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2005/01/29
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カテゴリ: おべんきょう
テレビではP&GがGilletteを買収したニュースが大きく報道されている。

これからはP&Gの製品でヒゲを剃ることになるのかな。



ちょうど「Health Economics」の授業のリーディングでも病院間のM&Aについての記事があった。


2005年1月17日付けのウォールストリートジャーナル
「FTC Targets Hospital Merger in Antitrust Case」
(Federal Trade Commission(連邦取引委員会)、病院間の合併に独占禁止法違反の目を光らせる)


FTCは日本の公正取引委員会に相当する。

記事によると2004年の間にアメリカでは130もの病院がM&Aにより買収され、その取引合計額は92.7億ドルに達するという。


これらの買収によって消費者たる患者にはどのような影響がでるのか。



しかし現実が示すところによると、合併後に市場における影響力(market power)を持ったある病院は40~60%の値上げを断行したという・・・。


まさに市場原理の悪い作用の代表例である。


この現象がアメリカの病院の8割を占める非営利病院の間でも起きているというから驚きだ。

連邦取引委員会の関係者は言う


「非営利病院は非営利と言っても支出を越える収入を得るためのインセンティブを持っている。彼らはその『利益』を営利病院のように株主に還元する必要がないため、賃金アップや機器の購入、さらには組織の拡大に費やすことができるのだ」


う~む、「非営利(nonprofit)」という看板に惑わされてはいけないということか。

確かに非営利組織と言っても組織の存続のためには充分なキャッシュフローが必要であろうし、規模の拡大の必要も出てくるだろう。


また、この記事では病院は無保険者に最も高い治療費を請求するという現実を指摘している。

私的保険加入が中心を成すアメリカでは、治療費は保険会社と病院の交渉によって決定される。

当然、交渉力の強い大きな保険会社の健康保険に加入していれば治療費も安くなる。

しかし、価格決定の代理人たる保険会社をもたない無保険者には交渉の余地なく高い治療費が請求されることになる。





病院のM&Aが私が前述した期待のように進む可能性はないのだろうか・・・。

「規模の拡大→市場での影響力増大→価格操作」という市場原理に企業(非営利組織)倫理・使命が働く余地はないのだろうか。

厳しい現実があるからこそ独占禁止法や関係取締り機関の存在意義があるのであろう。

日本の規制緩和で議論されている「営利組織による病院経営」において、市場原理の導入が及ぼす悪影響(患者の選別や料金の高騰など)を理由とする反対論がある。

営利病院の存在を認めるアメリカにおいてその存在が2割程度しかなく、さらに非営利病院によるM&A→価格操作という市場原理が働いているのはどういうことなのだろう。




まだまだ勉強が必要だ。


アメリカではそれ以前に4400万人にも達する無保険者の問題をなんとかせねばならない。

アメリカの医療システムや経済を語るときはいつもこの結論に陥ってる気がする・・・。


(関連する過去の日記: 高騰を続ける医療保険料:NPOの発表を聞いて





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Last updated  2005/01/29 04:01:45 PM
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