BMW 自動車 t3109

BMW 自動車 t3109

March 3, 2014
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昨年、12月の少数台数のリコール届出で

バランスシャフトモジュールにリコールが出たので

バランサーシャフト(バランスシャフト・ランチェスターバランサー等)を

考えてみました

エンジンの振動源には

往復運動部の慣性力の不平衡(アンバランス)

回転運動部の遠心力のアンバランス、クランク軸のねじり振動などがあり

有効な力とならず、振動の元になっているので

一部のエンジンではバランサー機構を設けています



クランクシャフトの軸心に対するアンバランスをなくし

ピストンやコンロッドが往復するときに発生する

往復運動部分の慣性力の低減方法として

クランクシャフトにバランスウェイトを設け

エンジン1回転につき1サイクルの慣性力が発生する

1次慣性力を低減させています

穴は、バランスウェイトの質量調節です

バランスウェイトバランスシャフト
バランスシャフトバランスシャフト

しかし

ピストンの最高速度は、ストロークの中間より上死点側に近い位置にあるため

1サイクル中に発生する慣性力は

例えば上図のように、ピストン正方向(上昇)の慣性力と



上昇の慣性力の方が下降より大きくなります

例えば

No.1、No.4のピストンが同位相上にある直列4気筒エンジンの場合

No.2、No.3のピストンは、180度ずれた同位相にあり

ピストンだけを見ればバランスしていますが



慣性力の合力は、No.1、No.4ピストンの上昇の慣性力「 F 」と

No.2、No.3ピストンの下降の慣性力「 F' 」との差である

F-F'=「 A 」となり

No.1、No.4ピストンの下降の慣性力「 」と

No.2、No.3ピストンの下降の慣性力「 f' 」との合算である

f+f'=「 B 」となり

この慣性力の合力(赤線)は、二次慣性力と呼ばれ二次振動になります

バランスシャフト
バランスシャフトバランスシャフト

二次振動は

エンジン1回転につき2サイクルの慣性力が発生するので

クランクシャフトに設けたバランスウェイトでは低減できません

なので

エンジン回転の2倍の回転速度で回転するバランサーシャフトを設け

逆位相の慣性力(反力)を発生させて二次慣性力を相殺し

バランサーシャフト自ら発生するピストン往復運動と直角方向のアンバランスは

2本のシャフトが互いに相殺するように逆方向に回転させます

バランサーシャフトは

1904年に、イギリス人

フレデリック ウィリアム ランチェスター(Frederick William Lanchester)が考え

75年に、三菱自動車がサイレントシャフトとして搭載し

その後、欧州のメーカーにも採用されるようになり

F1エンジンにも採用された定着した技術で

最近の、BMWの4気筒ガソリンエンジンなどは

クランクシャフトの下、オイルサンプ(オイルパン)内に

下図のようにオイルポンプとバランサーシャフトがシステムコンポーネントされ

バランスシャフトモジュール(オイルポンプバランサーシャフトAssy)と

なっています

バランスシャフト

1:アッパーカウンターバランサーシャフト
2:ロアカウンターバランサーシャフト
3:アッパーカウンターバランサーシャフトギア
4:PSオイルポンプギア
5:PSオイルポンプ

PSオイルポンプについては

お時間があれば


t3109  BMW オイルポンプ(吐出量可変式)
http://plaza.rakuten.co.jp/t3109/diary/201402110000/


を閲覧して下さい

なんで、バランサーシャフトがオイルパン内にあるのかを考えると・・・・・・

二次慣性力は、エンジンの中心に働き

実際に、二次慣性力がエンジンを振動させるのは

エンジンとミッションを合わせた重心位置を中心にモーメントとして作用するので

エンジンとミッションを合わせた重心位置からエンジンの中心までの距離よりも

エンジンとミッションを合わせた重心から

バランサーシャフトが発生する慣性力の中心までの距離を長くすると

少ない反力ですみ

少ない反力ということは

バランサーのウエイトが軽量化され、エンジンの軽量化になり

ウエイト回転のフリクションも低減され、エンジン出力向上がはかられと思います

また

バランサーのウエイトをエンジン中心に対して前後に均等に分配する必要がなくなるため

バランサーシャフトを短かくでき、更なるフリクション低減がはかられるとともに

ベアリング数低減によるコストダウンや、給油必要部位が減ることによる

オイルポンプ容量の低減が可能となり

さらに、バランサーシャフトを短かくできることにより

バランサーシャフト配置の自由度が高いため

ヘッドからオイルパンへのオイルリターンダクトをクランクケースに設けやすくなり

その結果

CCV/Crank Case Ventilationシステムからのオイル持ち去り量を低減できることなどの

効果が得られるかと思います

クランクケースクランクケース

1:オイルリターンダクト
2:ブローバイダクト
3:ろ過後のオイルライン
4:ろ過前のオイルライン

CCVシステムについては

お時間があれば


t3109  BMW CCV ブローバイガス
http://plaza.rakuten.co.jp/t3109/diary/201401200000/


t3109  BMW オイル劣化とブローバイガス
http://plaza.rakuten.co.jp/t3109/diary/201401290000/


を閲覧して下さい

ただ

オイルパン内に、裸でバランサーシャフトを設けると

バランサーシャフトがオイルパン内のオイルを撹拌し、オイルに気泡が生じることで

各部ベアリングの焼付きなどオイルの潤滑性能が低下させたり

エンジンの駆動トルクのロスが生じる問題が出てくると思うので

バランサーシャフトをハウジングに収容しているかと思います

最後に

異品のバランスシャフトモジュールが装着され

異音や振動が発生しターボチャージャー等の溶接部に亀裂が入ったり

ボルトが緩んだりするおそれがあるリコールになってしまいましたが

エンジンのスムーズな動作を確保するには、バランサーシャフトの位置決めが重要で

上側のバランサーシャフトの先に付いているスプロケット等を脱着する前には

クランクシャフトとバランサーシャフトを正確に配置するために

バランサーシャフトのハウジングにあるサービスホール(ガイドピンブッシュ?)を使って

SSTのガイドピン(ノックピン?)でカウンターバランサーシャフトを固定するように

してあるハズです

また

ハウジングにガイドピンブッシュがあると

バランサーシャフトチャンバーにオイルが流入し、オイルに気泡が生じる原因になるので

通常は、シールプラグで塞いでいるハズです

バランサーシャフトチャンバーに入る止むを得ないオイルについては

排出口よりオイルパンに戻すように設計されているハズです

バランサーシャフト

1:排出口
2:アッパーカウンターバランサーシャフト
3:ロアカウンターバランサーシャフト
4:ロアカウンターバランサーシャフトのガイドピンブッシュ
5:ハウジングのガイドピンブッシュとシールプラグ
6:ハウジング
7:バランサーシャフトチャンバー



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Last updated  March 7, 2014 11:03:11 PM
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