Ze Maria, Seu Orgao e Seu Conjunto - Bossa & Balanco S/A
ゼ・マリアと云うブラジルのオルガンジャズプレイヤー。ブラジルのオルガニストは数在れど、ファンキーなイメージのプレイを聴かせたら此の人。どちらかと云うと洒脱に柔かく纏めるエヂリンコルンやワルターワンダレイなども素晴らしいプレイヤーだが、ゼ・マリアは突っ伏したカッティングがドス黒い硬質な印象です。然し乍ら此のお方、ディスコ的な内容がいまいち良く分からない、ナゾ度が高いお人。ジョルジベンの育ての親、と云う記述があり、初期の作品ではベンの"Mas Que Nada"などもカヴァーしている。。本人は1957年頃にデビューを飾り、その後コンスタントに作品を発表、1973年までの活動とのことです。こちらの作品はブリザブラジレイラで紹介された、彼の唯一のアルバム。
オルガンプレイヤーは大好きなので特にブラジルものは何でも聴くようにしていますが、ゼ・マリアのプレイは非常に独特の味があります。弾けるオルガンのリフが、兎に角ファンク。ボッサ、バランソと云う割には全く和めない、たぎるファンクネスが楽しいのです。(バランソ、とはswingの意。ブランコの語源だそうです。)1の"Satanas"とは悪魔のことですが、冒頭やアウトロで聴かれるお茶目な悪魔のほくそ笑みも聴けるおバカラウンジ。肉体的なオルガンがイメージを彷彿とさせます。(試聴あります。)6の"Tudo Balanca"では一瞬での鮮やかな転調が美しく、リズムも変化自在のアルバムハイライト。ヴォーカルも油が乗り切り、最高の内容。(ヴォーカルは本人なのでしょうか??コーラスにジョルジベンが参加していてもおかしくはない。)しかしこれほどBPM高めで全編熱く、バランソと銘打つアルバムはない。どちらかと云うとハードバップの危うさを感じ取れる、なかなか新鮮味溢れる聴きごたえです。9の"Diz Que Fui Por Ai"はアッパーな黒光りグルーヴを聴かせたかと思えば黄昏色の胸キュンメロディに変化する。キラキラと閃きの美しいメロディを裏で打ち捲くる10もある。単なるボサノヴァ、バランソ集に終わらない、濃い内容となっております。七光りの演奏を聴かせるZe Mariaのクレジットを見つけたら、兎に角買いです。