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2026.08
2014.06.30
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カテゴリ: やっちゃった~
夕暮れに紛れて、あなたは ふらっと 私の部屋を、訪れた。

突如として 姿をあらわした あなたに、
私は、茫然とする。

ま、まさか・・・


外していた眼鏡を 掛け直し、その姿を確かめる。

やっぱり、間違いない・・・。
どこから、入ってきたの?

まさか・・・ ずっと、そこに、いたの?

ひとり背筋を凍らせる私を見て、



やめて!
近づかないで!

助けを求めて、私は、無意識のうちに
周りを 見回すけれど。

この部屋には、私ひとり。
誰も、助けになど来てくれるわけがないのは、わかってる。


私は意を決して、
あなたを刺激しないよう、そっと 立ち上がった。

お互いに視線を からませたまま、
ふたりの間の距離を、引き伸ばしてゆく。


あなたの視界から外れた私は、ほっと ひと息つきながらも、


いまの私に使えるのは、これだけ。


前回 あなたに会ったのは、いつだったかしら。

私は、震えながら、記憶の糸を、手繰り寄せる。


あまりに間が空いていたから・・・
あなたの存在すら、忘れていた。


あなたの記憶に怯えることも、なくなっていた、
というのに。

なぜ、いまさら、私の元へ やってきたの?


私は、ひとつ、大きな呼吸をして、
決意を確認するべく、武器を 握りしめた。


私は、もう、昔の私じゃないの。

10年近く前になるのかしら。
この間 再会したときにも、私は あなたに対して
毅然とした態度で 立ち向かったけれど。

強くなった私に対抗すべく、
あなたも ビッグになって、帰ってきたのね。

でもね。私だって、あなたのことを、
ずっと 待っていたわけではないのよ。

私は、あれから、さらに、強くなった。

その気になれば、
あなたを叩きのめすことだって、できるの。


私は、武器を身体で隠しながら、ふたたび あなたに、近づいた。


そんな私の態度も、
あなたには お見通しだった、というわけね。

あなたは、さっと 壁際から壁際に 位置を変え、
戦闘態勢に入った。

もう、こうなったら、やるしかないのね。
この部屋を そっと立ち去ってくれるような優しさは、
あなたには、残っていないのね。


私は、無表情のまま あなたに近づき、
武器を 振り下ろした。

さっと避けたあなたは、「こんな かすり傷」と つぶやきながらも、
顔をゆがめる。


わかった?
私は、こんなにも、冷酷な女になったのよ。

・・・あなたのおかげで。


私は、涙をこらえながら、
傷を負ったあなたへ、容赦なく、最後の一撃を、加えた。




Mr.Gは、あっけなく、壁から落ちて、床へと 転がった。
そのまま、手足を動かすことも、なかった。

私は、10枚ほど重ねた ティッシュで 彼を包み、
合掌の後、弔った。

が、思い直して。

死んだふりをしていたときのために。
復活祭を、阻止するために。

さらに トイレットペーパーで ぐるぐる巻きにして、
そっと ゴミ箱へ、投げ入れた。

明日が燃えるゴミの日で、よかった。


ピンクの蝿叩きを、静かに 定位置に戻しながら、
祈る。

艶やかに黒光りする羽根を持つアイツが、
もう2度と、やってきませんように。



ああ、それにしても、デカかった。

ぶーん、って、いきなり 飛んできたから、
びっくりしたわよ。

ベランダの網戸、閉めておかないと、ダメかしらねぇ。




ありがとうございます。






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Last updated  2014.07.03 12:26:25
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