたにも見返りを…」「必ずや力を尽くしましょう、太子殿下が天下を統べる日まで」すると皇太子は第二皇子たちの件を鳳鳴に一任した。その頃、李玄たちはすでに城外へ脱出していた。すると嶶児は百年と共に沙国へ向かうという。聞いたところ沙国にも聖石があり、蘇猶憐の手に渡るのを阻止するつもりだ。「お前も自分の生い立ちを知りたいだろう?聖石がその助けになるかも…」「なぜそう言えるんだ?」「史料に書いてあった」「もういいんだ、過去を知ったところで俺の父親は戻って来ない」嶶児は無理強いするつもりはないとあきらめ、恩人に感謝して出発することにした。しかし李玄はどちらにしても居場所がないと気づき、一緒に行くと決める。令誠はもちろん常青と一緒に沙国へ行くと言ったが、李玄に止められた。「ついてくるな、お前たちのためだ」分別のある常青は令誠を諦めさせ、今の少爺ならひとりでも十分、戦えると安心させる。「戻って来たらまた会おう」こうして李玄たちも一路、沙国を目指した。風穆たちは什葉(ジュウヨウ)城へ入った。沙国も以前は華やかな街だったが、今はすっかり寂れている。実は10年前に人族が昆吾族に勝利した時、天啓(テンケイ)国が沙国の併合を企んだ。当時の沙国国王が交渉して併合は免れたものの、その代わり沙国は国境の警備を解いて天啓の兵士の出入りを認めるという不平等な取り決めを飲んでしまう。猶憐は沙国の民たちも昆吾のように天啓の兵士に迫害されている現状を目の当たりにし、胸が痛んだ。↓これから収穫です風穆たちが酒楼でひと休みしていると、天啓の兵士たちが我が物顔でやって来た。すると高貴な風穆が目に付き、兵士が難癖を付けて来る。しかしそこへ沙国の将軍・賀雄飛(ガユウヒ)が配下と共に駆けつけ、王子に無礼を働いた天啓の兵士たちを捕らえた。「王子殿下!遅くなりました」店主や客たちはその人こそ沙国王子だと知り、一斉にひざまずいて助けを求めた。天啓の兵士たちは金を奪って人を殴り、まるでただの強盗だという。もはや我慢の限界、風穆は決断し、賀将軍に兵を集めて警備を固めろと命じた。「天啓の兵士を国境内に入れるな!…沙国を侵犯する者は殺せっ!」風穆は先代国王が結んだ天啓との取り決めを一方的に破棄した。当然、天啓も黙ってはいないはず、しかし今の天啓に沙国をかまっている余裕はないだろう。龍皇の脅威に加え、帝位継承の争いも激化、しかも蕭鳳鳴がさらに混乱を生み出したのだ。「早く聖石を猶憐に渡し、龍皇を覚醒させねばならない、そうすれば我が沙国は完全に救われる」話を聞いた疤頭(バトウ)は王子が全て計算済みだったと気づき、安堵のため息を漏らした。一方、李玄たちは川辺で一夜を過ごすことになった。李玄はひとり離れて土笛を吹いていたが、そこへ嶶児がやって来る。「考え事か?」「ふっ…俺のせいでお前の命まで脅かされた」「確かに、こうなるとは思わなかった」「残念だったな、後悔してももう遅い」「知っていたとしてもお前を助けた…私たちは仲間だろう?」李玄と嶶児は思わず失笑したが、そんな二人の姿を百年は複雑そうに見ていた。李玄が眠りにつくと、嶶児は百年に薬を渡すよう命じた。皇帝から見放された今、もはや女であることを隠す必要はない。「もう疲れたんだ…百年、薬を渡せ」第二皇子の命では百年も拒むことができず、しぶしぶ薬を差し出した。「李玄のためなのでは?」「なんだと!お前に何が分かると言うんだ?!」「…配下がお詫びを」嶶児は李玄の隣で眠ることにした。ふと横を向いて李玄の寝顔を見つめてしまう嶶児、すると急に李玄が手を伸ばし、嶶児の指に触れる。嶶児は驚いて手を引っ込めたが、今度は自分から手を伸ばして李玄の指に触れた。翌朝、李玄が目を覚ますと嶶児と百年の姿がなかった。馬が繋いであるなら遠くへは行っていないはず、そこで山に入って探してみると、偶然、水浴びをしている女子を発見する。李玄は目のやり場に困ったが、はたと龍嶶児だと気づいた。「あの背中…本物の女にしか見えないな~」妙に感心する李玄、その時、嶶児がちょうど腕を上げ、赤い蝶のあざがあらわになる。 …あの印は…それは氷血(ヒョウケツ)の聖域で天書(テンショ)仙人が号泣しながら見ていた悲運な赤子の腕にあったあざと同じだった。…まさかあの赤子だったのか、いや待て、龍嶶児は男だぞ?…すると大蛇が背後から嶶児に近づいて行くのが見える。李玄は咄嗟に飛び出して仙術で蛇を吹き飛ばしたが、真上から見下ろした嶶児の身体は確かに女子だった。↓うっそ〜ん…バッシャーン!李玄は嶶児の正体を知り、驚いてそのまま川に落ちた。衣を乾かしながら何と切り出して良いか分からない李玄、すると嶶児は聞きたいことがあるなら遠慮なく言えという。「なぜ女なのに男のふりを?」「18年前のことだ、ある占い師が天啓の皇帝に進言した、″公主が生まれれば災いをもたらす″と…」あの日、謝貴妃は自分が出産したのが娘だと聞いて動揺した。そこで娘を嬷嬷(モーモー)に託し、宮中から脱出して謝府に逃げ込むよう命じる。その夜は激しい雨となった。公主を預かった男は人けのない大街で追っ手に囲まれたが、ぎりぎりのところで公主を守り切る。つづく
2021.06.10
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第22話摩雲(マウン)書院や城内の惨殺が昆吾(コンゴ)族の仕業になっていた。身に覚えのない蘇猶憐(ソユウレン)は師匠に相談、すると剣霊はそんな力を持っているのは龍皇(リュウコウ)だけだという。「虐殺を行なったのは龍皇の悪なる人格だろう お前が氷の繭に作った割れ目から龍皇の霊気が抜け出し、心魔に宿ったのだ」猶憐は御風穆(ギョフウボク)に師匠の話を伝えた。龍皇の心魔が誰に乗り移ったのか定かでないが、心魔は龍皇と同等の力があり、抑え込むことは決して簡単ではないという。一方、東宮では皇太子が第二皇子を牽制するため、精鋭を呼び集めていた。そこへ突然、目にも留まらぬ速さで蕭鳳鳴(ショウホウメイ)が現れる。すると鳳鳴は一撃で精鋭たちを全滅させ、自分の圧倒的な霊力を見せつけた。「私を太子に仕えさせてください」その頃、龍嶶児(リュウビジ)は亡き李淑徳(リシュクトク)が秘蔵していた美人画を密かに持ち帰っていた。そこで″銀の月″という帯と見比べてみると、確かに絵姿に描かれた帯と同じだと気づく。「この絵の人物は龍皇の妹・青笙(セイセイ)公主に間違いない」家職は李将軍がこの絵を手に取ったことがないと話していたが、巻き物の痛み具合から見ても繰り返し開いていたことは明白だった。確証はないものの李玄は李淑徳と青笙の子供だろう。そう考えると紫極(シキョク)が李玄を護国師に選んだ理由も何もかも説明がつく。すると護衛・鄭百年(テイハクネン)が持って来た10年前の大戦の記録に、紫極が青笙の血で龍皇を封印したとあった。嶶児はようやくあの時、紫尊がなぜ李玄の血で氷の繭を封印したのか合点がいく。恐らく紫極は李玄から不都合な記憶だけを消したに違いない。猶憐は帷帽(イボウ)で顔を隠し、風穆たちと城外に脱出しようとしていた。そこで風穆は自分が気を引いている間に猶憐に逃げるよう告げる。その時、雲杉(ウンサン)が兄の姿を見つけて走って来た。「哥(グァ)っ!探したのよ?」「私も探したぞ」雲杉は兄が沙国へ帰ると聞いて同行することにしたが、そこにはなぜかお尋ね者となった猶憐がいた。風穆は検問所に法術で炎を放ち、騒ぎを起こした。突然の火災に混乱する城門、風穆たちはその間に門を抜けようと試みたが、場外にはすでに第二皇子の軍が待ち構えていた。さらに城内から嶶児が騎馬隊と駆けつけ、猶憐たちは挟み撃ちに遭ってしまう。すると風穆たちは目配せし、一斉に兵士に襲いかかった。風穆は猶憐を逃すため嶶児と応戦、その間に猶憐は城外へ脱出することに成功する。無事、一足先に郊外まで逃げた猶憐、しかしふと気配を感じて足を止めた。猶憐の前に李玄が現れた。今や父の敵となった猶憐に容赦なく襲いかかる李玄、二人は再び激しく剣を交えた。しかし猶憐は後ろめたさから隙を見せ、剣を弾き飛ばされてしまう。すると李玄の宝剣が猶憐の腹を突き刺した。「…ゥッ、私たちは結局、こうなる運命だったのね…」李玄が剣を引き抜くと、猶憐はそのまま崩れ落ちるようにへたり込んだ。その時、肌身離さず持っていた瑠璃玉が落ちる。驚いた李玄は瑠璃玉を拾うと、聖域での猶憐との辛い別れを思い出した。「今回は見逃そう、まだ好きだから…これが最後だ、次に会った時は必ずお前を殺す 2度と現れるな…いや、現れないでくれ」李玄は瑠璃玉を握りしめ、二人の思い出を壊した。李玄が止めを刺さずに立ち去るのを見た兵士たちが一斉に駆けつけた。しかし猶憐は結界に守られ、兵士たちは手が出せない。すると李玄は最後に法術で兵士たちを吹き飛ばし、去って行った。遅れて城外へ脱出した風穆は深傷を負って倒れている猶憐を保護した。一方、嶶児は猶憐を見逃した李玄を追及していたが、李玄が急にばったり倒れてしまう。衛兵隊長は直ちに宮廷に戻り、皇帝に報告した。実は李玄と第二皇子が昆吾の妖女をわざと逃がし、自分たちをなぎ倒して追跡を妨害したという。そこで皇太子は第二皇子が妖女を捕らえると偽って李玄を出獄させたが、実は李玄と共に昆吾に加担する気だと讒言した。皇帝はすっかり嶶児が簒奪を画策したと誤解し、即刻、李玄と第二皇子を捕らえるよう命じる。「首を刎(ハ)ねろ!」李玄は書院で目を覚ました。すると紫尊に呼ばれ、追放を言い渡されてしまう。「これからは私とお前は師父でも弟子でもない…」「師父!」「去れ、できるだけ遠くへ行くがいい」呆然とする李玄、しかしもはや紫極でも李玄を守ってやることはできず、せめて逃してやることしかできなかった。李玄は叩頭し、師匠の屋敷を出て学院へ下りて行った。思い出されるのは楽しかった生徒たちとの思い出ばかり、するとちょうど禁足を解かれた辺令誠(ヘンレイセイ)と封常青(ホウジョウセイ)が現れる。「迷惑かけたな、でももう大丈夫だ、書院を追放されたよ」令誠は迷わず李玄について行くと言ったが、李玄は先に嶶児の所へ行くと教えた。しかしその頃、宮中に戻った嶶児は衛兵隊長から思わぬ勅命を受けていた。嶶児は李玄と結託して蘇猶憐の逃亡を幇助したと断罪され、ただちに収監、後日、李玄と共に斬首されるという。摩雲書院に衛兵たちが乗り込んだ。崔翩然(サイヘンゼン)・嫣然(エンゼン)姉妹を始め生徒たちは李玄なら書院にいないとごまかしたが、衛兵たちは捜索を開始する。そこで嫣然は急いで李玄に知らせに向かった。しかしすぐに衛兵たちがやって来る。令誠も常青も知らぬ存ぜぬを通したが、衛兵隊長が庭石の後ろが怪しいと気づいた。常青は思わず衛兵の進路を妨害し一触即発、すると紫極が現れる。さすがに紫極の命とあっては衛兵隊長も無視できず、撤収を余儀なくされた。紫極は一瞬、庭石の後ろに視線を移したが、結局、隠れている李玄に声をかけずに戻ってしまう。収監された嶶児はやけに落ち着いていた。しかし百年はこれも李玄を助けたせいだと苛立ちを隠せない。すると嶶児は人心を掌握するには命を投げ出す覚悟がいると意味深長な事を言った。そこへ外套をまぶかに被った謝雲石(シャウンセキ)が現れる。謝貴妃ならすでに皇宮から脱出し、嶶児を心配しているものの元気だという。「何か策はございますか?」「必ずやこの牢獄から出てみせる(キリッ」猶憐は風穆の献身で意識を取り戻した。付き添っていた雲杉が安堵していると、ちょうど風穆が薬湯を持って入って来る。雲杉は二人の邪魔をしないよう出て行くことにしたが、風穆は疤頭(バトウ)から妹が自分に話があると聞いていた。そこで雲杉は思い切って鳳鳴の秘密を明かし、蟻も殺せない鳳鳴の仕業とは思えないと訴える。すると猶憐は龍皇の心魔が鳳鳴を操っていると教えた。鳳鳴を救う方法はただ1つ、龍皇を解放するしかない。龍皇が目覚めれば心魔は消滅し、鳳鳴は元に戻るだろう。その夜、鳳鳴の本人格は必死に抵抗を試みていた。しかし心魔はそんな鳳鳴を嘲笑し、自分がこの世で唯一にして絶対なる支配者になると宣言する。つづく( ತ _ತ)雲杉に激しく同意だわ、李玄、刺すことないのに〜
2021.06.09
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第21話御風穆(ギョフウボク)は蘇猶憐(ソユウレン)を連れて摩雲(マウン)書院を出た。しかし城門はすでに封鎖、風穆は仕方なく馬車を引き返すことにする。一方、妹の雲杉(ウンサン)は蕭鳳鳴(ショウホウメイ)の暴挙を信じられずにいた。そこで密かに鳳鳴のあとを追ったが、思いがけず大街で虐殺を繰り返す鳳鳴を目撃してしまう。雲杉は声が漏れないよう口を塞ぎ、悲惨な現実を目の当たりにして呆然となった。風穆はひとまず廃家に隠れ、深傷を追った猶憐を治療した。何とか動けるようになった猶憐、そこで王子の前でひざまずき、粉々になった聖石を見せて協力を求める。しかし石が割れれば霊力も消えてしまうため、風穆は形を復元しても意味はないと教えた。ただし龍皇(リュウコウ)を目覚めさせたいなら、まだ方法はあるという。「私と沙国へ…」第二皇子・龍嶶児(リュウビジ)は李玄(リゲン)が誕生日にくれた″銀の月″を眺めていた。それにしてもあの時、紫極(シキョク)はなぜ氷の繭を鎮めるために李玄(リゲン)の血を使ったのか。実は10年前、青笙(セイセイ)と人族との間に子供がいたことは有名な話だった。護衛・鄭百年(テイハクネン)ももちろん知っていたが、その子供が破壊的な力を持つことから紫極が葬ったと聞いている。しかし嶶児は龍皇を鎮めることができる昆吾(コンゴ)族の血を引く子供を簡単に殺すとは思えなかった。疤頭(バトウ)は月を眺めている王子を見つけ、本気で猶憐を助けるつもりか聞いた。そのためには猶憐と結婚する必要がある。「もし蘇姑娘(グーニャン)が断ったら…」「拒絶されても彼女を助けたい」「殿下の命に関わることです」近年、沙国は天啓(テンケイ)国に従うほかなく苦境に立たされて来た。風穆は龍皇を目覚めさせて全てを終わらせ、沙国を生まれ変わらせたいと願っている。しかし疤頭は猶憐が愛しているのは李玄だと指摘した。「…国のためだ、個人の感情は関係ない」風穆は笑顔を見せたが、寂しさは隠せなかった。猶憐の捜索が激化する中、書院にも大勢の兵士が乗り込んで来た。何でも皇帝が李玄を捕らえるよう命じたという。李玄の寝殿の前に立って反発する嶶児、辺令誠(ヘンレイセイ)、封常青(ホウジョウセイ)たち、しかしそこへ紫極が現れた。人族を守ることが使命である護国師が妖女の侵入を許し、多くの犠牲を出したことは事実、明らかに罪を犯したという。その時、まだ歩ける状態ではないはずの李玄が自ら外へ出てきた。「俺は行くよ」朝廷に李玄が連行された。皇帝は怒り心頭だったが、嶶児は李玄が狡猾な妖女にだまされただけだとかばう。父・李叔徳(リシュクトク)も許しを請うたが、皇帝は李玄の助命を嘆願する者も同罪だと一喝した。すると皇太子が李玄を直ちに極刑に処すべきだと進言する。朝臣たちも皇太子に同調、素行の悪い李玄の味方はいなかった。その時、嶶児がひざまずき、罰を覚悟で父を説得する。「父皇っ!私は同級生として李玄をよく知っていますが、真義に背く者ではありません! どうかご再考ください!」「感動的だな~二弟?その姿はまるで愛する男をかばう女のようだ 李玄を擁護しても仕方ないぞ?」「妖女に利用されただけの李玄に強引に罪を着せようとする太子こそ、何か企みが?」「何だと?!」「皆が知っていますよ?李玄を恨んでいることくらい…」臣下たちの前で言い争う皇太子と二皇子、憤慨した皇帝は二人を叱責し、日を改めて李玄を斬首刑に処すと勅命を下してしまう。もはや言い返す気力もない李玄、兵士たちは早速、収容することにしたが、李淑徳が止めた。李淑徳は御前に歩み出ると、朝帽を脱いでひざまずいた。「…父親である私に全ての責任があります しかし皇上、私は国のために戦い、忠義を尽くして参りました どうかこの李淑徳に免じて李家の一人息子・李玄をお助けください!」皇帝は重鎮の嘆願に頭を悩ませたが、その時、李淑徳が立ち上がった。「…お許しのご恩は死んでお返しします」すると李淑徳は衛兵の帯剣を引き抜き、自ら首を斬ってしまう。朝廷は騒然となった。李玄は慌てて駆けつけ、父を腕に抱く。「でぃえーっ!」「お前の娘(ニャン)は…娘は本当に優しい人だった…私のせいであんなことに… 私のせいだ…私を許してくれ…」すると李淑徳は息子の腕の中で息絶えた。「なぜだ…なぜなんだ…」父を抱きしめ悲しみに暮れる李玄、その時、激しい憎しみと怒りが湧き上がり、何かが壊れた。そして李玄の身体から強烈な霊気が爆発、周りにいた衛兵たちを吹き飛ばし、怒りの矛先はついに皇帝へ向かう。しかし危ないところで紫極が駆けつけ、李玄を封印して眠らせた。紫極は皇帝に李玄を殺してはならないと進言した。今回の件では李玄と共にどんな罰でも受ける覚悟だが、朝廷には昆吾族に対抗できる人材が必要だという。「李玄を数日間だけ収監し、反省させましょう、国のために戦うことが彼の罪滅ぼしです」皇太子は思わず罰が甘すぎると呆れたが、紫極からならば皇太子が出陣すればいいと脅されてしまう。すると皇帝は国を第一に考え、紫極の助言を受け入れた。嶶児は張(チョウ)太監に心付けを渡し、皇帝への謁見を頼んだ。一方、李玄を始末し損ねた皇太子は不満が残ったが、李(リ)少傅はもはや相手にする必要はないと安心させる。すると思わぬ知らせが届いた。「大変です!先ほど二皇子が皇帝の書斎に…」皇太子は書院で有能な味方を増やした嶶児を警戒し、自分にも名士を集めるよう命じた。その頃、嶶児は皇帝に謁見し、今回の件は自分にも責任があると上奏していた。そこで蘇猶憐一味の拿捕を自分に任せて欲しいと嘆願する。「しかし私ひとりで太刀打ちできる相手ではありません ですが″あの者″がいれば必ず勝つことができます」翌朝、嶶児は李玄を迎えに行った。「李玄、ここを出よう、起きてしまったことは仕方がないのだ もう時間がないぞ?蘇猶憐が城内で暴れ回り、多くの犠牲を出した 何もせず、ここで一生、過ごす気か?民と将軍のために戦うべきだろう?」屋敷に戻った李玄は父を弔った。紙銭と一緒に父のお気に入りの絵や書を燃やす李玄、すると参列していた嶶児が何気なく積まれている巻き物を手にした。嶶児はその美人画が誰の姿絵か気になって聞いてみたが、画を見た家職は首をかしげる。「老爺が普段ご覧になっていた絵ではありません…使用人が間違えたのでしょう」しかし確かに書斎にあった絵だという。その時、嶶児はふと絵姿の美女の腰に″銀の月″が描かれていると気づいた。李家に崔(サイ)家がやって来た。弔問かと思えば、かつて李淑徳が贈った結納品を返すという。「両家の婚約はなかったことに…」嶶児は家職が対応に追われている隙に美人画を百年に預けた。「李玄、喪が明けたら迎えに来る」「…昆吾族の討伐はいつだ?」「まもなくだ」風穆が窓から外を眺めていると、猶憐が目を覚ました。「具合はどうだい?…ずっと手に持っているそれは何?」しかし猶憐は李玄との思い出の瑠璃玉とは言えず、黙って首を横に振る。すると疤頭が困惑した様子で偵察から戻って来た。実は書院の生徒たちを惨殺したのは昆吾族で、そのあとも城内の住民を殺して回っているという。「ありえないわ」猶憐は驚いた。龍皇が封印された今、聖女である自分以外に霊力を使える同胞はいない。まさか誰かが昆吾族に罪を着せたのだろうか。つづく( ;∀;)パパ…大した傷には見えなかったのに…w
2021.06.08
