濫読屋雑記

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2006年01月16日
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テーマ: 本日の1冊(3748)
カテゴリ: 手に取った本
最近、奇妙な方向の本ばかりを重点的に紹介してきたので、 今日は反省&方向転換 (一時的であれ。)しまして、私の敬愛する 小野不由美 大先生の『 くらのかみ 』(講談社、2003年)を取り上げたいと思います。

これまで、『 十二国記 』大好き~!!!と、声高らかに叫んできたのに、一度も『 十二国記 』で日記を書いていないじゃないか!と、指摘される方もいるでしょうが、これには、深~い理由があるのです。それは、気に入っているシリーズなので、筆が進んで止まらずエライコトになるのではないか?という不安です。現に、『 ナポレオン戦争に関する諸考察 』編では、調子にのって「 範囲内(半角 8~10000 文字)の長さの文字列を入力して下さい(現在: 半角 15704 文字) 」という警告を出してしまった位、書くことが出来るので、もうしばらく…、と思っているうちにココまで来てしまったと言うわけです。

十二国記 大好き~!!! (&『 星界シリーズ 』も!!!)と書いてあるので、ボチボチとこの2つのライトノベルの巨塔の世界について語らなくてはなぁ~、と思い、先ずは手始めに図書便りでも紹介を書いた『 くらのかみ 』を攻略して、『 十二国記 』へ進もうと思い、今日のテーマとなった訳です。

さて、この『 くらのかみ 』は、このブログを書き始めた最初に紹介した、 田中芳樹 先生の『 ラインの虜囚 』(講談社、2005年)と同じ講談社の『 ミステリーランド 』シリーズの最初の配本のうちの一冊となります。もう一度、解説を入れておきますが、この『 ミステリーランド 』シリーズは『 「本」の復権(ルネッサンス)を願い… 小野先生、田中先生に有栖川有栖、篠田真由美、二階堂黎人の各先生等々、日本を代表する超大物作家が かつて子供だったあなたと、少年少女のために というテーマで書き下ろしている作品集です

この栄えある『 ミステリーランド 』の第1回配本に選ばれた(シツコイ!)『 くらのかみ ミステリーランド 』の本は中身も一級品なら装丁も同様で、1冊 2,100円 するのです!この値段を見る度に「 文庫が何冊… 」と悲しい計算をしてしまうので、まだ、未購入という次第なわけです。

前振りが何時もの如く長くなりましたが、ココから『 くらのかみ 』の紹介へと入ります。そこで、ちょっと内容紹介は楽をしまして…。

小説『十二国記』シリーズで有名な小野不由美さんが書いた怪奇ミステリー。でも登場するのは、悪いことはしないという、座敷童子なんですね。事件現場は、行者に祟られ座敷童子に守られているという田舎の古い旧家、そこで起こる事件は財産相続にからんだ殺人未遂事件、のはずなのだけど大人たちはただの偶然、事故だと言います。それに納得できない子どもたちと、子どもたちの中に紛れ込んだ座敷童子は、犯人を見つけるために少年探偵団を結成するのですが、さらなる事件が発生します。子どもたちは犯人を見つけられるのでしょうか?そして座敷童子はいったい誰なのでしょうか?

というわけで、この上の文章は、 私が図書便りに書いた新刊紹介の文章です 。これから少し文章を削って載せたと思うのですが、 大体こんな感じです

私がこの『 くらのかみ 』が気に入った理由の第一は、 小野 先生の作品である事もさる事ながら、この物語の世界観が気に入ったことです。ひと昔前まで日本の何処の田舎にあった白壁と門、そして蔵があってとどめに「行者に祟られ座敷童子に守られている」という伝承がある旧家のお屋敷が舞台。そして、遺産相続のために親戚が呼び集められて、そこで殺人(未遂ですが。)が起こるとパターンは 金田一耕介 が「どうも。」と出てきてもおかしくない、古き良き昭和の時代を感じさせます。( 小野 先生の作品は『 黒祠の島 』もそうですが、なぜか 横溝正史 大先生の作品の雰囲気を感じるのですよね~。設定が似ているからかな?)また、「少年探偵団」というネタは 江戸川乱歩 を連想させますし、こう考えると、小野先生は「 かつて子供だったあなた=大人 」が必ずといってよいほど読んだことのある、 日本の二大探偵小説を見事に作品の中で利用していると思います

あと、座敷童子という身近な妖怪(?)を登場させたことにより、 小野 先生お得意の ファンタジー・ホラー を絡めて座敷童子と、食べ物に毒を混ぜた犯人探しという2つの謎解き、をするという設定は、 上手い! のひと言です。この物語で重要な役割を果たす座敷童子が登場する場面も、大人たちが難しい話をしている間、退屈になった4人の子どもたちが、「おくらさま」という家の守り神が祭られている蔵の中で、「4人ゲーム」というまっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームを始め、そこで、とうぜん四人では成立しないはずのゲームのはずなのに、5人目の子どもが出てきて、この子が座敷童子、という仕組みはもう、 天晴れとしか言いようがありません 。子どもたちが「あれ?」と思って顔を見合わせたけど、どうしても最初からいたとしか思えない顔ぶればかり、というのも、初めて顔を合わせた親戚の子同士、という設定に、 大人が全然気づかない (or目に見えない。)という座敷童子が登場する 昔話の定番 (実は他に 小野 先生は、昔から座敷童子が行ってきた「 子どもを見守る 」という二重の役割を掛けて、物語を膨らませています。)をフルに生かしているもので、 読んでる者まで納得して、すんなりと物語の中に入り込めてしまいます 。そして、普段の生活とは逆に、子どもたちが大人を守るために一団となって知恵を絞って探偵をするという、子どもたちの夏休みの「非日常」を昔風の( 江戸川乱歩 の『 怪人二十面相シリーズ 』みたいな、 子どものグループが冒険するノリの。)児童文学的な作風で、子どもたちの視点から描いているところも大好きです

という次第で、本日はリハビリを兼ねて『 くらのかみ 』を紹介&解説してみました。でもこの本、 じゃなくて 夏休み に紹介する本だったな~、と 書いてから気が付きました…

くらのかみ






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最終更新日  2006年01月17日 01時24分59秒コメント(0) | コメントを書く


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