☆★☆季節の風☆Kazeのミステリ街道☆

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April 22, 2011
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カテゴリ: ダブルキャスト


 鮎子が笑った。
「そうね、函館にいる人に残していったほうがいいわよね」
 てる子が言った。
 この母娘は裕福ではなさそうだが、ケチではない。
 毎日、楽しく暮らしているようだ。
(収入があればキレイさっぱりと使い切ってしまって、あとは毎月カードの支払いで崖っぷちな感じだなぁ)
 ふと、隆一は思った。
(いわゆる、贅沢貧乏というやつか)

 青森県は破産と離婚の多い場所、というのを、県の広報誌で読んだ事があるが、沢田母娘にはどうも旦那のいる気配もない。
 だとすると、経済的には大変だったはずである。
 男も女も、必死で勉強するのはそのせいもある。隆一がミーシャに言ったように、辺境で暮らすためには、常に知恵が要るのだった。
 それも、学校の勉強だけではとても足りない。
 だが、いまはどうしても事件のことが気になり、それ以上のことを想像することはできなかった。
「権太さんは、千戸市の公演が終わったらまた北海道へ戻るの?」
 てる子が聞いた。
「そうですねえ、FMの仕事が年度末までありますから…」
 権太が答えた。
「千戸市に戻ってきたらいいじゃないの。遠くにいるばっかりに、こんなややこしい事件に巻き込まれてしまって。スポンサーの島守さんたちだって、黙っていないと思うわよ」
 てる子が言った。

「こいつは千戸市にいたって、放っておけばいつだって落とし穴にハマってるんですよ」
 隆一は苦笑した。
「いまにして思えば、蟻地獄だった、といってもいい話が山ほどあるんですよ」
「だからこそマネージャーが必要なんです。私はもう、今度の事件に決着を付けたら、私立探偵業を廃業して権太さんのマネージャーをやろうって、言ってたんですよ」
 ナオミが言った。

 隆一は驚いた。

<つづく>

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 今日は、母の薬をもらいに病院へ行ってきました。
 大震災発生直後は、薬は2週間分、もう一回行ったら1ヶ月分、今日はやっと2ヶ月分出してもらえました。
 ただ、茨城にある漢方薬の工場が被災してしまい、品薄になっているようです。

 病院には、いつもの先生も戻ってきていて、母も安心した様子でした。
 市内の避難所を廻られていて、非常に多忙なのは新聞で読んで知っていたので、今日診てもらえたのは、たまたま病院に戻ったていたからだと思います。
 そんな忙しい中でも、『お家の被害はどうでしたか?』と心配されていました。
 家の被害は小さくても、話を聞いてもらうとホッとします
 災害時の医療体制の話とか、原発の話などを少し聞いてきました。

 ちょっと混んでいたため帰りが遅くなり、修理や節電で街中のお店がだいぶ閉まっていて、帰りはコンビニへ。

1ice100.jpg

 あまり暑くもなかったけど、久しぶりにアイスを買ってきました。
 今年の初アイスです。


漢方会社、頑張って~





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Last updated  April 23, 2011 01:49:34 AM


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