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第20話酒楼で泥酔した李玄(リゲン)を介抱する蘇猶憐(ソユウレン)。すると猶憐をあきらめきれない李玄は朦朧とした意識の中、猶憐に思わず口づけしてしまう。猶憐は困惑しながらも自分の心に嘘をつけず、そのままそっと目を閉じた。翌日、幸せそうに眠っていた李玄は給仕に起こされた。すっかり寝過ごしたと知って慌てたが、そこに猶憐の姿はない。…昨晩のことは夢だったのか?…その頃、猶憐はひとり湖を眺めていた。李玄との口づけに心が揺れる猶憐、しかし気持ちに区切りをつけて書院へ向かう。…猶憐、情に溺れてはダメ、私には昆吾(コンゴ)族を救う使命がある…その夜、辺令誠(ヘンレイセイ)と封常青(ホウジョウセイ)が紫極(シキョク)の屋敷に駆けつけた。何でも城外に出た李玄が昆吾族に襲われたという。驚いた紫極は常青と一緒に急いで郊外へ、すると令誠が李玄に合図した。その様子を猶憐と風穆が屋根の上から見ていた。予想通り李玄は百暁生(ハクギョウセイ)の助言を信じ、令牌を使って盤龍(バンリュウ)の聖域へ入るらしい。「君の成功を祈っているよ」「王子、今までありがとう」二人は再会を約束して別れた。聖域に入った李玄は宝剣を発見した。すると突然、龍嶶児(リュウビジ)がやって来る。実は嶶児は李玄が百暁生に騙されてやしないかと心配し、尾行していた。このまま宝剣を抜けば何が起こるか分からない。「もしかしたらお前に宝剣を抜かせるために百暁生を買収したのかも…私が疑っているあの女が」「俺の知っている限り猶憐はそんな姑息な手は使わない」その話を物陰に隠れていた猶憐が聞いていた。猶憐を信じて疑わない李玄は宝剣を抜き取った。すると聖域が振動し、結界の中から氷の繭(マユ)が出現する。この時を待っていた猶憐は繭の前に飛び出し、両手を掲げて昆吾の拝礼を行なった。「昆吾族20代聖女・蘇猶憐です!龍皇(リュウコウ)にご挨拶を…」嶶児の予感は的中、李玄は猶憐の正体を知って愕然となった。「俺に嘘をついていたのか?」「そうよ」「令牌もお前が?」「ええ」「百暁生もか?」「ええ」「つまり…ここに母の手がかりなどないのか?」「…」「宝剣を抜かせるために俺を騙したのか?」「ええ、そうです」李玄は命懸けで助けた猶憐に利用され、結果的に人族を裏切ることになった。「私…こうするしかなくて…李玄、ごめんなさい」「気づくべきだった…もっと早く」←Σ( ̄。 ̄ノ)ノ えっ?!見逃しているだけかと思ってたすると猶憐が聖石を氷の繭の上に投げ、龍皇を解放すべく法術を放つ。驚いた李玄と嶶児は聖石を奪おうとしたが、猶憐は躊躇なく二人に牙を剥いた。「出て行って、お願いよ…」「断る、聖石を渡せ」しかし氷の繭が聖石に反応し、音を立てて結界が緩み始める。一方、宿舎では眠っている蕭鳳鳴(ショウホウメイ)の額に赤い封印が現れていた。猶憐は李玄と激しく剣を交えた。その隙に嶶児が聖石を奪おうとしたが、猶憐に取り戻され、逆に吹き飛ばされてしまう。攻防が続く李玄と猶憐、やがて二人は渾身の一撃をぶつけ合ったが、特殊能力を失った李玄は大きな打撃を受けた。すると剣霊が禍根を残さぬよう、猶憐に李玄を殺せと命じる。猶憐は愛する李玄を手にかけることなどできなかったが、剣霊は自らの意思で李玄に向かって行った。猶憐はギリギリの所で師匠を止めたが、気がつくと李玄の肩を突き刺していた。衝撃のあまり動けなくなる猶憐、すると李玄は自ら剣を抜き去り、剣気に吹き飛ばされてしまう。すると倒れていた嶶児が李玄を助け、猶憐を激しく責め立てた。「蘇猶憐!李玄はもう傷を治せないんだぞ! お前を冰血(ヒョウケツ)の聖域から逃すため、天書(テンショ)仙人に能力を差し出したのだ!」何も知らなかった猶憐は呆然と立ちすくんだ。しかし悲しみに浸っている間もなく、駆けつけた紫極に襲われてしまう。実は常青が李玄に頼まれて紫尊を郊外へ連れ出したことを白状していた。紫極の霊力に蘇猶憐は手こずった。そこで照雪(ショウセツ)術を放ち、紫極が氷の刃に襲われている隙に、再び聖石を使って封印を解くことにする。しかしあと少しという所で術の効力が切れ、紫極が再び猶憐に襲いかかった。紫極の仙術で吹き飛ばされる猶憐と聖石、その時、李玄が咄嗟に聖石に向かって宝剣を投げてしまう。「やめてぇぇぇぇ!」猶憐は必死に飛び出したが、聖石は目の前で粉々になった。昆吾族の未来がかかっていた大事な聖石、猶憐はバラバラになった聖石を拾い集めながら、何とも言えない虚しさに襲われる。「昆吾族が何をしたっていうの?人族と同じように普通に暮らしたいだけなのに…」猶憐はゆっくり立ち上がると、李玄に剣先を向けた。「それなのに…なぜ…なぜこんな仕打ちを?」「俺は自分のすべきことをしたまでだ」猶憐の李玄を見つめる目は憎しみに満ちていた。その時、紫極が背後から一撃を放ち、猶憐はばったり倒れてしまう。「師父!殺さないでくれ!」「ばか者めが!まだかばうつもりか!」もはや李玄は師父を止めることができなかったが、危機一髪のところで猶憐の身体は消散した。紫極は龍皇を封印している結界が緩み始めたことに気づいた。そこで李玄を呼び、一か八か怪我をした李玄の血を結界へ流し込んでみる。すると氷の繭が反応し、紫極は再び沈月(シンゲツ)の陣を強めることに成功した。しかし、繭が緩んだ間に思わぬ弊害が起こってしまう。その頃、雲杉(ウンサン)は寝殿で鳳鳴のために香袋を作っていた。すると外が何やら騒がしくなる。雲杉は侍女・小英(ショウエイ)が止めるのも聞かず、様子を見に出かけた。夢遊病の鳳鳴は居所を出ると、視界に入った生徒たちを次々、惨殺した。…ついにこの男の身体を乗っ取ることができた…しかしそこへ運悪く雲杉が現れる。鳳鳴は雲杉に襲い掛かろうとしたが、なぜか腕が言うことをきかなくなった。「チッ…失せろっ!」雲杉は恐怖のあまり腰が抜けたが、命からがら逃げ出した。雲杉を逃した鳳鳴は急に頭が割れるように痛み、そのまま膝をついた。すると鳳鳴の意識が誰かの陣に引き込まれる。「お前は誰だ?なぜ私の中に?」「…私は昆吾族の龍皇だ、私に選ばれたことを光栄に思うがいい」その男は龍皇の心魔だった。鳳尾(ホウビ)谷の戦いで紫極に捕らわれた龍皇は、その怒りや悲しみから心魔を生み出した。龍皇から抜け出した心魔はちょうど良い宿主を探していが、当時、まだ幼かった鳳鳴に目をつけたという。鳳鳴は学童で急に眠ってしまったことを思い出し、夢遊病の原因が龍皇の心魔だと合点がいった。すると龍皇の心魔は鳳鳴の人格を拘束してしまう。一方、中庭に向かっていた令誠は偶然、血相を変えて逃げてきた雲杉と出くわした。気が動転した雲杉は人が殺されたと伝えるだけで精一杯、そのまま走って行ってしまう。令誠はすぐ謝雲石(シャウンセキ)に報告し、一緒に現場へ向かった。「謝司業…一体、誰がこんなことを」「昆吾族の霊力は人族より強い、傷跡を見る限り昆吾族の仕業だ…」風穆は猶憐を連れて一刻も早く学院を去ることにした。ちょうど中庭の惨劇を見た猶憐は驚いたが、風穆はもはや学院で何があろうと関係ないと急かせる。こうして猶憐は思い出深い学院をあとにした。殺された生徒たちの亡骸が並べられた。すでに猶憐が昆吾の間者だったことが知れ渡り、誰もが猶憐の関与を疑う。そこへ知らせを聞いた李玄がやって来た。「俺のせいだ…俺がヘマをしたから大勢が殺されることに…」すると嶶児が紫尊に猶憐の捕縛を訴えた。紫極は直ちに城門を封鎖して昆吾の妖女を探し出すよう命じたが、そこへ猶憐を探していた令誠が駆けつける。「紫尊!大変です!沙国王子と公主、鳳鳴も見つかりません!」深傷を負った李玄は急に気が遠くなり、卒倒した。…蘇猶憐、なぜこんなことを?…つづく( ๑≧ꇴ≦)出たーっ!ブラック化すると化粧が濃くなるセオリーwいよいよ盛り上がって参りました!そう言えば李玄って猶憐を見捨てたよね?…( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)
2021.06.05
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第19話李玄(リゲン)は龍嶶児(リュウビジ)が女だとは知らず、誕生日祝いにうっかり百花楼(ヒャッカロウ)へ案内した。憤慨した嶶児は店を出ると、李玄はなぜ怒らせてしまったのか分からないまま後を追う。「まだ次があるんだ」二人は和安(ワアン)門へやって来た。門衛は当然ながら護国師を城外に出せないと止めたが、嶶児は自分のお供で数刻で戻ると説明する。しかし門衛は対処に困って黙り込んだ。「仕方ない、百花楼へ戻って誕生日祝いをしよう」李玄の言葉を聞いた門衛たちは慌ててひざまずき、祝辞を述べた。すると嶶児は自分たちが10里を進む間、祝辞を繰り返し述べろと命じる。こうして李玄はついに念願叶い、城外に出た。李玄は辺令誠(ヘンレイセイ)の紹介状を持って尽歓居(ジンカンキョ)にやって来た。店の主人はあらゆる人脈を通じて宝物を収集しており、競売で一番の高値をつけた者が落札できるという。すると嶶児は宝剣にも名画にも目もくれず、なぜか″銀の月″と呼ばれる帯が欲しいと言い出した。この帯の前の持ち主は鳳尾(ホウビ)谷の戦いで紫極(シキョク)に殺された昆吾(コンゴ)族の龍皇(リュウコウ)の妹・青笙(セイセイ)だという。「女物の帯だぞ?」「だから?」競売が始まっても李玄はなかなか札を上げなかった。嶶児は落胆したが、最後に李玄が高値をつけて競り落としてくれる。「お幸せな奥方ですな~では黄金2万両です」「って黄金?!(O_O)」てっきり銀2万両だと勘違いしていた李玄は焦った。そこで嶶児に考え直すよう提案したが、かえって崔翩然(サイヘンゼン)と結婚するかと脅されてしまう。仕方なく李玄は令誠の顔を利用し、銀票をひとまず手付けにすることで難を逃れた。李玄は都へ戻る前に百暁生(ハクギョウセイ)を訪ねた。早速、百暁生に母のことを聞いてみたが、何も教えることはできないという。「私は何でも知っているが、お前の母親のことだけは決して口にはできぬ」「だめだ…話してくれるまで帰らないぞ」すると百暁生は咳き込みながら、秘密を明かす代わりにある手がかりを教えた。「答えを知ることができる場所がある、盤龍(バンリュウ)の聖域だ そこに宝剣が安置されている、その剣を抜けば知りたいことの答えが分かるだろう」その話を奥の部屋で蘇猶憐(ソユウレン)と御風穆(ギョフウボク)が聞いていた。李玄は外で待っていた嶶児と帰って行った。そこで百暁生は頼まれた通り伝えたと沙国王子に報告する。「ご苦労だった、これは沙国王国だけに伝わる秘薬だ」風穆は肺病の薬を渡した。…李玄、ごめんなさい…李玄と嶶児の背中を眺めながら良心が咎める猶憐、しかしもう後には戻れなかった。その夜、令誠にそそのかされた蕭鳳鳴(ショウホウメイ)は雲杉(ウンサン)に告白しようと街へ誘い出した。しかしいざとなると何も言い出せない。そこでひとまず食事に誘い、準備していたろうそくを取り出して灯した。「鳳鳴?…もしかして目が悪いの?明るいのにろうそくなんか出して…」「人から聞いたんだ、ろうそくを灯すと…その…食事が旨くなるって」「で、話って何?」「ぁ…腹が減ったから食べてから言うよ」鳳鳴はなかなか勇気を出せず、結局、麺を5杯も平らげて気分が悪くなり、席を立ってしまう。鳳鳴は気を取り直し、露店で花火を買うことにした。「(銀子バラバラ~)ここにある花火、全部くれ!」「蕭鳳鳴、何てバカなこと…1年分の食費でしょう?」「公主のためなら10年分でも惜しくないよ」雲杉はいつもの鳳鳴ではないと驚いたが、自信に満ちあふれる鳳鳴が格好良く見えた。しかし有り金を叩いたにもかかわらず、手持ち花火を1袋しか買えない。実は最近、都中の花火を買い取った客がいて品薄状態、値段が急騰していた。都に戻った李玄は最後の贈り物を見せるため、嶶児を眼鏡橋へ案内した。川沿いの露台には確かに綺麗な灯籠が飾ってあったが、この程度のものなら宮中にもある。しかし李玄はこれではなく、あっちだと空を指した。その頃、ちょうど鳳鳴は全ての花火に火をつけ、雲杉に告白しようとしていた。「雲杉!どうだい?」「綺麗よ!それで話って何?」「雲杉!聞いてくれ!…君が好きだ!」その瞬間、李玄が嶶児のために花火を打ち上げた。ヒュウ~ドッカーン!夜空に次々と浮かぶ大輪の花、鳳鳴の告白は爆発音にかき消され、雲杉に届かなかった。「え?何か言った?」嶶児は自分の誕生日を初めて心から楽しんだ。嬉しそうに空を見上げる嶶児、その姿を見ていた李玄は第二皇子が本当に女のようだと困惑する。「どうだ?宮中にはないだろう?」「ふふっ」実はその花火を猶憐は風穆と二人で酒楼から見ていた。酒楼に李玄と嶶児がやって来た。驚いた猶憐は外を眺めるふりをしてやり過ごそうとしたが、李玄に見つかってしまう。嫉妬した李玄は強引に相席すると、四人の方が楽しいと言って嶶児まで巻き込んだ。「どうだった?…花火だよ、たくさん上がっただろう?明日はお前のために打ち上げようか?」「そうね、綺麗だったけれどあっという間だったわ」「あっという間か…なら三日三晩、打ち上げ続けるのは?1年でもいいぞ?」「バカらしい…」嶶児はすっかり誕生日気分が吹き飛び、愚痴をこぼしてしまう。すると居たたまれなくなった猶憐は先に帰ると席を立ち、風穆と一緒に出て行った。李玄は猶憐への未練を断ち切れず、泥酔して嶶児にからんだ。「どうしてだ?どうして猶憐は俺に冷たくするんだ?!こんなに好きで尽くしてるのに…」「猶憐に尽くしていたとは初耳だな」すると李玄は酔った勢いで、これまで皇太子に対抗できたのは傷を治せる能力があったからだと明かした。李玄自信もなぜそんな力を持っているのか分からなかったが、どれほど深い傷を負っても知らぬ間に治っていたという。しかし氷血(ヒョウケツ)の聖域から猶憐を逃すため、李玄はその特別な能力を天書(テンショ)仙人に譲っていた。「猶憐には黙っていてくれ、負い目を感じさせたくないからな~グビッ」「もし知ったら戻ってくるかもしれないぞ?」「そんな手は使わない…そんなことせずとも心から俺を好きだと言わせてみせるさ~ヒック」「真正のバカだな」「自信家と言ってくれ、賭けてもいい、猶憐は俺の元に戻ってくる、必ずだ~!」その時、嶶児はまだ酒を飲もうとする李玄から瓶を取り上げようとして奪い合いになった。嶶児は思いがけず李玄と顔が接近、そのまま二人は見つめあってしまう。「…嶶児?お前って本当に女みたいだな?」急に恥ずかしくなった嶶児は書院に戻ると言ったが、李玄はまだひとりで飲むと言った。嶶児は主人に心付けを渡し、李玄の面倒を任せて帰った。一方、李玄が心配で風穆と別れた猶憐は、酒楼から聞こえる土笛に驚く。…あの男の子はあなただったのね…振り返ると酔った李玄が上階で土笛を吹いている姿が見えた。あれは猶憐がまだ幼い頃、川岸で仲間たちと踊っていた時のことだ。笛の音に導かれ川岸へやって来ると、ちょうど川を下っている舟に乗った少年が土笛を吹いている。するとその少年も猶憐に気づき、二人はしばし見つめ合った。猶憐は泥酔している李玄が心配になり酒楼へ戻った。すると給仕がちょうど李玄を寝床に運び込んでいる。猶憐はそのまま酔い潰れた李玄を介抱していたが、ふいに李玄が猶憐の手を握りしめた。「李玄…ごめんね、何もかも私が悪いの…傷つけてごめんなさい」その時、李玄が首を横に振りながら、むっくり起き上がった。「覚えているよな?俺たちは婚儀も済ませて枕も共にした仲だって… 互いに心を通わせた…なのになぜだ?なぜ″真言の陣″では愛していないと答えた?教えてくれ?」李玄は猶憐の肩をつかんで揺さぶった。「李玄、やめて…全部、私が悪いの、憎まれてもいい」「憎むわけないだろう?愛しているんだ…」つづく|ω・`)猶憐…もうちょっと何とかならんのか…色々な意味でw
2021.06.04
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第18話李玄(リゲン)は座学に向かう蘇猶憐(ソユウレン)を回廊で待ち伏せ、令牌を返せと迫った。猶憐はしらばくれて逃げようとしたが、李玄に捕まってしまう。「令牌が欲しいなら直接、俺に言えばいい、何も盗まなくても… お前に盗めと言ったのは御風穆(ギョフウボク)か?」「王子を悪く言わないで」「ふっ…あいつとそんな深い仲なのか?俺の妻ってことはもう忘れたんだな」「結婚はただの見せかけ、そう言ったはずよ?」「見せかけ?…あの口づけは?あれも見せかけか?」「そうよ、全部、見せかけよ」しかし李玄は猶憐の潤んだ目を見て、それが嘘だと気づいてしまう。焦った猶憐はうっかり崔翩然(サイヘンゼン)と一夜を共にしたはずだと口を滑らせた。その時、急に李玄が猶憐の腕を引っ張って抱き寄せる。「風穆に近づいたのは俺に対する当て付けだったのか…天に誓って翩然とは何もない、信じてくれ」そこへ辺令誠(ヘンレイセイ)が蕭鳳鳴(ショウホウメイ)を連れてやって来た。鳳鳴は気まずそうに護国師の令牌を返し、夢遊病で盗んでしまったかもしれないという。「無意識なんだ、本当に知らなかったんだ!」すると李玄は今回は許すと告げ、結局、猶憐を見逃した。今日は第二皇子の誕生日、龍嶶児(リュウビジ)は学院へ戻ることにしたが、皇太子の使いに呼び止められた。宴の誘いとあっては断れば波風が立つ。嶶児は仕方なく東宮へ向かったが、いくら待っても皇太子は宣安殿に現れなかった。やがて日も暮れる頃、痺れを切らした嶶児はついに席を立つ。護衛・鄭百年(テイハクネン)は行く手を阻む兵士たちをなぎ倒したが、その時、ようやく皇太子が現れた。「ここで揉め事を起こされては困る、私の面目が立たない」すると嶶児は拱手して頭を下げた。「…私の不届きでこのようなことになりお詫びしたします」「は?聞こえん、声が小さいぞ?」「(フッ)つけ上がるでない」皇太子に挑発された嶶児はうっかり口答えすると、皇太子はここぞとばかりに二皇子を捕らえろと命じた。しかし百年が霊力で地面を揺らし、その間に嶶児に逃げられてしまう。百年は第二皇子を無事に書院の寝殿へ連れ帰った。「危ないところでした、あなた様が女子の身であると勘づかれたら…」しかし嶶児はむしろ皇太子の方が命拾いしたという。相手がたとえ皇太子であろうと、これまで隠し通して来た秘密を知られたら生かしてはおけない。すると薬効が切れ始めた嶶児は重い身体を引きずりながら、百年の手を借りて湯殿へ向かった。「めでたいはずの誕生日が苦痛を味わう日だとは…」「実父に捨てられる辛さと比べたら、毒湯(ドクトウ)に浸かるくらい大したことではない」嶶児はひとりで大丈夫だと伝え、百年を下げた。一方、李玄は嶶児が帰って来たと知り、急いで訪ねることにした。すると寝殿の窓に女子の人影が映る。李玄は嶶児が書院に女子を連れ込んだと勘違い、思わぬ弱みを握れると喜んだ。しかし乗り込んで邪魔をするのも無粋だと思い直し、しばらく待つことにする。まさかその女子の影が第二皇子だとも知らず…。嶶児の美しい腕には蝶のあざがあった。毒湯に浸かって必死に痛みをこらえながら幼い頃を思い出す嶶児、実は占い師の妄言を信じた皇帝は公主が禍の元だと決めつけていた。公主を出産した謝貴妃は我が子が生き残る道は女子であることを隠すしかないと考え、百毒湯(ヒャクドクトウ)を使うことにする。それ以来、嶶児は1年に1度、誕生日に毒湯に浸かって女子の身体を封じ込めていた。しかし突然、李玄が訪ねて来る。嶶児は怪しまれないよう急いで風呂から上がり戸を開けた。すると李玄は殿内に乗り込み、確かに女がいたはずだと寝殿を探し回る。憤慨した嶶児は思わず李玄の腕を捻りあげたが、そのまま卒倒した。李玄はのぼせた嶶児を寝台に寝かせ、頭を冷やして様子を見ることにした。やがて嶶児が意識を取り戻すと、自分に付き添ったまま居眠りしている李玄を見つける。まじまじと李玄の顔を眺める嶶児、その時、李玄がふいに目を覚ました。「具合は?」「大丈夫だ、で急用か?」実は李玄、縁談を破棄するよう嶶児から皇帝を説得して欲しいという。「俺たち友だちだろう?」そこで嶶児はひとつ条件があると言った。「今日は私の誕生日だ、祝ってくれないか? お前の誠意が見たい、とっ友として本当にお前を助けるべきかどうか、私が決める」「分かった!」嶶児は念のため他の生徒たちには内密にと釘を刺した。李玄は令誠に手配を頼んだ。「秘密だぞ?」「俺は口が堅いんだ」しかし李玄が城内の花火を買い占めたことが知れ渡り、生徒たちは翩然との婚礼で使うのだと噂する。驚いた猶憐は座学をさぼって様子を探りに行くと、確かに李玄の寝殿の前に花火や灯籠が並んでいた。傷ついた猶憐は引き返すことにしたが、その時、李玄が呼び止める。「見て行くか?…龍嶶児も気に入るかな?さすがに男相手には派手すぎか?」「どうして龍嶶児に花火を?」「誕生日を祝って欲しいんだそうだ…って秘密だぞ?」そこへ令誠が計画書を持って駆けつけた。すると最初に百花楼へ連れて行き、次に城外の尽歓居(ジンカンキョ)へ行くと書いてある。「城外に?!…百暁生(ハクギョウセイ)に母のことが聞ける!」令誠は第二皇子の誕生祝いを口実に李玄を城外に出してやろうと考えた。二人の話を聞いた猶憐は令誠から詳しい話を聞こうとした。令誠は猶憐が関わるとろくなことがないと冷たかったが、気落ちする猶憐の姿に困惑する。仕方なく令誠は李玄が城内から出られない事情があると教えた。実は李玄は母親の死の真相を調べているが、なぜか紫極(シキョク)が阻んでいるという。「それより友だちでいたいなら、もう李玄に近づくなよ?」「うん、安心して、私たちはもう終わったから」昼休み、食堂へ行った鳳鳴は偶然、仲睦まじく食事しているカップルを見かけた。すると令誠が現れ、羨ましがらなくても雲杉がいるはずだとからかう。しかし鳳鳴は王女と自分では釣り合わないと卑下した。令誠は書院に入れたのは将来有望だからだと励まし、二人はお似合いだという。「お前たちはどう見ても両思いだ、あと一歩、踏み出せよ?」「でもどう告白したらいいのか…本にも載ってないし」そこで令誠はまず雰囲気づくりが大事だと教えた。例えば食卓にろうそくを灯すのも良いという。(  ̄꒳ ̄).oO(ご飯とろうそくが必須なのか…よしっ「まだあるぞ、それは…″俺がおごる″だ!いいか?絶対に出し惜しみするなよ?」(  ̄꒳ ̄).oO(掃除で小遣いを稼ぐか…嶶児は入念に支度をした。百年はどこへ出かけるのか訝しんだが、その時、李玄が迎えにやって来る。すると嶶児は百年に蔵書の整理を頼み、気恥ずかしそうに李玄と出かけて行った。「奮発したからな、忘れられない1日になるぞ!」李玄はまさか嶶児が女子だとは知らず、百花楼に案内した。「美人が待っている、無理を言って昼間に開けさせたんだ」第二皇子がお楽しみの間、露台で酒でも飲むことにする李玄、しかしその時、部屋の壁をぶち抜いて妓女が目の前をすっ飛んで行く。( ゚д゚)・・・?すると激怒した嶶児が壊れた壁から出て来た。「これが″忘れられない1日″かっ?!」つづく( ˙꒳˙ )李玄と猶憐の口づけって人工呼吸だと思ってたwでも猶憐より嶶児の方が李玄とお似合という事実…(´-ω-`)うむ
2021.06.02
