PR
キーワードサーチ
フリーページ
カレンダー
コメント新着
言わしめた精悍な顔。「ホントに芸能界の人なの?」と
思わずにはいられないほどの…「凛とした佇まい」って
言葉がピッタシ当てはまる、真面目さ・誠実さが伝わる
真摯な姿勢と喋り。
そして重厚でありながらも、どこかスマートで軽やかにも
思える、剛速球な演技と台詞回し。
あまり「名優」って言葉ぁ安売りしたくないが、この方は
「演劇に対する姿勢」という意味では「名優」と言い切って
構わない方だったと思う。
子供のころから慣れ親しんできた時代劇。そのひとつが、
TBS月曜8時、ナショナル提供の『大岡越前』。
『水戸黄門』も勿論だが、幼い日に亡き祖父母と一緒に見た
思い出深い時代劇だ。夕方に学校から帰ってきて、再放送の
古いやつも、よく見ていた。第1部~3部くらいかな?
その主役、大岡忠相役を1970年から1999年まで演じた俳優、
加藤剛さんが、6月18日に亡くなっていたという。
享年80。死因は胆のうガン。
…歌丸師匠もだが、小さいころから当たり前に見てきた人を
あの世に立て続けに送らなくてはならない、この現実が辛い。
他局で北大路欣也が演ったり、NHKのBSで、東山紀之が
TBSそっくりそのままのフォーマットで演ったが…。
私の中では「大岡越前守=加藤剛」という式は、絶~っ対に
崩れることはない。「寅さん=渥美清」と同じか、それ以上。
「ほかの役者は、絶対に大岡越前守は演っちゃダメだ!」と
声高に言いたいほど、完全な洗脳…つうか、刷り込みネ。
ムチャクチャな話なんだけども、ホントそれくらいの印象。
渥美清と似たようなもんだが、ほかのドラマで加藤剛さんが
(現代劇でも)出ていたら「大岡様が出てるのか…」などと
言ってしまうほどだったから、私は。
日本映画史に残る傑作、昭和49年の松竹映画『砂の器』で、
加藤剛さんは、主役であり犯人役ではあるが、私は初めて
見たときの感想は「大岡様が人を殺しちゃダメだ!」だった
(苦笑)。ホントにしょうがねぇ。
『大岡越前』のレギュラーメンバーは、もうこれでほとんどの
出演者が鬼籍に入ってしまった。
竹脇無我・片岡千恵蔵・大坂志郎・松山英太郎・中村竹弥・
天知茂・志村喬・加藤治子・和田浩治・武原英子・谷幹一…
初期のころのレギュラーばっかしだけど(再放送でよく見た
顔ぶれね)。
中学生のとき…ちょうど私が昔の日本映画にハマりだしたころ、
再放送の初期の『大岡越前』で、片岡千恵蔵・志村喬といった
お歴々と、ゲストの加東大介(!)が同一画面に収まった場面が
あって、大感動したのを覚えている。大坂志郎もいたような…。
今でも現役なのは、山口崇・宇津宮雅代・高橋元太郎…くらいか。
う~ん…ごく当たり前のことを当たり前に書くが、時の流れの
残酷さを思わずにはいられない。
近年、加藤剛さんは急速に歳をとった…というような痩せ方で
非常に心配していたが、やっぱり患っていたのか…。年齢より
遥かに若く見えていたのに、年相応になっていたというか…。
なんか、信じられない気持ちでいっぱいである。あの大岡様が
死ぬなんて…と子供のような感想だが、それしか出てこない。
また日本の演劇界は、大事な人を失ってしまった。
加藤剛さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。