のんびり・ゆっくりダイエット

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2024/11/07
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カテゴリ: 国内旅行






アイヌ語では「家屋」のことを「チセ」といいます・・
発音するときは「チ」のほうではなく「セ」のほうを高く発音します・・
この「チセ」という言葉はこれまでしばしば
とくに日本語の文章に取り入れられた場合に
かつてのカヤやササなどで葺ふいた家屋だけを指して使われることがありました・・

しかしアイヌ語として考えた場合には
現代の新しい工法による家もやはり「チセ」と表現することになります・・
じっさいお年寄りにアイヌ語で会話をしていただいた中に
現代の家屋を指して「チセ」ということばが用いられている例があるそうです・・
材料や工法が変わっても
アイヌ語にとって「チセ」つまり「家屋」に変わりはないのです・・





オッカヨル(男子用トイレ) メノコル(女性用トイレ)

オッカヨル・メノコルはトイレの建物で
柱にはドスナラ・壁にはササやカヤが使われました・・
人が立ってようやく入れるくらいの小さめの建物です・・
形は男女で違います・・
女性を大切にする家では男性用が手前・・
少し離れて女性用を置いたとされます・・
地方によっては男女共用のアシンル(トイレ)が置かれる場合もありました・・





中には円形で30~50cmくらいの深さの穴を彫っって用を足します・・
穴の深さは家族の数によってかなり差があったといいます・・
穴の周りには石を置き中には砂や小砂利を敷いていました・・
中には男女ともにイナウ(木を削って作った祭具)が置かれていることがあります・・
削りかけを入口に指す場合もあります・・
これはトイレの神様にお供えしたものです・・
トイレの神様はとても強い力を持ち女性を守ってくれるといいます・・
その家の女性がお産で苦しんだときにはトイレの神にお神酒を捧げて祈り・・
安産を願います・・
捧げた酒は産婦にも飲ませ出産を早めるまじないとしたそうです・・
また 
北海道の東部ではトイレから少し離れたところに先祖供養の祭壇を作りました・・





ポンチセ(小さい家・4~5人家族が住む家)

4~5人が暮らすための家として作られました・・





時代とともにチセも変わり現在ではかつての文化や技術を伝えるためにつくられています・・
日高地方や十勝地方では結婚したばかりの時は小さなチセに住むほうが良いとされていました・・





内部は長方形の一間でポロチセと作り方はほぼ同じで中央に炉が切られています・・
この炉は四方が炉ぶちで囲まれ
カムイブヤラ側(上手)には男性が行うイナウ(木を削って作った祭具)作りや
木彫りをするための台があります・・
火は大切なカムイ(神様)で炉縁や炉かぎは今でも粗末にしないように
大切に扱いました・・
炉の上には肉や魚を干して燻製にするための炉だながあり
床は土間の上にかれ草その上にカヤやヨシで編んだすだれ・・
更に上にガマやスゲで編んだゴザを敷き暖かく過ごす工夫をしていました・・
チセ作りが完成するとコタン(村)の人々や親戚を集め
チセノミというお祝いをしました・・








衣服などに施した独特の文様は布を切って衣服につけたり
刺しゅうをしたりして作ります・・
こうして作られる文様にも地域ごとに特徴があります・・
刺しゅうの文様には魔除けの意味があると言われますが
実際のところは地域や人によってさまざまです・・
昔のことをよく知っているお年寄りの話でも
文様の刺(とげ)の部分に 魔除けの意味があるという人もいますし
文様には特にそのような意味はないという人もいるそうです・・



作り







プ(食べ物などをしまう倉)

プは長い冬の生活のために食べ物などをしまっておく倉(建物)です・・
ここでは1年ほど前のプを再現して展示しています・・
木で骨組みを作りカヤ・ササ・木の皮で壁や屋根を作ります・・
足を高くそてあるので湿度でカビがはえたり動物に食べられてしまうのを
防ぐことができます・・
高さは地面から130cmほどです・・
プの足にはエルムオシピレプ(鼠返し)といって
板や木の皮でネズミが登れない仕掛けを付けました・・
また
ネズミの嫌うイパコブリプ(ごぼう)の実の外側についているトゲを
柱のつけておくのが一番効果があったようです・・
出入りにはははしごを使います・・
はしごは丸太を2つに割り足をかけるための刻みをつけたものです・・
使わない時はネズミが登らないように外しておきます・・
プとは1つとは限らず2~3個ある裕福な家もありました・・





ポロチセ(大きい家・集会場)