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第17話蘇猶憐(ソユウレン)に裏切られ、深く傷ついた李玄(リゲン)。辺令誠(ヘンレイセイ)はそんな李玄に一夜を共にした崔翩然(サイヘンゼン)と結婚してはどうかと勧める。李玄は翩然とは何もなかったと釈明したが、実は令誠は李玄に恥をかかせた蘇猶憐(ソユウレン)への当てつけで、翩然が李玄の部屋に泊まったと教えていた。しかし猶憐は何の反応もなく、それどころか御風穆(ギョフウボク)と良い感じだったという。追い討ちをかけられた李玄は怒る気力も失くし、どちらにしても結婚は断ると言った。封常青(ホウジョウセイ)は何か方法があるのか聞いたが、令誠はあるはずがないと一蹴する。「大功でも立てれば別だがな!」(  ̄꒳ ̄)b<それだ!李玄は早速、学院に戻った第二皇子・龍嶶児(リュウビジ)を訪ねた。そこで昆吾(コンゴ)族の掃討に加わりたいと申し出る。嶶児は大かた皇帝から賜った聖旨のためだろうと察しはついたが、紫極(シキョク)が見込んだ李玄に期待した。今、李玄に貸しを作っておけば、何かの時に力を借りやすい。嶶児は了承して李玄を下げると、護衛の鄭百年(テイハクネン)に蘇猶憐の件を任せた。「計画通りに…」生徒たちは早朝、中庭に集められた。何事かと思えば第二皇子が現れ、学友たちを戦に動員するという。「こたびは私が指揮を執る、出発だ!」崔嫣然(サイエンゼン)はまだ姉が来ていないと訴えたが、時間がないため置いていかれてしまう。すると李玄はひとり残り、猶憐が昆吾族だと疑う嶶児に念のため警告した。「…猶憐は人族だ、何を企んでいるか知らないが、猶憐は俺が守る」学院生たちが城門へ到着すると、すでに天啓軍が集結していた。そこへ馬にまたがった嶶児が登場、将軍は皇子に準備が整ったと報告し、昆吾族討伐の合図を促す。…そんな、まさか…出陣直前に目的を知った猶憐は愕然、すると風穆が猶憐を心配して声をかけた。「表情を変えるな」風穆は猶憐の肩に手を乗せ、猶憐こそ昆吾の希望だと囁いた。そんな二人の様子に気づいた李玄は嫉妬に駆られながら、生徒たちを率いて出発する。その頃、尤安(ユウアン)たち昆吾の生き残りは、郊外で貧しいながらも平穏を取り戻していた。その夜、昆吾族の集落が奇襲された。必死に抵抗する一族を目の当たりにした猶憐は思わず助けようとしたが、風穆が止める。「この者たちを救えば他の者に危険が及ぶ…今は耐えろ、君が昆吾族最後の希望なんだ」すると猶憐は目をつぶり、耳を押さえながら必死にこらえた。必死に抵抗していた尤安だったが、結局、捕まった。しかし尤安の最後に放った矛(ホコ)が第二皇子を直撃、一矢を報いる。落馬した嶶児は兵営に運ばれ手当てを受けていたが、李玄たちは嶶児の容体を心配して幕舎の前に集まっていた。そんな中、雲杉(ウンサン)が女子や子供にまで手をかけた天啓軍を非難する。令誠は憤慨し、歴史で習ったように昆吾も人族を虐げたと言い返した。すると雲杉は教本の内容が真実とは限らないと反論する。呆れた令誠はガリ勉の蕭鳳鳴(ショウホウメイ)に意見を求めたが、鳳鳴も″百聞は一見にしかず″、王女が正しいと肩を持った。「チッ、お前たちときたら…な?李玄、こいつらどうかしているよな?」しかし李玄は何も答えられなかった。その頃、猶憐は囚われた仲間を助けようと思案していた。そこへ風穆が現れ、実は第二皇子の怪我が嘘だと教える。第二皇子の鎧は鋼鉄製、矛ごときでは突き破れるはずがなかった。猶憐はこれが自分を誘き出す作戦だと分かったが、それでも躊躇はない。すると風穆は迷魂草を渡した。「気をつけて、決して無理するなよ?」猶憐は見張りの兵を眠らせ、尤安を逃がすことにした。しかし尤安の鉄鎖を切ろうとした時、大勢の足音が聞こえてくる。尤安は第二皇子の罠だと気づいて聖女を逃がそうとしたが、すでに天幕は兵士に囲まれていた。こうなったら一緒に逃げるしかない。猶憐は尤安が止めるのも聞かず剣を振り下ろしたが、その時、尤安は自ら頚脈を断絶した。その時、嶶児たちが入ってくる。「…見事な一撃だった…これでお前の恨みも晴れたろう?」尤安は最期まで聖女をかばって倒れた。嶶児は猶憐を問いただした。猶憐は尤安の犠牲を無駄にしないよう、かつて尤安に両親を殺され、自分の手で敵を打ちたかったと嘘をつく。そこで百年が尤将軍を逃がすつもりだったのかと追及したが、風穆は猶憐が殺したところを見たはずだと援護した。嫣然も学友をむやみに疑うなと抗議、そこで嶶児は李玄に意見を求める。「護国師はどう思う?」「逃がすならこんな愚かな方法をとるはずがないだろう?」「そうか、ではこれから祝杯と行こう」嶶児は仕方なく引き下がった。しかし帰り際、風穆からもう怪我は治ったのかと嫌味を言われてしまう。猶憐はひとり川岸にいた。ただ穏やかな暮らしを望んでいるだけなのに、昆吾族はなぜ殺されなければならないのか。猶憐は涙に暮れながら人族への憎しみを募らせた。第二皇子が昆吾族の捕虜を連れて凱旋、皇帝は喜んで褒美を出すと言ったが、嶶児はこれも皇太子が武功を譲ってくれたおかげだと辞退した。嶶児にやり返されて面白くない皇太子だが、おくびにも出さず笑顔を見せる。一方、猶憐は一族を救うため、李玄から令牌を盗もうと決意していた。そこでその夜、黒衣に身を包み、覆面で顔を隠して李玄の寝所に忍び込む。すると熟睡している李玄の懐から令牌の房が出ていた。猶憐はついに令牌を手に入れたが、やはりどうしても愛する李玄の命を奪うことができない。結局、猶憐は令牌だけ盗んで寝殿を出ると、回廊に常青が現れた。常青は曲者に襲いかかった。二人は激しい攻防戦を繰り広げたが、そこへもう一人、黒衣の曲者が現れ、逃げられてしまう。猶憐は早速、師匠に報告した。すると師匠からなぜ李玄を殺さなかったのか追及されてしまう。猶憐は李玄に手を出せば常青に倒されているところだったと言い訳し、そもそも李玄にそれほど力はないとごまかした。しかしそんな嘘が通用するはずもなく、剣霊は禍根を残さぬよう殺せと迫る。「師父、そんなことより紫極が参内している間に龍皇(リュウコウ)の元へ…」( ๑≧ꇴ≦)ちょw軽くかわされちゃう剣霊w猶憐は紫極の屋敷に忍び込んだ。これで昆吾族が故郷へ帰れると安堵する一方で、李玄や学院と別れると思うと寂しさが募る。しかし猶憐に選択肢はなかった。令牌をかざしていよいよ聖域に足を踏み入れた猶憐、そこで聖石を頼りに龍皇を探したが、複雑な陣に弾かれてしまう。一方、風穆は屋根の上から猶憐が出てくるのを待っていた。護衛・疤頭(バトウ)はこれで天啓国が大混乱に陥れば、沙国がその隙を突いて天啓国からの圧力を跳ね返せると期待する。「…そうなればいいが」風穆はそう簡単に龍皇を開放できるとは到底、思えなかった。猶憐は陣の中に入れなかった。途方に暮れる猶憐、すると陣の外側に突き刺さった宝剣を見つける。猶憐はその剣を抜こうとしたがびくともせず、良く見ると剣には″護国師″と彫られていた。…まさか剣を抜けるのは護国師だけなの?…猶憐は仕方なくその日はあきらめて聖域をあとにしたが、中庭に出たところでちょうど紫極が帰って来てしまう。しかし危機一髪のところで風穆が猶憐を連れて逃げ出した。風穆は猶憐に今夜の一見を李玄に隠すよう助言した。しかし令牌が盗まれたことは李玄もすぐ気づくだろう。そこで風穆は自分が令牌を預かると申し出た。それにしても王子がカピバラに見…ゲフンゲフン(´゚艸゚)翌朝、李玄は令牌がないことに気づき、慌てて常青を呼んだ。常青は昨夜、男女の曲者が侵入し、手合わせしたと報告する。「男の武芸は私より上かと…女は蘇猶憐です、恐らく間違いないでしょう」そこで李玄は座学に向かう猶憐を回廊で待ち伏せした。謝貴妃は凱旋した息子の寝宮を訪ねた。「苦労ばかりね…蝶よ花よと育てられるはずが…」「母上、苦労など…」実は今日は嶶児の誕生日だった。「あのことを思い出すだけで心が痛むわ…でも大事な日よ?見られては困る 朝食が済み次第、書院へ戻りなさい」「そうします」「また苦しむのね…」謝貴妃は思わず息子の頬に触れた。「心配無用です、長年、私を苦しめた者はいずれその報いを受けるでしょう」つづく( ತ _ತ)…令誠、もう黙っとけってwそしていよいよ第二皇子の謎が明らかに?!
2021.06.02
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第16話城内を一望できる高台へやって来た雲杉(ウンサン)と蕭鳳鳴(ショウホウメイ)。雲杉は自分が崖から飛び降りたら助けてくれるか聞いたが、鳳鳴は怖気づいて後退りしてしまう。そんな鳳鳴に落胆する雲杉、すると山と山を結ぶ吊り橋があることに気づいた。鳳鳴の話ではその橋は恋人橋と呼ばれ、橋にまつわる逸話があるという。かつてある男が遠く離れた山に住む恋人に会うため、橋を渡そうと考えた。そこで村人の協力をあおいだが誰も力を貸さず、ひとりで造り始めた男は崖から落ちて死んでしまう。村人たちは負い目を感じ、男の遺志を引き継いで橋を完成させ、恋人も男を思い続け、生涯、貞操を守ったという。悲しい結末に運命は残酷だと嘆く雲杉だったが、鳳鳴の話にはまだ続きがあった。今ではあの橋を渡った恋人たちは永遠に結ばれるという迷信があるという。雲杉は鳳鳴を連れて吊り橋にやって来た。すると高い場所が苦手な鳳鳴は欄干にしがみつき、尻込みしてしまう。雲杉は仕方なく鳳鳴に回り道を許し、山頂で会おうと約束して渡り始めた。しかしちょうど真ん中あたりでうっかり足を取られ、転びそうになってしまう。驚いた鳳鳴は思わず走り出し、雲杉を抱き止めた。「私が落ちても、あなたならきっと助けてくれる…」雲杉はいざとなれば鳳鳴も勇気を出してくれると分かり、喜んだ。一方、学院では李玄(リゲン)が鐘を鳴らし、学友たちを中庭に集めていた。そこへ崔嫣然(サイエンゼン)が蘇猶憐(ソユウレン)を誘ってやって来る。李玄は猶憐を見つけて迎えに行くと、手をつないで2人で回廊へ上がった。「俺は蘇猶憐と結婚する!」突然の発表に激怒する翩然(ヘンゼン)、落胆する御風穆(ギョフウボク)、すると生徒たちが信じられないと騒ぎ出し、猶憐の返事を聞きたいと訴えた。しかし猶憐は師匠から結婚を餌にして令牌を手に入れ、その後に李玄を殺すよう命じられている。ここで求婚を受け入れたら取り返しのつかないことになる、猶憐は心を鬼にして結婚しないと断った。「今までの言葉は全部、嘘なの…あなたは翩然と結婚して」猶憐の突然の心変わりに愕然となる李玄、その時、遅れて雲杉と鳳鳴が戻って来る。すると辺令誠(ヘンレイセイ)は鳳鳴に頼んで真言(シンゲン)の陣を使い、猶憐の李玄への想いを証明しようと思いついた。猶憐は仕方なく鳳鳴が敷いた真言の陣に入った。早速、令誠は口づけしたことがあるかと質問、猶憐はあると答える。しかも相手は李玄だった。「でどんな感触だった?」「冷たかった…」どうやら聖域での話らしい。嫣然は下品な質問をするなと嫌悪したが、令誠は口づけするのは好きだからだと言った。「猶憐、李玄と結婚したいだろう?」「…いいえ」すると衝撃を受けた李玄は思わず自ら質問してしまう。「俺を…愛したことは?」「…ないわ」「ありえない…だって俺を助けるために命懸けで聖域に戻ろうとしただろう?」「…感謝している」「それだけ?…信じないぞ」李玄は呆然と立ちすくんだが、そこへ紫極(シキョク)が現れ陣を解いた。紫極は拒まれても食い下がる李玄に呆れた。そこへちょうど皇帝からの聖旨が届く。聖旨は皇帝が李玄と翩然に縁談を下賜するという内容だった。ついに二人の縁談は皇帝からの勅命となり、もはや取り消すことはできない。それでも李玄はどうしても受け入れることができなかった。その夜、李玄は師匠の屋敷に忍びこみ、大切な酒を片っぱしから飲み尽くした。紫極は激怒し、女に振られただけでこのザマかと呆れる。「…独り身のジジイには分からないんだよ」「独り身のジジイだと?!私だって若い頃は…(はっ!)やめやめ~早く帰りなさい!」一方、猶憐も眠れず、散策に出た。するとどこからか自分の名前を叫ぶ声がする。「蘇猶憐!この嘘つきめ!お前なんか大嫌いだ!よくも騙したな!大嘘つき!」猶憐が様子を見に行くと、酔った李玄が桟橋で叫んでいた。「愛していないなんて…信じないぞ…もう知らん!…旺財(オウザイ)に誓って2度と好きにならない!」「少爺(シャォイェ)、蘇猶憐ならいませんよ?」封常青(ホウジョウセイ)は李玄の気が晴れるまで好きにさせた。そこへ李玄を心配していた翩然が駆けつける。「李玄?大丈夫?」しかし泥酔している李玄は翩然を猶憐だと勘違いし、思わず抱きついてしまう。「帰って休んだ方がいいわ」素直に翩然の肩を借りて帰って行く李玄、猶憐は親密そうな二人の姿を寂しそうに眺めていた。常青は偶然、猶憐の姿に気づいたが、李玄を傷つけた猶憐を一瞥して行ってしまう。猶憐はひとり湖を見ていた。すると風穆が現れ、外套を掛けてくれる。「真言の陣の霊力にも負けなかったようだね?」「あれは本心よ」「ならどうして悲しむんだい?」風穆は昆吾(コンゴ)族に真言の陣が効かないと気づいていた。「誰かを愛したことがある?」「…あるさ」しかし風穆の想い人も猶憐と同じように近くて遠い人だという。部屋に戻った猶憐は師匠に呼ばれた。すると猶憐はひざまずいて自ら罰を請う。「どうしても李玄は殺せません」剣霊は猶憐に深く失望し、令牌を手に入れるまで師匠と呼ぶなと突き放した。翩然は李玄を寝殿へ送り届けたが出てこなかった。そのまま部屋の明かりが消えて困惑する常青、しかも翌朝、令誠は偶然、翩然が李玄の部屋から帰って行くところを目撃してしまう。一方、兄の気持ちを知る雲杉は、猶憐に李玄より兄はどうかと勧めていた。しかし嫣然から空気を読めと叱られてしまう。座学の時間、常青は李玄の荷物を引き取りに来ていた。すると令誠は猶憐に聞こえるようにわざと大きな声で李玄は欠席かと尋ねる。「ああ、病欠だ」「昨夜、張り切り過ぎたのかな?」令誠は今朝、翩然が李玄の部屋から出て来るのを見たという。「空気を読んで警護を外れていたのか?」「…どけっ」常青は口の軽い令誠に憤慨し、冷たくあしらって帰ってしまう。その頃、李玄は翩然を呼び出していた。「吉日選びは中止だ」李玄は翩然の生年月日が書かれた冊子を返す。「俺のことは諦めてくれ…猶憐は関係ない、お前とは一緒になれないんだ」「私、待つわ、結婚したら私のことを好きになるはずよ?それに皇帝の勅命なのよ?」「俺が何とかする、崔家には迷惑をかけないよ」朝廷では謝雲石(シャウンセキ)が今、兵を出せば昆吾族の残党を一網打尽にできると上奏していた。皇帝は戦歴が足りない皇太子に任せると言ったが、皇太子は自分に勝算がないと考え、第二皇子の方が適任だと進言する。「二皇子は麒麟捕獲で活躍しました、そんな者を大将に据えれば昆吾の残党も縮み上がるかと…」皇太子は兄弟で手を取り合えば国の将来も安泰だと説明し、まるで自ら第二皇子に武功を譲ったように見せかけた。すると皇帝は皇太子が器の大きい人間になったと喜び、討伐を第二皇子に任せると決める。謝雲石は早速、甥を訪ねた。皇太子は見掛け倒しの臆病者、手柄を立てるのにこれほどの好機はないだろう。そこで龍嶶児(リュウビジ)はそろそろ書院に帰ることにした。つづく( ತ _ತ) さすがに李玄が哀れ…それにしても令誠って最悪今のところ常青だけ株が上がっていくドラマw
2021.06.01
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第15話雲杉(ウンサン)は自分のために殴られた蕭鳳鳴(ショウホウメイ)のため、鶏汁を作った。王女のお手製と聞いた鳳鳴は麒麟退治の時に差し入れてくれた王女の汁物を思い出し、一瞬、ひるんでしまう。しかし王女の厚意を無にすることもできない。鳳鳴は思い切って口をつけたが、明らかに表情がおかしかった。「…おいしくないの?」「いえ、すごくおいしいです」雲杉は心配して味見してみたが、予想外の不味さに驚いた。「おかしいわ、なぜこんなに苦いの?」「公主、苦杏仁(クキョウニン)を入れたのでは?」実は雲杉が生姜だと思っていたのは苦杏仁だった。雲杉はすぐに捨てようとお椀に手をかけたが、鳳鳴がもったいないと王女の手を止める。そんな2人を見かけた同級生は、王女と鳳鳴が手を握っていると誤解した。辺令誠(ヘンレイセイ)は聖域から戻った蘇猶憐(ソユウレン)と李玄(リゲン)が親密になっていると気づいた。そこで昼休み、食堂で一緒になった猶憐に聖域で何があったのか聞いてみる。崔嫣然(サイエンゼン)は猶憐と李玄が付き合っているのかと興味津々、しかしそこへ姉の翩然(ヘンゼン)が現れ、和やかな雰囲気が一変した。実は翩然が未来の護国師夫人になるという。李玄の縁談を知った猶憐は気が動転し、思わず席を立った。心配した御風穆(ギョフウボク)は猶憐を追って食堂を出ると、李玄に縁談が真実なのか確かめに行こうと誘う。しかし猶憐は必要ないと強がった。「だって李玄の結婚よ?私には関係ない」雲杉と鳳鳴が食堂にやって来た。鳳鳴はこれ以上、王女と噂にならないよう別の席に行こうとしたが、雲杉にここに座れと命令されてしまう。「嫣然、どうして猶憐は先に帰ってしまったの?」「ふっ、それはきっと玉の輿の夢が破れたせいよ~」雲杉は翩然の話の意味が分からない。すると令誠は李玄と翩然が結婚すると教えた。雲杉は思わず失笑し、まだ李玄と令誠が結婚する方が信憑性があるという。しかし翩然も負けてはいない。「王女のくせに簡単に男とくっついたりして~親の許しも得ずによくやるわね~」翩然は雲杉と鳳鳴の仲は書院中が知っていると嘲笑した。これに雲杉は激怒、力尽くで黙らせようとしたが、鳳鳴が制止する。「君と恋仲ではないことを私が説明します!」中庭に生徒たちが集まった。鳳鳴は自分が何を言われても構わないが、王女への侮辱は許さないと一喝、真言(シンゲン)の陣で王女と自分が無関係だと証明し、噂を打ち消すという。真言の陣とは封印に用いる結界とは違い、陣の中に入った者に真実を語らせる結界だ。<鳳鳴?蓄えはどのくらいだ?「ない…書物に注ぎ込んだ…」<じゃあ生活費はどうしているんだ?「人の宿題を手伝ったり、書院の清掃で稼いでいる…」どうやら鳳鳴は本当に真実を話しているようだ。<雲杉とは恋人同士なんでしょう?「違う…」鳳鳴の本心を聞いた生徒たちは落胆したが、その時、令誠が聞き方を変えた。「鳳鳴、答えろ、公主を好きか?」「ああ、私は彼女が好きだ」鳳鳴の告白に色めき立つ生徒たち、しかし令誠は鳳鳴が王女を好きなだけで、恋人同士ではないとかばった。そもそも学院の男子の多くが王女に憧れており、鳳鳴が王女を好きだからと言って恥知らずとは違う。「これからはむやみにデマを流すのはやめようぜ!次は自分の番かもしれないぞ!」すると謝雲石(シャウンセキ)司業(シギョウ)と玄冥(ゲンメイ)常傅(ジョウフ)がやって来た。「その通りだ」謝司業は真言の陣を解いて鳳鳴を解放した。我に返った鳳鳴は慌てて謝司業に感謝すると、謝司業は真言の陣が使えるのも熱心に勉強しているからだと褒める。すると今後は流言飛語の類を禁ずると命じ、また同じ過ちを犯せば書院から永久に追放すると決めた。生徒たちは解散、鳳鳴は王女の汚名をすすげたと安堵した。しかし雲杉は気まずそうに走って行ってしまう。困惑する鳳鳴を見た令誠は、実は鳳鳴が王女を好きだと告白してしまったと教えた。「オワター!自ら恥をさらし、公主の名誉まで傷つけるとは…どうしよう…」鳳鳴はもし自分が本当に王女が好きなら身の程知らずにも王女に恋をした愚か者となり、否定すれば軽薄で浮ついた男になってしまうと慌てふためく。噂を打ち消すどころか、かえって王女に迷惑をかけることになったと後悔する鳳鳴、すると令誠は全く理解できないと呆れ、李玄に会いに行くことにした。李家は崔家への結納品の準備で忙しそうだった。令誠はともかく李玄に猶憐が縁談の件を知ったと伝える。驚いた李玄は令誠の協力で裏庭から脱出し、書院へ急いだ。一方、皇太子も李家と崔家の縁談を知った。しかし李玄は蘇猶憐に夢中なため、縁談が成立するかは分からないという。氷血(ヒョウケツ)の聖域から生還できたと思えば、今度は好きでもない女と結婚、皇太子は何とも愉快だと喜んだ。( ˙꒳˙ )たまには皇太子その夜、猶憐は李玄の縁談に動揺したのか、なかなか眠れずにいた。思わず枕の下から大切な瑠璃(ルリ)玉を取り出してみる猶憐、すると回廊から李玄の声がする。「トントン!開けてくれ!」猶憐が窓を開けると、李玄が嬉しそうに窓枠に腰掛けた。「翩然と結婚するそうね?」「親同士が決めたんだ、でも父の決定に従うつもりはない、もう結婚しているんだ お前という妻がいるのに、他の女を娶るわけないだろう?」「…誰が妻よ(クスッ」すると李玄は猶憐の手を取り、これを機に2人の関係を公表しようと言った。「俺を信じろ!」李玄は猶憐の額に口づけし、忍び込んだことがバレる前に急いで帰って行った。猶憐は幸せだった。すると突然、剣霊の陣に引きずり込まれてしまう。「ひざまずけっ!」師匠は猶憐を引っ叩き、李玄に寝返った裏切り者だと叱責した。しかし猶憐は裏切っていないと訴え、己の使命も龍皇(リュウコウ)の救出も忘れていないと釈明する。「ならばこれが最後の機会だ、2人の結婚を公表する場で令牌が欲しいとねだるのだ その後、奴を殺せ!」翌日、鳳鳴が書物を読みながら歩いていると、私服に着替えた雲杉が現れた。気まずい鳳鳴は慌てて引き返そうとしたが、雲杉は用があると引き止める。「昨日から私を避けているわね?」「めいよー」「そう、なら今日は大した授業がないわ、私はまだ城内を散策したことがないから案内して」雲杉は人目もはばからず、鳳鳴を従え街に出かけた。雲杉はにぎやかな市場を楽しんだ。無邪気な王女の姿に見とれる鳳鳴、すると雲杉は露店の装飾品に目を留める。しかし玉の腕輪や金のかんざしは高価で、苦学生の鳳鳴にはとても買えなかった。雲杉は手頃そうな木のかんざしを手にしたが、それでも1両だという。「…20銭じゃなきゃ買わないわ」雲杉は鳳鳴の体面を傷つけないよう自ら交渉すると、店主は20銭にまけてくれる。喜んだ雲杉は早速、髪に挿し、振り返って鳳鳴に見せた。「どう?」「ええ、素敵です」鳳鳴は雲杉を連れて城内を一望できる高台へ案内した。見事な展望に思わず崖っ縁から下をのぞく雲杉、すると驚いた鳳鳴が危ないので戻るよう告げる。「ねえ、私が落ちたら飛び降りて助けてくれる?」つづく(  ̄꒳ ̄)話が進まない…ってか師匠、自分でどうにかしろ( ̄▽ ̄;)
