サリエリの独り言日記

サリエリの独り言日記

2012.12.31
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カテゴリ: カーネーション
 糸子の話からずいぶん遠ざかっていますが、何だか面白いのでもう少し続けます。
 禅の修行者はなぜコトバを排除するのか?それはたぶん自我を「自他未分化の状態」にまで差し戻すことによって、我が身をより「自在」にしたいということなのではないか?「自在」とは外部=自然が風のように身内を吹き抜けていく、というような状態のことです(動物は身内を風が吹き抜け、それに身体が反応することを永遠に繰り返しているわけです)。
 彼らはそうしたコトバ発生以前の風景にこそ、真の「現実」が開示されていると考える。これは一種の「自我の拡張」あるいは「人為的な初期化」であって、自他が未分化のまま開いている状態に他なりません。それによってより高い「自在性」(あるいは「自由」)を我が身に招来させようということなのでしょう(私見ですよ)。

 何やら小難しい話をしているのは、コトバの発生以前を考えてみることで、逆にコトバの在りようが見えて来るかもしれない、という読みがあったのでした。自他が未分化のまま開いている状態なら、他者に語りかけるコトバはそもそも必要ありません。自意識が芽生えると同時に外部が生じ、両者を架橋するためにコトバが発生したのではないか。それに不可欠な要素として、コトバには「意味」が必然的に付着してくるのだろう。で、コトバの持つ「意味作用」は外部だけでなく、我が身にも同時的に向けられているわけで、時に人は外部の他者とは関係なく、我が身内の「誰か」に向って語る場合もあるだろうということなのです。平たく言えば「内省」ということなのですが、これは「内なる他者」に向って語りかけることに他ならない。

 前に記憶の蓄積と忘却について触れたことがありますが(「記憶」と「時間」 2012年02月04日)、そこでは、
― 私たちの日常の「記憶」は日にちを重ねるごと、「折りたたまれて、蓄積されていく」 ―
のではないか、ということなのでした。
 ここでもまたネコのような動物を想定してみると、彼らでも痛い目にあった記憶は蓄積されているわけで、同じようなシチュエーションは避けようとする。しかし大事なことは彼らの記憶は、ほぼ間違いなく「日にち重ねるごと、折りたたまれて蓄積されていく」形なのではないだろうということなのです。いわばランダムな痛みの記憶の「反射」として、現在の振るまいがなされているわけで、そこにはもちろん「内省」などという働きはないでしょう(たぶん)。外部から風が吹き抜け、ほぼ自動的にそれに身体が反射している状態と言って好いのではないか?
 となると、人だけに生じるらしい「記憶の折りたたみ」には、やはりコトバの持つ「意味作用」が関係しているのだろう。たんなる五感の記憶のランダムな蓄積でなく、それを秩序づけているのはコトバであり、意味作用によって折りたたみという形で、記憶が「整序」されていくのだろう。で、この整序された折りたたみの在りようこそ「時間」という感覚なのではないか?



 と、年の瀬にもかかわらず、はなはだ晦渋な話をしてしまいました、すいません!

― つづく ―





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Last updated  2012.12.31 13:40:51
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TNサリエリ @ Re[1]:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) ナガノさんへ  コメントいただき、ありが…
ナガノ@ Re:Kyoto Tachibana High School Green Band 10.(09/07) 2年遅れで、この文章を読んで泣けてしまっ…
TNサリエリ@ ふたたび、コメントありがとうございます。 cocolateさんへ 私自身、彼女の演奏に刺激…
cocolate@ Re:エレクトーンというガラパゴス 1.(06/17) 再びおじゃまします。 826askaさんのYouT…
cocolateさんへ@ コメントありがとうございます。 三年ほど前に826asukaさんのことを知り、…

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