すい工房 -ブログー

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2008年09月14日
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 下校中、松井の家の前を通りかかったとき、ふと視界の隅に見えたものに、何気なく目を向けて――驚いて、立ち止まってしまった。

 いつも見かけるセントバーナードの背に、小さな女の子が乗って、すやすやと眠っていたのだから。

 それが小太郎と、ソラだった。

 小太郎は、背にいるソラを気遣ってか、歩く速度もゆっくりとしている。

 小太郎はちらりと、庭が見える玄関側にいた俺にも気付いて、眼を向けた。
 が、ただ眼をむけただけで、ゆったりとした歩みを続けている。

 それが幼いソラには、ゆりかごのような振動となっていたようだ。

 その時の俺は、魅入られたように、その様子を見つめていた。

 それから……どれくらい時間がたったろうか。

 ソラを気遣って、小太郎はゆっくりと歩いていたけれど、ソラの位置が徐々に、動いていた。

 それに気付いたのは、ソラの体が地面の方に、大きく傾いだときだった。

(落ちる――っ!!)

 そう思ったときには、体が動いていた。

 コロンと落ちそうになったところを、どうにか間にあって、受け止めていた。

 ……そのときも。
 幼子特有の小ささと柔らかさに驚いたのを、覚えている。

 親戚に、ソラと同じ年頃の子もいたけれど、遠目に見るだけで、腕に抱いたことなどなかった。

 小太郎が心配そうに、腕の中のソラに鼻先をよせきた。

 その時に「……ん……」とソラが目をこすりながら、むずがるように目を覚まして。
 それから焦る俺の腕の中で、声をあげて泣きはじめた。

 その声に、松井のおばさんが慌ててとんできた。

 そうして俺と小太郎とソラの様子に、目を点にしている。
 事情がわからないといった様相だった。






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最終更新日  2008年09月14日 07時55分43秒
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