2021.05.29
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第14話辺令誠(ヘンレイセイ)はようやく意識が戻った蘇猶憐(ソユウレン)に李玄(リゲン)はどうしたのか問いただした。すると猶憐は李玄が自分を逃がしてくれたことを思い出し、慌てて寝台から飛び出して行ってしまう。一方、怪我が治った李玄は再び天秀(テンシュウ)陣に挑んだ。今回は天書(テンショ)仙人と同じ作戦で食べ物で気を引くことにする。すると小坊主も差し入れを喜んだが、結局、李玄は如意棒でこてんぱんに殴られ、惨敗した。天書仙人は命からがら戻って来た李玄を介抱し、霊力で治療した。「全身の骨を折られても死なんとは…ふっ、お前もしぶといな~」李玄は天書仙人のおかげで少し動けるようになると、小坊主の倒し方を教えて欲しいと頼む。しかし天書仙人は天の機密を教えることはできないと断った。「…旺財(オウザイ)!旺財?!」「わん!」「待っていろ、次はお前も連れて行ってやる」李玄は旺財を利用して脅したが、天書仙人は旺財を外には出せないと言った。旺財は聖域に来て数百年、ここから出たらあっという間に肉体が滅びてしまう。すると天書仙人は旺財の毛並みを整えてやりながら、ここの良さが分からない李玄に呆れた。「誰かさんときたら目を見開くばかりで、何も見ておらん…なあ、旺財~」その言葉は李玄が結界を出る大きな手がかりとなる。一方、寝殿を飛び出した猶憐は一目散に鏡月(キョウゲツ)湖へ向かうと、再び飛び込んだ。回復した李玄は天書仙人に別れを告げ、厨房の釜から天秀陣に飛び降りた。この陣を解く鍵は立ち位置と小坊主の頭の灸の痕、実は李玄が正しい場所に立ちさえすれば、小坊主の攻撃は回避できる。見破られた小坊主は如意棒をあきらめ、李玄に渾身の一撃を放った。確かに小坊主の拳は李玄の腹を直撃したが、もはやただの子供の力に過ぎない。すると李玄は小坊主を抱えて尻を叩き始めた。「こいつ!よくも俺を殴ったな!」「うわ~ん!」「出口はどこだ!」小坊主は泣きべそをかきながらある方向を指さした。湖に潜った猶憐だったが、令牌がなく聖域を見つけることができなかった。やがて息が苦しくなり朦朧としながら沈んで行く猶憐、その時、李玄が現れ、口移しで息を送ってくれる。猶憐は次第に頭がはっきりして李玄の姿を認識したが、今度は李玄が意識を失った。猶憐は李玄を連れて無事に書院へ戻った。手当てした紫極(シキョク)は李玄の傷がなぜ治っていないのか訝しんだが、ともかく薬を飲ませて休ませれば大事はないだろう。猶憐たちは一安心すると、御風穆(ギョフウボク)が駆けつけた。そこで沙国の良薬を猶憐に渡したが、猶憐は薬を受け取るとすぐ、李玄の元へ戻ってしまう。猶憐を湖に落としたせいで崔翩然(サイヘンゼン)への風当たりは強かった。翩然は居たたまれなくなって実家に帰ったが、機嫌が悪い。すると妹の嫣然(エンゼン)も李玄のために薬を分けてもらおうと帰って来た。ちょうど中庭にいた崔母は荒れる翩然を心配し、嫣然に学院で何かあったのか尋ねる。仕方なく嫣然は李玄を心配しているとだけ教えたが、崔母は翩然が李玄を好きなのだと理解した。風穆は猶憐を寝殿の外へ連れ出した。「君も大変だっただろう?例の毒は?」「天書仙人が除いてくれた…とても愉快なおじいさんなの」ふと聖域での生活を思い出し、猶憐はうっすら笑みを浮かべる。風穆はそんな猶憐の様子に困惑した。すると兄を探していた雲杉(ウンサン)がやって来る。「哥っ!まだ寝てなくちゃだめじゃない!」「何かあったの?」「兄さんはあなたの…」「雲杉!」風穆は何でもないとごまかすと、その時、蕭鳳鳴(ショウホウメイ)の叫び声が聞こえた。「目覚めたよ!」すると猶憐は慌てて寝殿に戻ってしまう。枕元に駆けつけた令誠は李玄の身体の傷が消えていないと気づき、心配になった。しかし李玄は聖域で受けた傷は普通と違うのかもしれないとはぐらかす。そこへ猶憐が走って来た。しばし見つめ合う2人、すると令誠は気を使って鳳鳴と封常青(ホウジョウセイ)を連れて出て行った。猶憐もまた李玄がなぜ全身傷だらけなのか分からなかった。「天書仙人に殴られたの?」「まさか、お気に入りの俺を叩くわけないだろう?」李玄は猶憐の涙をぬぐった。「…私のせいね」「馬鹿だな、俺たちは正式に結婚した、夫が妻のために何かするのは当然だろう?」そこへ突然、李淑徳(リシュクトク)が使用人を連れて乗り込んで来た。李淑徳は息子がこれ以上、命を粗末にしないよう屋敷に連れて帰るという。猶憐と離れたくない李玄は拒否したが、猶憐は将軍の言う通りにするよう説得した。「会いに来てくれよ?」「コクリ…李将軍、李玄の怪我は私のせいなのです、どうか責めないでください」驚いた李玄は猶憐が湖に突き落とされただけだとかばったが、それがかえって猶憐の印象を悪くしてしまう。「なるほど…蘇姑娘は気を引くのが上手いらしい 他人のために必死になったことがない息子が命懸けで助けるくらいだからな」すると李淑徳は使用人に李玄を縛り上げてでも連れて帰れと命じた。李玄が聖域から生還したことで、紫極はその実力が本物だと分かった。あとは道を誤らぬことを祈るばかり、しかし謝雲石(シャウンセキ)は心配無用だと太鼓判を押す。確かに李玄は素行が悪いが情に厚く、義理堅いと分かった。「人族に危害は加えないでしょう」すると昆吾(コンゴ)族の残党を調べていた謝司業(シギョウ)は尤安(ユウアン)の動きをつかんだと報告した。どうやら残党は尤将軍の元に集結している様子、そこで集まるのを待って奇襲する計画だという。猶憐は師匠から一晩中どこへ行っていたのかと追及された。そこで冰血(ヒョウケツ)の聖域に3ヶ月いたと報告したが、剣霊の話では聖域の100日は現実の世界の1日だという。しかし令牌を持たない猶憐が聖域に入れたと知り、剣霊はすぐ李玄と一緒だったと分かった。「令牌を手に入れたのか?!」「いいえ…でも聖域で助けてくれた李玄から令牌を奪うことは仁儀に反します」口答えされた剣霊は激怒、これ以上、引き伸ばすなら容赦しないと脅した。李府に崔尚書の夫人が翩然を連れてやって来た。夫人は李玄と翩然の縁談を持ちかけ、李玄も家を構えれば心がけも立派になると助言する。「それにしっかり者の妻がついていれば、自然と悪さも収まりましょう」李玄に手を焼いていた李淑徳は夫人の話にも一理あると納得した。翩然は李玄の見舞いに行った。李玄は背を向けて無視していたが、翩然が薬を塗ってやると腕をつかむ。怒った李玄は気安く男に触るものではないと叱り、自分には妻がいると教えた。翩然は分かりやすい嘘に呆れたが、そこへ李淑徳と崔夫人がやって来る。「息子よ、未来の娘子(奥さん)の前で御託を並べるでない」李淑徳は早速、卜者(ボクシャ)に日取りを決めさせると言った。すると李玄は機転を利かせて結婚に賛成する。「後妻が欲しいと言ってたもんな~父上の婚儀には喜んで参列するよ」「にっ(你)!」李淑徳が手を上げると、護衛の常青が現れ阻止した。こうしてその場は何とか乗り切った李玄だったが…。その頃、学院に育閔(イクビン)が現れた。王女をあきらめきれない育閔は雲杉に珍しい玉を贈ろうとしたが、袖にされてしまう。すると生徒たちのひそひそ話が聞こえた。<公主は鳳鳴と恋仲なのに、あの殿方もあきらめが悪いわね~<本当ネー(*´・ω・)(・ω・`*)ネー面白くない育閔はちょうど鳳鳴を見つけ、いきなり首をつかんだ。「お前、公主を横取りするとはずい分と厚かましいじゃないか? 皆がお前たちの噂をしているぞ?お前も公主も恥を知れ!」育閔は何度も鳳鳴の顔を殴りつけた。雲杉は鳳鳴が育閔に殴られていると聞いて慌てて駆けつけた。すると育閔が鳳鳴に沙国の王女が男にだらしないと認めるよう迫っている。鳳鳴は自分のことならまだしも、王女を侮辱するなと激怒、思わず掌(ショウ)を放ちそうになったが、咄嗟に手を出すまいとこらえた。その様子を見た育閔は生意気だと横面を思い切り殴りつけ、鳳鳴は回廊に倒れ込んでしまう。「やめなさいっ!」雲杉は鳳鳴を助けると、霊力を使って育閔を殴り飛ばした。「(バシッ!)これは私を侮辱したお返し(バシッ!)これは同級生を暴行したお返しよ!」育閔を追い返した雲杉は鳳鳴の傷だらけの顔を手当てした。「あんな男、簡単にやっつけられるでしょう?」「霊力や仙術を使ってやり合うのは不公平だと思ったんだ」「…バカね」しかし雲杉は鳳鳴が一瞬、自分のために戦おうとしていたことを知っていた。つづく( ;∀;)旺財…うちのワンコたちも聖域で元気だといいな〜@アニマルプラネットか?w
2021.05.28
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第13話天書(テンショ)仙人の部屋にある本で昆吾(コンゴ)族の惨状を見た蘇猶憐(ソユウレン)。一族を救うためには急いで帰らねばならないと気づき、李玄(リゲン)にここから早く出たいと訴えた。李玄は猶憐と暮らす聖域での生活が気に入っていたが、猶憐の必死の説得で帰ると決める。そこで2人はひとまず最初に落ちた場所へ戻った。すると李玄の令牌(レイハイ)が反応し、結界が出現する。2人は霊力で結界を破ろうとしたが、反噬(ハンゼイ)を受けて跳ね飛ばされた。「身の程知らずめ!」その声は天書仙人だった。氷血(ヒョウケツ)の聖域の力をあなどるなかれ、無事にここから出られる方法などなく、どうあがいても無駄死にするだけだという。実はこの数百年の間、生きてここから出られた者は1人もいなかった。2人はひとまず屋敷へ戻った。李玄は衰弱した猶憐を自分の霊力で治療すると、天書仙人から脱出する方法を聞き出してみると安心させる。そこで再び料理で懐柔を試みたが、失敗した。「哀れなじいさんめ、まあ、千年も1人でいたら誰だって寂しくなる」「お前たちが来る前だって1人で楽しく過ごしておったわ」「なら俺たちを帰してくれよ」「…本気で帰りたいなら、方法がないわけでもないがな」「本当か?!じいさんはやっぱりすごいな~最高の仙人だよ!」李玄は天書仙人の肩を揉みながらおだてた。すっかり気をよくした天書仙人は帰してやっても良いが、代わりに李玄の一番大切な物を譲って欲しいという。それは李玄に子供の頃から備わっている怪我があっという間に完治する能力だった。李玄は猶憐のため、命を守る大事な能力を譲った。すると天書仙人は実は結婚祝いに贈った瑠璃(ルリ)玉があれば聖域を出られると教える。すでに瑠璃玉を持っていた李玄は能力を騙し取られたと憤慨、しかし天書仙人は瑠璃玉には使い方があると言った。説明を聞いた李玄はそれで自分たちを結婚させたのかと納得したが、その時、天書仙人が大事なことを思い出す。「(はっ!)しまった!その瑠璃玉を使って聖域から出られるのは1人だけなんじゃ」翌朝、猶憐は李玄から結界を出られると聞いて喜んだ。何も知らず天書仙人に別れを告げる猶憐、天書仙人は2人を見送りながら、李玄が黙って娘だけ帰すつもりだと気づく。「なかなかの男じゃな…」李玄は猶憐を連れて結界へやって来た。やけに感傷的な李玄、すると猶憐はいつかまた一緒に来ようと慰める。「…無理なんだ」すると李玄は瑠璃玉を出し、自分の指を切って血を垂らした。「さあ、君も…これで帰れる」猶憐は早速、同じように指を切って血を垂らすと、瑠璃玉が輝きを取り戻す。実は李玄は天書仙人から瑠璃玉に2人の血を垂らし、2人の気持ちが本物なら瑠璃玉を呼び覚ませると聞いていた。李玄は猶憐の自分への気持ちを知って密かに喜んだ。「失くすなよ?肌身離さず持っていろ」「うん」すると李玄は思わず猶憐を抱きしめ、涙をこらえた。「どうしたの?」「聖域の中では夫婦でいられる…今のうちに抱いておかないと」「悪知恵が働くんだから」李玄は笑顔に戻ると猶憐を手放し、そっと肩を押して結界の向こうへ送り出した。「李玄?…早く来て」「猶憐、元気でな…」「どうしたの?ちゃんと話して!」「俺は帰れない…ここでお前を思い続けるよ、ずっと」「そんなの許さない!一緒に帰ろうって約束したじゃない!李玄!1人にしないで!」猶憐は1人しか帰れないと知った。驚いた猶憐は自分も残ると言ったが、その時、聖域の結界が開いて吸い込まれてしまう。離ればなれになってしまう李玄と猶憐、その時、猶憐の流した涙が一粒だけ李玄の元へ飛んで行った。昏睡していた御風穆(ギョフウボク)がようやく目を覚ました。しかし付き添っていた雲杉(ウンサン)から猶憐はまだ戻らないと聞いて愕然となる。再び湖へ行こうとする風穆、驚いた雲杉は聖石で救われた命を粗末にしては駄目だと止めた。そこへ護衛・疤頭(バトウ)が駆けつける。「蘇姑娘は無事です!」李玄は寂しさを紛らせるように酒を飲んでは猶憐の幻を見た。しかし抱きしめようとすると猶憐は消えてしまう。李玄はとぼとぼ屋敷へ戻ると、門で王財(オウザイ)が待っていた。「わん!」王財はまるでついて来いと言わんばかりに行ってしまう。王財に導かれ天書仙人の部屋へ入った李玄は文机に天書を見つけた。確かにこの天書を読めば世の中の全てを知ることができる。そこで李玄は本を開いて左の頁に手を乗せると、右の頁にうなされている猶憐の姿が浮き出た。「猶憐…」どうやら猶憐は無事に書院へ帰れたらしい。「聖域から脱出する方法を教えてくれないか?」すると今度は頁に宇宙のような暗闇が映し出された。「これは…この結界が出口なのか?」その時、天書仙人が戻って来る。天書仙人は李玄が見た結界が天秀(テンシュウ)陣だと教えた。しかしあれほど難解不落な結界は挑むだけ無駄だという。李玄は死んでも聖域を出ると食い下がったが、癇癪を起こした天書仙人がいきなり李玄の首を絞めた。「今すぐ死にたいか?どこにも行かせんぞ!」「ならば殺せ…ここで生きるなら死んだ方がマシだ…」驚いた天書仙人は我に返り、李玄を解放した。「聖域に留まれば永遠の命を得られるぞ?俗世の苦しみから逃れたいと思わんのか?」「愛する人に会えないなら、どんなに永く生きられたとしても意味がないよ」李玄は猶憐のためにも必ずここから出ると決意した。そこで早速、天秀陣を探しに向かったが、体力を消耗するばかりで見つけることはできない。すると屋敷に戻るなり李玄は激しく喀血してしまう。天書仙人は仕方なく天秀陣の場所を教えることにしたが、実は結界は厨房の中にあった。「よく考えろ、生きて出られる確率は皆無に等しい」しかし李玄は迷わず釜に飛び込んだ。李玄は天書が映し出した宇宙空間に落ちた。そこには瞑想している小坊主がいる。李玄が小坊主の頭を指で小突くと、小坊主は大きな目を開けて如意棒を招喚した。「俺と勝負を?…子供の相手はしない、大人を出せ」その時、小坊主が飛び上がり、巨大化した如意棒で李玄を殴り飛ばした。すると天書仙人の声が聞こえて来る。『北の方に逃げて戻って来い!』李玄は北極星を目指して走り出すと、満身創痍で厨房へたどり着いた。特殊能力を失った李玄は大怪我を負った。気がつくと身体中に包帯が巻かれ、足は動かないように吊るされている。それにしてもあの強い小坊主は何者なのか。李玄は苛立ちを隠せず、骨にかぶりついている王財に八つ当たりした。「お前、食い過ぎだぞ!」一方、書院に戻った猶憐はようやく意識を取り戻していた。「猶憐!みんな心配していたのよ?1日中どこへ行ってたの?」崔嫣然(サイエンゼン)の話を聞いた猶憐は驚いた。…聖域には3ヶ月はいたはずよ?…つづく( ー̀ωー́ )誰もここからは出られん!…とか言ってるわりに脱出方法はいくつもあるのねw
2021.05.27
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第12話天書(テンショ)仙人のおかげで解毒に成功した蘇猶憐(ソユウレン)。李玄(リゲン)は静養している猶憐のため、料理を作り始めた。するといつの間にか厨房の片隅で天書仙人が勝手に料理を食べている。そこで李玄は次々料理を出すと、天書仙人は口では文句を言いながら片っ端から料理を平らげ始めた。李玄は天書仙人が無我夢中で食べている間に自分たちの分を持って猶憐の元へ向かった。「これ李玄が作ったの?」「どうだ?やるだろう?見直したか?」すると猶憐は李玄の顔の汚れに気づいて拭き取ってやる。ふと見つめ合う2人、しかし猶憐は急に恥ずかしくなって視線を外した。「冷めちゃうわ、食べましょう」李玄が庭に出ると天書仙人が庭に座ってうとうとしていた。「爺爺(イェイェ)?何でも知っているって言ってただろう?…実はひとつ教えて欲しいことがあるんだ」「駄目だ、天の機密は教えられぬ、それにわしは何事にも厳格でな」そこで李玄は再び料理を作り、天書仙人を懐柔する。「まあ~わしは厳格な性格ではあるが、例外を認めよう( '༥' )ŧ‹”ŧ‹”」天書仙人は李玄の聞きたいことが猶憐のことだと分かった。「あの娘、お前に気があるようじゃ~」「本当に!…で彼女は俺と同じ種族かな?」すると天書仙人は急に箸を置いて李玄を見つめ、そのまま動かなくなってしまう。「どうかした?」「(はっ!)…うむ、同じ種族だ」「確かか?」「確かだ、わしの目に狂いはない」「(ボソッ)そうだったのか、龍嶶児(リュウビジ)のとんちんかんめ! 蘇猶憐が昆吾(コンゴ)族なわけがない~ふふ♪」「何をブツブツ言っておる…は~食った食った、茶を入れてくれ」「…ふん!自分で入れな!」安心した李玄は急に態度を変えて部屋に戻ってしまう。翌朝、李玄は朝食を作るため厨房へ向かったが、天書仙人の泣き叫ぶ声が聞こえた。李玄が様子を見に行ってみると、天書仙人は仙鏡に映った赤子を見ながら悲しみに暮れている。「何事だ?」「あの女の子が悲運すぎて…生まれたばかりだと言うのに、父親があの子を殺すと言うのだ 母親が人に預けようとするも、行く先に追っ手が…なんて可哀想な話だ」「確かに可愛いが運が悪すぎる、親がいないのでは苦労するだろうな」「わしもあんな赤子が欲しい~」李玄はならば思い切ってさらって来ようかと提案したが、天書仙人はこの赤子の話は18年前の出来事だと教えた。恐らく今や立派な娘に成長していることだろう。すると天書仙人が良い方法を思いついた。天書仙人は李玄と猶憐に結婚を迫り、子供を作るよう命じた。思わぬ提案に驚きながらも満更でもない李玄、しかし猶憐は使命があるため断ってしまう。天書仙人は思い通りにならず苛立ったが、ふと気がついた。「ん?わしも若い頃はそこそこ色男じゃった…その小僧が嫌ならわしと夫婦になるしかない つまりだな、わしと…」「やめろって…もう~聞いてられない、孫のような年の娘を嫁にするって言うのか?」「(コソッ)お前は娘に嫌われておる」「だからって年寄りを選ぶわけないだろう?」すると天書仙人は癇癪を起こし、李玄の首を締め上げた。猶憐は慌てて李玄に嫁ぐと了承、李玄を解放させたが、天書仙人に弱みを握られてしまう。「娘を従わせるためには小僧を痛めつければ良いのか…では1刻後に婚礼だ!」その夜、李玄と猶憐は成り行きで婚儀を挙げた。天書仙人が部屋を後にすると、李玄は花嫁の面紗(メンシャ)をはずし、2人で寝台に座る。|ェ・)<小僧!しっかりな!わしの苦労を無駄にするでないぞ!どうやら部屋の外では天書仙人が愛犬・旺財(オウザイ)と中の様子をうかがっているらしい。猶憐は見せかけの結婚だとばれないよう思わず李玄を押し倒し、夫婦のふりだけでもしようと言った。すると李玄が猶憐を組み伏せる。「晴れ着を着て式も済ませた、もう夫婦だろう?」「意地悪ね」李玄は猶憐と唇を重ねようとしたが、猶憐が顔を背けた。そこで李玄は猶憐の頬にそっと口づけすると、猶憐は困惑して背を向けてしまう。猶憐が目を覚ますと朝になっていた。横にはあどけない寝顔の李玄がいる。思わず李玄の顔に触れる猶憐、すると寝たふりをしていた李玄が猶憐の手に口づけした。天書仙人は李玄と猶憐が出て来るのを今か今かと待っていた。そこへ仲睦まじい2人が現れる。天書仙人はすでに子供のおもちゃを準備、赤子を早く産めと急かした。呆れた李玄は赤子と言えば生まれるまで十月十日かかるものだと言ったが、天書仙人は約束が違うと大騒ぎする。「仕方ないだろう?10ヶ月経たないと生まれないんだから!」「…嘘だったら2人とも食ってやるからな」李玄は先に猶憐を部屋へ逃すと、天書仙人が2人に結婚祝いがあると言った。「瑠璃(ルリ)玉じゃ、長年、大切にして来た宝だ、ほれ」しかし李玄にはその価値が分からなかった。一方、学院では生徒たちが必死に李玄と猶憐を救出する方法を模索していた。すると痺れを切らした御風穆(ギョフウボク)が自ら猶憐を助けに行こうと思いつく。知らせを聞いた雲杉(ウンサン)が慌てて湖に駆けつけると、兄が湖底に向かって霊力を放っていた。蕭鳳鳴(ショウホウメイ)は無理な突破は命を失いかねないと危惧したが、その時、封常青(ホウジョウセイ)が沙国王子に加勢、2人の霊力で結界を破ろうとする。しかし2人は反噬(ハンゼイ)を受け、激しく霊力を消耗して行った。雲杉は兄の元へ駆けつけたいが、鳳鳴が自分たちの霊力では死んでしまうと引き止める。その時、紫極(シキョク)が駆けつけ、2人を捕まえて陸上へ連れ戻した。「戻れた者がいないと知りながら突入するなど、命を捨てるも同然だ」紫極は無謀な2人を叱り、すぐ手当てするよう命じる。氷血の聖域では紫極の力を以っても助けるのは無理、今回ばかりは李玄を信じて待つほかなかった。風穆と常青は昏睡状態になった。紫極の話では″霊力が回復するまで眠り続ける″という。鳳鳴は2人を早く目覚めさせようと、懸命に書物を調べていた。学院でそんな騒ぎになっているとも知らず、李玄と猶憐の距離はぐっと近づいていた。すると天書仙人が子供ためにブランコが安全かどうか試したいと、仙術で無理やり李玄を座らせてしまう。「うわーっ!やめろーっ!」天書仙人のブランコは天高く舞い上がったかと思うと急降下、李玄は生きた心地がしなかった。「助けてーっ!降ろせ!じじい!降ろせってば!」やがて李玄はどこかへ飛ばされ、消えてしまう。(´-ω-`)<うむ…やはりだめか、改良せねばな~李玄はブランコの仕返しを思いついた。そこで庭で居眠りしている天書仙人の手と旺財の首輪を縄でつなぐ。( ・ノェ・)コショッ<旺財! ピキッ∑U・x・U李玄は旺財に餌を見せると、遠くへ放り投げた。すると旺財は全力で走り出し、天書仙人を引きずって雪原の彼方へ消えてしまう。夕食の時間になり、猶憐は天書仙人を迎えに行った。しかし部屋には誰もいない。その時、ふと文机にある分厚い本に目が留まった。猶憐は興味が湧いて本をめくってみたが、なぜか何も書いていない。適当に頁を開いて手で押さえた猶憐、すると隣の頁に昆吾族の惨状が浮かび上がった。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははは~爺爺に呆れる李玄の表情恐らく全視聴者が同じリアクションしたと思われwww
