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想像力が未来を切り拓く

想像力が未来を切り拓く

2005/06/17
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カテゴリ: ライフ デザイン




しかし、見方を少し変えると、働く意欲と能力にあふれた多くの日本人にとり、かつての高度成長期と並ぶ世界史的な奇跡をおこすチャンスが訪れようとしています。21世紀は生涯現役の時代の幕開けなのかもしれません。

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少子高齢化の話は日本の将来を暗澹たる気持ちにさせるには十分なものがあります。老齢人口(65歳以上)が2015年頃には全体の25%を越え、4人に一人が老人になる時が目前に迫ってきました。また来年をピークに今後人口そのものが減少してゆくと予想されるなど、従来の前提が大きく変わろうとしていることは誰の眼にも明らかです。
この動きは日本の経済社会に深刻な影響を及ぼす訳ですが、日頃は暗い予想ばかり聞かされているので少しウンザリしている人も多いと思います。

財政危機だ、年金破綻だと騒がれると、とりわけ中高年層の人は自分の老後を考え悩んでしまいます。少子老齢化は自ずと労働人口を減らすことから、経済の停滞・縮小や、それに伴う税収の減少を招き、ただでさえ危うい財政均衡を一層不安定なものにする可能性が大となります。また老齢人口の増加は社会保障の支出を増加させる一方、その費用の担い手である若年労働人口が減ることから、このままでは到底維持不可能な状況に追い込まれます。

なんだ、やっぱり暗い話じゃないか!と怒る人は、発想を変えることが、まず最初のステップとなります。
当欄のひとつ「人生とサムマネー」において米国のリタイアメント事情を度々取り上げてきましたが、米国に限らず65歳を老人として扱うことは実態と合わないので、新たなライフスタイルを考えるべきだと思います。



考えてみれば、働く意欲と能力のある人が何故定年で辞めなければならないのか、これも不思議とは思いませんか。
米国では定年が事実上廃止されています。日本でも60歳定年を引き上げ、引続き働ける環境作りの動き(定年延長・再雇用等―>将来的に定年廃止へ)が出てきています。

何か今までにない無理なこと、不自然なことをしていると考える必要はありません。むしろ、従来と同じ発想がそうさせていると見るべきではないでしょうか。つまり、働けるうちは働くという生涯現役の考え方です。

現在法律は60歳を下回る定年を禁じていますが、この60歳に何か特別な意味があるのでしょうか。60歳を越えて元気に働く人は多いのに、無理やり引退を迫るやり方は長寿の時代にそぐわないと見るべきではないかと思います。

高度成長期の走りである1960年当時、平均寿命は男65歳、女70歳でした。65歳以上の人口も6%弱であり、これであれば賦課方式の年金も問題にならないし、60歳定年もライフサイクルの観点で見て合理的と云えたでしょう。つまり、ほぼ死ぬ間際まで現役というのが元々の様相であった訳です。
しかし、今では平均寿命は男78歳、女84歳であり、これだけ寿命が延びたのにも拘わらず、定年を60歳に拘泥し、これを変えるのに違和感を覚えるとすればおかしいと云わざるを得ません。まして老齢人口が4人に一人まで増えようかという時、働く意欲と能力のある人を労働社会から引退に押しやるのは明らかに間違った考えと云って良いと思います。

ここで少し立ち止まって雇用者である企業の行動論理を見ておきます。
過去日本では、終身雇用・年功序列賃金が労働慣行の特長と指摘されてきました。企業への忠誠心を高め、長期の視点に立った従業員教育が行われることから、高度成長を支えた原動力とまで評価された時代もありました。しかし、いまや成果主義が幅を利かせリストラが横行し、かつての慣行は崩壊しつつあります。

これが何を意味するのでしょうか?
実は、解雇権を自由に行使できない企業にとり、定年制は唯一合法的に高コストの労働者を解雇できる方法と位置づけられます。終身雇用・年功序列の時代には、定年という名の下に、能率が低下してきた老齢の高賃金労働者に強制的に立ち去ってもらい、新たなコストの安い若く効率の良い労働力に代替する経済的意義がありました。
しかし、年功序列を継続する企業の場合は、依然定年制が重要な意味を持つでしょうが、成果主義の下に年功制を廃止し、リストラという事実上の解雇権を持つに至った現代であれば年齢を理由に職場を去らせる必要はなくなったと云えるのでないでしょうか。要は、企業への貢献に見合った賃金で雇う・雇われるを決める時代であり、年齢は選別の基準からその重要性を失うのです。平均寿命よりはるか手前にいる健康な定年年齢以上の人でも、働く意欲・能力が高ければ、ニート上がりの若者を雇うよりも企業にとっては遥かにメリットが大であると思います。


