すい工房 -ブログー

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2008年09月25日
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 ずっと前から、胸の内にあった。

 だけどこれまでは……なぜだか怖くて。
 答えを聞くのが怖くて。

 聞けずにいた。

「どうして……そんなに、特別視するの?」

 おじさんが私を気に入ってくれてるのは、わかる。
 わかるけれど、常識を逸している。

 私がおじさんに、特別になついてるわけじゃないのに。
 なのに……おじさんは、何かと私をとりたてた。

 それに。
 タカ兄と私の関係も。
 冗談交じりにだけれど、はやしたてたこともある。

 タカ兄はいつも取り合わなかったけれど……。

「私……そんなんじゃないよ。
 見てたら、わかるでしょ?
 タカ兄は……私のこと、妹のようにしか思ってないって。
 支えるとか……そんな存在じゃない。
 逆だよ。
 タカ兄が、私を助けてくれてばかりだから」

 ――妹の、ように。

 その言葉を口にするときが、一番、胸が痛かった。

 わかっていたことだけど。
 言葉にしてしまうと、改めて認識するから。

 ……つらかった。

 おじさんは、叫んだ私に気圧されたようで、戸惑った表情をのぞかせている。

「……空美ちゃん……」

「それに。
 私とタカ兄がだなんて、ありえないよ。
 私なんて、全然タカ兄の好みじゃないし」

 これまで何人か、タカ兄の彼女を見たことがある。

 紹介されたことはないけれど、二人の雰囲気から、説明されなくてもピンと来てしまった。

 タカ兄の傍らにいるのは。
 大人っぽくて、上品な人。

 実年齢より、年下に見られてしまうことの多い私とは、正反対のタイプばかり。

 おじさんがどうして「私とタカ兄を」って、考えるか、わからないけれど。
 おじさんがそう望んだとしても、本人にそのつもりがなければ、意味のない話だ。

 そして。

 おじさんの考えが現実になることはないと。

 ……私自身が、一番よく、わかっている。

 自嘲気味に、うつむいて告げた私を、おじさんはしばらく、黙って見ていた。

 ……沈黙が、痛い。

 だけど、私から話を切り出すこともできなくて、うつむき続けていた。

 しばらくしておじさんが「……空美ちゃん」と、おそるおそる、声をかけてきた。

「……孝一の、ことを――」

 おじさんの言葉に――体が、強張った。

 気付かれたかもと、思ったけれど。
 実際、言い当てられると、言いようのない恥ずかしさで、頬も体も熱を帯びた。

 赤くなった顔を見られたくなくて、私はうつむき続けた。

 否定も肯定もしない私に、おじさんは途方にくれたような息をついて。

「……すまない」

 と、か細い声で、つぶやいていた。






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最終更新日  2008年09月25日 21時21分11秒
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