Tanzen Sie in den Himmel

2009/02/05
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カテゴリ: 学友
比較的遅めの時間帯までだったのかな?

夜だったと記憶しているのでこの日 自習棟で勉強の途中

ポットのお湯を足しにラウンジに行った時

桜竜巻ちゃんがいた



「Skyさん、やっぱり生涯を一緒に生きようって思える伴侶がいるのは幸せですか?安心できますか?」




ぎょ

前触れもなしに それかい!?




そう

桜竜巻ちゃんは “だから” 桜“竜巻”ちゃんなのだ



「何? どうしたの? 何かあったの???」


「あ、そうですよね、いきなりすみません」


とのことだったけど

どうやら

何か一つ大きな出来事があったというわけではなく



不服だと感じているようだった



手厳しいなぁ・・・


彼女は 誰が見ても 美人だし

それでいて おっちょこちょいで 

ユーモアもあって

かわいい

決して近寄りがたい高値の華といった感じてはない

機転の利く女性だし 普通に モテるタイプだと思う



彼氏 いない歴 25年?


年齢相応に 恋愛の話で盛り上がるのは好きだけど




短大までは勉強に集中という決意があったらしい

それ以降は 特定の男性に淡い想いを抱く事はあっても

自分から行動はおこさなかった

そして 

まぁモテるので 



普通に一緒にいてとても楽しい子なので周囲に男性がいることは多いんだが




この人には無理だと思ってそれ以上は話さないで軽い話しかしないから

自分は何も悩みのないオンナだと思われているだろう



とのことだった。

まぁ 

周辺的な部分はさておき

彼女が悩んでいる

というか 彼女の中心にあったのは 

真面目に考える上での

“人生” “生涯” についての想いであり

それを共有できる 近い価値観を持った人が周囲にいない


それが寂しくもあるけども 

寂しいので誰かと一緒にいても

結局 話が通じるわけでもない上、 話す前にコイツは無理だと思うので

やっぱり孤独だということだった



どっかで聞いたような話だなぁと思った



彼女は4年前にお父さんを58歳という若さで癌で亡くしていた

お父さんの死後 お母さんは心の病気と闘っている

大好きなお兄ちゃんは結婚して家庭を持ち 子供も生まれた

お母さんを護るのは自分だけだ、自分がしっかりしなくては

という気持ちが強い



「その人の両親もそうだけど、私のお母さんの事も大切にしてくれる人じゃなきゃ許せない」



と彼女のハードルは高かった(汗)



「若い人って ちゃんと親の事とか 親が死んだ後の事とか考えて

人生設計考えてるのかな!」





ほとんど彼女は怒っていた


彼女は私の母の癌の事を知っているし、

らいおんさんと私の事も知っているので

だからいきなりの



「Skyさん、やっぱり生涯を一緒に生きようって思える伴侶がいるのは幸せですか?安心できますか?」



だったらしい・・・




プライバシーを全部は言えないが自分なりに思うことを正直に答えた



「年齢は関係ないと思うよ、若いからとか。

親が死んだことない人には 親が死ぬときの気持ちはわからないよ、たぶん

いくら年齢が上の人でも 親が実際死ぬとか死にそうになってみないと

本当に具体的に親の死を想定に入れて人生設計は立てられないんじゃないかな?

私だって 桜竜巻ちゃんより12歳も年上だけど

去年、母が末期癌だってわかるまで、本当に母の死を想定して将来を考えきれた事なんて

なかったもん。

老人ホームで働いてたから何百人もの死に立ち会ったし

父方の祖父も母方の祖父も死んだとき傍にいたのは私だけど

それでだって 自分の親が死ぬ時の覚悟なんて

わかってたつもりでいて、実際そうなってみたら何にも心の準備なんてなかったよ。

何人も何百人も病気の人、痴呆の人見てきたのに

自分の親がそうなったら、毎回毎回びっくりして、

今度こそ慣れたって思っても、また別の事が起こると結局また びっくりしてるもん。

それと 親が死んでない人は 確かにまだ危機感が強くないというか

親が死ぬってことの色んな事を確かにわかっちゃいないで生きてるかも知れないけど

それは その人が “悪い”からじゃないからねぇ

親が早く死んでない事はその人の “罪”じゃないんだから

お前なんかにわかるめぇって責めても仕方ないと思うんだよね。

優しい人は、

かわいそうだな、大変だろうなって同情はしてくれるけども

親が死ぬとか死んだんだって気持ちを全部わかってもらおうっていうのは

相手の親も死んでない限り、年上だろうが、年下だろうがちょっと

それは無理なんじゃないのかな

親の死の問題だけじゃなくてもさ、他のことでもさ、

誰でも年齢関係なしに、やっぱり自分が経験した事じゃないと

わかんないと思うよ、たぶん

あと自分で経験した事でも 他の人の場合と全く同じって状況はありえないから

全部わかりたいとか、わかってもらえるっていうのは無理なんじゃないのかな

相手がわかってくれない、とかじゃなくて自分もわかってあげられないと思うねぇ」




「私は理想が高すぎるんでしょうか」




「いや、特定の人がいて、その人がわかってくれない、とかの話なら考えようもあるけど、

一般論で言われてもちょっと

答えようがないかなぁ・・」




そんな話から

久しぶりだったので

彼女も私の母の様子を聞いてくれた



元気に笑ってはいるけども だんだん

今後どんどん生き返るわけではなく死に近づいてゆくのはわかること

痴呆の事も正直に話しても

彼女はやっぱり必要以上には驚かない

彼女のお父さんは58歳で亡くなったから、痴呆は出なかったけども

私が話す母の病状の進行は彼女にとっては全部経験済みだから

わかってくれ話がどんどん入ってゆくのがわかった



悲しくはあるけども、

その母の生き様への感謝、尊敬、

悔いはないことも彼女は全部 わかってくれた

お父さんの時もきっと

そうだったからだろう



それから彼女は話してくれた



「一番辛かったのは・・・」






お葬式だったそうだ



普通ブログなんかに書くことじゃないのかも知れないけども

私にとっては大事な話だったし、何かのために覚えておきたいし

残しておきたい




一番辛かったのは 火葬の間だったという



「お父さんが今燃えていると思いながら 参列して下さった方々に

お茶やお弁当を出すのが辛かった」








やっぱり私には まだ想像もできてなかった話だった

それが 悪いとか鈍いとかの問題じゃなく

ニンゲンだれでも 経験のないことは そういうものなんだろう

そして



「30分前には 死んではいてもお父さんの形をしていたお父さんが

こんな小さな骨壷に入る骨になっちゃったのを見た時が一番悲しかった」







その後は お兄ちゃんと2人でお母さんを支えてきたが

お兄ちゃんが結婚した後は 自分がお母さんを護るんだという気持ちが

強くなったとのことだった






彼女の問いへの直接的な答えも出ていないし

彼女の人生についての答えも出ていないし

私の答えも出ていないけど




生きるということと 死ぬということと

生きてゆくということと

死んでゆくということ

それを誰かと一緒にの場合?

あるいは1人だと?

ということ




単刀直入な彼女の話に

いろいろ私の方が教わり、考えさせてもらった対談だった














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Last updated  2009/02/16 07:36:42 PM
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