2021.05.26
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第11話手毬(テマリ)の勝負で劣勢に立たされた蘇猶憐(ソユウレン)率いる白組。しかし李玄たち紅組が鞠を操る様子を観察しているうち、猶憐は霊力を使って勢いを削ぐことに気づいた。猶憐は早速、白組の仲間に操り方を指南、そのおかげで白組は怒涛の反撃で紅組に追いつく。すると面白くない崔翩然(サイヘンゼン)が隙を見て背後から猶憐の肩に暗器を刺した。猶憐は急なめまいに襲われたが試合時間はもうわずか、恐らく卑怯な手を使ったのは後ろにいる翩然だろう。そこで猶憐は自ら暗器を抜き去ると、吹き飛ばした暗器が翩然を直撃、頬を傷つけてしまう。その時、鞠がちょうど猶憐の頭上に飛んできた。猶憐はすかさず飛び上がって鞠を蹴ると、見事に的をとらえて逆転する。「…私たちの勝ちね、令牌を渡して」「禁じ手を使ったな?」李玄はてっきり猶憐が翩然に暗器を放ったと誤解、憤慨して帰ってしまう。猶憐は李玄を引き止め、令牌を渡せと食い下がった。しかし李玄は暗器を使ってまで令牌を欲しがる理由が分からない。その時、猶憐が苦しそうに喀血した。李玄は猶憐の肩に傷があると気づき、実は翩然が猶憐に毒針を刺していたと知る。すると2人に追いついた翩然が現れ、いきなり猶憐を突き飛ばした。毒のせいで霊力が弱っている猶憐は湖に落下、驚いた李玄は猶憐の後を追って飛び込んでしまう。李玄は湖底に沈んで行く猶憐を捕えた。すると急に懐に入っていた令牌が光を放ち、2人は激しい水流に巻き込まれる。李玄は離ればなれにならないよう猶憐を強く抱きしめたが、やがて氷の渦にのまれ、李玄は猶憐をかばって傷だらけになってしまう。その頃、湖には李玄と猶憐を心配して生徒たちが集まっていた。御風穆(ギョフウボク)と封常青(ホウジョウセイ)は湖に潜って2人を探していたが、どこにも見当たらない。辺令誠(ヘンレイセイ)は猶憐を突き落とした翩然を激しく非難、すると翩然は全て猶憐が悪いと訴えた。しかし風穆は翩然の頬の傷は崔家の毒だと見抜き、猶憐に罪を着せたと暴く。そこへ報告を聞いた謝雲石(シャウンセキ)がやって来た。湖の中を探しても見つからないのなら、2人は氷血(ヒョウケツ)の聖域の中に落ちた可能性が高い。ここ鏡月(キョウゲツ)湖は一見、普通の湖だが、実は書院で最も危険な聖域の1つだった。李玄の持つ令牌は聖域の入り口を開く力を秘めているため、聖域に導かれてしまったのだろう。李玄と猶憐は雪が降り積もる極寒の地に落ちた。「まさか…これは…」李玄は令牌を持っていたせいで湖の底にある聖域に来てしまったと気づく。すると猶憐は自分のために湖に飛び込み、背中が傷だらけになった李玄を心配した。李玄は自分のことより毒に侵された猶憐を気遣い、ひとまず洞窟で寒さをしのぐことにする。「…大丈夫なの?」「心配しなくていい、このくらいの傷なら自然と治るんだ…ほら」李玄は首の傷を見せると、確かに裂傷がみるみる治っている。「生まれた時からこうなんだ、理由は分からない」しかし李玄は激しい眠気に襲われ、思わず猶憐の肩を借りた。「しばらく寝かせてくれ…」李玄と猶憐はいつの間にか眠っていた。やがて2人は目を覚ましたが、その時、洞窟の入り口に立つ怪しい人影に気づく。一方、宮中では龍嶶児(リュウビジ)が書院から戻った鄭百年(テイハクネン)から李玄と猶憐の件を聞いていた。「氷血の聖域は天書(テンショ)仙人の住みかで、脱出するのは至難の業だとか」「…嫌な予感がするな」その頃、書院では生徒たちが手分けして2人を助け出す方法を探していた。李玄と猶憐が目を覚ますと、大きな庭石に寝かされていた。すると白髪の老人が現れ、今日は猶憐を食べると言って煮えたぎった釜の上に猶憐を招喚してしまう。「わしは何百年も生きて多くのものを食べた、唯一、食べたことがないものは生きた人間じゃ そこへちょうどお前たちが現れた、まさに老天爺からの贈り物じゃな」慌てふためく李玄、その時、ちょうど目の前にお座りしている犬に気づき、咄嗟に捕まえた。「この犬が死んでもいいのか?!」「小僧!わしの旺財(オウザイ)に触るな!」「煮るぞ!どうだ!彼女が死んだら犬も死ぬ!」老人は愛犬を救うため2人を食べないと約束、しかし解放された猶憐が再び喀血してしまう。「おやま~裂心散(レッシンサン)の毒を食らったか、1刻も経たぬうちに死ぬぞ~な?旺財♪~ヨシヨシ…」「この毒の名前を?!」「ふん、わしは天書仙人、生き字引きじゃ、何でも知っておる」「天書仙人?!…あなたがかの高明な天書仙人!では解毒方法を?!どうか猶憐を助けてください!」「助けるわけなからろう?!わしの可愛い旺財をいじめおって!」そこで猶憐は天書仙人を煽った。「李玄、もういいの…天書仙人にもできないことがあるのよ~(チラッ」「待て待て待て待て~誰が治せないと言った?!」「天書仙人ったってどうせただの寂しい隠居老人だろ?…心配するな猶憐、一緒に死のう ここでひとり寂しく暮らすよりはマシだ」「わしがいるのに2人で仲良く死ぬだと?!えーい!絶対に治してやる!」こうして2人はまんまと天書仙人を口車に乗せ、猶憐は身体から毒を抜いてもらうことに成功した。皇太子は李玄が氷血の聖域に消えたと聞いて大喜びした。ここ数百年、あそこから生きて帰れた者は1人もいない。皇太子は早速、書院へ駆けつけると、生徒たちが湖で途方に暮れていた。「李玄は戻らない、いくら待っていても無駄だ、皆ももう帰りなさい、解散だ!わははは~」猶憐が目を覚ますと李玄が付き添っていた。李玄は猶憐が回復するまでもう少し待とうと話し、自分が守ると安心させる。「腹が減っただろう?ちょっと待ってろ」李玄が屋敷を出ると、猶憐に寝所を奪われた天書仙人が庭で寝ていた。李玄は厨房を借りて料理を始めた。手際良く一品目を作ると、つぎに二品目を完成させる。すると厨房の片隅で天書仙人が勝手に一品目を食べていた。( ̄꒳ ̄)<どうだい?(๑≧ꇴ≦)b<絶品だ!あ…(; ̄◇ ̄)つづく(^ꇴ^)天財が可愛い~でも仙人のペットが柴犬ってどうなの?!と言うか…これ何の話?(笑
2021.05.24
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第10話座学で居眠りしていた李玄(リゲン)。ふと目を覚ますと、前の席にいた蘇猶憐(ソユウレン)と沙国王子・御風穆(ギョフウボク)が意味ありげに目配せしていた。面白くない李玄は急に席を立つと、玄冥(ゲンメイ)常傅(ジョウフ)の講義は眠くなるので帰るという。うっかり失笑してしまう辺令誠(ヘンレイセイ)たち、すると憤慨した玄冥は李玄に逃げた捕虜たちの捜索を手伝うよう命じ、笑った生徒たちも付き合わされる羽目になった。風穆は耀輝(ヨウキ)城主に謁見することにした。そこで城主へ届ける貢ぎ物の荷に昆吾(コンゴ)の捕虜たちを紛れ込ませることにする。猶憐や尤安(ユウアン)将軍は沙国王子の協力に心から感謝したが、護衛・疤頭(バトウ)は王子の身も危険になると気が気でない。しかし風穆は沙国にとって昆吾族は友だと言った。李玄は令誠、封常青(ホウジョウセイ)、崔翩然(サイヘンゼン)と城門の番を手伝った。その周りを兵士たちが囲んでいたが、李玄が逃げ出さないよう見張っているようにみえる。そこへ沙国王子の馬車がやって来た。疤頭は門衛に通行証を見せると、風穆が馬車の帳(トバリ)を開けて顔を見せる。すると風穆の隣に猶憐が座っているのが見えた。王子を確認した門衛は通行許可を出したが、猶憐の同行を怪しむ翩然が咄嗟に制止する。「ちょっと甘過ぎじゃない?積荷も調べないなんて…」しかし李玄は黙ったまま様子をうかがっていた。その時、後ろの馬車で何かが動くのが見える。翩然は早速、馬車に向かって歩き出すと、猶憐は剣を握りしめた。猶憐の放った剣が翩然を阻んだ。危ないところで駆けつけた李玄は剣をつかんで止めると、猶憐と風穆が馬車から現れ、猶憐は自分の剣を取り返す。怒りが治まらない翩然は猶憐に仕返ししようと剣を招喚したが、李玄が止めた。「思い出せ、ここに派遣された目的を」その時、兵士が後ろの馬車から猫を連れて来た。「音の主はこの猫でした」しかし納得がいかない翩然は王子の馬車も調べようと訴える。疤頭は無礼だと激怒、そこで李玄が護国師である自分が調べるという。「本気なの?」猶憐は思わず馬車の前に立ちはだかり、李玄に確認した。「本気だ…助けなら奴に乞え」李玄が馬車の中に入ったが、特に問題はなかった。そこでなぜ2人がお忍びで遠出するのか聞いてみる。するとその時、馬車から物音がした。李玄は再び馬車の中へ入ると、なぜか化粧箱が落ちている。緊張が走る猶憐と風穆、しかし結局、李玄は問題ないと言って城門を通してくれた。一方、蕭鳳鳴(ショウホウメイ)を意識し始めた雲杉(ウンサン)のもとに、見知らぬ公子から文が届いた。全く興味がない雲杉、しかし侍女・小英(ショウエイ)が会うだけ会ってはどうかと勧める。そこで雲杉は謎の公子が待っているという涼亭に行ってみた。どこかで見た顔だと思えば、宮廷の舞比べの宴で自分を見つめていた軽薄そうな男だと思い出す。「育閔(イクビン)と申す、母は陛下の姉妹、父は育公爵だ」育閔は王女の美しさに魅了されたと告白、雲杉が断ってもしつこく食い下がる。すると雲杉はちょうど庭の掃除中だった鳳鳴を見つけた。「鳳鳴!こちらへ!」雲杉は鳳鳴も自分に告白したことがあると嘘をついて腕を組んだ。「麒麟を倒せたのはこの人の結界陣のおかげなの、顔だってあなたよりかっこいい 彼のような傑士こそ、私を好きになる資格があるわ!」すると育閔はあきらめて帰って行った。しかし鳳鳴は自分を利用した雲杉を非難し、強引に王女の手から腕を引き抜く。「″女と子供は手に負えない″と言うが本当だな!」鳳鳴は心外だとばかりに掃除に戻って行った。昆吾族の捕虜は無事に郊外まで脱出した。猶憐は尤安に一族の生き残りを任せ、国を復興させるため龍皇(リュウコウ)を解放すると誓って見送る。すると風穆は李玄が気づいていながら見逃してくれたのだと言った。実はあの時、李玄は馬車の中で荷物の奥にいる捕虜を見つけていた。しかしまだ幼い子供たちが怯える姿を目の前にして何もできず、見逃してしまう。その夜、常青は思い悩む李玄に声をかけた。「気になるなら本人に確かめては?」李玄は草笛を吹くのをやめたが、ただうつむいて何も言わなかった。剣霊は李玄が猶憐の正体に勘づいた可能性があると心配した。しかし猶憐は本当に気づいたなら見逃すはずがないという。「こざかしい男ゆえ用心せよ、再び令牌の奪取にかかれ」「承知しました」翌日、学院では鳳鳴と王女が恋仲だという噂で持ちきりだった。令誠にからかわれた鳳鳴は誤解だと訴え、思わず王女を好きではないと誓ってしまう。そこへ運悪く雲杉が現れた。「あなたなんて大嫌っ!」鳳鳴は不本意ながらまた王女を怒らせ、頭を抱えた。今日の実技は霊力を使って筆を自由自在に動かす授業だった。退屈していた李玄は楽しみながら霊力を高められる方法があると提案し、手毬(テマリ)で勝負しようという。「負けた組みは掃除当番だ」生徒たちは大喜び、仕方なく謝司業も認めた。しかし猶憐は遊び方も知らず、参加しないと決める。すると李玄がやって来た。「蘇猶憐、令牌が欲しいんだろう?俺に勝ったらやるぞ?」ただし沙国王子とは別の組になるのが条件だという。「王子なしでも勝ってみせるわ!」生徒たちは裏山の広場に集合した。試合は6人ずつの2組で勝負、結界内を自由に動き回って良いが、場外の者の霊力は借りられない。故意に相手を傷つける行為は反則とし、重大な反則を犯せば退場、小休止は各組1回、的は規則的に回転し、鞠が入るごとに1点、得点の多い組が勝ちだ。試合が始まった。しかし鞠は普通の球ではなく、勝手に動いてしまうため扱いが難しい。コツを知っている李玄が点を重ねる中、猶憐や雲杉たちは手こずるばかりだった。さらに猶憐は翩然に突き飛ばされ転倒してしまう。心配した李玄は中止を提案したが、猶憐は何としてでも令牌を手に入れるため、試合を続行した。…鞠くらい操れるわ、何としても勝つのよ…猶憐は意地になり、鞠に食らいついた。すると鞠が暴走、猶憐は鞠を抱えたまま空中で振り回されてしまう。李玄は鞠を放せと叫んだが猶憐は必死にしがみついた。しかしやがて鞠に振り落とされ、背中を強打してしまう。李玄は猶憐を休ませようと小休止を取った。どうやら鞠は力で抑えようとすればするほど制御できなくなるらしい。実はこの鞠は紫極(シキョク)の宝物、見学していた風穆は猶憐の白組が勝てる見込みはないと知る。一方、崔嫣然(サイエンゼン)は満身創痍の猶憐に負けを認めようと勧めた。しかし猶憐は拒む。「絶対、認めない」李玄はそんな頑な猶憐の態度に困惑した。…蘇猶憐、令牌のためになぜそこまでする?…このままでは命を落とすかもしれないぞ試合が再開された。白組の足を引っ張る鳳鳴だったが、雲杉をかばって鞠に当たってしまう。そんな中、猶憐は鞠を的に入れる好機に恵まれた。しかし至近距離にも関わらず的を外してしまう。李玄は鞠を制御できないようでは白組に勝ち目はないと言い放ち、降参を勧めた。「降参しない、続けるわ!」すると猶憐は李玄たちが鞠を操る様子を観察した。…そうか、霊力で勢いを削ぐのね…つづく( ー̀ωー́ )<なぜそこまでする?…って、うっそ〜ん(笑それにしても剣霊のじいさんが感じ悪過ぎ( ತ _ತ)
2021.05.22
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第9話第二皇子・龍嶶児(リュウビジ)は令牌に執着する蘇猶憐(ソユウレン)を昆吾(コンゴ)族だと疑った。二皇子の指摘に言葉を失う李玄(リゲン)、すると舞比べの大取りを務める蘇猶憐の踊りが始まる。その美しさに沙国王子・御風穆(ギョフウボク)も目が離せなかった。雲杉(ウンサン)は猶憐に見とれる兄の様子に気づき、思わず結婚を考えたらどうかと助言する。「からかうなよ」しかし風穆もまんざらではなかった。猶憐の舞に会場は大歓声、これには梁(リョウ)王もさすがに素直に負けを認めるしかなかった。喜んだ皇帝は功労者である皇太子に褒美を授けると決めたが、皇太子は国の名誉のために務めるのは当然とあえて辞退する。皇太子の手柄に思わず顔を歪ませる謝貴妃、すると猶憐が自ら御前に飛び出した。「陛下!欲しい褒美があります!」嶶児は猶憐が何をねだるのか大よその検討がついたが、李玄は猶憐なら金銀財宝の類だろうと言葉を濁す。すると上機嫌の皇帝は猶憐の無礼を咎める様子もなく、何が欲しいのか尋ねた。「蘇猶憐!」猶憐は李玄の声に驚いて振り返った。「本当に欲しい物が何かよく考えてみろ!」しかし猶憐は迷わず皇帝から令牌をもらうことした。「陛下、私に金のかんざしを…(え?)」なぜか猶憐は心にもないことを口走ってしまう。「私に金のかんざしを…(はあ?)私が欲しいのは金のかんざし…(まさか!)」猶憐は必死に言い直そうとするが、李玄の術のせいで″金のかんざし″としか言えなくなっていた。李玄が宮道を歩いていると、怒り心頭で猶憐が待ち伏せしていた。「なぜ私の邪魔をしたの?!」金のかんざしを李玄に投げつける猶憐、すると李玄は慌ててかんざしを拾って話をそらす。「望み通りの褒美をもらったのに不満なのか?」「ふざけないで!」猶憐は本気で李玄を蹴り飛ばし剣を招喚、石垣にぶつかった李玄めがけて突進した。しかし剣は李玄の顔をかすめて石垣を突き刺し、猶憐は警告だけで帰ってしまう。第二皇子の護衛・鄭百年(テイハクネン)は猶憐の正体を暴かないのか確認した。猶憐が昆吾族だと分かれば皇太子も責任を問われ、立場を失うだろう。しかし嶶児は自分が皇宮に戻るなり皇后と皇太子が失脚すれば皇帝に疑われると懸念した。猶憐の件もまだ証拠がなく、皇太子を陥れようとして返り討ちに遭うのは避けたい。どちらにしても猶憐が昆吾族ならいずれ問題を起こすはずだ。皇后は皇太子から宴の話を聞いて胸がすく思いだった。「龍嶶児は太子の座を狙っているけど、とんだ思い上がりだわ 陛下のお心は皇后である私が一番、知っている」皇后は慎重に過ごしてさえいれば大丈夫だと息子を安心させた。あの親子に皇太子の座を奪うことなどできないだろう。風穆は第二皇子の寝宮を訪ねた。「私を呼んだのはどういったご用件でしょうか?」「力を貸して欲しい」風穆は弱小国の王子に何の力もないと卑下したが、嶶児は沙国が天啓国の属国から脱却したいはずだと察していた。「少なくとも王子はそう思っているはず…」「そう言う殿下こそ、二番手に甘んじるのは嫌なようですね…で、私は何をすれば?」猶憐は孤独だった。ひとりにぎやかな街を歩きながら、こんな時に姉がいてくれたらと思わずにいられない。猶憐は人混みの中に姉の幻覚をみて涙が込み上げて来たが、その時、風穆が現れた。互いに故郷から離れて暮らす者同士、喧騒で寂しさを紛らわせたいのは同じらしい。すると風穆は猶憐の手を握り、故郷を探しに行こうと言った。風穆は猶憐を連れて郊外にやって来た。「身を置く場所が変わっても、空だけは昔のまま、私たちを見守っている」猶憐は美しい星空を眺めながら、まだ小さい頃に姉から聞いた話を思い出した。『昆吾族の人は死んだら星になるんだって、人はみんな死ぬの?』『私が死んだ後、また会いたいと思ったら、一番大きな星を探して、それが私よ』しかしその時はまだ姉が死ぬなど考えたこともなかった。「一番明るい星が姉だわ…空の上で何をしているのかしら?私に会いたい?」すると猶憐はそっと涙をぬぐってから風穆に笑顔をみせた。「今日はありがとう、もう遅いから帰りましょう」「はお」猶憐と風穆が城内に戻ると、ちょうど擎天城(ケイテンジョウ)に移送された昆吾族の捕虜を見かけた。すると長旅で疲れた老人が倒れ、怒った兵士たちに乱暴されている。驚いた猶憐は助けに行こうとしたが、咄嗟に風穆が止めた。「今、飛び出したら君の身が危うくなる」風穆は猶憐の正体に気づいていた。しかし正体など関係なく、猶憐は盟友だという。「信じてくれ、沙国は昆吾の味方だ、昆吾族と人族の間に優劣の差はないだろう?」その時、護送兵の前に外套を目深にかぶった男が現れた。兵士は男が昆吾の残党だと気づき、恐ろしくなって捕虜の老人を盾にした。しかし老人は自分に構わず子供たちを救って欲しいと懇願する。男は手が出せずにいたが、その時、白い影が動いたかと思うと、兵士たちをあっという間に片付けた。「将軍!」「聖女様!またお会いできようとは…」「生きていたのね、てっきりあなたも…」「確かに昆吾の同胞はわずかな人数しか生き残っていません」すると風穆が仙術で捕虜たちの拘束具を外してやった。「長居は無用だ、場所を変えて話そう」風穆と猶憐は捕虜たちをかくまった。猶憐は風穆の協力に感謝したが、もう1つ頼みがあるという。「逃がしたいのかい?」「私には同胞を助ける義務があるの」崔翩然(サイヘンゼン)と嫣然(エンゼン)姉妹は使用人から実家の荷物を受け取っていた。何でも昆吾の捕虜がさらわれたとか、物騒なので出歩かないようにと父からの伝言を聞く。そこへ猶憐が帰って来た。嫣然は菓子があるのでお裾分けすると声をかけたが、猶憐の袖口に血がついていると気づく。「怪我したの?」「あ…平気よ、仙術の練習で傷つけただけよ」しかし翩然はどこか変だと怪しんだ。剣霊は令牌の奪取が急務だと命じた。問題は李玄だが、邪魔者は消さなくてはならない。驚いた猶憐は李玄が殺されれば犯人探しが始まり、もし正体が暴かれたら龍皇(リュウコウ)解放が果たせないと訴えた。「まさか本気で李玄に惚れたのではないだろうな?情でも湧いたのか?!」「違います、ただ令牌を奪うために殺しまでしなくても…」「情けは無用だ!」師匠はいずれにせよ李玄を消さなくてはならないと釘を刺した。沙国王子の護衛・疤頭(バトウ)は昆吾の捕虜を助けるのは危険だと諫言した。すると風穆は天啓国に来た目的はまさに昆吾族を助けるためだという。龍皇の解放にしても猶憐ひとりでは危険だろう。しかしこの件が騒動になるのは必至、疤頭は下手をすれば収拾がつかなくなると言った。「案ずるな、策なら講じてある」李玄はなかなか眠れず、金のかんざしを手に月をながめていた。…猶憐、怒っていたな…一方、ようやく床についた猶憐も悩みがつきない。同胞を助けるために李玄を殺すべきなのだろうか?その頃、正義(セイギ)堂でひとり書物を呼んでいた蕭鳳鳴(ショウホウメイ)は、いつの間にか居眠りしていた。するとまた無意識に立ち上がり、ふらふらと歩き始める。そんな鳳鳴の姿を偶然、雲杉と侍女・小英(ショウエイ)が見かけた。2人はまた夢遊病だと気づいて鳳鳴を追ったが、結局、見つからず朝になってしまう。雲杉たちは仕方なく寝殿に戻ったが、殿前の回廊で眠っている鳳鳴を見つけた。小英に起こされた鳳鳴はてっきり沙国王女が自分の寝殿に来訪したと思ったが、ようやく雲杉の寝殿だと気づく。「オワタ…また遊行を…」鳳鳴は雲杉に殺される前に慌てて逃げて行った。眠れぬ夜を過ごした李玄は早々に修練場へ向かった。すると偶然にも霊力を訓練している猶憐を見つける。( ̄꒳ ̄).oO(謝っておくか…しかし先に風穆が猶憐に声をかけてしまう。(* >ω
