2019年03月31日
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カテゴリ: OPERA




2019年3月31日(日)11:30~13:00
オペラパレス ホワイエ

出演:沼尻竜典(『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』指揮)
   粟國淳(『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』演出)

歌唱予定楽曲:
『フィレンツェの悲劇』より
Ihr scherzt, mein Herr. ご冗談を、旦那
シモーネ:大沼徹



リヌッチョのアリア
Avete Torto!~ Firenze e come un albero fiorito フィレンツェは花咲ける木のごとく
リヌッチョ:宮里直樹

ラウレッタのアリア
Oh! mio babbino caro 私のお父さん
ラウレッタ:三宅理恵

二重唱
Lauretta mia ぼくのラウレッタ
リヌッチョ:宮里直樹 ラウレッタ:三宅理恵

司会:井内美香(音楽ジャーナリスト)

料金:1,500円(自由席、税込)



***

沼尻竜典さんの楽しいぶっちゃけトークに笑った。
沼尻竜典さんのトークは昨年のびわ湖音楽祭でも堪能したが
独特のひょうひょうとした毒があるのだ。
やっぱりアーティストは皆んな体内に毒を抱えている。


天才だけにいろんなものが見えすぎちゃうんですよね。

さて今回のトークイベント
歌手が発表されるのが楽しみだったのだが、
バリトン大沼徹氏にテノール宮里直樹さん!
彼らがカバーなんて!
驚きの豪華カバーキャストですね。

かたやドイツ かたやイタリアのオペラの第一人者ですものね。
贅沢きわまりない。

特に宮里直樹さんのキッラキラの歌唱がものすごかった!そこにブワーッとフィレンツェの風景が浮かんだほどだ。すごい世界観だった。これはますますカバーではない次回のご出演楽しみです。

以下はメモを元に記述。抜粋。文中敬称略。

***

司会 井内 今回ダブルビル。この二作品の組み合わせ。二作品二作品には共通点が。設定が同じ場所。(フィレンツェ)

粟國 この組み合わせを聞いて驚いた。全然フィレンツェの悲劇という作品を知らなかった。共通点はフィレンツェの街で起きる、人間の心理、人間の黒の部分を引き出す。
ダンテは1299年に神曲を書いている。フィレンツェの悲劇は1300〜1400年で時代的には近い時代。
ドナーティさんは実在した。シモーネ・ドナーティも実在した。ダンテが神曲で描いている。皆メディチ家のように商人になっていく。大きな企業の社長のような存在で、フィレンツェを支配していた。
プッチーニは「フィレンツェの悲劇」を作曲しようと思い、台本を入手していた。

井内 「フィレンツェの悲劇」は原作がオスカー・ワイルド。粟國さんは2歳半からローマで育った。フィレンツェはヨーロッパではどう見られてる?

粟國 商人の町。圧倒的なお金の力で自分の権力を増大させていった。
バルディ家はケルトから来ている。バルドは勇敢という意味。

沼尻  オペラ「フィレンツェの悲劇」の台本には、原作にはないト書きがたくさん書かれている。原作の戯曲は未完成であまりト書きが書かれていない。商人のシモーネは奥さんが浮気しているのに気づいているかどうかわからないのだが、音楽的には表現されている。どこで気づくかは演出次第。

粟國 プレッシャーですね(笑)

井内 初演は「フィレンツェの悲劇」が1917年、シュトゥットガルト、「三部作」は1918年MET。

沼尻  (私は)「フィレンツェの悲劇」もすでに舞台上演も指揮している。ツェムリンスキーについて)管弦楽法を極めている。管弦楽法はリヒャルト・シュトラウスで熟れて熟してシェーンベルクで崩壊して、1920年代にこれ以上発展しようがなくなり、無調に行く。熟しすぎる直前の腐る前が一番美味しいというやつで、ツェムリンスキーにはすでに無調が入っている。リヒャルト・ヴァーグナーも転調を繰り返して無調になるところもあるが。

井内 コルンゴルトはツェムリンスキーに師事した。

沼尻 ツェムリンスキーはきちんとした作曲家で行き当たりばったりではない。ツェムリンスキーがいなかったらジョン・ウィリアムズもいなかったことになるかも。
ツェムリンスキー作品の上演はヨーロッパでも増えている。10数年前、グチャグチャの譜面を解読しながらやった。今は楽譜制作ソフトがあるけど。「こびと」をやった時は最後だけグチャグチャの譜面だった。(笑)
楽譜はレンタル増えたら印刷するので
ツェムリンスキーのいろんな作品が世に出て来た。暗い第一次世界大戦中の世相を反映しており、題材として「こびと」も救いがない。
いじめられても「みにくいアヒルの子」は最後に白鳥になったりするけど、ただ死んじゃうんですよ。
「フィレンツェの悲劇」のどんでん返しも演出の腕の見せどころです、(と粟國氏を見る)何落ちって言うんですかね?虐待 言葉によるDV受けていたのにハートマークの目でいきなり見ないといけない。
ブラームスの三番も最後いきなり長調になってホワーンとなる。あれがやだから振らないんだという同僚もいる。
どう説得力ある演出にするか難しい(と、ますます粟國氏にプレッシャーをかけるマエストロ)

