濫読屋雑記

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2006年10月04日
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カテゴリ: 手に取った本
はい、文字数がまた許容量を突破してしまったので、艦橋内部の話はここから始めます

それでは、艦橋へと入ってみましょうか。まず艦橋に入ってすぐ目に付いたのが、 右舷側にある赤いカバーが掛けられている艦長席です 。この席、自衛艦(軍艦)なので、よっぽどの貴賓の方以外は腰掛けることができない、艦長の特権を示すものの一つです。ちなみに、反対側の左舷にある副長席には自由に座る事ができて、皆さん、パチパチ記念撮影をしていました。

艦橋艦長席.JPG


お次は、 これぞ しらせ が自衛艦であることの証明 軍用ラッパ です。ちなみに、 しらせ は一応、自衛艦籍に入っているので、 陸自のお古の64式小銃も搭載しているとのことでしたが、さすがにそこまでは見せてくれませんでした

ラッパ.JPG


続いて、艦橋全体の様子を右舷側から撮影した写真をご覧戴きましょう。この写真を見てお分かりかと思いますが、 しらせ 艦橋にいた案内の海曹さんに聞いたところ、やはり広すぎるとの事で、本来ならこの3分の1程度の大きさで十分なんだそうです なにしろ、艦長席と舵機の間に指令を伝えるために伝令が2人も必要との事。声がちゃんと届かないぐらい広いのです では、なんでこんなにしらせの艦橋が広いかと言いますと、本来、自衛艦にあるはずの艦橋の両脇にある固定式の双眼鏡や手旗信号や信号灯を使ったモールスでの通信その他の作業を行う露天艦橋が無いからなのです。それらの固定式の双眼鏡や信号灯は艦橋の頭の上に設置されているので、使いづらいと海曹さんは話してくれました。これは、極寒の南極へ行くため、なるべく艦内で作業が出来るように配慮された設計だそうで、そのおかげでしらせでは年中半袖、つまり夏服で過ごせるそうです(赤道直下は冷房で、南極では暖房をガンガンに効かせているので)。それから、写真にある艦橋の天井にあるパイプは、荒天の際にこれに捉まりながら移動したり、作業するために備え付けられているそうです。

艦橋全体像.JPG


それでは艦橋に設置されている機材を順番に見ていきましょうか 。最初は レーダー です。このレーダー、昭和57年(1982)に しらせ が建造されて以来、ズーッと使われ続けているそうです・・・。海曹さんは、近くに停泊している民間船の方がはるかに性能の良いレーダーを使っていると言っていました。最も、氷山などの見張りは目視が一番で、レーダーは荒天時や夜間など視界が悪いときにしかあてにしていないそうです。

レーダー.JPG


次は、 動揺計 です。これで艦体が何度まで傾斜しているのか測定するのですが、写真を見てお分かりのように、 しらせはこれまで最大左に53度、右に41度傾斜した事があるそうです 。そして、これはあくまで横だけの話。船はピッチング・ローリングと言って前後左右に揺さぶられるのですから・・・。酷い時は波に向かって突っ込んでいくような状況になるそうです。 ちなみに、しらせは船体が90度まで傾いても復元が出来るように設計されているそうです 。もっとも、キチンと艦の開口部を閉鎖して海水が入らないようにしておいた場合の話なのですが・・・。

動揺計.JPG


動揺計弐.JPG


で、その後ろにあるのが艦を動かす要の 操舵コントロール です。操舵コントロールの前に見えるのが ジャイロコンパス

舵機.JPG


その次が、 速力通信機 (テレグラフ)です。ここから機関の出力、前進・後進などの指令を出すのです。ちなみに、 しらせ は3軸艦(スクリューが3つある艦)なので、テレグラフも3つあります。それぞれ、真ん中が停止で向かって左右とも最微速・微速・半速・原速・第1強速・第2強速・第3強速・全速と船の速度が書かれています。ちなみに後進には全速はありません。

テレグラフ.JPG


テレグラフ弐.JPG


テレグラフの参.JPG


次は、 しらせ の艦橋独特の装備と言える、 艦橋操縦装置

艦橋操縦装置.JPG


艦橋操縦装置弐.JPG


艦橋操縦装置参.JPG


さて、今度は昔ながらのローテク、海図を広げるための机です。

海図台.JPG


ローテクの次はしらせで唯一の最新機器、GPSを使った 電子海図装置 です 。海曹さんとも話をしていたのですが、このGPSシステム。アメリカがサービス(と言う表現は正しいのでしょうか?)を止めてしまうと、全くの役立たずになってしまいます。日本もせめてフランス並に独自の世界規模のGPSに代わるシステムを構築するまでといかなくても、日本近海、200海里周辺ぐらいまでは独自のGPSが使えるような体制を整えて欲しいものです。まぁ、そんなお金があれば多分、弾道ミサイル防衛へお金がまわってしまうのでしょうね。しかし、弾道ミサイル防衛、本当に当てになるのでしょうか?なにしろ、発砲されたライフルの弾を同じようにライフルの弾で打ち落とすようなものですからねぇ。西南戦争の時の田原坂の戦いでは、官軍・薩軍共に無茶苦茶な銃撃戦を演じて、「かち合い弾」という銃弾と銃弾が空中でぶつかって見事にひとつになったという嘘のような本当の話があるぐらいですから、弾道ミサイル防衛にも可能性はあるのでしょうが、鉄砲弾と違い、一発何億もする迎撃ミサイルを何十発も打ち上げて迎撃する事は予算からいっても不可能でしょうから、難しいでしょう。 私はいっそのこと巡航ミサイルをアメリカから買って潜水艦に配備して、一朝有事の際にはそこから反撃できるようにした方が、ミサイル防衛よりはるかに抑止力になると思っているのですが、如何でしょうか 。それにしても、電子海図装置のモニターがDELLとは・・・。そこまで予算が無いのか、自衛隊・・・。

電子海図装置.JPG


さぁ、ようやく艦橋の紹介&解説もこれで最後です。今度は、これもしらせの特徴的な装置である、 ヒーリング装置 です。これは、艦に搭載されている左右の燃料を移動させる事により、艦を左右に自由に傾斜させることが出来るシステムのことです。氷海などに閉じ込められた際に、この装置を使って艦を揺さぶって氷を割って脱出します。

ヒーリング装置.JPG


こんな感じで、今日は色々と脱線もしましたが、何とか艦橋部分まで終わらせました。この次はヘリ甲板と格納庫について書いてこの「 AGBしらせ乗艦記 」シリーズがあと1回で終われるように努力していきたいと考えています が、「予定は未定」と言う言葉があるように、どうなる事やら 。〈つづく〉





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最終更新日  2006年10月05日 02時25分58秒 コメント(3) | コメントを書く


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