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2014年05月13日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 茂美と外山桜と豊岡美園と三室戸志乃のいつもの4人は、休み時間にたまたま1年生の教室前の廊下を、おしゃべりしながら歩いていた。

 すると反対側から朱雀鴒奈が歩いてきた。ひとりだった。

 しかし何やら本を読みながら歩いていた。

 茂美は朱雀鴒奈の姿を認めると、

「あ、れいなちゃん!」といった。

 そして茂美は朱雀鴒奈に向かって両手を大きく、盛んに振ったが、しかし肝心の朱雀鴒奈は歩きながらの読書に夢中なのか、茂美には気付かなかった。

 茂美は早足で朱雀鴒奈のまん前に行き、

「れいなちゃん!」と大きな声で読んだ。

 朱雀鴒奈は少し驚いたように、本から視線をはずし、


 外山桜も豊岡美園も三室戸志乃もそれぞれ順に、

 まあーれいなさん!とか、

 よーれいな!とか、

 れいな、げんきー!とか、

 いった。

 朱雀鴒奈は笑顔になり、
「しげみさん、みんな、この前はありがとう!」といった。

 豊岡美園は、
「野鳥観察、思ってたいじょうに楽しかったよ!」といった。

 三室戸志乃も、
「もし、この次も野鳥観察やるときは、行くよ!」と言葉をつなげた。


「れいなさん、また、一緒にお風呂に入りましょうよ!」と、つづいた。

 茂美はにこにこしながら、
「れいなちゃん、なに読んでるの?」と、いいながら本の表紙をのぞくようにして、どんぐりまなこをやる。本は文庫本だった。

 朱雀鴒奈は、少し恥ずかしそうに、
「あ、この本ね。郷原宏という人の『わが愛の譜(うた)』なの。滝廉太郎の物語なの」と、いって茂美やみんなに見やすいように表表紙を見せた。



 郷原宏『わが愛の譜(うた)』滝廉太郎物語、新潮文庫

 と、その通りに書いてあった。

 茂美は口を三角にとがらせ、
「ほおーれいなちゃん。滝廉太郎が好きなんだ?」と聞いた。

 朱雀鴒奈は、
「うん。お母さんに勧められて読んでいるの。それで読み出したら、けっこうおもしろくて、だから、ついつい廊下で歩いても読んでしまっていたのよ」といって、舌をだした。

 外山桜はうれしそうに、
「まあーすてき!滝廉太郎って、確か若くして、23歳で死んでしまったのよのね。それで有名な歌に、『花』とか、『箱根八里』とか、『荒城の月』とか、良い歌がたくさんあるのよね!」といった。さすがに歌好きの外山桜はよく知っていた。

 茂美も滝廉太郎の名前は知っていたし、今、外山桜が挙げた曲も全部知っていた。もっとも小学生のときや中学時代に音楽の時間に習ったのだから。しかし茂美は、滝廉太郎が23歳で、そんなに若くして死んでしまったとは知らなかったのである。

 茂美は、ふーん、そうなんだ、といった。

 三室戸志乃は、
「でもさ、れいな。どうしてお母さんは滝廉太郎の本を、読むようにいったんだ?」と、腕組みしながら聞いた。

 朱雀鴒奈は、
「うん、実はね。お母さんの実家は、滝というの。滝廉太郎とは親戚だったのよ」と、少し声を落としていった。

 ええええーなにーほんとうー?!

 茂美のどんぐりまなこはまんまるになった。他の親友たちも両目をまんまるにし、

 茂美たちは、そう声を挙げた。茂美たちの声は廊下じゅうに響いた。

 他の同級生たちが、なにごとか、と茂美たちを見たのである。








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最終更新日  2014年05月13日 21時28分59秒
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