しかし、労働市場の規制緩和は雇用の流動化を通して、健康で元気に溢れ、働く能力と意思がある人々にとっては決して暗くなる必要はないと思います。60歳の後も自分の能力を評価されながら、世の中に貢献できるのを実感しながら働き続ける時代、つまり生涯現役の時代を迎える流れの中に私たちはいると思います。

深刻な年金危機という問題も、ここから解決策が見えてみます。
少子高齢化で年金問題はお先真っ暗と云われていますが、老人とはとても思えない元気でマインドの高い人に年金を与えて働く意欲を失わせる政策を真っ先に変えるべきでしょう。
高齢者の勤労収入に応じて年金の支給が停止されるというのでは、年金で引退が可能という域を超えて、引退しないと年金制度上損になるということであり、この現行制度のあり方は本格的な高齢社会に相応しいとは云えません。自由な選択により引退したい人を無理やり働かせるのは論外ですが、働きたいと思う人に対し働くと損ですよという年金支給の仕方は間違いだと思います。
寿命が短かった時代ならば60歳からの受給開始もわかりますが、寿命がこうまで延びた今日、何も高齢者の働く気力を削ぐような面は即刻変更すべきであると考えますが如何でしょう。


人口構成の変化が起きて、ピラミッド型を前提に造った制度はそのままでは存続することが難しいのですが、難しいことを破綻だと叫び、ことさら将来を不安視するよりも、高齢化社会にあわせた制度に変更することで安定した社会を築くことの方が賢明な選択であると思います。

古来、長寿は人類永遠の夢でしたが、日本はその長寿を世界トップクラスの水準で達成しました。これを齎したのは、奇跡とも云われた戦後日本の経済発展・成長であり、これはどんなに誇っても誇りすぎることはない金字塔と云われています。
長寿化の結果として高齢化が引き起こす問題は、日本社会の成功の副産物であり、これには当然前向きに取り組むべきです。これらの問題は、ピラミッド型の人口構造に合致するように作られた制度と、高齢化する人口構造とのギャップによるものであり、制度を変えることによって解決可能な問題であると識者が論じています。

先進国はもちろん世界的に高齢化が進行する時、その対応をめぐっては日本が圧倒的に有利な要素は、高齢者の勤労意欲の高さです。要は、働き者が多いということです。欧州と比較した場合は顕著にその差が大きいことを示す統計データがあります。(早期リタイアの宣伝をする米国は意外なことに、プロテスタントの影響か、勤労意欲が結構高い。)
この勤労意欲の高さを活かし、世界に先駆けていち早く高齢社会のモデルを作ることができれば、日本の後を追うように高齢化が進む諸外国にも貴重な参考となり、高度成長の奇跡に匹敵するくらいの世界史的な偉業に値すると思います。

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中高年に差し掛かり、来し方を振り返りながら、人生一回限りとつぶやきにも似たように心に念ずる人もいるのでしょう。50代にもなれば、住宅や教育の資金負担がヤマを越え、「お金のための仕事」から、そろそろ「自分のための仕事」に切り替えを考える時期に差し掛かってくると思います。

終身雇用も年功序列も崩れたいま、ひとつの会社に居続けて得られるメリットは少なくなってきました。従来の物差しが通用しなくなり、自己責任で決断しなくてはならないし、また、自分に対する不断の啓発投資を怠れば淘汰の対象になりかねない時代です。ただ、長寿の中で、お金ではなく、自分のための仕事を念頭におくのであれば、会社の下した評価と自分の価値とは別物であり、何もリストラで気に病む必要はないと思います。長い期間まじめに仕事に打ち込んできた人であれば、必ず何らかの専門性を身につけており、また自分を信頼してくれる人脈を持つに至っている筈です。それを定期的に棚卸し、時代の変化に対応するよう再構築することで必ずや明日への活力が見えてくると思います。それこそ、40代―50代の人にとり、生涯現役の時代の幕開けに相応しい生き方であると思います。

参考文献:
高齢者就業の経済学(清家篤・山田篤裕、日経)
五十歳からの人生設計図の描き方(河村幹夫、角川oneテーマ21)





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最終更新日  2005/06/17 09:54:09 PM
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