お祭りや集会で人が多く集まる村長の家などとしてつくられました・・
時代とともにチセも変わり現在ではかつての文化や技術を伝えるために作られています・・
形は長方形で十勝地方ではおおきいもので長さ9~11m幅4~6m程度だったと言われています・
柱は腐りにくい木を使い地面に彫った穴に立て四すみの柱には太い木を使用します・・
材料はブドウやコクワのツル・シナ皮の縄などで縛り
壁には北海道ではカヤがよく使われ北部・東部ではササ
樺太ではマツやシラカンバの皮を板にしたものが使われました・・
冬は壁を厚くし風よけを作るなど季節ごとの工夫もあります・・
天井が高く煙を出す穴があり家は窓の向きは地方によって様々です・・
白老周辺では東側二神々が出入りするロルンプライという窓があり
この窓から家の中を除くことはしつれいなことで
儀式などのとき以外は締めています・・





ヌサ(祭壇)

祭壇は神に捧げるイナウ(木を削って作った祭具)を立てるところです・・
支柱に横木を組みここにヤナギやミズキなどで作ったイナウを立てます・・
アイヌ民族は自然界のものや人間の作った道具など
どんなものにも命があると考えてきました・・
それらは人間の役に立ってくれるものとして大切に考え
1年に何度か祭壇にイナウを立ててお祈りをしました・・
家の外にある祭壇をソユンチパともいい
たくさんの神々がまつられた大きなものです・・
川・湖・海の神などはそれぞれの場所に祭壇を作ることもあり・・
家の外にまつることもあります・・
家の中の祭壇はアウンチパといい囲炉裏には火の神イナウが
宝物置き場(家の中の神聖な場所)には家の神のイナウが立てられました・・
第二次世界大戦後になると生活の変化により殆どの家では祭壇をもたなくなりましたが
近年は新しく祭壇を立てる人も増えています・・





ヘペレセツ(子熊のおり)

明治時代までは狩猟をする人も多く子熊を見つけると連れて帰ってきました・・
子熊はカムイ(神様)の子どもなので大切に育て
やがてイヨマンテ(クマ送りの儀式)でカムイの世界に送り返します・・
ヘペレセツは子熊の寝床・巣という意味です・・
樺太ではクマを育てている時はカムイチセ(神の家)といい
イヨマンテをして空になるとイソ・チセ(クマの家)といいました・・
子熊を育てる大切なものなのでどこに作っても良いというものではありません・
その家の主が炉のそばのシソ(右座)に座って外を見たとき
窓を通して見えるところに作ります・・
丸太を組んで作り縦・横・高さが2mほどです・・
床は地面より30~40cmの高さにする場合と
1mほどの高さにする場合とがあります・・
このそばには子熊の守り神もまつられていました・・






タンネチセ(長い家)

イタオマチプの展示用に作った建物で壁葺きは行わず
支柱と屋根葺きのみでできています・・
この建物を表すためにアイヌ語で長い家と意味するタンネチセという
名称を新たにつくりました・・
材料はカヤ・カツラ・ブドウヅルを使用し屋根にはサクマ(屋根を葺く時に抑える横木)を
取り付け縦縛りで結束してすだれを張ってからカヤ束を5段重ねて葺き
梁には筋交いを施して耐震補給しています・・

イタオマチブ(板綴り船)

アイヌ語で船のことをチブといいます・・
丸木舟が多かったといわれていますが
丸木舟の舷側(船の側面)に板を取り付けた船をイタオマチプと言い
大きいものでは全長15mほどのものもあったとされています・・
主に海洋に出る時に使われました・・
板を取り付けて舷側を高くすることで安全性を高め
積載量をふやしたとされています・・
材料にはカツラやシナノキなどの大木を用い
板の取り付けには地域にもよりますがサクラやシナノキの樹皮などを
縄状にして使用しました・・
船を漕ぐ時は車櫂という左右順番に動かす独特の櫂を使ったほか
ガマなどの草を編んだゴザを帆として使い推進具とした船もあったとされています・・
また
進行方向を変えるときは船の後方に取り付けた練櫂を使用しました・・
イタオマチプは海での漁労のほか和人との交易にも使用されました・・
板を用いたアイヌ民族の船としてはイタオマチプのほか
アムール川方面から伝わった樺太アイヌのトンテヘカなどがしられており
戦後樺太アイヌが北海道に移住したあとも使われていたとされています

アイヌ文化センター
前日に行く予定をしていたのですが
到着が閉館間際になることから行こうかどうしようか迷い・・
翌日の予定を組み替えて行きました・・
行ってみて本当に良かったと思えるところでした・・
とっても勉強になりました・・
アイヌの知恵・文化を知るいい機会になりました・・

続く・・

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Last updated  2024/11/07 04:53:11 PM
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