すい工房 -ブログー

すい工房 -ブログー

2005年04月10日
XML
カテゴリ: 氷雨


 石灰石の大粒の砂利を敷き詰めた、赴きある庭だった。

 湊子は石段を登りきると、その場に膝をついた。
 息もあがって呼吸がきついが、それより何より、膝が笑ってまともにあるけそうにない。

 そんな湊子に茜は苦笑した。

「慣れない人はみんなそうだから」

 そういって、湊子が所持した荷物を家屋に運んでく。

 やっと上りきった湊子にたいして、茜の運搬は二度目だった。
 最初の荷物を運び終わって、二個目の荷物を運んでいるところだ。

 苦も感じない、息が上がった様子もない。
 湊子が素直な賞賛を口にすると、彼女は苦笑した

「だれも初めは同じよ」

 いったい、どれほどの時を経れば、彼女のように苦になくこなせるのだろう。

 一度考えた疑問を、湊子は頭を振って払い出した。

 彼女のように、苦になく過ごせるまでこの地にとどまる。
 そんな長い期間、滞在するなど考えたくもなかった。

 正彦も塚島の人間らしく、息があがるそぶりものぞかせず、茜と共に荷物を運んでいる。
 本人は役に立っていると胸を張っているが、はたから見る分には荷物にぶら下がる小動物のように見えた。

 息苦しいなかにも、湊子にはその光景がほほえましく映っていた。

                              (続)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年04月10日 22時53分44秒 コメントを書く
[氷雨] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

カレンダー

プロフィール

高月すい

高月すい

コメント新着

高月@ Re[1]:手のひらに「うおのめ」。(09/19) >石井小太郎さん 返事、遅くなりまし…
石井小太郎@ Re:手のひらに「うおのめ」。(09/19) 1週間前に左手親指にトゲが刺さったようだ…
shera@ はじめまして クチナシの庭を拝見しました。 とても引…
佐藤YUKI @ 寮なので夜ヒマで… 寮生活なので、夜がヒマで辛いです(汗)…
梅(b^▽^)b@ 復活 熱烈歓迎 人生長い道のり…… いろいろありますよね…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2026年08月
2026年07月
2026年06月
2026年05月
2026年04月

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: