PR
カレンダー
キーワードサーチ
食料自給率 がわずか40%で、多くの食料を輸入に頼る日本。一方で、長イモや納豆など日本の食卓に日常的に上がる食品が海外に輸出され、人気を集めている。味や安全などの点から評価されていることもあるが、生産者にとっては日本産食品の魅力再発見につながるなど、思わぬ利点もあるようだ。(平沢裕子)
関連記事
記事本文の続き 「台湾で長イモは今や薬膳(やくぜん)料理に欠かせない。スープの具のほか、ジュースとしての飲み方も開発されている。とろろなどで食べるのが一般的な日本とは異なる食べ方があることを、輸出して初めて知った」
こう話すのは川西 農協 別府事業所(北海道帯広市)の常田馨所長。同農協が 台湾 に長イモを輸出し始めたのは平成11年。当時、豊作時の値崩れや、1キロを超える大きな長イモが国内市場で買いたたかれるなどの問題があった。新たな消費先を探していたところに、薬膳料理の材料として長イモがブームとなっていた台湾が浮上したのだ。
台湾 でも長イモは栽培されているが、日本産はしゃきしゃきとした歯応えがあることや、「食の安全・安心」の面で信頼の高さもあり、日本並みの高価格でもよく売れるという。長イモジュースを日本に"逆輸入"するなど、日本の消費者にさまざまな食べ方を提案するのにも役立っている。当初約700トンだった 台湾 向け輸出量は、昨年11月収穫の20年産で約2000トンまで増える見込みで、約5億円の売り上げを見込む。
宮城県栗原市の川口納豆は昨年から、香港のスーパーに定期的に納豆を納入している。門伝英慈社長は「国内では低価格競争が激しくなるばかりで、新しい展開がない。輸出額は全体の1%にも満たないが、日本人では思い付かない食べ方の情報が得られるなど、納豆の新たな可能性を見いだせる」と説明する。
最近はネット上で独特な納豆料理を紹介する人も多く、門伝社長が調べた中には海外からの書き込みも多数あるという。カレーに入れる、チーズとあえる、ラーメンのトッピングにする、ヨーグルトやプリンに混ぜるなどなど...。
「以前は『海外の寿司屋で納豆巻きは売れない』といわれたが、優れた発酵食品として納豆の注目が高まり、ドイツで先月開かれた農産物展示会では納豆巻きが大人気だった。海外で豆腐が定着するのに10年以上かかった。納豆も徐々に広がっていけば」と門伝社長は期待を寄せる。
ほかにも青森・陸奥湾のホタテが仏料理の材料として欧米で、温州みかんがクリスマス・オレンジとして北米、メロン、リンゴ、ブドウ、イチゴなどがアジア、中東などで人気だ。
農林水産省 は25年までに農水産物の輸出額を1兆円にしたい考えだ。輸出の積極化は小泉政権の18年からで、背景には少子高齢化による国内市場の縮小やアジア諸国の富裕層増加などがある。生産者にとっても所得向上や価格下落回避などの利点が期待できる。
ジェトロ( 日本貿易振興機構 )ロンドンセンターで日本食普及を3年間支援した同省食糧貿易課の小坂伸行課長補佐は「海外で日本産食品を食べてもらうのは日本を知ってもらう入り口。アニメや若者ファションで日本を好きになる人が多いように、優れた食品で世界に日本の良さを広めていければ」と話している。
コメント新着