魔女の隠れ家

魔女の隠れ家

2006年06月02日
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カテゴリ: 時代小説
今井絵美子さんの『雀のお宿』(ハルキ文庫)

雀のお宿

山の侘び寺で穏やかな生活を送っている白雀尼にはかつて、真島隼人という慕い人がいた。が、早との四年余りの江戸遊学が二人の運命を狂わせる・・・。心に秘やかな思いを抱えて生きる女性の意地と優しさ、人生の深淵を描く表題作ほか、武家社会に生きる人間のやるせなさ、愛しさが静かに強く胸を打つ全五篇。


鷺の墓 』に続く連作短編集です。
互いに思い合いながら運命のずれによって結ばれなかった男女。出家し穏やかな日々を送りながらも心に小さな虚も持ち続ける尼のお話「 雀のお宿 」。
婿養子としてどこか家族になじめないながらも奮闘する男たちのお話「 やさしい男 」「 孤走 」。
うずみ
若水 」には前作『鷺の墓』に登場した市之進のその後が書かれています。

雀のお宿 」は、私には逃げの人生に思えて共感できず。
あえてその場に留まって傷つくことも大事だったのでは?と。一つの嘘が多くの人間を不幸にしたお話ですね。
私としては「 うずみ 」と「 若水 」が好きかな。

うずみというのは、昆布出汁に小海老、里芋、大根、人参、豆腐、春菊、松茸を入れ、塩、醤油、みりんで味付けした汁の上にご飯をのせる料理。
ご飯の下に、いろいろな食材が隠れているから「うずみ」。
美味しそうですよね!


そんな風に云われる奈々江にあやかりたいです(笑)

そして「 若水 」では幼いときから波乱万丈だった市之進の、落ち着いた暮らしぶりにほっとした思いでした。無くしたもの、与えられなかったものを知るがゆえ、強く真摯に生きていこうとする市之進夫婦が好きです。


もし興味が湧かれましたら、前作『鷺の墓』から読まれることをおすすめします。

鷺の墓

藩主の腹違いの弟・松之助警護の任についた保坂市之進は、周囲の見せる困惑と好奇の色に苛立っていた。保坂家にまつわる因縁めいた何かを感じた市之進だったが…(「鷺の墓」)。瀬戸内の一藩を舞台に繰り広げられる人間模様を描き上げる連作時代小説。






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最終更新日  2007年10月02日 09時57分06秒
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