行き先は自転車で3分くらいのところにある文房具屋さん。
学校で使うフエルトペンが無くなってしまったらしく、「買ってほしい」と言ってきた。
仕方がないので承諾すると「ぼく、自転車で1人で買いに行っていい?」と言う。
そこでしばらく迷ってしまった。
近くのお店だといっても、国道を渡らなきゃいけない。
しかも二段階右折のように、一度国道を渡り、それからまた一つ信号を渡る、ということをしないとその店へ行けない。
その説明が彼に通じるのかどうか不安だったけど、とりあえず説明してみると
「わかった、わかった。」という返事。
頼りないなぁと思ったけれど、一つ成長させたいと思う気持ちもあった。
「よし!行ってらっしゃい!!」
私の返事がよほどうれしかったみたいで、彼は「よっしゃぁ~」と言ってポーズを取った。
そして自転車に飛び乗って勢いよく出て行った。
私は帰ってくるまで心配で仕方なく、窓から外ばかり見ていた。
もし事故にでも遭ったら・・・。判断ミスしたことをいつまでも悔やむだろう。
しばらくすると、元気よく戻ってきた。
「本当は200円だったのに168円だった。350円を出したら200円でいいと言われた」
全くもってお金の計算がまだできないのね、と少し言いたいこともあったけれど、1人で買い物できたのが嬉しくってしょうがないというような顔を見ると、私までうれしくなった。
毎年実家に巣を作る、ツバメの親子を思い出した。
小さなヒナも、1羽、また1羽と巣立っていく。
今日は小さな巣立ちの瞬間を見たような気がしたのだった。
寂しいような、でもやっぱり親としてはうれしいこと。
これからも、こんな小さな巣立ちを見届けていくのだろうと思う。