2021.05.21
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第8話師匠に令牌を奪うよう急かされ、李玄(リゲン)の寝殿に忍び込んだ蘇猶憐(ソユウレン)。そこで寝台に上がり、眠っている李玄の懐に手を入れて改めてみたが、急に目を覚ました李玄に逆に組み伏せられてしまう。猶憐は恥ずかしさから思わず視線をそらすと、李玄が隣に寝転がり、沙国王子が好きなのかと聞いた。「好きよ…書院の仲間は全員」「じゃあ俺は?…俺のことはどうなんだ?」李玄は珍しく神妙そうに聞いたが、すぐいつものお調子者に戻った。「俺を好きなのか?」李玄は猶憐をからかって口づけしようと迫ると、驚いた猶憐が慌てて寝台から飛び降りた。「あなたは嫌いっ!」李玄は猶憐の背中を見送りながら失笑した。それにしても猶憐はなぜここまでして令牌を手に入れようとするのか。一方、部屋に逃げ帰った猶憐は急いで戸を閉めた。…私どうしたのかしら?胸が高鳴っている、まさか李玄を?…翌日、座学の授業が終わると、常傅(ジョウフ)は近日中に歴史の試験を行うと発表した。しかも落第すれば退学にするという。辺令誠(ヘンレイセイ)は仙術を使っても玄冥(ゲンメイ)なら見破れないと余裕だったが、当日は謝雲石(シャウンセキ)司業も監督に当たると知った。そこで武術はだめでも学問に強い蕭鳳鳴(ショウホウメイ)を懐柔することにする。一方、昆吾(コンゴ)族の猶憐は天啓(テンケイ)国の歴史をよく知らず、このままでは書院を追い出されて龍皇(リュウオウ)の解放が難しくなると焦っていた。日も暮れる頃になると、正義(セイギ)堂に残って勉強しているのは猶憐だけとなった。やがて疲れて机にうつぶしてしまう猶憐、するとちょうど食事から戻って来た李玄たちが回廊を通りかかる。いつの間にか眠ってしまった猶憐はふと目を覚ましたが、なぜか肩に上着が掛かっていた。試験当日、李玄は早々に書き終えて席を立った。御風穆(ギョフウボク)は沙国にない漢字に苦戦していたが、鳳鳴と試験勉強した雲杉(ウンサン)は問題ない。猶憐も徹夜のかいがあって無事に答案を書き終え、結局、生徒全員が及第した。その夜、封常青(ホウジョウセイ)は紫尊の碁の相手をしていた。すると久しぶりに李玄の笛の音が聞こえて来る。「ぁ…少爺(シャォイエ)の土笛です」「こんな時間に土笛か?」「眠れぬのでしょう、寝る時は私がいつもそばにいますので…」常青は李玄が悪夢にうなされることがあり、その時は話し相手になっているという。そこでこの機会に李玄の母のことを聞いてみたが、紫極(シキョク)の顔色が一変した。「常青、私が命じた任務を言ってみろ」「少爺の護衛です」紫極は護衛が余計な詮索をするなと釘を刺し、宿舎に帰した。自分でも気づかぬうちに李玄のことを考えてしまう猶憐、すると剣霊の陣に引き込まれた。師匠は猶憐の変化を見抜き、まさか李玄を好きなのかと驚く。「まさか!師匠…違います」すると師匠は人族である李玄は敵だと念を押し、万が一にも心を許せば昆吾族が黙っていないと牽制した。昼休み、天啓(テンケイ)国の代表として舞を披露する崔翩然(サイヘンゼン)は皇帝から当日の衣装を賜った。食堂で受け取った翩然は生徒たちから声援を受け、鼻が高い。その頃、皇太子から舞を頼まれた猶憐は楊(ヨウ)公公から舞の教本を渡されていた。「3日しかないのに新しい踊りを覚えろと?」「太子は蘇姑娘が″驚鴻(ケイコウ)の舞″を踊るのをお望みです」猶憐は困惑したが、ふと踊りで1等になれば令牌が手に入ると思い出し、期待に応えられるよう励むと言った。その夜、猶憐は修練場でひとり舞の特訓を始めた。するとどこからともなく響き渡る土笛に気づく。…懐かしい音色だわ…猶憐はまだ幼い頃に偶然、耳にした土笛を思い出したが、誰が吹いているかは分からなかった。宮中での宴には各国から要人たちが集まった。摩雲(マウン)書院の新入生たちも招待されたが、なぜか龍嶶児(リュウビジ)は礼服をまとい皇太子と一緒に現れる。実は嶶児は第二皇子だった。何も知らなかった令誠は李玄から聞いて驚き、もっと仲良くしておけば良かったと後悔する。それにしても猶憐の姿がないが、一体どこへ行ってしまったのか。すると皇帝は謝(シャ)貴妃を玉座に一緒に座らせ、いよいよ舞比べが始まった。各国はそれぞれ個性的な舞を披露し、宴は盛り上がった。いよいよ次は翩然の出番、天啓国は10年連続で1等のため大きな期待がかかる。するとさすが踊りが得意な翩然はどの国にも引けを取らない素晴らしい舞を披露し、皇帝も謝貴妃も満足した。大喝采を受ける翩然、そんな中、犬猿の中の雲杉だけは不貞腐れている。しかし最後に思わぬ強敵が現れた。梁(リョウ)国の舞姫たちは幻術を使った斬新な舞を披露、招待客の目を釘付けにした。誰もが今年の1等は梁国だと絶賛、皇帝は機嫌を損ねてしまう。その時、皇太子が立ち上がり、結論を出すのはまだ早いと言った。「先ほどのはほんの余興に過ぎません」李玄はその意味を悟り失笑する。「…太子がこれほどやり手とはな」すると隣の席に座る嶶児に声をかけた。「それにしてもよく身分を隠し通せたな?」「私だけではない…蘇猶憐は令牌に執着し過ぎだと思わないか?」嶶児は猶憐が昆吾ではないかと疑っていた。つづく(  ̄꒳ ̄)あ、座学の席順は毎日、早い者勝ちなのねでも二皇子が嶶児って、え?だって男装しているよね〜あきらかにそれにしても翩然=ほんの余興って…さすがに可哀想( ;∀;)
2021.05.20
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第7話上古麒麟(キリン)の妖術に手も足も出ない李玄(リゲン)。しかし見知らぬ公子が現れ、麒麟の顔を傷つけることに成功する。これが好機となり、李玄と生徒たちは一丸となって麒麟を攻撃、捕らえることに成功した。摩雲(マウン)書院では謝雲石(シャウンセキ)司業(シギョウ)と玄冥(ゲンメイ)常傅(ジョウフ)が李玄の帰りを待っていた。しかし朝になっても戻って来ない。やはり未熟な生徒たちに任せたのは無謀だったのか。謝司業は諦めて紫極(シキョク)に指示を仰ぐことにしたが、その時、満身創痍の李玄たちが正門に現れた。生徒たちは各々、居所に戻って傷の手当てに忙しかった。しかし李玄だけはみるみる傷口が再生して行く。それを見た辺令誠(ヘンレイセイ)はまるで化け物だとため息をつき、額に負った自分の切り傷を嘆いた。「…それにしても昨日の男は誰だ?」麒麟退治に現れた謎の男が気になる李玄、すると驚いたことに謝司業が昨夜の男を連れてやって来る。実はその男は新入生の沙国王子・御風穆(ギョフウボク)だった。風穆は挨拶がわりに沙国の傷薬を渡したが、李玄は口先だけで礼を言うと令誠に投げ渡してしまう。どうやら自分は歓迎されていないと気づく風穆、そこで司業に妹の雲杉(ウンサン)と蘇猶憐(ソユウレン)に会いたいと頼んだ。李玄は風穆と猶憐が知り合いだと聞いて内心おだやかではなかったが、体面を守って冷静を装う。「なら俺が連れて行ってやるよ」猶憐が霊力で傷を癒していると、崔嫣然(サイエンゼン)が薬の差し入れにやって来た。嫣然はいつも怠けている李玄が先陣を切って人を助けるとは意外だったと話し、見直したという。確かに李玄はいつもと違っていた。思い返せばいざという時には必ず猶憐を助けてくれた李玄、その時、見覚えのある公子が現れる。「あなたなの?どうしてここに?!」「再会したのに、また傷を負っているね、具合はどうだい?」「平気よ!あなたの言う通りまた会えたわね!」李玄は嬉しそうな猶憐の様子に苛立ちを隠せなかったが、嫣然が風穆に話しかけてくれたおかげで、猶憐にこっそり師匠の薬を渡すことができた。猶憐と親しいところを王子に見せつける李玄、実は風穆も猶憐に沙国の薬をあげるつもりだったが、嫣然を無下にもできず、渡しそびれてしまう。その頃、雲杉は自分をかばって深傷を負った蕭鳳鳴(ショウホウメイ)を見舞っていた。病床の鳳鳴はまだ動けず、今の状態では約束通り5丈離れることができないと慌てる。「ふふ、鈍いのね」すると雲杉は差し入れの薬湯を自ら飲ませ、鳳鳴が助けてくれなければ自分も白骨化しているところだったと感謝した。「礼には及びません、相手が誰でもきっと助けました」女心が分からない鳳鳴、王女が急に怒って帰って行ったが、自分の何が悪かったのか分からなかった。雲杉が寝殿に戻ると風穆が待っていた。「哥!」(∩≧ꇴ≦∩<グァ!←言いたいだけw「本当に困った妹妹だ、決められた結婚から逃れるために天啓(テンケイ)国まで来るとは…」雲杉は無能な夫などお断りだと反発、兄のような英雄に嫁ぎたいという。すると風穆はおだてても無駄だと呆れ、ふと昨夜、妹を救った学友がいたと思い出した。しかし雲杉が急に怒り出し、鳳鳴など大嫌いだという。風穆は動揺する妹の様子に驚いたが、それが意識している証拠だと分かった。紫極は閉関し、龍皇(リュウコウ)を封印している沈月(シンゲツ)の陣を強化していた。すると回廊から謝司業の声がする。「紫尊、何とか麒麟を捕らえることが出来ました、李玄は期待に応えましたね」「うむ、師匠として私の苦労もこれで少しは報われた」しかし先日の刺客の件に関してはまだ何も進展がなかった。新入生の沙国王子が座学に現れた。風穆の美しさに正義(セイギ)堂は女弟子たちの歓声に包まれる。これまで学院の花形だった李玄は動揺し、何より猶憐と親しげな風穆が気に食わなかった。すると授業中、雲杉が近くの席にいる兄に丸めた紙を投げ、鳳鳴に飛ばして欲しいと懇願する。風穆は仕方なく法術で窓際に座っている鳳鳴に向かって投げたが、李玄が鳳鳴の隣に座る猶憐に投げたと誤解して阻止した。憤慨した風穆は再び投げたが李玄がまた阻止、思いがけず丸めた紙をめぐって2人の法術対決が始まってしまう。その時、背中を向けていた常傅(ジョウフ)が振り返り、風穆は咄嗟に丸めた紙を後ろに投げた。常傅から指名された令誠は答えが分からず、思わず机に飛んできた紙を広げて読んでしまう。「えーと…あなたのような間抜けは片手で倒せる(はっ!)」気まずい雲杉と自分への文だと察する鳳鳴、すると常傅は暴言を吐いた令誠に激怒し、追い出した。李玄は自分の誤解だと気づいて居たたまれなくなり、どさくさに紛れて令誠の後を追って出て行ってしまう。遅刻した崔翩然(サイヘンゼン)はなぜか自分が噂の的になっていると気づいた。嫣然の話では自分が″麒麟退治から逃げた臆病者″と揶揄されているという。面白くない翩然だったが、嫣然がなだめて姉を引っ張って行った。すると偶然、猶憐に弓を教えている見たことのない生徒に気づく。「あの人は誰?」「沙国の風穆王子よ、新しい同級生」王子と聞いた翩然は目を輝かせたが、李玄に続いてまたも猶憐と親しいと知り、悔しがった。今日は弓術の授業、男女2人1組になり、的中した数が多い組が優勝だ。早速、相手を探し始める生徒たち、猶憐は李玄に声をかけたが、李玄は照れ隠しでつい憎まれ口を叩いてしまう。「あの〜」「お前は下手だからな、考えさせてくれ」するとそこへ風穆が現れ、猶憐を誘った。「李玄の言う通り私の腕前じゃ迷惑をかけちゃうわ、それでもいいなら…」「行こう!」李玄はぐずぐずしているうちに猶憐を取られてしまう。一方、雲杉は男弟子たちから大人気だったが、自ら武芸のできない鳳鳴を指名した。李玄は不本意ながら翩然と組むことになった。隣で猶憐と風穆王子の仲睦まじい様子を見ながら嫉妬に駆られる李玄、その時、雲杉が犬猿の仲の翩然を懲らしめようと、矢をつがえたところでこっそりつぶてを投げる。つぶては翩然の足に命中、すると翩然はバランスを崩し、李玄を道連れに倒れ込んでしまう。その夜、猶憐は居所でひとり悶々としていた。…李玄なんか大嫌い!でもどうしてこんなに胸が苦しんだろう?…李玄と翩然が抱き合うように転んだ姿を目の当たりにした猶憐はなぜか心のもやもやが晴れない。すると急に剣霊の陣に引き込まれた。師匠は傷が治っても次の行動を起こさない猶憐を訝しむ。「分かっています」仕方なく猶憐は李玄の寝殿に忍び込むことにした。李玄の護衛・封常青(ホウジョウセイ)は猶憐が忍び込んだことに気づいていた。しかし李玄が猶憐を好きだと知っているため、見逃してくれる。その後、令誠が訪ねて来たが、常青は今は駄目だと追い返した。その頃、猶憐は殿内を探っていた。しかし令牌は見つからず、残るは李玄の寝台のみとなる。そこでこっそり寝台に上がって枕の下を探していたが、自然と李玄の寝顔に近づいていた。すると猶憐は歓迎会の夜に渡気(トキ)の術で李玄と口づけしたことを思い出し、ふと我に返る。…令牌を取りに来たのに、私ったらどうかしてる…つづく|ω・`)これは…シューカイ迷じゃないと…
2021.05.19
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第6話封印を解かれた上古麒麟(キリン)はその夜、百花楼(ヒャッカロウ)に忍び込んだ。部屋には静児(セイジ)という妓女が思い詰めた様子で鏡を見ている。麒麟は妓楼に売られたうら若い娘に同情しながら近づくと…。一方、李玄(リゲン)と封常青(ホウジョウセイ)はなかなか眠れずにいた。今日の乾淵閣(ケンエンカク)での一件、駆けつけるのがあと一歩、遅ければ蘇猶憐(ソユウレン)の命はなかっただろう。李玄は何か裏がありそうだと疑ったが、その時、回廊を歩く怪しい影を見た。曲者の正体は蕭鳳鳴(ショウホウメイ)だった。先に追いついた常青は鳳鳴を引き留めようとしたが、突然、鳳鳴が攻撃してくる。思いがけず手合わせになった常青と鳳鳴、その様子に李玄は我が目を疑った。「あいつが武術を使った…嘘だろう?!」すると鳳鳴は常青に机を投げつけ、その隙に逃げて行ってしまう。鳳鳴は颯爽と空中を飛んでいたが、ふと我に返って急降下した。その頃、沙国王女・雲杉(ウンサン)は優雅に沐浴していた。しかし突然、叫び声が聞こえたかと思うと、窓を突き破って鳳鳴が湯船に飛び込んで来る。雲杉は鳳鳴に湯を浴びせかけ、その間に素早く湯船を飛び出して衣をまとった。(; ̄▽ ̄).oO(完了…(# ̄꒳ ̄)<蕭鳳鳴、出て来なさい恐る恐る王女の元へ向かった鳳鳴、すると雲杉はいきなり回し蹴りをお見舞いした。李玄と常青は鳳鳴を追って王女の寝殿へやって来た。すると侍女に叩かれながら鳳鳴が外へ飛び出してくる。鳳鳴は夢遊病だと釈明したが、雲杉が駆けつけ、今すぐ殺すと断罪した。しかし李玄が制止し、明日の夜に本当に鳳鳴が夢遊病が調べようと仲立ちする。雲杉は鞭(ムチ)まで招喚したものの、いざとなると鳳鳴を殺せず、李玄の提案に従った。李玄は鳳鳴を中庭に連れて行った。「なぜ今まで武芸ができることを隠していた?」そこでいきなり殴りつけると、鳳鳴はまともに受けて鼻血を出してしまう。「よけろよ?…本当に何なんだ?常青とやり合っただろう?」「知らないよ!病気のせいだ!」つまり鳳鳴は遊行中のみ武芸ができるのだろうか。翌朝、座学に向かった鳳鳴はちょうど正義(セイギ)堂の前で雲杉と出くわし、思わず後退りした。雲杉は鳳鳴が本当に夢遊病らしいと知り、故意でないなら責められない。しかし念のため侍女に鳳鳴を警戒するよう命じた。その頃、謝雲石(シャウンセキ)司業(シギョウ)は閉関している紫極(シキョク)を訪ねた。「紫尊、麒麟が城内の民を次々と殺しています」「李玄がしでかしたことだ、本人に始末させよ」謝司業は今の李玄では麒麟を倒せないと心配したが、紫極はそうとも限らないという。李玄は天に選ばれた護国師、人族を守ることが李玄の責任であり宿命なのだ。予言の時が至れば民を救えるのは李玄のみ、紫極は麒麟退治が良い経験になると期待した。座学の授業になぜか謝司業がやって来た。実は昨夜、乾淵閣から解き放たれた麒麟が多くの遊女を殺し、城内の民が恐れおののいているという。何でもこの騒ぎを知った皇帝が激怒、3日以内に麒麟を捕らえるよう摩雲(マウン)書院に命じていた。しかし数千年も妖術を磨いた上古麒麟に敵うはずもなく、生徒たちは及び腰になる。そこで謝司業は半ば強引に護国師である李玄に一任し、早々に引き上げて行った。困惑する李玄だったが、責任を感じた猶憐が早速、麒麟退治に同行すると言ってくれる。すると正義感の強い崔嫣然(サイエンゼン)や鳳鳴、雲杉たちも名乗りを上げた。その夜、李玄は猶憐に男装をさせ、百花楼へ聞き込みにやって来た。顔馴染みの女将に当日の話を聞いてみると、元気だった娘が突如として白骨化していたという。犠牲者に共通している点は美女ということ以外、何も思い当たらなかったが、その時、侍女が悲鳴をあげて飛び出して来た。「女将!またです!」遺体を確認した李玄は思わず後から入って来た猶憐の目を手で覆った。猶憐は自分なら平気だと言ったが、実際に白骨を見ると驚いて飛び出して行ってしまう。そこで常青に猶憐を任せ、李玄はひとり部屋の中を調べた。猶憐と常青が外で待っていると、李玄が戻って来た。結局、手がかりはなく、何もかも謎だらけ、それにしてもなぜ麒麟は遊女ばかりを狙うのだろうか。「美女が多いからでしょう?」「美女といえばお前だって…(はっ)」(´⊙ω⊙`)へ?@猶憐 (・Д・)お?@常青 ( ̄◇ ̄)え?@管理人うっかり口を滑らせた李玄は急に気まずくなり、慌てて書院へ帰ろうと言った。書院に戻った李玄は殺された妓女の似顔絵を並べ、共通点を探った。妓楼に目がない令誠は被害者を全員、知っていたが、確かに美人で豊満だという以外に共通する点は思いつかない。つまり麒麟は色魔なのか…。そこへ鳳鳴がやって来た。鳳鳴は武芸ができないので同行は辞退すると伝えたが、長年、結界術を研究した経験から、″乾坤六合(ケンコンリクゴウ)陣″でなら麒麟を封印できると助言する。「…蕭公子?俺たちに一晩で習得しろというのか?」「あ…言われてみればそうですね」鳳鳴は結局、陣を敷くため同行することになったが、どうやって麒麟を誘き出すつもりだろうか。すると李玄がニヤリとした。「俺に考えがある」李玄の計画とは男子たちが女装して麒麟が好む豊満な祇女に成りすますことだった。猶憐たちは鳳鳴、令誠、常青の女装姿に失笑、しかし陣を敷くにはあと2人足りない。そこへ偶然、龍嶶児(リュウビジ)と鄭百年(テイハクネン)が通りかかった。「命懸けの戦いを前に、こんなところで何を遊んでいるのだ?」「2人ともいい時に来たな?(ニヤリ」李玄は意味ありげに笑った。謝司業は李玄が策を思いついたと聞いた。しかし玄冥(ゲンメイ)常傅(ジョウフ)もどんな策までかは分からないという。「お手並み拝見といこう、もし李玄が退治できれば紫尊の人選が正しいことになる」そこへ沙国王子が到着したと知らせが来た。すると雲杉の兄・御風穆(ギョフウボク)が現れ、2人に挨拶する。実は風穆こそ、あの日、猶憐が落ちた馬車に乗っていた公子だった。いよいよ麒麟の捕獲作戦の夜、鳳鳴は妓楼の露台の周りを囲むように6つの陣を置いた。一方、猶憐ら有志たちはそれぞれ物陰に隠れて待機する。その頃、女装した嶶児は川に映った自分の姿をまじまじと見つめていた。李玄は自分に見ほれる嶶児に気づき、やけに女装がさまになっているといぶかしむ。「男と知らなかったら勘違いしそうだ」「…お前もサマになってるぞ?」すると鳳鳴が準備できたと声をかけた。李玄たち6人は祇女に成りすまし、川沿いの露台で舞を披露した。猶憐たちは6人の踊りを見て笑をこらえきれなかったが、雲杉は気がつくと鳳鳴を目で追ってしまう自分に気づく。その時、ついに麒麟が現れた。李玄は麒麟が陣に入るギリギリまで引きつけ、6人が一斉に飛び上がって結界を敷く。するとあっさり麒麟を封印することに成功し、猶憐ら有志たちも露台に出て来た。しかし安心したのも束の間、麒麟は激しい霊気を発して封印を破ってしまう。李玄たちは麒麟に挑んだが、手も足もでなかった。令誠はひとまず逃げようと提案したが、李玄は自分の行いの責任は取ると退かない。すると麒麟がこれみよがしに同級生を無惨にも川に突き落とした。李玄はこれに激怒、再び麒麟に襲いかかるも、吹き飛ばされてしまう。麒麟は次々と生徒たちを投げ飛ばしていった。雲杉は鞭で麒麟を縛り上げたが、あっという間に解かれてしまう。絶体絶命の雲杉、その時、鳳鳴が現れ、雲杉をかばって麒麟の掌(ショウ)をまともに胸に受けた。2人はそのまま投げ飛ばされ、もはや逃げ場がない。すると風穆が駆けつけ麒麟を阻止した。「(はっ)哥っ!」( ๑≧ꇴ≦)ぐぁ!←言いたいだけw「早く逃げろ!」風穆は麒麟を放り投げ、妹を守った。屋根に登り格闘する風穆と麒麟、すると凄まじい麒麟の霊力で風穆も吹き飛ばされてしまう。しかし風穆は別の屋根に着地し、かろうじて麒麟の顔に傷をつけていた。この傷に気づいた麒麟は呆然、怒りから両目がみるみる真っ赤になり、ついに巨大な神獣・麒麟が姿を現す。すると李玄が雄叫びをあげる麒麟にひるむことなく、屋根に飛び乗った。その姿を見ていた猶憐もすぐ後を追う。そして有志たちも次々に追従、仲間たちが屋根に並んだ。つづく( ๑≧ꇴ≦)おうじーっ!
