おいでおいでふうふ

おいでおいでふうふ

Oct 29, 2007
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カテゴリ: こんな本
男の子が育てにくいというのは今に始まったことではないけれど

最初タイトルを見たとき単に家庭内での関わりについて
この傾向があると主張してる本かなというイメージを持ちましたが
もっと広く社会的にこのようになってしまっているとの説

男の子が追い詰められる傾向にあるとはどういうことか。
幼児期の集団活動にあっては、現代は男女の性差を縮小排除しましょうという方向にあり
男の子は保護者にも「心優しいこと」と「男らしく勇ましいこと」を同時に要求され
持って行き場のない焦燥感をもてあます


それを悪いものとして心の奥底に封じ込める教育ではなくむしろ
自分でよく把握して飼いならすために適度に発散できる機会の提供が必要
抑圧された闘争欲求があとあとおかしな方向に発露してしまうことだけは避けたい

戦いごっこで両者手が出るとどうしても即座に止めに入りたくなるのが女性性
本能的に平和を求める性だから闘争の場面をやすやすと看過できない
しかしこの戦いの場面こそ心の解放に繋がり順調な精神成長を促す
昔なら近所の同年代年上たちに対して闘争心を満たす機会はいくらでもあったが
現代ではそうもいかない
せいぜい大人の作り上げたスポーツ教室で発散するしかない
そんな機会に恵まれない男児はエネルギーの持って行き場を
弱い者をいじめることなどに向けてしまうのではないか

男児は常にレーダーを発している状態
(この傾向は成人してもなくなることはない本能)
「優劣は表出させるべきではない、誰が一番か決めない」という大人の押し付けは逆に
特に男児の心をゆがませることにも繋がるとは容易に理解できる
コンピューターゲームが流行るわけはこのへんにもある


著者は美術教育の専門家であり、それぞれの書く絵の傾向についても考察している
その傾向は日本に限らず全世界の子どもたちに共通して言えることだという
女児の自由画(テーマを設定せずに自由に書くこと)には
美しく装飾した女の子の人物画に植物や光り輝く太陽などの大自然がメインモチーフとして書かれ
男児の自由画には乗り物が頻出し直線的で寒色がちな無機物が9割以上出現
女性の保育者はそれを見て「もっと色を付けたほうが」と勘違いな指導をしたり
女性の保護者は寒々とした色使いに「こころになにかマズイ点でも…」と心配するが
それは心配には及ばない
それが生まれ持った性差の表出の一部である

他にももっともっと重要なことも書いてあったようにも思います。
想像以上に内容が盛りだくさんで。
やはりメモとらないといかんなー。
でも1章がQ&A形式だったので、気楽に読み進もうと思ったら
なんのことはない、集合を解析する学術論文でした。
女児についても興味深い考察が随所にありましたが
構造は男児ほど複雑ではないなあというのが感想。

「男の子を育てるって難しいというけど、どんなところが難しいのだろう?」
と、二人目を育てたいなーという気持ちに派生した興味からHITした本書でしたが
たいへん興味深く読むことができました。
むすめの育児に関しても、後日ふと本書のことを思い出すこともありそうです。
性差は突破すべきものかもしれないけど、その前にまず生まれ持っている性質の理解が必要なんですね。


にしても、後記に「世界平和を希求して性差の研究を始めた」とあったのは驚いた。
戦争とは男性の本能がもたらすもの、闘争心を満たす手段に乱用されてきたが
21世紀の国際社会にあっては、女性的な調整手段こそ重用されるべきである…
んー、それは強引、ちょっと違うんじゃないかな(汗
適度にクールダウンさせてもらった総括章でした。





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Last updated  Oct 29, 2007 09:26:48 AM
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