粟國 (…汗)さっさと稽古に戻った方がいいかも(笑)
「ジャンニ・スキッキ」は1時間でオチがある見事な台本。主役のスキッキがしばらく出てこない。主役は人間の黒い部分、親族の関係性がどう見えるか。最初の10分間でそれぞれの個性が生きてこないとジャンニが生きてこない。(私は、)プッチーニが書いたことしかやってない。ジャンニは盗んでいない。一番価値のある3つ 邸宅と工場、騾馬 を誰が持っていくかで親族で揉めている。ジャンニは一人一人の希望を叶えている。その3つだけはジャンニの判断に任せたのだ。最後にラドロ!泥棒!と呪詛の言葉を浴びせられるが、どっちが悪なのか。ジャンニは黒いけど、もっと黒いのは親族。ブオーゾに兄弟はいない。集まったのはいとこと孫たち。プッチーニは細かく書いている。どうジャンニを主役に持っていくか。

「フィレンツェの悲劇」について。 オスカー・ワイルドの世界はデカダンス。不思議な世界。1900年 ヨーロッパは暗い時代だった。工場を建てる中、貧富の差が広がった。宗教も? 権力を持っている人たちのための社会?になっていた。
アートだけだった。
グロテスクで血がドバッと出てもアート。
なんでこういうオチなのか聞くのは野暮だ。
デカダンティズモ
「フィレンツェの悲劇」の三人のキャラクターにこの頃の暗い世相が。
妻ビアンカの不満 シモーネが女性として見てくれない。テノールの役、グイード・バルディにはビアンカの美しさが見えている。シモーネは必死に働いてきた。
守ってくれるべき権力者に裏切られた。グイードを殺して
自分のものを奪われるのは許せないんだ。
リベラルな男を殺すことによって不満から解放される。紗幕が取れて、男の強さを妻は感じる。まさしく悲劇ですよ。
(時代設定について)剣の決闘があるので、「フィレンツェの悲劇」は1600年ぐらいの時代に設定している。「ジャンニ・スキッキ」は衣装でキャラクターをわからせるために、戦後10年の1955年にしている。(メモが間違ってたらすみません。)人々がまた裕福になってエゴが出てきた頃。

井内 出演者について。

沼尻  二演目を同じ日にリハやってるので切り替えが大変。違う日にすれば良かった。
ツェムリンスキーはオーケストラ盛り盛りに書いているのでそれを越えていく声でないと。
オーケストラの音を下げれば聴こえるがそれだとオケの迫力がなくなるので、かぶるかかぶらないかのギリギリのところを狙う。全部の席の人に??ようとするのは難しい。
齋藤さんは大野(和士 新国立劇場芸術監督)さんの推薦です。大野さんは色々目配りして歌手を探している。びわ湖ホールでも海外の歌手でまだ日本で歌っていない人を連れてきたりしている。ちょっと宣伝です(笑)。(びわ湖ホール芸術監督)

「ジャンニ・スキッキ」は動き回るオペラなので動ける歌手を呼んで来ないと成立しない。(新国立劇場の)優秀な音楽スタッフが歌手を鍛えて、最後にアンサンブルで仕上げるという体制ができている。前半はドイツ語、後半イタリア語。粟國さんはイタリアに住んでたんで、ドイツ語の時は僕の方が生き生きとしてるんです(笑)。

粟國 ドイツ語は「トリスタンとイゾルデ」もやりました。僕はドイツ語を全部イタリア語に訳するんです。(言葉一言一言に即して演技させるため。)

沼尻 言葉に無頓着な演出家も多いんで。粟國さんだと歌手もやりやすい。

粟國 ボクも「ジャンニ・スキッキ」はやりやすいです。

(ここで沼尻さん 演出の肝を喋っちゃう。)

粟國 (理由説明)

(ここの説明はおー!とうならせるものだった。さすが粟國さん!
ちょっと感動した。)

粟國  「ジャンニ・スキッキ」は(僕は)もう4回めのプロダクション。

***
いよいよ沼尻さんのピアノ演奏と歌唱のパートに移る。

沼尻 ヘッドセットつけて ちょっとミュージカルっぽいですか?(と喜ぶ。)
フィレンツェの悲劇 序曲 演奏)トランペット ここはバラの騎士の冒頭と同じことが行われてるんです。リヒャルト・シュトラウスへのオマージュですw ホルンにすると同じ過ぎるからトランペット。エロチックで派手な音、調性を出す部分。(ピアノを弾く)どんどん転調するんですけど、愛のテーマも序奏に入っている。シモーネの不機嫌のテーマ(弾く) ニーベルングの指環でWotanが不機嫌な時の音を弾く(比較)。
グイード自己紹介 三拍子(弾く)三拍子の感じがWien 。ベルクのように丸出しではないが(比較して弾く)ほとんどジャパネットたかた劇場。

粟國 布を売りつけるところ 色はダブルセンス入っている。

沼尻 たかた劇場が終わった後、DVの象徴 お前は糸でも紡いでおれ 。ここが唯一アリアっぽい。
カバーの大沼徹さんに歌ってもらう。

大沼徹 (演奏。苦み走った表情で演技的に歌う。)

沼尻 愛のテーマも「ばらの騎士」かもしれない。(弾く)元サヤになっても同じテーマが流れる。
決闘のところ(弾く)

「ジャンニ・スキッキ」は始まりが大事。うっかり八兵衛が出てくるような。
ドリフターズのセット崩しでやってくださいと言うといい音が出た。(笑)
世代が違うので
ゴレンジャーのように順番に主張しましょうと言ってもポカーン
でも翌日

ブオーゾが死んで嘘泣きする親族の音楽。
遺言状を開く時の音楽
単純な音楽。これはセレモニーであることを表している。

***

宮里直樹 リヌッチョのアリアを歌う。

すばらしい!

三宅理恵 私のお父さん 歌う
表情豊かに歌う

二重唱 すばらしい!

終了
ありがとうございました。
お疲れ様でした。





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最終更新日  2019年04月02日 20時56分01秒
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