2021.05.17
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第5話その夜、蘇猶憐(ソユウレン)は擎天(ケイテン)城の東にある山に登り、止血に効果がある薬草を手に入れた。しかし毒蛇に襲われ、うっかり手を離して落下してしまう。そこへ偶然にも山道を行く馬車が通りかかり、猶憐は馬車の屋根を突き破って着地した。猶憐は馬車に乗っていた見目麗しい公子の膝の上に落ちた。…なんて美しい公子なの…すると護衛が慌てて馬車の中を確認する。「公子?!」「大丈夫だ」護衛は公子が女子を抱きかかえる姿に困惑し、気まずそうに帳を閉めた。公子に見とれていた猶憐もふと我に返り、慌てて皇子の膝から降りる。一方、公子は空から降って来た謎の娘に不思議な縁を感じていた。…彼女から特別な霊気を感じる、まさか…公子は猶憐が摩雲(マウン)書院の新入生だと知り、馬車で送って行くことにした。すると道すがら公子は仙術で壊れた馬車の屋根を修復する。やがて書院に到着、公子は次に会う時までに傷が癒えていることを祈っていると言った。「また会えるの?」「必ずね」笑顔を見せて帰って行く猶憐、まさか公子が摩雲書院に入学するとは知る由もなかった。龍嶶児(リュウビジ)は精鋭たちを全滅させたのが猶憐だと分かり、驚きを隠せなかった。護衛・鄭百年(テイハクネン)の話では回収した死体に見たことのない傷があったという。そこで嶶児は猶憐の腕前を探るため、百年にある作戦を授けた。紫極(シキョク)は刺客の捜索で書院をしらみつぶしに調べたが何も出てこなかった。しかし明らかにあれは昆吾(コンゴ)族の仕業、そこでさらに詳しく調べるよう命じ、明日から閉関して沈月(シンゲツ)の陣を強化するという。一方、李玄(リゲン)は猶憐の額の傷を心配して眠れずにいた。それにしてもあの傷は一体いつできたのか。そこで李玄は見舞いに行くことにしたが、護衛・封常青(ホウジョウセイ)に結局、猶憐に会いたいだけだと見透かされてしまう。その頃、猶憐は薬草のおかげで無事に止血していた。李玄は窓枠にこっそり薬瓶を置いて帰ろうとしたが、偶然、猶憐が窓を開ける。うっかり猶憐の手を握ってしまう李玄、すると急に恥ずかしくなったのか、傷薬だと教えて逃げるように帰ってしまう。そんな李玄の慌てた様子を見ながら、猶憐は思わず失笑した。剣霊は李玄の薬など捨てろと叱った。猶憐は李玄が悪い人とは思えなかったが、師匠は前任の護国師が龍皇(リュウコウ)を封印した張本人だと憤る。その頃、猶憐を助けた公子は客桟に到着していた。「″殿下″?ご機嫌ですね?さては書院への入学が楽しみになったので?」「そうだ、会うべき人が増えたからね」翌日、李玄は相変わらず座学で寝てばかりだった。実技では生徒たちが各々、武器に霊力を注入し、攻撃力を強化する訓練に入る。辺令誠(ヘンレイセイ)はのんびり木陰で休んでいる李玄のもとへ駆けつけ、どの武器が良いか相談した。「でお前の武器は?」「常青だ」すると常青はついに凄まじい炎を発する長槍を生み出した。崔翩然(サイヘンゼン)は天啓(テンケイ)国の踊り手に選ばれ、昼休みも自慢げに食堂で訓練に励んでいた。すると近くの席で昼食を取っていた百年が翩然に聞こえるようにわざと猶憐の話を始める。「聞いたか?陛下が蘇猶憐のことを知って、朝政の場で絶賛したらしい」「平凡な娘だと思ったが、大活躍だな」「すごいよな~」「何でも護国師も一目置いているとか…」「あ、この前、2人でいるのを見たぞ!」「あんな才色兼備に惚れない男はいないな」李玄を慕っている翩然は機嫌が悪くなり、そこで練習を切り上げることにした。しかしちょうどそこへ生徒が山のような書物を抱えて現れ、翩然とぶつかって本を落としてまう。「気をつけてよ!」「そっちがぶつかって来たんだろう?!」生徒は書物を拾い始めたが、その時、翩然は″摩雲禁地録″という書物を見つけた。思わず拾って開いてみると、″書院の禁地・乾淵閣(ケンエンカク)″と書いてある。生徒は禁書を読むなと怒って取り返すと、百年に目くばせした。猶憐は額の傷がきれいに治り、包帯を外した。すると李玄からの文が届く。…乾淵閣で会おう…猶憐はまた李玄が何か企んでいると疑ったが、とにかく出かけてみることにした。崔嫣然(サイエンゼン)はちょうど居所を出た猶憐と出くわした。「傷の具合はどう?」「もう心配いらないわ」すると猶憐は李玄から乾淵閣に呼び出されたと言って別れた。乾淵閣は寂れた宮殿だった。中に入ってみると凄まじい妖気を感じる。「変な場所ね…」そんなこととは知らず、李玄は令誠、常青と食堂にいた。常青がばらしたせいで令誠にまで李玄が猶憐に気があると知られてしまう。すると昼食に来た嫣然が李玄に気づいた。「李玄、なぜ食堂に?…おかしいな~あなたに呼ばれて猶憐は乾淵閣に向かったわよ?」「乾淵閣?…まずい!」猶憐が殿内に入ると、いつの間にが忍び寄って来た蔦(ツタ)に拘束された。すると見知らぬ男が現れる。男は碁ができるかと確認、打てないなら用はないと蔦で首を絞め始めた。「この蔦の霊力は強大だ、逃げられた者はいない、やがてお前は生気を吸われ、ただの白骨と化す!」「まっ待って!出来るわ」猶憐は仕方なく嘘をついたが、空中に出て来たのは見たこともない難解な棋局だった。…もういいや、碁で負けても殺されるよりはましよ…そこで猶憐は適当に石を打ってみたものの失敗、碁石がバラバラと落ちて来てしまう。嶶児と百年は乾淵閣の様子をうかがっていた。実はここには上古麒麟(キリン)が封印されている。嶶児はここに猶憐を誘き出し、一体どんな方法で戦うのか見たかったのだ。すると思いがけず李玄と常青が駆けつけた。猶憐は碁を解けず、男の怒りを買った。再び蔓で首を絞められてしまう猶憐、その時、李玄と常青が飛び込んで来る。李玄は常青が男に応戦している隙に猶憐の救出に向かったが、猶憐は碁を打たないと逃げられないと教えた。すると常青も蔓に捕まってしまう。「わはっははは~!邪魔をするとその女が白骨と化すぞ!」猶憐も常青も徐々に首に蔓が食い込み、顔が赤くなって来た。焦った李玄は碁なら打てると訴え、猶憐を解放するよう要求する。そこで男は次の一手が正しければ逃がしてやると言ったが、間違えれば命はないと迫った。男は再び碁石を空中に並べた。李玄はどこかで見た棋局だと気づき、苛立つ男をなだめながら記憶をたぐり寄せる。確かあれは紫極に罰として涼亭に閉じ込められた時だった…『こんな棋局は無理だ!早くここから出してくれ!』しかし紫極は正しい一手を打てば出られると笑って行ってしまう…李玄はあの時の一手を思い出し、ついに碁の陣を解いた。「うわ〜っはははは!感謝するよ、封印を解いてくれて!私はついに自由を手に入れた!」男は喜び勇んで天井から飛び出すと、李玄は咄嗟に猶憐を抱きしめ、崩れ落ちる屋根から守った。常青と李玄は慌てて外へ飛び出したが、すでに麒麟の姿は見えなくなっていた。「完了完了完了(オワタオワタオワタ)…」「あの人は誰なの?」「麒麟だ、棋局で封印されていたのに、俺たちが逃がした」すると猶憐は黒幕に気づいて走り出した。物陰に隠れていた嶶児と百年は李玄が紫尊の陣を破ったことに驚いた。やはり李玄はただ者ではないらしい。果たして李玄は自分たちの新たな敵になるのか、それとも…。猶憐は修練場で踊りを練習していた翩然を捕まえた。「よくも騙したわね!」「ただのいたずらよ!」そこへ李玄たちが追いつき、自分たちも死ぬところだったと憤慨する。すると早速、謝雲石(シャウンセキ)司業(シギョウ)が現れた。麒麟を逃した李玄と猶憐はひとまず謹慎処分になったが、国の代表で踊る翩然だけは1ヶ月間の掃除を命じられる。しかし正式な処罰は紫極の閉関が明けてから決まることになった。その頃、麒麟は百花楼(ヒャッカロウ)に忍び込んでいた。部屋には静児(セイジ)という妓女が思い詰めた様子で鏡を見ている。つづく王子キター‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››ーッ!でも最初の映り方が心なしかオジ…(´゚艸゚)ゲフンゲフン
2021.05.15
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第4話蘇猶憐(ソユウレン)は歴史の授業で人族が非道な昆吾(コンゴ)族を倒したと教えられた。現場を目撃した猶憐は激しい憤りを覚えながら、鳳尾(ホウビ)谷での昆吾族と人族の戦いを思い出す…あの時、姉・九霊児(キュウレイジ)は命を懸けて龍皇(リュウコウ)を氷のまゆで封印したすると姉は消散し、最後の力で猶憐と龍皇の宝剣を安全な場所へ送る猶憐が目を覚ますと、宝剣と共に洞窟の中にいたすると宝剣の剣霊が姿を現し、氷の封印は一時的なもの、聖女の猶憐なら聖石で封印を解くことができると教える猶憐は聖石を体内に宿した昆吾族最後の聖女だった実は猶憐が持っていた緑の石は初代聖女の瞳で、絶大な力を秘めているという猶憐は剣霊の弟子となったそこで剣霊は猶憐を極寒の山に連れて行く実は昆吾族はそこで人族の捕虜となり、危険で過酷な労働を強いられていた猶憐は幼いながらも人族への恨みを募らせ、その小さな肩に重責を担う覚悟を決める…玄冥(ゲンメイ)常傅(ジョウフ)は予言から国を守るためにも勉学に励むよう鼓舞した。「昆吾族を根絶やしにするのだ!」すると居眠りしていた李玄(リゲン)が急にうるさいと暴言を吐き、昆吾族にムキになり過ぎだと呆れる。驚いた玄冥はかつては昆吾族が人族を圧政の下に統治していたが、紫尊が魔法陣を張って龍皇を封印したおかげで今の生活があると諭した。「ふん、昆吾族がどれほど非道か知らないが、人族が昆吾族にしてきた仕打ちなら知ってる 極寒の地に追い込み、奴隷として働かせただろう?」これに玄冥は憤怒、出ていけと怒号を響かせた。しかし李玄はありがたいとばかりに教室を去り、辺令誠(ヘンレイセイ)と封常青(ホウジョウセイ)が後を追う。猶憐は3人が出て行く様子を見ながら、なぜ李玄が昆吾族の味方をしたのか首を傾げた。歴史のあとは中庭で実技の授業が始まった。実技では謝雲石(シャウンセキ)司業(シギョウ)が霊力を使った術を教える。昆吾族は自然を操る術を生まれ持っているが、人族は鍛錬を通して同じ能力を習得する必要があった。仙術の威力は霊力の強さによって決まる。そこで生徒たちは輪になり、霊力を高める訓練を始めた。すると崔翩然(サイヘンゼン)は蕭鳳鳴(ショウホウメイ)の小さな霊力を見て失笑する。「ふっ、下手ね、書院にふさわしくない」しかし謝司業に集中するよう叱られてしまう。そんな中、李玄はひとり木陰で休んでいた。李玄は謝司業に見咎められたが、急に腹が痛いふりをしてごまかす。こうして初日の授業が終わった。生徒たちが寮へ戻る中、猶憐のもとへ皇太子の使いがやって来た。何でもお茶の誘いだという。嫣然(エンゼン)は皇太子に誘われるとはすごいと驚いたが、面白くない翩然は妹を引き離した。「男をたぶらかす女に近づいてはだめよ!」すると回廊で様子をうかがっていた龍嶶児(リュウビジ)が何やら鄭百年(テイハクネン)に指示した。皇太子は蓮(レン)湖の楼閣で猶憐を待っていた。実は来月、要人が集まる宴で各国の踊りが披露されるが、天啓(テンケイ)国を代表して猶憐に踊って欲しいという。「最も秀でた舞を披露すれば無限の栄華を得られる、欲しいものは何でも手に入れられるぞ?」猶憐はうまく行けば令牌をもらえると思いつき、快諾した。しかし喜んだのも束の間、楼閣に突然、矢の雨が降る。衛兵は全滅、猶憐はひとり応戦して皇太子を連れて外へ逃げたが、いつの間にか舟が消えていた。皇太子は桟橋で呆然となり、李玄の仕返しだと気づく。「李玄!お前の仕業だな!本気で殺そうとするなんて!絶対に許せん!」そこへ黒衣の刺客が次々と現れた。猶憐は昆吾族の霊力でなければ対抗できないと考えた。そこで皇太子を手刀で突いて卒倒させると、空へはばたき、照雪(ショウセツ)術を放つ。猶憐は見事に刺客を一掃したが、その頃、書院で思わぬ異変が起こった。ちょうどお茶を飲もうとしていた鳳鳴は急に激しい目の痛みに襲われ、突如、目が赤くなってしまう。しかしまばたきした一瞬の出来事だったため、本人には何があったのか分からなかった。一方、紫極(シキョク)と謝司業も昆吾族の霊気を察知、そこで紫極は厳戒態勢を敷き、書院も調べるよう命じた。東宮では皇太子が李玄に怒り心頭だった。いたずらでは飽き足らず、刺客をよこすとはやり過ぎだろう。しかし李(リ)少傅は李玄なら人の手を借りるはずがないと訝しみ、そもそも皇太子を殺害しても何の得もないと説明した。「しかしあの方なら…」「分かったぞ!」刺客を送ったのは嶶児だった。しかし信じられないことにあの精鋭部隊が全滅したいう。「太子もやるな…」「殿下、今後の指示を」すると嶶児は百年に刺客の死体を隠すよう命じた。その頃、猶憐は李玄に狙われたと誤解して部屋に押し入った。すると沐浴していた李玄は咄嗟に上着を羽織り、風呂をのぞきに来たのかとからかう。驚いた猶憐だったが引っ込みがつかず、背を向けたまま、なぜ自分たちを殺そうとしたのか聞いた。確かに李玄には皇太子への復讐計画があったが、何の話か分からない。はぐらかされた猶憐は苛立ちを隠せず、剣を招喚していきなり沐浴中の李玄に襲いかかった。しかし常青が駆けつけ霊力で猶憐を吹き飛ばす。その時、湯船が割れて湯が飛び散った。猶憐は慌てて物陰に隠れたが、額が濡れて聖女の印が現れたと気づく。動揺する猶憐、すると外から昆吾族の刺客が現れたと叫ぶ声が聞こえた。李玄と常青は警告に気を取られると、その間に猶憐が窓から姿を消してしまう。何とか居所へ戻った猶憐、しかし鏡を見るとやはり聖女の印が浮かび上がっていた。刺客の捜索のためか、生徒たちは全員外に出ろと叫ぶ声が聞こえる。「今から書院を捜索する!」書院の中庭に生徒たちが集まった。翩然は猶憐がいないと気づき、怪しいと疑う。その時、額に包帯を巻いてふらふらになった猶憐が現れた。こうして全員が揃うと、謝司業は玄冥常傅に使用人を、李玄に弟子たちを調べるよう指示する。李玄は虚御鏡(キョギョキョウ)を受け取り早速、調べ始めたが、猶憐は緊張のあまり冷や汗が流れて来た。そんな猶憐をますます怪しむ翩然、そこで猶憐の順番になったところで、こっそり仙術を放って包帯をはずしてしまう。すると額から生々しい傷が現れ、生徒たちは思わず目を背けた。李玄は常青との手合わせで怪我をしたと勘違いし、責任を感じて立ちすくむ。しかし翩然に早く調べろとせつかれ、猶憐に鏡を向けた。…師父、龍皇、誰か助けて…「お待ちを!検査は必要ない!」李玄が鏡をのぞき込もうとしたまさにその時、宮廷から使いが現れた。猶憐は咄嗟に鏡に背を向けると、楊(ヨウ)公公が駆けつける。実は皇后が蘇猶憐に薬を賜り、届けに来たのだ。楊公公の話では蘇猶憐が昨日、蓮湖で皇太子と謁見した際、潜伏していた刺客に襲われ、身を挺して皇太子を守ったという。すると安心した猶憐が卒倒、李玄が抱き抱えて居所へ送って行った。嶶児は刺客を全滅させたのが猶憐だと知り、にわかに信じられなかったが…。猶憐が目を覚ますと李玄がいた。李玄は心配して額の傷を見ようとしたが、猶憐に拒否されてしまう。「ちゃんと休めよ…あ、信じてくれなくてもいいが、俺は刺客なんて汚い手は使わない」すると李玄は帰って行った。猶憐は自ら聖女の印をえぐり取っていた。しかし昆吾族の薬草がないため、血が止まらない。そこで宝剣の陣に入り、師匠に助けを求めた。師匠の話では擎天(ケイテン)城の東にある山なら薬草がたくさん生えているという。その夜、猶憐は早速、寮を抜け出し、険しい岩山をツルを頼りに登った。すると山肌の中腹あたりでようやく止血に効果がある薬草を手に入れる。しかし運悪く毒蛇と出くわした。逃げ場がない猶憐に狙いを定める蛇、その時、蛇が猶憐めかげ飛びかかる。驚いた猶憐は思わず手を離し、そのまま落下した。そこへ偶然にも山道を行く馬車が通りかかる。つづく(´⊙ω⊙`)おおお?予想外にも鳳鳴に秘密が?!
