思いもかけない恋におちて

< 新しい記事

新着記事一覧(全96件)

過去の記事 >

2005年04月01日

恋が終わった瞬間のこと

(4)

テーマ：この恋におちて･･･(330)

カテゴリ：カテゴリ未分類

ここ数ヶ月の私たちは・・・

いつも練習日は、目の端で彼を捜していました
知っているくせに、気がつかない振りをして
彼の視線を感じるときは、その方は見ないようにしていました

視線が絡むのは、偶然の一瞬しかない
そして何事もなかったように、時を過ごす
それが最近の私たちの行動でした

彼はいつも、一人離れたところに荷物を置きます
私は、タイミングを計って彼の傍に行く

ほんの少しの、二人だけの時間
私の、唯一の密やかな楽しみでした

恋の終わりは、突然やってきました

その日、彼が私の方に歩いて来るのが見えました
まっすぐ私の顔を見て、微笑みながら・・・
こんな事は、今までなかった
いつもいつも人目を気にしていましたから
こころにやましい事があると、自然には振る舞えない
私も、そして彼も・・・

それが・・・
こんなに堂々とした態度

私は驚いて、そして悲しくなりました

彼にとって、私は意識する存在ではなくなったのね・・・
そう直感しました

自分を覆っていた『憑き物』が落ちていくのを感じました

それは、頭で考えたことではなく

私の手が彼の手に包まれたとしても、なにも思わない
抱きしめられたとしても、なにも感じない
・・・そんな予感がしました
彼の唇に触れたがっていた私の唇が、「もういいの」と告げたような気がしました

恋の終わりは、私の身体が教えてくれました

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう