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2009年04月19日
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カテゴリ: 思う事


時代が変わり、新しい技術が出てくるとコピー機もデジタル化の時代に突入した。デジタル化されたコピー機はアナログ機の時代と違い、感光体にまで通過するレンズの数が激減し、更に画像の解像度が高まった事により、細い線まで鮮明に写し取る事が出来る様になった。今回は性能の高いシステムLSIを開発出来た所が優位となり、弱小のメーカーなどは開発競争から取り残され、そして市場からは撤退、淘汰されてしまった。代わりにそれまで有力メーカーではなかったリコーが最初にデジタル化した事により急速にシェアを伸ばし、キャノンも追従した。そしてエプソンの様なデジタルプリンターを開発したメーカーも、手軽に参入してきた。
それまで、コピー機の代名詞とまで言われたゼロックスは、今や国内シェア3位まで落ちてしまった。
デジタル化された効果は絶大で、コピー機本体の価格はかつての数百万円した時代から、数十万程度で購入できるまで安くなり、スキャナやファックスなどのコピー機と構造的に重複する機能も内蔵して、より便利にコンパクトになった。
出入り業者に尋ねた事があるが、今やコピー機本体を販売して利益を出す事は不可能であるそうだ。販売時には既に値引きにより赤字で、その後のいわゆる『カウント料』で長期的に回収するのだという。月2万円分使用してくれると年間24万円、5年で120万円の収入に変わる。本体価格よりも結果的には多くなる訳だ。
このデジタル化の流れは別にコピー機に限った事ではない。カメラメーカーも同様の状況が生まれており、フイルム時代に有力メーカーだった企業でも、今や単独で生き残っている企業は少ない。後発組が今や有力メーカーになり、シェアを大きく伸ばしている。

現在、この流れが自動車業界にも波及しつつある。まだ本格的ではないが、この数年の間に変化の波がやってくる事は確実だ。
変化の波の本体は『電気自動車』だ。日本の自動車メーカーは早くから次世代の車を開発しており、これまでに電気自動車や水素自動車(燃料電池車)、そして現在市販されているハイブリッド車などがあるが、つい最近まで次世代の主力はハイブリッド車と言われており、開発に出遅れた日産は低い評価を受けていたはずだ。しかし、電池の技術が急速に高まり、小型、大出力のものが出てくると現在の流れは『メインは電気自動車』という方向に傾きつつある。
既にアメリカではシリコンバレー生まれの市販車が販売されており、そのスペックは最高速度230キロ、フル充電時で航続距離400キロ以上と言われている。加速も停車から時速110キロまで加速するのに4秒程度と、スポーツカー並みだ。

価格面でも1000万円以上するが、電池やモーター等が量産効果で安価に供給される様になれば改善されるだろう。今年の夏には三菱自動車から市販の電気自動車が発売される。

この問題は電気自動車がエンジンを使わない事にある。現在、有力自動車メーカーとして存在できるのは、自社内でエンジンの開発技術をもっている事が前提で、このエンジンを開発、生産するには相当な開発技術力とそのエンジン部品を高精度で生産できる能力が必要となり、一朝一夕に真似できるものではなかった。
しかし電気自動車は違う。エンジンにあたるモーターは電機業界から調達する事は容易だ。電池にしても現在自社内で実用的な電池を開発しているのは日産くらいのもので、他社は電池メーカーと共同開発している。電気自動車の心臓部が外部から調達出来ると言う事は、新規参入する際も障壁は低いという事になるだろう。
アメリカの様に自動車業界とまったく違った異業種、たとえば東芝や日立の様な重工メーカーやGSユアサの様な電池メーカー、または無名の新興企業が続々と参入してくるかもしれない。
そうなれば、コピー機が辿った道を自動車業界が再び辿るという可能性もあるだろう。
性能の差はそれ程無くなれば、あとはデザイン力や価格面での差しかない。
トヨタが無くなるとは思わないが、下手をするとシェアを大きく落とす事にもなるだろう。これまでの様な収益は見込めるはずもなく、ビジネスモデルを転換する時がくると予想している。
エンジン関係の部品メーカーにとっては死活問題となるだろう。
今、自動車産業はパソコン業界の様に部品を専業メーカーから調達して、工場ではそれを組み立てるだけの産業になってしまう、その入り口に立っているのではないか?
これは乗用車の『デジタル化』という事ではないが、流れだけ見ればよく似ている気がする。

今日の勝ち組は明日の負け組。

企業にとっても、働く人達にとっても厳しい時代だ。




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Last updated  2009年04月20日 01時11分22秒 コメント(2) | コメントを書く
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