2021.05.14
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第3話蘇猶憐(ソユウレン)は危ないところを助けてくれた護国師・李玄(リゲン)に好印象を持った。しかし結界がある聖域に入るためには李玄から令牌を奪わねばならない。そこで猶憐はわざと李玄にぶつかって汁物をこぼし、汚れた衣を拭くふりをして令牌を探った。必死に探すあまり李玄の身体をしつこく触ってしまう猶憐、すると呆れた李玄は自分が好きでもいきなり襲うなとからかう。「恥知らずね!」「どっちが?お前が触ってきたんだろ?よく聞いておけ、お前のような女は眼中にない!」「何よ!フン!」猶憐は憤慨して引き上げたが、確かに李玄は令牌を持っていないようだった。猶憐は師匠に令牌を奪えなかったと報告した。そう言えば今夜は歓迎の宴、猶憐は思わずどんな宴か楽しみだと口を滑らせ、師匠から使命を忘れるなと釘を刺されてしまう。一方、李玄は紫極(シキョク)に捕まっていた。紫極は李玄が昨夜、自分の部屋に忘れていった令牌を返し、もっと大事に扱うようたしなめる。李玄には護国師として龍皇(リュウコウ)の復活を阻止するため、この摩雲(マウン)書院で仙術を磨いて人族を守護する務めを果たして欲しい。しかし李玄は自分にそんな力はないと困惑した。「ぉぉ〜そう言えばお前は母親について調べたがっていたな?ならば師父が約束しよう もしお前が令牌をしっかり守り抜き、1年間、務めを果たしたら、どこに行こうが止めはせぬ」「本当か?!約束だからな!」謎の美少年・龍嶶児(リュウビジ)は歓迎の宴を欠席することにした。護衛の鄭百年(テイハクネン)は大切な社交の場だと説得したが、嶶児は書院に入れたのなら慌てる必要はないという。「李玄をどう思う?」「彼に護国師は務まりません」「私はそうは思わない、紫尊に重用されるならただ者ではないはずだ」歓迎の宴には全学年が集まっていた。猶憐は先輩たちが着ている書院の装束を気に入ったが、その時、蕭鳳鳴(ショウホウメイ)が沙国王女・雲杉(ウンサン)に追われて逃げ込んで来る。聞けば鳳鳴が本を読みながら歩いていたところ、王女に気づかず、うっかり手が触れてしまったというのだ。雲杉はわざとだと激怒したが、辺令誠(ヘンレイセイ)が間に入り、鳳鳴に悪気などないとかばう。「お前なんかに触るかよ」「何ですって?!」「君のその言い方は雲杉公主に失礼だ、僕が謝るよ」結局、鳳鳴は自分の非礼を詫び、令誠は馬鹿を見ることになった。歓迎の宴に皇太子が現れた。皇太子は李玄に気づき、急に無礼講だと言って衛兵たちを追い出す。「今日は親交を深めるために来た、諸君、共に楽しもう~宴の開始だ!」上級生たちが皇太子に舞を披露した。すると新弟子たちが崔翩然(サイヘンゼン)は踊りの達人だと持てはやし、1曲ほど披露して欲しいと頼む。翩然はもったいぶっていたが、李玄の目を引こうと自慢の舞を披露することにした。妖艶な翩然の舞は皇太子や弟子たちから絶賛された。鼻高々の翩然、そこで猶憐に恥をかかせようと思いつき、皇太子に猶憐も歌や踊りが得意らしいと嘘をつく。目立ちたくない猶憐は踊りが下手だと否定したが、皇太子から命じられたら断ることもできない。「おいおい~あまり怖がらせるなよ」李玄は助け船を出したが、猶憐はかえってムキになった。「怖くなんかないもん!」大方の予想を裏切り、猶憐の踊りは優雅で美しかった。会場は大いに盛り上がったが、当然、翩然は面白くない。そこでいきなり楽士の太鼓のばちを奪い、凌雲(リョウウン)曲で踊ってみろと言い出した。激しいリズムと難解な緩急、しかし猶憐は見事に踊りこなしてみせる。さすがの李玄も目を見張ったが、なぜかふいに何とも言えない懐かしさが込み上げて来た。…この踊り、どこかで見たことが、この記憶は夢か?幻なのか?…翩然は何とか猶憐に失敗させようとムキになって太鼓を叩いているうち、ばちが折れた。そこでようやく曲が止まり、猶憐は喝采の中、舞台を降りる。翩然が逃げるように会場を出て行くと、翩然と犬猿の仲の雲杉が猶憐を労った。「崔翩然もこうなるなんて思わなかったでしょうね?ふふふっ!」皇太子は李玄がひとり会場を出て行く姿を見た。そこで配下を連れて待ち伏せし、李玄が厠(カワヤ)を出て来たところで袋を被せて捕まえてしまう。その姿をちょうど部屋に戻ろうとしていた猶憐が見ていた。皇太子は裏山に埋められた仕返しに李玄を裏庭に埋め始めた。しかしこんな時に限って護衛の封常青(ホウジョウセイ)がいない。何とか逃げ出したい李玄は第二皇子が擎天(ケイテン)城に戻って来たことを思い出し、自分を殺して皇帝から罪に問われたら第二皇子に口実を与えることになると脅す。「お前は皇帝になりたいんだろう?少しでもヘマしたら終わりだぞ?」皇太子は李玄の言い分にも一理あると気づき、第二皇子が自分の動きを監視している可能性もあると考えた。するとそこへ猶憐が現れる。「太子殿下、宴が散会しましたので、夜は結界で出入りができません」皇太子はちょうど引き上げる良い理由ができた。李玄は思いがけず猶憐に助けられ安堵した。しかし猶憐は救出するどころか、さらに土をかけて李玄を肩まで埋めてしまう。実は猶憐の目的は護国師の令牌だった。「出してあげてもいいけど、令牌をちょうだい」「令牌が欲しいならそう言えばいいだろう?そのために俺を殺すのか?」呆れた李玄は動けないので令牌を取り出せないと訴え、先に出してくれという。「騙されないわよ!ならここで死ぬのを待って、それから掘り出して奪うからいいわ」すると李玄は大事な令牌を持ち歩くと思うかと大笑い、隠し場所は自分しか知らないという。「令牌は…俺が…息ができな…い…」李玄はそこで気を失ってしまう。猶憐は慌てて李玄を助け出した。しかしどうやら本当に息をしていない。…どうしよう?今、死なれたら令牌を奪えない…そうだ!師匠が言っていた、渡気(トキ)の術を使えば救えるって猶憐は仕方なく李玄の口に息を吹き込むと、李玄が目を覚ました。「何をしている?俺に口づけするとは…」「わっ私はあなたを助けただけよ!」「いいんだ…俺が悪いんだ…この美しい姿を見れば魔が差すのも分かる」「この変態!」驚いた猶憐は恥ずかしくて逃げて行った。「あ…令牌…また騙された」翌朝、正義(セイギ)堂で座学が始まった。猶憐が講堂に入ると、雲杉が早速、鳳鳴に5丈離れる約束だと迫り、机を移動させている。一方、後ろの席では嶶児と百年が李玄の姿を探していた。そこへ李玄が令誠、常青と一緒に窓から入って来る。「少爺、本気で太子を消そうと?」「太子の代わりなんていくらでもいるさ~」すると李玄に気づいた猶憐が昨夜、助けた代わりに令牌をよこせと迫った。2人の間に何があったのか興味津々の令誠と常青。「こいつ俺のことを襲おうと…」「ちょっと!…最低!」猶憐は憤慨して席に戻ると、李玄たちは猶憐の後ろの席を陣取りった。玄冥(ゲンメイ)常傅(ジョウフ)の歴史の講義が始まった。しかし昆吾族を悪者にした解釈を聞き、猶憐はひとり悶々とする。…時は天啓元年、人族と昆吾族は鳳尾(ホウビ)谷で激しい戦いを繰り広げた…当時、非道な龍皇が率いる昆吾族は人族を迫害し、人族は苦しい生活を強いられる…人族は昆吾族を倒すべく一丸となって戦ったが、…龍皇・石星御(セキセイギョ)の霊力は強く、互角の戦いとなった…そこで紫尊が魔法陣を設け、土と火と雷電をもって龍皇に打撃を与える…最後の一撃を下そうとした瞬間、昆吾族の聖女・九霊児(キュウレイジ)が氷の繭に変身し、龍皇を包んだつづく( ̄人 ̄).oO(だんだん面白くな〜る〜♪ついに催眠術に頼り出す管理人wで、第1話のあれは氷の繭だったのね…えっ?w
2021.05.13
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第2話天啓(テンケイ)国の護国師・李玄(リゲン)は都からの脱出を邪魔した蘇猶憐(ソユウレン)に仕返しするため、蜂攻撃の罰を思いついた。客桟の一室で椅子に縛り付けられた猶憐。これから一体、何が始まるのかと思えば、いきなり顔に蜂蜜を塗りたくられてしまう。すると李玄は椅子と蜂の巣が入った籠を紐でつなぎ、さらにその紐を部屋中に巡らせ、最後に椅子を傾けながら、ちょうどバランスよく立つ角度に細工した。後ろに倒れても前に足がついてもダメ、猶憐が蜂に刺されないためにはその傾きのまま保つしかない。| ̄꒳ ̄)))<健闘を祈る! ちょっと!待って!>((( ≧ꇴ≦ )))客桟を後にした李玄は親友の辺令誠(ヘンレイセイ)、護衛・封常青(ホウジョウセイ)と合流した。しかし令誠から蜂の毒で死ぬ者もいると聞いて慌てて引き返す。その時、客室ではちょうど椅子の足がついてしまった猶憐がまさに蜂に襲われようとしていた。驚いた李玄は咄嗟に自分の外衣を猶憐に被せて縄を解く。2人は窓から外へ飛び降りたが、結局、李玄は自分が蜂に刺されて笑い物になった。翌朝、猶憐は入試に参加するため、山頂にある摩雲(マウン)書院にやって来た。…ここが書院ね、龍皇(リュウコウ)、必ず救出します…すると猶憐は受付で出身地を聞かれ、困惑してしまう。その時、大街で見かけた店を思い出し、″秦記(シンキ)磁器″から名前を取って秦器城(シンキジョウ)と告げた。「どこだって?」「秦器城です」猶憐は適当に言ったが、無事に身分牌を受け取った。院内にはすでにたくさんの受験生が集まっていた。すると因縁の沙(サ)国王女・雲杉(ウンサン)と崔翩然(サイヘンゼン)が早速、言い争っている。しかし傲慢な姉とは正反対で争いが苦手な崔嫣然(サイエンゼン)が強引に姉を引っ張って王女から離れた。その時、偶然、猶憐に気づいて追いかける。「あなたも受験するのね?私は崔嫣然よ、あなたは?」「私は蘇猶憐」「昨日の件は悪く思わないで、姉の性格なの…」嫣然はそこで翩然に呼ばれ、戻って行った。猶憐は広場に出て来た紫極(シキョク)に気づいた。…龍皇を封じ、姉を死に至らしめた男だわ…当時、まだ幼かった猶憐は物陰から姉の最期の姿を見ている。紫極は自分を睨みつける娘に気づいたが、その時、司業(シギョウ)から龍嶶児(リュウビジ)が現れたと耳打ちされた。「何か思惑が?」「人族のために尽力したいと思ったのやも?」「うむ…」にわかに信じがたい紫極、その時、李玄の姿がないと気づいたが、時間になったので入試を始めることにした。今年は昆吾族の聖女が予言した10年後。魔雲書院は天啓国の最高学府として昆吾族を討つためにも、今回の試験で精鋭を選び抜くという。受験生は1対1で手合わせを行い、勝者が次の腕比べへ、最終的に勝ち残った20名が魔雲書院の新弟子に決まる。さらに及第した20名は1度だけ護国師と対戦が認められ、もし勝利すれば護国師の令牌(レイハイ)を貰える特典があった。この令牌があれば書院内ならどこでも出入り自由となり、聖域に入ることや秘術を習うことも可能だという。…令牌があれば聖域にいる龍皇を解き放てるのね…猶憐は何としてでも勝ち残り、護国師と対戦しようと闘志を燃やした。腕比べは熱戦が繰り広げられた。その頃、李玄は書院に行かないと言い張って屋敷で寝ていたが、激怒した父がそのまま李玄を布団で包み、馬で引きずって行く。一方、書院では決着がつき、20名が勝ち残った。令誠と常青はもちろん、猶憐、雲杉、崔姉妹、龍嶶児、また頭脳戦で勝ち残った蕭鳳鳴(ショウホウメイ)の姿もある。しかし護国師との対戦はなく、常傅は明日の歓迎の宴には皇太子も臨席すると説明した。令牌を狙っていた猶憐は不満を募らせ、思わず常傅に護国師と手合わせしたいと嘆願する。その時、父から強引に引っ張り出された李玄が現れた。猶憐は李玄に直接、対戦を申し出たが、李玄はまたあの娘だと苦々しい顔をする。「お前が俺の相手を?」「コクリ…令牌が欲しいの」そこで李玄は懐から令牌を取り出し、欲しいならあげるという。令牌には″摩雲首席″とあった。呆気に取られる猶憐、すると常傅がやんごとなき事情が発生したため護国師との対戦は中止だと叫び、令牌はそのまま李玄が持つよう命じた。新弟子たちは居所に移動した。これから毎朝、卯の刻に修練場で点呼をとり、辰の刻より正義(セイギ)堂において座学が始まる。すると常傅は部屋割りの前に希望を募った。早速、龍嶶児が人付き合いは苦手なので東端の宿舎を1人で使いたいと申し出て認められたが、女子の近くが良いという李玄は却下される。「…では蕭鳳鳴は西一房、李玄は西二房、南一房は広いため、崔姉妹と蘇猶憐の3人で使え」しかし猶憐は相部屋では正体がばれてしまうと焦り、1人がいいと訴えた。「なぜ3人じゃ嫌なんだ?ぉお~分かった!いびきや歯ぎしりがうるさいんだな?足も臭いとか」李玄に揶揄され失笑を買う猶憐、しかし猶憐はそれを逆手に取った。( ̄꒳ ̄)<そうなんです! ((((゚ロ゚ノ(゚ロ゚ノ(゚ロ゚ノ(゚ロ゚ノ(゚ロ゚ノ(゚ロ゚ノ(゚ロ゚ノ)ノ″猶憐は1人部屋を手に入れると、師匠の指示を仰いだ。令牌を取り損ねたと知った師匠は必要とあらば李玄を殺して奪えと言ったが、ひとまず聖域の入り口を探るよう命じる。そこでその夜、猶憐は早速、緑の石を頼りに入り口を探し始めた。やがて石の光に導かれ寝殿にたどり着くと、運良く部屋には誰もいない。すると飾り棚のからくりを発見、猶憐はその後ろに聖域の入口を発見した。しかし結界を破れず、やはり令牌が必要だと気づく。猶憐はひとまず飾り棚を閉じて帰ることにしたが、近づいてくる足音に気づき、慌てて箪笥の中へ隠れた。李玄は紫極が宮廷に出かけたと知り、悪計を思いついた。そこで鬼の居ぬ間に土瓶に薬を混ぜたが、その時、師匠が戻って来てしまう。李玄は慌てて箪笥に逃げ込むと、驚いたことに猶憐が隠れていた。仕方なく2人は箪笥の窓紗から紫極の様子をうかがう。すると帰宅した紫極はすぐ白湯を飲もうとした。笑いをこらえる李玄、しかし紫極はなぜか土瓶のふたがずれていることに気づき、誰か忍び込んだと勘づく。湯呑みを置いた紫極はすぐ箪笥の中が怪しいと考え、戸を開けた。李玄は咄嗟に猶憐を押しながら箪笥の隅へ移動、思いがけず2人は抱き合うように接近してしまう。もはや絶体絶命の李玄と猶憐、しかし運良く師匠の金魚が跳ねて床に飛び出した。紫極は慌てて金魚を救出すると、潔く出て来いと告げる。そこで李玄は自ら箪笥を出ると、師匠の気をそらしながら、その間に猶憐を逃した。無事に寝殿を出た猶憐、すると師匠から折檻される李玄の叫び声が山に響き渡る。猶憐は蜂の時も今回も李玄が助けてくれたことに驚き、それほど悪い人ではないと思い直した。部屋に戻った猶憐はすぐ師匠に報告した。聖域への入り口は見つかったものの結界があるため入れず、やはり令牌が必要だと伝える。しかし危ないところを李玄に助けてもらったことは言わなかった。「李玄から令牌を奪わねばならぬな…腕比べに応じぬなら他の策を講じよう」一方、李玄は常青の肩を借りて部屋へ戻った。「少爺、よりによって紫尊を怒らせるとは…一体、何度目の仕置きですか?」腰を打たれた李玄は仰向けになれず、うつぶせになって枕を抱えた。「あの丫頭(ヤートウ)さえいなければ下し薬を飲ませられたのに…チッ!」「あの丫頭(ヤートウ)?」「あ~もう何でもない」それにしてもあの蘇猶憐という娘、入学早々に紫極の屋敷に忍び込むとは何を考えているのだろうか。翌朝、李玄は令誠に昨夜の一件を話していた。すると回廊でばったり崔翩然と出くわす。翩然は差し入れを半ば強引に李玄に押し付けて引き返したが、李玄はもう飲んだと嘘をついて返すことにした。そこへ突然、飛び出してきた猶憐が激突、李玄はその衝撃で汁物を浴びて床に落としてしまう。猶憐は謝りながら李玄の汚れた服を拭いて令牌を探ったが、なかなか見つからなかった。つづく(  ̄꒳ ̄)合格者は18人しかいませんでしたけど…で、なぜか李玄も入学?龍嶶児は龍皇つながり?でも聖女を知らないのは変だよね〜
2021.05.12
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天舞纪 Dance of the Sky Empire第1話…かつて昆吾(コンゴ)族は人族と共存していた大きな翼と尖った耳を持ち、神通力を備えた昆吾族これまで人族を虐げることはなかったが、それをいい事に人族が昆吾族の領地に侵攻、ついに昆吾族の長・龍皇(リュウコウ)を捕らえたしかし激怒した龍皇が力を解放し、宝剣を招喚して敵兵を吹き飛ばす「お前たちが平和を望まぬなら、我らは一族を挙げて戦うのみ!」すると護国師(ゴコクシ)・紫極(シキョク)が卑怯にも人族に嫁いだ龍皇の妹を人質として引っ張り出した『哥っ!』『青笙(セイセイ)!』その頃、少年は姿を消した母を探して懸命に走っていた紫極は青笙の手のひらから一滴の血を抜き、龍皇めがけて放ったその血は龍皇の額に吸い込まれ全身を駆け巡ると、龍皇は絶叫して倒れてしまうその時、空から昆吾族の女が現れ、大きな翼を広げながら急降下、人族の兵士をなぎ倒した青笙はその隙に兄の元へ駆け出したが、背後から紫極の一撃を受け、絶命するその様子を母を探していた少年が見ていた『娘(ニャン)っ!』昆吾族の女は照雪(ショウセツ)術を放った紫極は雪に対抗して炎鎖を放ち、女を縛り上げる身動きが取れなくなった女は龍皇を守るため、己の翼を犠牲にしたすると女が放った羽が龍皇にまとわりつきながら氷となり、龍皇を固めて封印する『私は昆吾族19代聖女・九霊児(キュウレイジ)、命を懸けて天に宣言する! 10年後、龍皇は必ず目を覚まし、人族は滅ぶであろう!』すると翼を失った聖女は消散、龍皇の宝剣もどこかへ消えてしまう戦いは終わったしかしその時、母を殺された少年が紫極に襲いかかる紫極はあっさり少年を拘束したが、怒りに満ちた少年の目は不思議な色をしていた少年の名は李玄(リゲン)、李玄は宮廷に連行され、磐龍鎖(ハンリュウサ)で拘束された官吏である父・李淑徳(リシュクトク)は妻を殺した紫尊を恨むどころか、実は息子が生まれた時から覚悟していたと明かし、命乞いするすると紫極は李玄を助ける代わりに自分の弟子にすると決めた猛反発する李玄、しかし有無を言わさず母の記憶を封じ込められてしまう…それから10年が経った。李玄は母の記憶を失ったはずだったが、近頃、なぜか血まみれになった母の夢を見るようになる。今日は立太子の儀、文武百官が宮中に集まっていた。東宮は厳重な警備体制が敷かれていたが、大皇子は悪賢い李玄を衛兵だけで防ぐことは無理だと分かっている。実は大皇子にはある妙策があった。その頃、李玄は東宮へ向かう侍女たちの話を小耳に挟んでいた。「大皇子はなぜ侍女の衣をご所望に?」「大きな衣は少ないのにねえ~」東宮から儀式へ向かう駕籠(カゴ)が一斉に出発した。一方、大皇子は侍女になりすまし、人通りのない宮道をかっ歩している。「こんな手を使うとは李玄も思うまい」大皇子は侍女が差し出すぶどうを頬張りながら、李玄が悔しがって泣いている姿が見られないのが残念だと笑った。「李玄ならすぐおそばにおります」実はぶどうを持ってついて来たのは李玄だった。儀式の時間になったが、主役の大皇子がいつまで待っても現れなかった。苛立ちを隠せない天啓(テンケイ)帝、そこへ急報が届く。「大皇子が失踪しました!衛兵の話では恐らく…李玄大人(ダーレン)かと…」師匠の紫極は面目丸潰れ、焦った父の李淑徳はすぐ捕まえると進言した。その頃、昆吾族の蘇猶憐(ソユウレン)は師匠と一緒に山から擎天城(ケイテンジョウ)を眺めていた。龍皇が擎天城にある摩雲(マウン)書院にじ込められて10年、昆吾族で唯一の聖女である猶憐は一族の存亡をかけ、龍皇を救出しなくてはならない。「師父、ご安心を、猶憐がご期待に応えてみせます!」師匠は剣に姿を変えて猶憐に同行するが、書院は紫極が結界を張っているため手助けすることができないと警告しておいた。すると師匠は猶憐が昆吾族の聖女だとばれないよう、耳の形や瞳の色、額にある聖女の印を消す。ただし額の印は水に触れると出現するため、注意が必要だった。「では参るとしよう」擎天城は厳しい検問のせいで和安(ワアン)門に長い行列ができた。すると順番を待っていた猶憐がふと″お尋ね者″の張り紙に目を留める。「この人は誰?」「この人は李玄と言ってな、紫極の弟子であり、天啓国の護国師さ」親切にも後ろの男が教えてくれた。何でもその護国師は昆吾族の龍皇と張り合えるほど強いとか。「張り合えるわけないわ…(ボソッ」李玄は皇太子を裏山に拘束した。あとは顔に白粉を塗りたくって死体に成り済まし、親友・辺令誠(ヘンレイセイ)が荷車を押してくれる。実は李玄は皆が皇太子を探しているうちに城外へ脱出する計画だった。猶憐は検閲のため荷物と剣を置いた。しかし昆吾族の本来の姿を映し出す虚御鏡(キョギョキョウ)があることに気づく。引き返そうにも師匠から明日の試験に間に合わないと言われ、足がすくむ猶憐。衛兵は娘を怪しみ、早く鏡の前に立てと迫った。「分かりました(まずいわ、どうしよう…)」「どいた!どいた〜!伝染病の死者だ!」そこへ偶然にも令誠が押す荷車が通りかかった。衛兵は念のため荷車を止めた。猶憐は衛兵の感心が荷車に移った隙にどさくさに紛れて入城しようと試みたが、衛兵に見咎められてしまう。もはや絶体絶命、その時、猶憐は荷車の遺体の手が動いているのを目撃した。「官爺(グァンイエ)?この人、変です!」難癖をつけられた令誠は信じられないなら見てみろと高をくくった。相手は伝染病で亡くなった遺体、当然、誰も手を出すはずがない。すると娘がいきなり荷車に近づき、躊躇せず筵(ムシロ)をめくった。(」゚ロ゚)ノ<おまわりさ~ん!この人です!遺体を見た猶憐はお尋ね者の李玄だと気づき、張り紙を外して遺体の上に乗せた。思いがけず正体を暴かれた李玄は潔く起き上がり、娘の顔を恨めしそうに睨みつける。しかし今は追及している時間がなかった。「グズグズするな!」令誠は一気に荷車を押して強行突破、衛兵たちが一斉に追いかけた。そのおかげで猶憐はさっさと荷物を引き取り、ちゃっかり城内へ入ってしまう。李玄の荷車はまさに城門から出ようとしていた。…今回は捕まらないぞ…その時、門衛がいきなり車輪に槍を突き刺し荷車が急停車、すると李玄は上手い具合に荷台から放り出される。「うわあああぁぁぁぁ…あぁ?!脱出成功だ!」あとは着地するだけの李玄、しかし突然、紫極の放った術に捕まってしまう。「これで何度目だ?」「臭老頭めっ!辺令誠っ!助けてくれ!」その頃、辺令誠は野次馬に紛れてやり過ごそうとしていた。しかしちょうど引き上げようとしていた紫尊にあっさり見つかってしまう。一方、李玄の護衛・封常青(ホウジョウセイ)は裏山で肩まで土に埋まった皇太子を見張っていた。しかし衛兵たちの声が聞こえ、咄嗟に姿を消す。憤慨した皇太子は駆けつけた衛兵に封常青を捕らえろと命じたが、そのまま置き去りにされてしまう。「おいっ!なぜ1人にするんだ!おーい!」李淑徳は息子に杖罰を与えた。「(ダシッ!ダシッ!)殿下を捕らえ、立太子の儀を遅らせた上、紫尊に暴言を吐くとは!」「俺は百暁生(ハクギョウセイ)に会って娘(ニャン)の死因を聞きたいだけだ」理由を聞いた李淑徳は呆然となった。「(ん?)なんだよ驚かせるなよ~死んだのかと思ったわ」←とは言ってないwすると李淑徳は我に返り、最後の1回を思い切り叩いた。李淑徳が中庭に出ると紫尊が待っていた。「まさか消したはずの記憶が残っていたとはな…」「ほんの断片でしょう」「だがすまぬことをした…」しかし過去を蒸し返してもどうなることでもない。明日は年に1度の書院の入試、護国師は必ず立ち会わねばならなかった。すると紫極は昆吾族の予言から10年経つため、警備の強化を命じる。「聖女の予言は全て現実のものになっている、油断は禁物だ」李玄と冷誠は物置小屋に監禁された。李玄はなぜ父が母の話になると黙り込んでしまうのか分からない。すると冷誠は辛い思い出がよみがえるからだろうと言った。「玄儿?娘が亡くなったと時のことは夢に出てこないのか?」「夢の中の娘はいつも血まみれで、その理由を尋ねると消えてしまう」「でもなぜ大人たちは当時のことを口にしないんだろう…」実は令誠も何度か父に聞いてみたが、はぐらかされていた。「これでこそ友だちだろう?」「ああ、城門でも義理堅かったしな〜」「あれはそもそもあの女のせいだろう?!」「そうだった!すっかり忘れていた!あの女を懲らしめねば!」そこへ見張りを倒した封常青が現れた。都の客桟には明日の書院の入試に向けて受験生たちが集まっていた。今年の入試はこの10年で最大規模となり、皇族も受けるという。首席及第者には紫尊から秘術が伝授されるとか。すると賑わう店内に尚書の令嬢・崔翩然(サイヘンゼン)と嫣然(エンゼン)姉妹が入って来た。あいにく食堂は満席のため店主は別の店を勧めたが、男性客たちがこぞって自分たちの席を譲る。しかし唯1人、興味なさそうに背を向けて座っている男がいた。翩然はいきなりその男の前に座り、この席にするという。「でもまだ食事の途中なんですけど…」蕭鳳鳴(ショウホウメイ)は困惑したが、翩然は侍女に命じて男を無理やり立たせた。仕方なく鳳鳴はすぐ食べ終えて席を譲ると妥協案を示したところ、翩然は面倒になって銀子で方を付ける。「横暴にも程がある!」反発する鳳鳴、その時、上階から高貴な娘が降りて来た。「横暴なのは誰?」鳳鳴が美しい娘に目を奪われていると、客たちが沙国の王女だと噂するのを耳にする。「ふっ、尚書の娘ごときが威張り散らすなんて…笑止っ」すると激怒した翩然が王女に襲いかかった。翩然と王女は店から大街に飛び出し、手合わせとなった。そこへ偶然、猶憐が通りかかる。てっきり大道芸だと思った猶憐は人混みをかき分け前に出たが、ちょうど翩然が吹き飛ばされて来た。猶憐は倒れた翩然を心配して駆け寄ると、2人とも見事だったと感心する。「皮肉ってるの?!」「うぉ(我)…あ、投げ銭が欲しいのね?」「私を物乞いだと?!」「めいよー大道芸だと思って…」一方、鳳鳴は恩人の王女の元へ駆けつけた。そこで是非とも恩返しがしたいと訴えたが、王女は必要ないという。鳳鳴は真の善人だと感激、王女を称賛した。すると王女は恩返しなら1つだけ頼みがあるという。「今すぐ5丈以上離れて私に話しかけないでちょうだい」鳳鳴は仕方なく足元を確認しながら下がり始めたが、その間に王女は客桟に帰ってしまう。翩然は無礼な娘に腹を立て、猶憐が神器を盗んだと言いがかりをつけた。そこで侍女たちに命じて身体検査しようとしたが、ちょうど李玄がやって来る。すると驚いたことに城門の忌ま忌ましい娘がいた。翩然は護国師にこの娘が神器を盗んだと訴えると、李玄は自分が尻尾をつかんでやると申し出る。しかし猶憐はむしろこの男が相手なら造作ないと余裕だった。「私は盗んでいないわ」「常青!思い出させてやれ!」李玄は猶憐を客桟の一室に閉じ込め、椅子に縛りつけた。「私は盗んでいない!…こっちに来ないで!」「頭のてっぺんから足の先まで調べ上げてやるぞ…ふふふ」つづく(^ꇴ^)大人気シューカイ君主演ドラマ実は管理人のお目当ては男主と女主CPではなくハーニー( ๑≧ꇴ≦)キターッ!そしてこれから登場予定の沙国王子です王子の登場まで続くかな?でも全28話と短いので完走できるといいなあ~
2021.05.11
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