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2012年06月01日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
◇はじめに

 5月末になって、ようやく経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会において「2030年時点のエネルギーの組み合わせの選択肢」が示され、また2014年から家庭用の電力自由化を実施するとの方向性が見えてきた。この時期に、状況のまとめと若干の意見を述べる。
 世論の共通認識を得ている方向性または事実としては、1)「原子力に依存しない社会をつくること」、2)「自然エネルギーの割合を増やし、かつ原価低減を図ること」、3)「電力自由化により電気料金を下げること」、4)「東電は実質破綻会社であること」がある。それぞれについて確認する。


1)「2030年時点のエネルギーの組み合わせの選択肢」

 原子力の割合が5つ示された。a)0%、b)15%、c)20-25%、d)35%、e)設定しない。
 原子力事故がなかったかのような無反省な選択肢であるd)35%は、総合エネルギー調査会基本問題委員会の中でも即刻除外。参考ケースとされた。
 c)20-25%は、現状の原発割合よりも若干下げた程度のもので現状維持をはかるもので、将来に対してなにも行動を起こそうとしていない、もっとも、あいまいで思想がない選択肢。したがって、これもある意味「参考ケース」。
 b)15%は、廃炉40年の方針を適用した場合の原発の割合を示したもので、ゆるやかな脱原発を志向する選択肢。
 a)0%は、出来るだけ早く原発ゼロとする選択肢である。


 a)とb)と電気料金を比較したとしても、1箇月あたり、a)1万2500円~1万6400円、b)1万1800円~1万4100円。月2千円程度の違いで原子力がなくなるならば、選ばない理由はない。 この選択肢を選んだ時に発生する義務としては、自然エネルギーの割合を増やすことであり、さらにいえば、新たなエネルギー資源の確保である。 我々は、その分野においてすすんで負担をするべきである。原子力に対して負担をしている分をそっくりそのまま、自然エネルギー分野に資金を回せば、どれだけ技術が発展するか、答えはおのずと見えている。

 今現在、大飯原発再稼働目前と言われているが、現状全原発停止している状態である。しかし、エネルギーミックス、ベストミックスの観点上、極めてリスクが高い状態なのも事実。火力発電の割合が全エネルギーの9割の現状で、中東危機が起こり、LNGや石油が入ってこなくなった場合、それこそ日本に大きな影響を及ぼす。ただ、そうなった場合でも、リスク回避の観点で原子力を再稼働させれば、もしもの中東危機の影響は緩和されるので、そう心配することはない。長期的に原子力をなくしていくといったときに、原子力の肩代わりになるように新エネルギーの割合を増やす必要がある。「原子力100万kW1基なくしました。それに代わる大型風力(2,000kWで)500基必要」などと具体的に計画すればよいだけである。

 また日本は、エネルギー資源の自給率をあげる道も探るべきである。日本には資源がないといわれているが、広大な海洋海域を持っているわけであって、近年、資源が多く埋蔵されているとの調査結果がある。長期的な資源開発計画を立案し実行することによって、安定的なエネルギー確保を期待できる。日本には資源がないので貿易立国なのだという固定概念を捨てて、 資源開発にもっと力を入れるべきである。 平成21年3月の経産省の「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」によれば、 メタンハイドレード は、平成30年(2019)までに商業化の実現に向けた技術の整備を行い、石油・天然ガスの基礎探査は、平成30年までに実施される。


2)「自然エネルギーの割合を増やし、かつ原価低減を図ること」

 今夏8月には再エネ法が施行され、自然エネルギー普及への第一歩が踏み出される。今は大企業が、こぞってビジネスチャンスと捉え新エネルギーへの投資を始めているが、その中で市民ファンドによる風力や太陽光などへの投資も行われている。地元に密着した市民による経営により、その地域に資金が落とされ、地域活性化が実現され、かつ、継続的に事業経営が行われるという傾向があるという。ヨーロッパでは、実際に、企業が経営するよりも、市民が経営するほうが、事業の継続性が高いという統計結果もある。 今後は、市民が自然エネルギーの担い手となることにより、地域活性化につながり、事業継続性という観点からもメリットは大きい。
 そうしたときに「市民が自発的に風力発電をしましょう。太陽光発電をしましょう。ここは適地だから、誰か一緒にやりましょう」と声を上げ、ファンドを募ることが必要になってくるが、その場所が適地かどうかわからなければ、仲間を募ることもできない。したがって、そうした 風力発電適地とか太陽光発電適地がわかるマップがあれば、動きは断然取りやすくなる。
 国や県レベルでの風力適地の調査も行われてはいるが、さらに詳細なエリアごとの調査を実施するなど行い、市民の目の触れるところに情報公開することも必要なことだと考える。


3)「電力自由化により電気料金を下げること」


1998年に電力自由化したドイツでは、個人や企業がインターネットで約140社から電気を買う会社を選ぶことができる。電気料金の比較は当然のことならが、発電の種類、CO2発生量といった情報も公開されているという。 とにかく、競争原理で電気料金を下げる下地をつくらないとならない。

 電力自由化の反論として、安定供給を損なうおそれがあるとの議論をよくきく。あまりにも価格競争が激化して、設備の維持に費用をかけられなくなり、不具合が発生、停電等が多くなり安定供給が損なわれるということであるが、発送電分離をした場合、送電設備は法律で守られる側。競争のない公益的な設備になるわけで、メンテ等の費用は、託送料金の中で採算が合うように徴収される。あくまでも自由化というのは発電サイドの話であって、送電設備の不具合など心配に当たらないはずである。

 現行の電力会社には、供給責任というものがあるが、送電設備の接続責任だけ残しておいて、電力の供給責任を外すことも視野に入れてはと思うのだが、どうであろうか。


4)「東電は実質破綻会社であること」



 今年度は、事業報酬を諦めるのが、迷惑をかけた企業としての当然の姿。このような事態に引き起こし、将来の貯蓄を気にすること自体、おかしなことであり、相当な違和感がある。今後、2030年までには、原子力ゼロという政策になったとしても、直近においては、徐々に稼働する時期がくるわけで、そうなると収支も改善されてくるはず。それに2年後の自由化の際には料金制度が改訂されるわけだから、報酬についてはその時に、また議論すればいい。

 とにかく、それまでの2年間は報酬をとることに相当な違和感があるし、誰がどう考えても納得がいかない話である。事業報酬がなければ、半分ほどの電気料金の値上げ幅に縮小するのである。できるだけ、値上げ幅を少なくして迷惑 をかけないようその権利を放棄するのが誠実な対応であり、当然の姿勢である。


◇まとめ

 以上、今後のあるべき姿は、2030年の原子力の割合はゼロを目標として、原子力にかわる代替エネルギーを育て、エネルギー・ミックスというリスク管理を欠落させず適切な電源の構成を維持していく。
 自然エネルギーについては、地域経済の活性化と継続的運営のために市民パワーによる運営を広く普及させることが肝要で、そのためには、風力や太陽光の適地の調査とその情報の公開が必要になる。そういった自然エネルギー普及を促進させるしくみや制度の早期整備が求められる。
 そして、さらに長期的な戦略として新たな海洋資源開発を実行することである。他国に左右されない自国内で調達できる資源の拡大は、国の安定的な発展には欠かせない。
 電力の自由化は、競争原理が働くように新規参入者に有利な条件を設定して拡大させるような施策が必要であり、大胆な取り組みが求められる。これによって、価格競争にさらされ電気料金も下がる。

 日本は底力のある国である。明確な目標を掲げ、計画をたてれば、それに向かって邁進し必ずや実現できる。2030年までに約20年ある。10年あれば、数多くできることがある。10年1クールとしても、2クールもある。我々は多くのことをなしうる。





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最終更新日  2012年06月02日 21時57分27秒
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